Mate with 2 Knights -Troitsky's line-

裸のキングに対して、ダブルビショップが残っている場合と、ナイト+ビショップが残っている場合には強制手順でチェックメイトにできます。しかし、次の例のように、ダブルナイトだけではメイトにできません。

 

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             Baba (2202) - Kojima (2197)

                                    百傑戦 2007

                     position after .77...Kxe3

 

78. Kg1 Kf3 79. Kf1 Kg3 80. Kg1 Ne3 81. Kh1 Nd3 82. Kg1 Ne1 83. Kh1 N1c2 84. Kg1 Nd4 85. Kh1 Nb3 86. Kg1 Nd2 87. Kh1 ½–½

 

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87...Nf3だとステールメイトですので、メイトまで1歩足りず、ドローです。

 

 

しかし、相手に1ポーンでも残っていると話が変わってきます。

現在進行中のIsle of Manのトーナメントで、KarjakinWorldクラスのテクニックを見せ、これが話題になっています。

 

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          Karjakin (2760) - Sevian (2634)

                             IoM Masters 2018

                       position after .92.Kf8 1-0

 

92…g2 93. Nd6 g1=Q 94. Nf7でメイトですので、黒のSevianはここでリザインしました。

 

局面を少し戻してみましょう。

 

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          Karjakin (2760) - Sevian (2634)

                            IoM Masters 2018

                         position after .61.Ng3

 

ちょうど片方のナイトでgポーンをブロックしたところです。g3のナイトはこのパスポーンをブロックしなければいけないので、動けません。黒キングは盤上をフリーに動き回れ、とても捕まるようには見えませんが、驚くべきことに白はキングと片方のナイトだけで黒キングを強制的にコーナーに押し込むことができるのです!

 

61...Kd4 62. Kf2 Kc3 63. Nd1+ Kd3 64. Ke1 Kc4 65. Kd2 Kd4 66. Nc3 Kc4 67. Nce2 Kd5 68. Kc3 Kc5 69. Nf4 Kc6 70. Kc4 Kd6 71. Nd3 Kc6 72. Ne5+ Kd6 73. Kd4 Ke6 74. Nc4 Kf6 75. Ne3 Ke6 76. Nef5 Kd7 77. Kd5 Kc7 78. Nd4 Kd7 79. Ne6 Ke7 80. Nc5 Kf7 81. Kd6 Kf6 82. Nce4+ Kf7 83. Kd7 Kf8 84. Nd6 Kg7 85. Ke6 Kg6 86. Nde4 Kg7 87. Ke7 Kg8 88. Kf6 Kh7 89. Nf5 Kg8 90. Ke7 g3 91. Nf6+ Kh8 92. Kf8 1-0

 

Karjakinのテクニックに酔いしれるのも良いと思いますし、きっと感銘を受けることでしょう。しかし、真相はどうでしょうか?

 

実際は黒ポーンがg4まで進んでいると、黒はドローにできたということです。Sevianの敗着は、gポーンをブロックしているナイトに近いコーナーに逃げたことです。代わりに、gポーンをブロックしているナイトから遠いコーナーであるa8に逃げたら、g3のナイトがファイナルステージで黒キングをメイトにしにいくのに手数がかかり、その間に黒はパスポーンをプロモーションさせることができます。例えば、78... Kb7! 79. Kd6 Ka6 80. Kc6 Ka7 81. Ne6 Kb8 82. Nc5 Ka7 83. Kc7 Ka8と、84. Nge4 g3 85. Nd6 g2 86. Nb5 g1=Qなど。

 

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では、いったい相手のパスポーンをどこでブロックしていれば勝ちになるでしょうか?

 

答えはTroitskyというendgame study composerの鬼才が発見していました。

 

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白黒両方でTroitsky'sのラインと呼ばれるものを示します。

 

このラインよりポーンが進むことなく片方のナイトでブロックできていれば勝ちだということです。

 

例えば、Karjakin-Sevianでは黒パスポーンがg4まで進んでいたので、Troitsky'sのラインを超えています。ですので、これは理論的にはドロー。もし、黒ポーンがg6にいるところでブロックできていれば強制的な勝ちがあるということです。

 

 

今回、私が学んだレッスンがChessbase Indiaにあります。2つあわせて見てもらえると理解が深まると思います。

 

What is Troitsky's line? An instructive endgame lecture

https://www.youtube.com/watch?v=VM9JWGbBQ4s

 

Update to what is Troitsky's line! Karjakin vs Sevian!

https://www.youtube.com/watch?v=gAPpIb51snQ

 

 

今回のテーマを見ていた時、次のゲームを思い出しました。

 

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      Higashishiba (2041) - Kojima (2463)

                      Japan Championship 2016

                        position after .44...Nxh5

 

