World Junior Championship 2017

イタリアで開催されたWorld Juniorが終了しました。日本から参戦のHiebert Kenjiくんは5.5P/11Rの好戦績で終了。パフォーマンス2322、レイティングは+154.4!)で、次回発表時には多くの日本トップ勢を追い抜き、2171まで上がります。序盤は2300台に21ドローと良いスタートを切りましたが、中盤で3連敗と後退。そのあとどうなるかなと思って見ていましたが、最後3連勝(!)でフィニッシュ。スタートランク133位の中、最終ランクは82位まで上がりました。

 

個人成績は以下のリンクで確認することができます。

 

http://www.chess-results.com/tnr305835.aspx?lan=1&art=9&fed=JPN&flag=30&wi=821&snr=133

 

最終ラウンド以外のゲームはすでに公開されています。個人的には次のゲームが良かったと思いますので、簡単に紹介します。

 

Favaloro,Andrea (2260,ITA)

Hiebert,Kenji (2017,JPN)

World Junior Open 2017 Tarvisio (10)

 

1.b3 e5 2.Bb2 Nc6 3.Nf3 e4 4.Nd4 Nf6 5.e3 Bc5 6.Nxc6 bxc6 7.d3 d5 8.Nd2 00 9.Be2 Bf5 10.g4 exd3 11.cxd3 Be6 12.Rc1 Bb6 13.g5 Nd7 14.Rg1 c5 15.h4 a5 16.h5 d4 17.e4 f5! 18.Ba3 Qc8 19.Qc2 Qa6 20.f4?! a4 21.b4 cxb4 22.Bxb4 c5 23.Ba3 fxe4 24.dxe4 [24.Nxe4 Rxf4-+] 24...d3! 25.Bxd3 c4 26.Nxc4 Bxg1 27.f5 Bf7 28.g6 Be8 29.Kf1 Bc5 30.Bb2 Qa7 31.Qc3 Nf6 32.Ne5 Rc8 33.Bc4+ Kh8 34.h6 Nxe4! 35.Nf7+ Rxf7 [35...Qxf7? 36.Qxg7+ Qxg7 37.hxg7#] 36.hxg7+ Rxg7 [36...Kg8? 37.gxh7+ Kxh7 38.g8Q+ Kxg8 39.Qh8#] 37.Qh3 Bd4! 38.f6 Bxf6 39.Rc2 [39.Qxc8 Qf2#] 39...Bxb2 40.Qxc8 Qd7 41.Qxd7 Rxd7 42.Bb5 Rd1+ 01

 

この大会では、交通が不便、宿の設備が悪い、オーガナイザーの対応が悪いなど、インドのコーチがchessbase indiaでクレームを公表しています。私はイタリアの片田舎では国際大会のレベルを満たすのはなかなか難しいのでは?と5年前にイタリアのRocca Prioraで開催された小さなオープントーナメントに記憶を重ねました。(運営は全く問題ありませんでしたが)

 

とにかく、アービターとして参加されたYumiさん、プレーヤーとして参加されたKenjiくん、お疲れ様でした。


Asian Amateur Chess Championship 2017

11/23-30の日程でタイのチェンマイで開催中のAsian Amateurに日本から3名が参戦中です。この大会、参加資格はFIDEレイティング2100以下、FIDE Master以上のタイトル無し、アジア諸国のプレーヤーです。

 

結果等、情報は以下の大会の公式ページから。

 

http://asianamateurchess2017.com/


Nagoya Open 2017

名古屋でのトーナメントは2012年の東海Open以来、5年ぶりです。初日終わって2.5Pで終え、迎えた2日目の朝のラウンドは大先輩の松尾さんと。初めての対戦が1999年で、実に18年の時を経て、2戦目となります。

 

Matsuo,Tomohiko (2256)

Baba,Masahiro (FM,2410)

Nagoya Open 2017(4)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.Qe2

Matsuo1.gif

[Najdorf Classicalでの松尾さんの得意ライン。これに対して、2007年のCappelleでカナダのIMに教えてもらったややリスキーなラインを試します。]

7...Be7 8.f4 h6 9.Bh4 Nxe4 10.Bxe7 Nxc3 11.Qc4 Kxe7 12.Qxc3 Re8 13.000 Kf8

Matsuo2.gif

[白は1ポーンを捨てて、速い展開でアタックを目指します。黒は思いのほか展開しづらく、場合によってはどこかでポーンを返すことも念頭に入れます。]

14.g4! b5 15.Rg1 Ra7 16.g5 Rc7 17.Qd3 hxg5 18.Qh7! Qf6 19.fxg5 Qf4+ 20.Kb1 e5 21.Bh3!

[この力強い1手を見逃していました。21.Qh8+ Ke7 22.Qxg7? exd4 23.Re1+ Be6しか考えてなく、これであれば黒問題ありません。]

21...Bxh3 22.Qh8+!

[ここでチェックを挟むのも重要で、黒キングを不安全な方向へ追いやります。]

22...Ke7 23.Qxh3

Matsuo3.gif

23...g6

[Nf5+からRxd6+が強力なスレットになっているのに対して、黒は満足な受け方がありません。ポイントはd4のナイトを取れないところです。23...exd4? 24.Rde1+ Kd8 25.Rxe8+ Kxe8 26.Re1+ Kd8 (26...Re7 27.Qc8#) 27.Qh8+ Kd7 28.Qe8#!]

24.Rgf1 Qxg5 25.Rxf7+! Kxf7

[25...Kd8 26.Ne6+ Rxe6 27.Rxc7は絶望的です。]

26.Qh7+ Kf8 27.Rf1+

Matsuo4.gif

[一連の白のコンビネーションにより、黒はクイーンを捨てざるをえません。]

27...Qf4 28.Qh6+! Rg7 29.Rxf4+ exf4 30.Qxf4+ Kg8 31.b3±

[マテリアル的には損はしていませんが、ポーンが全て弱いのと、白陣に狙えるところが無いので、実質白勝ちと言っても良い局面です。]

31...Re5 32.Qf6! Nd7 33.Qxd6 a5 34.Nc6 Re1+ 35.Kb2 Kh7 36.Nxa5 Ne5

Matsuo5.gif

[黒の唯一のプランはh2のポーンを取って、gポーンをパスポーンにして進めることです。しかし、松尾さんはクイーンをうまく攻守に使い分けてチャンスを与えてくれません。]

37.Qb4! Nf3 38.Qf4 Rf1 39.Qg3 Kg8 40.Qg2 Nxh2 41.Qxh2 g5 42.Qg2 Rf4 43.Nc6! g4 44.Qd5+ Kh7 45.Qh5+ Kg8

Matsuo6.gif

46.Ne7+! Rxe7

[46...Kf8 47.Ng6+もあるので、エクスチェンジを捨てざるをえません。]

47.Qg5+ Rg7 48.Qxf4 g3 49.Qf1 g2 50.Qg1 Kf7 51.Kc3 Ke6 52.a4 bxa4 53.bxa4 Kf5 54.Kd3 Rg3+

[54...Kf4 55.Qf2+! Ke5 56.Qd4+ +-]

55.Ke2 Rc3 56.Qf2+ Ke5 57.Kd2 10

Matsuo7.gif

[松尾さんの強さが光るゲームだったと思います。]

 

ここで一歩後退したものの、残る2試合は連勝し、4.5P/6で終了。2日目に3連勝の小島君に逆転優勝される結果となりましたが、久々の名古屋での大会は大いに楽しめました。名古屋CC代表の堀江さん、ありがとうございます。


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