偶然、オンライン上でエンドゲームのテーブルデータベースを見つけました。
テーブルデータベースの進化により、今では盤上に残る駒が両キングを含めて6個か7個の場合は、全てのポジションで結果と最善手順が分かっています。
これにより、今まで自分の力ではどうしても分からなかったエンドゲームの勝ち方が分かりました。
Kuwata Susumu - Baba Masahiro
TOTOVS 2009(2)
position after 96... Ke3
以前、「Bronのスタディから」という記事でも扱いましたが、RB vs NB で逆色ビショップのマテリアルのエンドゲームは、ルークを持っている側が勝つエンドゲームです。
http://chessplayer.jugem.jp/?eid=761
しかしながら、勝ちの手筋は難解です。2019年、GRENKE Chess ClassicのVallejo Pons - Carlsenで同じマテリアルバランスが現れ、ちょっと話題になったエンドゲームですが、Carlsenもはっきり勝ち方を知っていたわけではなく、「手を進めていたら勝った」という感じでした。
私のゲームでは、白がここで決定的な悪手を指したので、上の局面から数手で勝つことができました。
97. Bc6? Bd6 98. Nf3 (98. Bg2 Rc2 (ツークツワンク)) 98... Rc2 99. Bb7 Kf2 0-1
しかし、97. Bc6? の代わりに97. Nh3! がベストディフェンスで、これに対しては長年、黒の勝ち方が見えずにいました。
97. Nh3!
[ここからの手筋はテーブルデータベースによる最善手順です。]
97... Rf6!
[白キングをバックランクに押し込めたのに、それを解除してしまうのは人間にはなかなか思い付かない発想かもしれません。私もずっと、ルークは2ndランクにキープしたまま勝ちの手を探っていました。]
98. Kh2
[(黒は次にRg6とし、gファイルで白キングをカットしにいくので、それを避けるため
98. Kg2
と上がると、)
98... Rg6+ 99. Kf1 Kf3
ANALYSIS DIAGRAM
(白のナイトの行き場がないのに注目です。)
100. Bd3 Rf6! 101. Ke1 Kg4!
ANALYSIS DIAGRAM
(100... Rf6! と101... Kg4! はとても盤上で見つけられそうにありません。白はナイトを救出しに行きますが、時すでに遅し...)
102. Bf1 Bb4+ 103. Ke2 Kg3 104. Ng1 Rf2 -+
ANALYSIS DIAGRAM
(これでピースが落ち、黒勝ちです。)]
98... Rg6 99. Be8 Bd6+ 100. Kh1 Rg3 101. Bd7 Bc5!
[これがとても見つけづらい手ですが、g1をルークとビショップの両方で抑えることで、白ナイトの行き場をなくします。]
102. Kh2 Kf3 103. Bc6+ Kg4 104. Bd7+ Kh4
[黒キングのポジションを改善し、完全に白を抑え込みました。]
105. Bf5
[(白がナイトを逃がそうとしても、別の手順で黒は勝つことができます。)
105. Nf4 Rg7 106. Ng2+ (106. Be6 Bd6! -+) Kg5 107. Bc8 Bf2!
ANALYSIS DIAGRAM
108. Be6 Rh7+ 109. Bh3 Rh6 -+
(白は少なくともナイトを失います。)]
105... Bd6 106. Kh1 Rf3 107. Bd7 Kg3 108. Ng1 Rf1
[ここまでくればあとは簡単です。]
109. Bb5 Rc1 110. Ba4 Bc5 111. Bb3 Rxg1#
心晴れる日曜の午後でした。