白のポーンはTroitskyのラインより進んでない側で黒ナイトにブロックされるため、黒勝ちであることが分かります。実戦でも、黒が以下のように勝ちました。

 

45. Kf2 Ke5 46. h4 Ke4 47. Ke1 Kd3 48. Kf2 Kd2 49. Kf1 Nf3 50. Kg2 Ke2 51. Kh3 Ne5 52. Kg2 Ng4 53. Kh3 Ne3 54. Kh2 Kf3 55. Kh3 Nf4+ 56. Kh2 Ng4+ 57. Kg1 Kg3 58. Kh1 Ne3 59. h5 Ne2 0-1

 

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白ポーンがプロモーションする前に、Ng4-Nf2#が入ります。

 

これまでのレッスンから、白キングがh1ではなく、ブロックしているh5のナイトから遠いほうのコーナー(a1a8か)に逃げるべきだったと分かります。この時、実際に白キングをメイトにできるかどうか試してみるべく、自分の力でやってみることにしました。

 

46. Ke1

 

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白キングはa1に向かいます。 

 

46…Nb3 47. Kd1 Kd4 48. Kc2 Kc4 49. Kb2 Nd4 50. Ka3 Kb5 51. Ka2 Kb4 52. h4 Nc2 53. Kb2 Ne3 54. Ka2 Nc4 55. Kb1 Kc3 56. Kc1 Nb2 57. Kb1 Nd3 58. Ka2 Kb4 59. Kb1 Kb3 60. Ka1

 

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白キングをコーナーに追い込め、いよいよパスポーンをブロックしていたナイトの出番です。

 

60...Nhf4 61. h5 Ne2 62. h6 Nc3 63. h7 Nb4 64. h8=Q Nc2#

 

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何とかメイトまで持っていけましたが、実戦で間違いなくきちんと指せるようになるにはトレーニングが必要です。


Brugge Masters 2018 Report4

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大会4日目は黒で2041のプレーヤーと。黒番ですが、レイティングを取り戻す必要もありますし、ここは勝つしかありません。

 

Round7

Quinones Maletti, Julio Guillerm (2041,DEN)

Baba,Masahiro (FM,2306,JPN)

Brugge Masters 2018(7)

 

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Be3 e5 7. Nb3 Be7 8. Bc4

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[これまで数多くのNajdorfのラインを経験してきましたが、English attackSozin attackをミックスしたようなこのラインは初めてです。プリパレーション内でしたが、まだまだ手はあるんだなと思わされました。]

8...O-O 9. f3 Be6 10. Nd5 Nbd7 11. Qd2 Rc8 12. Na5 Bxd5 13. exd5 Qc7 14. O-O Nb6 15. Bb3 Bd8 16. c3 Nbxd5 17. Bxd5 Qxa5 18. Bxb7 Rb8 19. Be4 d5 20. b4 Qa3 21. Bxd5 Nxd5 22. Qxd5 Qxc3 23. Bc5 Bb6 24. Rac1 Qxb4 25. Qxe5 Rfe8 26. Qd6 Qb2 27. Bxb6 Rxb6 28. Rce1 Rc8 29. Qd7 Rbb8

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[メジャーピース以外の駒交換が終わり、ドロー模様に。しかしすぐにはドローを受けず、白にプレシャーを与え続けるようなセットアップを考えます。]

30. Rf2 Qb6 31. Qd2 h6 32. g3 Rd8 33. Qc2 Rbc8 34. Qb2 Qc6 35. Qb3 Qf6 36. Qe3 Rc3 37. Qe4 Rcd3 38. Kg2 Qc3 39. Qe5 Qc6 40. Qe4 Qb6 41. Qa4 Kh7 42. Qe4+ g6 43. Qc4 R8d7 44. Qf4 Kg7 45. Qe5+ Qf6 46. Qc5

[白はクイーン交換せず、クイーンを残してディフェンスすることに。ドローを狙うなら、クイーンは交換したほうがドローにしやすいと思います。]

46...R7d5 47. Qc2 Rc3 48. Qe4 Rcd3 49. Qe2 h5!

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[h5-h4を見せ、白にh4を突かせ、白キング前を弱めます。]

50. h4 Qc3 51. Qe4 Rf5 52. Ref1 a5!

[端ポーンをa3まで進めておくのはあとあと有効です。]

53. Qe2 Kh7 54. Rd1 Re3 55. Qf1 a4 56. Rc1 Qa3 57. Re1 Rc3 58. Qe2 Qc5 59. Qd2 a3 60. Qe2 Qc6 61. Rb1 Qc7

[少し時間を使って61... Rfxf3を考えましたが、62. Rxf3 Rc2 63. Re1 Kg7 64. Qf2 Rxf2+ 65. Kxf2では黒は勝てません。]

62. Re1 Kg7 63. Qe4 Qc5 64. Qe2 Qd4 65. Rd1 Qc5 66. Re1 Rc4 67. Qe3 Qd6 68. Rd2 Qc6 69. Rf2 Rc3 70. Qd4+ Qf6 71. Qe4

[2度目のクイーン交換のチャンスでしたが、ここも換えてきませんでした。]

71...Kh7 72. Qe2 Rfc5 73. Qd2 Qf5

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[f3を狙うのはあきらめ、c2から2ndランクへのルーク侵入への方針転換をします。]

74. Qd1 Rd3 75. Qa4 Re5 76. Qb4 Rxe1 77. Qxe1 Qd5

[ルークを1つ交換し、バックランクを弱めました。お互いに時間切迫の時は、いろいろと状況を変えると相手が新しい状況に十分に対処できず、ミスが出やすくなるので、戦術的に効果的です。]

78. Qe2 Rd1 79. Qe7 Ra1 80. Qe2 Rb1 81. Qe3?? Qd1 0-1

[最後の最後に相手にミスが出て勝利。]

 

4時間半のゲームの後、まったく休みなしに次のラウンドがスタート。Brugge Mastersでただ1つ問題を挙げるとすれば、午前のゲームと午後のゲームのインターバルが短すぎること。午前のラウンドが10:00にスタートして午後のラウンドが15:00スタートだと、ちょっとでも午前のゲームが長引くと昼食をとる時間さえありません。

 

続いては中国の女子プレーヤーとでした。過去、中国の女子プレーヤーとの対戦は33ドローと勝ちがありません。(とはいっても皆、タイトルホルダーですが…)

 

Round8

Baba,Masahiro (FM,2306,JPN)

Du, Yuxin (2064,CHN)

Brugge Masters 2018(8)

 

1. e4 c6 2. Nf3 d5 3. exd5 cxd5 4. Ne5 Nc6 5. d4

[疲れていたのでCaro-Kannのメインラインには飛び込みません。相手もこのラインの経験がないことは明らかで、序盤から時間を使ってきます。]

5...Qb6 6. c3 Nf6 7. Bd3 g6 8. O-O Bf5

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[このストラクチャーではよくあるアイディアですが、ポーンの形を崩しておいて白が悪いはずはないと考え、ピース交換を受けます。]

9. Bxf5 gxf5 10. Qd3 e6 11. Nxc6 Qxc6 12. Re1 Ne4 13. f3 Nd6 14. Bf4 Be7 15. Nd2 Rc8 16. Rac1 Nc4 17. Nxc4 Qxc4 18. Qd2 Bf6 19. b3 Qa6 20. Bg5 Bg7 21. Bh6 Bxh6 22. Qxh6 Rg8 23. Qf6 Rg6 24. Qh8+ Kd7 25. Qxh7 Rcg8 26. Qxf7+ Kd8!

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[白のチェックが途切れ、黒にチャンス到来です。この大事な局面でg2の守り方を間違えます。]

27. g3? Qxa2

[ここにきてRxg3+がかなり受けにくいスレットであることに気づきます。28. Kh1には28...Rh8 29. h4 Rxh4+! で終わりです。]

28. Kf1 Qxh2 29. Qxb7 Rxg3 30. Qb8+ Ke7 31. Rxe6+

[ダメもとでもこう指してパペチュアルを狙うしかありません。]

31...Kxe6 32. Re1+ Kf6 33. Qd6+ Kg5 34. Qe7+ Kh6 35. Re6+ R3g6 36. Rxg6+ Rxg6 37. Qf8+ Kh7 38. Qf7+ Rg7 39. Qxf5+ Kh8?!

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[ここは39...Kg8! でチェックが途切れます。相手がパペチュアルを受け入れてくれたのはありがたかったです。]

40. Qf8+ Kh7 41. Qf5+ Rg6 42. Qf7+ Rg7 43. Qf5+ Kh8 44. Qf8+ ½–½

 

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つづく

 


Shanghai Chess Club

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中国駐在になってから2ヶ月が経ちました。突然の報告にはなりますが、この先しばらく日本からは離れ、私の活動地は主に中国(付近)になります。(もちろん、ちょくちょくは帰国しますが)

 

先日のBatumi OlympiadではOpenWomenセクション共に中国が優勝したり、中国のトッププレーヤーのDing Lirenがレイティング2800を超えたりと、ますます勢いに乗る中国ですが、中国国内のチェス事情は世界にはあまり知られていないと思います。そこで、私がこちらにいる間、少しずつ中国のチェス事情を探っていこうと思っています。

 

 

中国では大きく分けて、中国チェス協会の主催するイベントと、中国チェス協会とは無関係な各都市で活動するチェスクラブのイベントがあります。

 

中国チェス協会の主催するイベントにはリーグ戦、オープン・トーナメント、少年少女を対象にしたトーナメントなどがありますが、外国籍の一般の愛好家が参戦できるのは数少ないオープン・トーナメントくらいでしょう。このオープン・トーナメントの情報も中国チェス協会のHPで中国語でしか案内されていないことが多く、取っ付きにくいのが難点です。さらに、今、河北省の邢台という都市で開かれているオープン・トーナメントは、参加者55名と小規模ですが、参加者の平均レイティングが2277と、マスターレベルのプレーヤーでないと少し敷居が高いトーナメントになっています。日本のプレーヤーが中国を選ばず、マレーシアやタイといった東南アジアのオープン・トーナメントに参戦するのは自然なことなのでしょう。

 

中国チェス協会とは無関係に各都市で活動するチェスクラブはいくつかあり、私が確認した限り、北京、上海、広州、深圳、香港といった大都市では何らかの活動があるようです。ローカル・クラブは、主に駐在の外国人や現地の愛好家が設立したクラブで、定期的に集まってゲームをし、長期間のトーナメントはなく、あってもブリッツ・トーナメントorラピッド・トーナメントです。長いタイムコントロールでゲームをする場合には、何週間かのスパンでのリーグ戦の形式をとることはあります。なお、ローカル・クラブでの活動には中国のマスター達は基本的に来ません。(各クラブが国内外のGMIMに同時対局やレクチャーを依頼することはあります。)

 

私はどちらかと言えば、より真剣で、ある程度のレベルが期待できる、中国のマスター達が参戦するトーナメントのほうに参戦したいのですが、ローカル・クラブの活動も見ておくべく、先日、Shanghai chess clubに立ち寄りました。今回はそちらのクラブでの活動の一部を紹介したいと思います。

 

 

Shanghai chess clubHP

http://www.shanghaichess.com/

 

Shanghai chess club2007年に設立されたクラブで、毎週、月曜と木曜の夜に活動しています。私が訪れたのは木曜の夜でした。木曜日は衡山路の徐家駅近くのPark Tavernというレストランの2Fを借り切ってブリッツ・トーナメントを開催しています。

 

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18:00頃から店の人間によって会場がセットされ、19:30から参加受付、20:0022:00がスイス式の6Rのブリッツ・トーナメントとなります。私が会場に着いたのは19:00頃でしたが誰もおらず、1ドリンク制とのことだったので、青島ビールを飲みながら待つことに。

 

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結局、この日に集まった全員がブリッツ・トーナメント参加目的であり、20:00を少し回ったところでR.1が開始となりました。参加費は30人民元(500円くらい)で、持ち時間は5m+3sと少し余裕のあるものでした。参加者は国籍が様々で、ここは中国か?!と思うくらい中国語が全くなく、そういった意味では新鮮な経験でした。GM1人とFM1人以外は2000未満のプレーヤーでしたので、メインのライバルは2人でした。

 

 

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Rogovski (GM,2461,UKR) - Baba (FM,2303,JPN)

                             Shanghai 2018

                                Black to move

 

ここで、一度bxc5を入れるべきか悩みましたが、次の1手の誘惑に勝てませんでした。

 

1...Qh3!

 

このクイーンを白が取れないことを利用して、g2への圧力をかけます。次の白の切り返しは想定内でした。

 

2. Qxg6! Qh1+ 3. Kf2 Qxc1

 

3...Qxg2+ 4. Ke1 Qg1+ 5. Kd2 Qd4+ 6. Qd3! では攻めが続かないので、おとなしくルークを取り返します。

 

4. Qe6+ ½–½

 

白からパペチュアルチェックを入れ、ドローに。4.cxd6などで勝負に出ても、4…Qh1g2を守ることはできないので、白はパペチュアルチェックを入れざるを得ません。

 

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残りのゲームは全勝で5.5Pとなり、Rogovskiとポイントは並びましたが、タイブレークで優勝となりました。170人民元のPark Tavernのクーポン券をもらいましたが、おそらく期限内に使うことはないと思います

 

結果は以下の通りです。

http://chess-results.com/tnr383722.aspx?lan=22

 

 

このトーナメントには誰でも参加できるので、皆さんも上海に滞在されることがあれば、ぜひ立ち寄ってみて下さい。


Brugge Masters 2018 Report3

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3日目はセンサーボードでGM Korneevとの対戦。今はロシアからスペインに籍を移して主にコーチングで生計を立てているKorneevですが、全盛期は2680以上あったプレーヤーです。ありとあらゆるラインで経験豊富で、ほとんど対策しようがありませんでした。

 

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Round5

Korneev, Oleg (GM,2513,ESP)

Baba,Masahiro (FM,2306,JPN)

Brugge Masters 2018(5)

 

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Be3 e5 7. Nf3 Qc7 8. a4 Be7 9. Be2 O-O 10. O-O b6 11. Nh4 g6 12. Nf3 Bb7 13. Qd3 Nbd7 14. Nd2 Rac8 15. Bf3 Nc5 16. Qc4 Qd8 17. Qa2 Ne6 18. Qb3

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18...Nd4?

[18...Nc5 19.Bxc5 Rxc5 20.Nc4b6を狙われるのを嫌い、打開策として指した手ですが、単純に20.Ne2でポーンが落ちることを見落としていました。このあとの指し手はさすがGMといったところで、チャンスを作らせてはもらえません。]

19. Bxd4 exd4 20. Ne2 d5 21. exd5 Nxd5 22. Nxd4 Qd7 23. Rfd1 Nf4 24. Bxb7 Qxb7 25. Qf3 Qc7 26. Ne4 Rfd8 27. g3 Nh3+ 28. Kg2 Ng5 29. Nxg5 Bxg5 30. h4 Bh6 31. c3 Bg7 32. Nc2 Qc4 33. Ne3 Qb3 34. Nd5 Re8 35. Rd2 Re6 36. Qf4 a5 37. Ra3 Qc4 38. Qxc4 Rxc4 39. b3 Rce4 40. Raa2 h5 41. Rd3 Bh6 42. Nc7 Rc6 43. Nb5 Kg7 44. Rd6 Rxd6 45. Nxd6 Re6 46. Nb5 g5 47. Nd4 Re1? 48. hxg5! Bxg5 49. Nf3 1-0

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[Korneevは中国のGM2人への勝ちも含む61ドロー2bye7.5Pで優勝。]

 

続く午後のラウンドは相手レイティングがガクッと落ちて1800台のプレーヤーと。試合開始20分を過ぎても相手が現れないので、もしかしたら来ないのかなと思いながら待っていましたが、時間いっぱいプレパレーションしていたみたいでした。

 

Round6

Baba,Masahiro (FM,2306,JPN)

Juciute, Einora (1828,LTU)

Brugge Masters 2018(6)

 

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nd2 Nf6 4. e5 Nfd7 5. Bd3 c5 6. c3 Nc6 7. Ngf3 cxd4 8. cxd4 f6 9. exf6 Nxf6 10. O-O Bd6 11. b3 O-O 12. Bb2 Qc7 13. Rc1 Bd7 14. Ne5 Qb6 15. Ndf3 Nb4 16. Bb1 Bb5 17. Re1 Bxe5 18. dxe5?!

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[午後のラウンドで疲れが出ている影響もあり、少し雑なプレーが続きます。ここはナイトで取るのが正解です。]

18...Ne4 19. Bd4 Qa6 20. Bxe4 dxe4 21. Rxe4? Qxa2 22. Bc5 Rfd8 23. Rd4 Nc6! 24. Rxd8+ Rxd8 25. Bd6 Be2 26. Qc2 Qxc2 27. Rxc2 Bxf3 28. gxf3 Rd7

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[ポーンの形を崩され、相手のピースのほうが働きもよいので、すでに黒良しです。]

29. Kg2 Nd4 30. Rc8+ Kf7 31. f4 Kg6 32. Bc5 b6 33. Bxd4 Rxd4 34. Kf3 Rd3+ 35. Ke4 Rxb3

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36. f5+!?

[ポーンダウンで厳しい白の唯一のチャンスはパスポーンを作ることだと考え、この手を狙っていました。]

36...exf5+ 37. Kd5 Rb2 38. Rc6+ Kg5 39. Rc7 Rd2+ 40. Ke6 Kg6 41. f4 Rd4 42. Rc3 Rxf4 43. Rg3+ Kh6 44. Rh3+ Kg6 45. Rg3+ Kh6 46. Rh3+ ½–½

[何とかドローに逃げることができました。]

 

 

この日は19:30から9Rのブリッツ・トーナメントがあったのですが、さすがに疲れていたので参加は見送りました。夕食をとったのち、観戦にだけ行ったのですが、皆さんベルギービールを片手に楽しんでいました。

 

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つづく


Brugge Masters 2018 Report2

大会2日目です。Bruggeにいる間、ずっと体が時差に慣れず、毎朝4時くらいには起きていました。ホテルの朝食会場が開くのが6時なので、開いたと同時に朝食をとり、そのあと街を散策しに行くのが日課となりました。

 

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Round3

Mitran, Anthony Cristian (2096,BEL)

Baba,Masahiro (FM,2306,JPN)

Brugge Masters 2018(3)

 

1. Nf3 Nf6 2. b3 g6 3. Bb2 Bg7 4. d4 O-O 5. Nbd2 c5 6. dxc5 Na6 7. e4 Nxc5 8. e5 Nfe4? 9. Nxe4 Nxe4 10. Qd5!

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[ナイトの帰り道がなく、一瞬、心臓が止まりました。絶望的になって10...Nxf2? と指しかけましたが、ここは落ち着いて次のオンリームーブを見つけられて良かったです。]

10...Nd6 11. O-O-O Ne8 12. e6!? Nc7 13. exf7+ Rxf7 14. Qe4 d5 15. Ng5 Qf8 16. Qh4 Bxb2+ 17. Kxb2 Qg7+ 18. Kb1 Rf8 19. Qg3 e5

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[黒はセンターのフレキシブルな2ポーンが強いのと、a5-a4aファイルを開いたり、Bf5Rc8からc2を狙いにいく手が分かりやすく、この時点で黒が勝ちにいけるポジションと考えました。この状況を打開するため、私も予想していた通り、白はエクスチェンジを切ってきます。]

20. Rxd5!? Nxd5 21. Bc4 Bf5 22. Rd1 Rad8 23. Rxd5 Rxd5 24. Bxd5+ Kh8 25. Nf7+? Rxf7 26. Bxf7 Qxf7 27. Qxe5+ Kg8 28. Qb8+ Qf8 29. Qxa7 Qc8

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[29.Qxb7にも29...Qc5があり、どちらにしてもc2が落ちます。これがあるため、25.Nf7+はダメです。]

30. Kb2 Qxc2+ 31. Ka3 Qc1+ 32. Kb4 Qe1+ 33. Ka3 Qe7+ 34. b4 Be4 35. Qe3 Qe6 36. f3 Bd5 37. Qa7 Qe2!

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[a2をビショップで取りにいっても勝ちでしょうが、クイーンで取れればメイトです。白クイーンでのチェックが途切れることを読んでクイーンをベストポジションにセット。]

38. Qb8+ Kg7 39. Qc7+ Bf7 40. Qc3+ Kh6 41. Qc1+ g5 42. Qa1 Qd3+ 43. Kb2 Qd4+ 44. Kb1 Qxb4+?!

[44Bg6+! を見逃していました。]

45. Kc2 Qc4+ 46. Kd2 Qxa2+ 0-1

[相手の少年にとっては不本意な負けだったでしょうが、彼は最終ラウンドに2412IMに勝ち、6Pとっていました。]

 

オープニングでのエラーを克服して貴重な勝ち星をあげ、午後のゲームへ。

 

Round4

Baba,Masahiro (FM,2306,JPN)

Moreto Quintana, Alex (2121,ESP)

Brugge Masters 2018(4)

 

1. e4 c5 2. Nf3 e6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nc6 5. Nc3 Qc7 6. Be3 a6 7. Qf3 Ne5 8. Qg3 h5

[ここは悩んだ結果、今年の百傑戦で小林厚彦くんに指したラインを再度試してみることにしました。]

9. Nf5!? exf5?!

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[ナイトサクリファイスをアクセプトすると、このゲームのように、白に強力な主導権が生まれ、受けるのが難しくなります。盤上で見つけるのは難しいですが、GiriMamedyarovに対して指したように9...f6! がベストです。]

10. Nd5 Qb8 11. Bb6 h4 12. Qc3 Bd6 13. f4 Nf6 14. Nc7+ Kf8 15. fxe5 Nxe4 16. Qa5 Bxc7 17. Bxc7 Qa7 18. Bb6 Qb8

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19. Bd3?

[e4のナイトを消し去ったあと、0-0f7をダイレクトに狙えば簡単に白勝ちだと考えていました。もちろん、それでも勝ちですが、19.Ba7! という決定打があります。]

19...Rh5? 20. Ba7!

[ここでようやくQd8でメイトなのに気付きました。]

20...b6 21. Qa3+ 1-0

[今大会最短の、1時間半くらいで終了。]

 

2日目は気分よく2連勝で次はGM Korneevとの対戦です。

 

DSC_0167.JPG

 

つづく


Batumi Olympiad 2018 Round10 Round11

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大会が閉幕しました。

 

日本はR.10にミャンマーに勝ち、R.11にチュニジアに勝ち、2つ勝ち越しで185チーム中58位。過去最高の戦績です。スタート順位が97位なので、40位近く順位を上げたことになり、大成功だったと思います。

 

R.10でミャンマーに勝ったあと、1つ勝ち越した状態で当たったのは、1つ勝ち越しのグループの中ではさほど強くないチュニジアで、十分に勝てる可能性がありました。(相手のチュニジアもそう思っていたと思いますが。。。)

 

Amdouni, Zoubaier (FM,2218,TUN)

Kojima, Shinya (IM,2408,JPN)

Batumi Olympiad Open 2018(11)

 

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4 Qc7 5. Nc3 a6 6. Nge2 e6 7. Ng3 Ne7 8. Bg5 Nd7 9. Qf3 Bxc2 10. Rc1 Be4 11. Ngxe4 dxe4 12. Qxe4 Qb6 13. Bxe7 Bxe7 14. Bd3 O-O-O 15. O-O Kb8

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[白黒両サイドにキャスリングし、非常にシャープな展開になります。白のd4のポーンは明らかに弱点で、キングサイドアタックはさほど脅威ではないように見えるため、私も黒を持ちたいポジションです。ここで一時、観戦を中断し、街へ夕食へ。]

16. b4 f5 17. Qe3 Nf8 18. Ne2 Bxh4 19. a4 Ng6 20. b5 cxb5 21. axb5 a5 22. Bc4 Rhe8 23. Qb3 Bg5 24. Ra1 Nf4 25. Qc3 Rc8 26. Nxf4 Bxf4 27. Rfd1 Red8 28. Qb3 Rxd4 29. Bxe6 Re8 30. Bxf5 Rxe5 31. Rxd4 Qxd4 32. Rd1 Bg3!!

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[これはすごい手でした。バックランクメイトがあるため、白はRxd4とクイーンを取ることはできません。また、Qxg3にはQxd1+です。さらに、f5のビショップとf2のポーンの守りがなく、同時には守れないため、白はf2のポーンを落とさざるをえません。]

33. Qf3 Bxf2+ 34. Kh2 Rxf5 35. Qxf5 Qxd1 36. Qf4+ Kc8 37. Qc4+ Kd7 38. Qf7+ Kd6 39. Qf8+ Kc7 40. Qxf2 Qh5+ 41. Kg1 Qxb5 42. Qg3+ Kb6 43. Qxg7 h5

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[2ポーンアップ。日本で観戦している誰もが黒の勝ちを確信したと思いますが、ここから勝ちまではまだ長い道のりでした。]

44. Kf2 a4 45. Ke3 a3 46. Qf7 Ka6 47. Qf8 Qb6+ 48. Kd3 a2 49. Qa8+ Qa7 50. Qh8 b5 51. Kc2 Qb7 52. Qf6+ Ka5 53. Qd8+ Ka4 54. Kb2 Qxg2+ 55. Ka1 Qf1+ 56. Kxa2 Qe2+ 57. Kb1 Kb3 58. Qd5+ Kc3 59. Qc5+ Qc4 60. Qe5+ Qd4 61. Qe1+ Kb3 62. Qe6+ Qc4 63. Qe3+ Kb4 64. Kb2

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[ちょうどこのあたりで、新宿三丁目で観戦していたメンバーと合流し、私もここから観戦に参加。時間がない中、Qa3#やパペチュアルチェックをどう逃れるか。]

64...Qc5 65. Qe1+ Kc4 66. Qe2+ Kd4 67. Qf2+ Kd5 68. Qf5+ Kc6 69. Qc8+ Kb6 70. Qd8+ Qc7 71. Qd4+ Ka6 72. Qd5 Qg7+ 73. Kc2 Qg6+ 74. Kb2 Qf6+ 75. Kb3 h4 76. Kb4 Qf4+ 77. Ka3 Qc1+! 0-1

[白はクイーン交換が避けられず、ポーンエンディングは負けなので、ここでリザインしました。小島くんは2500を超えるパフォーマンスで、日本の1Bとして堂々たる戦いぶりでした。]

 

Womenチームは2つ負け越しで、102位でフィニッシュ。(スタート順位96位)順位は落としたものの、メンバーのレイティングはだいたい+なので良かったと思います。

 

 

全体では中国がOpenWomenともに優勝。Womenはともかく、Openも最後に優勝をかっさらってしまったのには驚きました。

 

何はともあれ、皆さんお疲れ様でした。2週間、楽しかったです!


Batumi Olympiad 2018 Round8 Round9

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大会は終盤に向かいつつあり、プレーヤーも疲れが出てくるころだと思いますが、日本チームはとても良いゲームを見せてくれています。特にR.9Open4人全員GMのペルーと、Womenがレイティング200くらい上のベルギーとの対戦で、結果的にはどちらも負けましたが、最後まで目が離せないマッチになりました。

 

Openチームはカラーバランスを考慮してか、ここまで順調にポイントをあげてきた山田弘平くんを下げ、松尾さんが登場。その松尾さんが(ここまでで)今大会最大の見せ場を創出。

 

Matsuo, Tomohiko (CM,2170,JPN)

Martinez Alcantara, Jose Eduardo (GM,2565,PER)

Batumi Olympiad Open 2018(9)

 

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 a6 4. Ba4 Nf6 5. O-O Be7 6. Re1 b5 7. Bb3 d6 8. c3 O-O 9. h3 Bb7 10. d4 Nd7

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11. Nbd2 exd4 12. cxd4 Bf6 13. Nf1 Na5 14. Bc2 Re8 15. Bf4 g6 16. Rc1 c5 17. b3 Nc6 18. d5 Nce5 19. N1h2 Nxf3+ 20. Qxf3!

[クイーンで取り返すのが上手い1手です。h2のナイトはg4に跳んでアタックに参加します。]

20...Ne5 21. Qg3 Qa5 22. Bb1 c4 23. Red1 h5?

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[私にはこの手は単なる悪手に見えます。g4にナイトを跳ばせないようにする目的だと思いますが、キングサイドを弱めるのと、何よりc4のポーンが落ちます。]

24. Bxe5! Bxe5 25. f4 Qb6+ 26. Kh1 Bg7 27. bxc4 bxc4 28. Rxc4

[黒はコンペンセーション無しの1ポーンダウン。松尾さんの強いところは、相手がGMであれ、客観的に良い局面では確実にアドヴァンテージを拡大して勝ち切るところです。]

28...a5 29. Nf3 Qe3 30. Rc7 Qb6 31. Rc4 Qe3 32. Rc7 Qb6 33. Rcc1!

[No draw!]

33...Bh6 34. Nd4 Kh7 35. Rc3! Qd8 36. Nc6 Qf6 37. Rf3

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[e4-e5の準備が整いました。]

37...Bxc6 38. dxc6 Ra7 39. f5! Qe5 40. fxg6+ fxg6 41. Rxd6 Rg7 42. Qxe5 Rxe5 43. Rc3 Ree7 44. g3!

[非常に冷静な1手で、黒ビショップの動きを封じます。あとはポーンをゆっくり前進させるのみです。]

44...h4 45. e5 Rc7 46. Kg2 hxg3 47. Kxg3 Kg8 48. Bxg6 Rge7 49. e6 Bf8 50. Bf7+ Kg7 51. Rd8 Ra7 52. Kf4 1-0

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[Excellent!!!]

 

大会は残り2Rです。頑張れ!JAPAN

 

 


Batumi Olympiad 2018 Round6 Round7

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レストデーが終わり、後半戦がスタートしました。

R.6のスリナム戦では、チーム最ベテランの松尾さんが悪くなりながらも逆転勝利。

 

Hanoeman, Suradj (CM,1996,SUR)

Matsuo, Tomohiko (CM,2170,JPN)

Batumi Olympiad Open 2018(6)

 

1. d4 Nf6 2. Nf3 c5 3. d5 b5 4. e4?!

[怪しいギャンビットです。]

4...Nxe4 5. Bd3 Qa5+ 6. Nc3 Nxc3 7. bxc3 Bb7 8. Bd2 c4 9. Be4 g6 10. Ng5 h6

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[松尾さんもf7へのサクリファイスは見えていたと思いますが、まさか本当に飛び込んでくるとは思っていなかったでしょう。白の指し方はブリッツのようです。]

11. Nxf7!? Kxf7 12. Qf3+ Ke8 13. Bxg6+ Kd8 14. Qf7 Kc8 15. O-O d6 16. Bf5+ Nd7?

[この手が松尾さんの策略か単なるブランダーか定かではありませんが、ここでピースを返すと明らかに白良しになります。]

17. Qe8+ Qd8 18. Bxd7+ Kc7 19. Qxd8+ Rxd8 20. Be6

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[白のエキセントリックな指し手が功を奏して黒が1ポーン以上に苦しい局面となりました。]

20...Bg7 21. Rfb1 a6 22. g4!?

[a1にルークを残したのなら、ここは22. a4でクイーンサイドを開くのが筋ですが、白は予想外のポーンを突いてきました。]

22... Bc8 23. Re1 Bf6 24. f4 b4 25. cxb4?

[白はここでエクスチェンジを捨てる必要はありません。25. Re4! なら黒が困ります。]

25... Bxa1 26. Rxa1 Bxe6 27. dxe6 h5 28. g5 Rhf8!

[まずはf5を突かせないことが重要です。]

29. b5 Kb6 30. Be3+? Kxb5 31. Rb1+ Kc6 32. Rb6+ Kd5

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[ずっと追われていた黒キングですが、ここに来て力を発揮し、e6のポーンを落としにいって黒勝勢です。]

33. Rxa6 Kxe6 34. Kf2 Ra8 35. Rc6 Kd5 36. Rc7 e5 37. Rb7 exf4 0-1

 

見ているほうは冷や冷やしましたが、結果オーライ、チームも4勝で勝利です!

続くR.7UAE戦では、小島くんに黒星がつくも、チームはなんとかドローに落ち着きました。

 

Womenチームはトリニダード・トバゴに勝ったあと、シンガポールに負け。1つ負け越しなので、次のラウンドに勝って、イーブンに戻してほしいところです。


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