150人を超える参加者が集う国内最大規模の大会であるクラブ選手権には、今年も麻布OBチームの一員として参戦、残念ながらチームはもう一つの麻布OBチームに大敗し、タイトルは逃しました。ただ、個人的には5勝1ドローと、Japan Leagueに継続して好調を維持しました。
初日終わってチームは3連勝し、迎えた2日目の朝のラウンドは麻布OB-Bチームとの対戦。ちょうど前日の夜は両チームで夕食に行き、一杯ひっかけたのですが、途中でペアリングが発表されたのを見て、場の雰囲気が...
□Aoshima,Mirai (2403)
■Baba,Masahiro (2396)
Club Championship 2017(4)
1.d4 Nf6 2.Bg5 Ne4 3.Bf4 c5 4.f3 Qa5+ 5.c3 Nf6
[実を言うと、彼がTrompowskyを指すのを完全に忘れていて、早くもプリパレーション外となります。]
6.d5 d6 7.e4 g6 8.Na3 Bg7 9.Qd2 0–0 10.Bh6 Nbd7 11.Bxg7 Kxg7
12.Nc4 Qc7 13.a4 b6 14.Ne3 Bb7 15.g4 e6 16.0–0–0 e5
[センターを閉じるのは本意ではありませんでしたが、16...exd5 17.g5 Nh5 18.Nxd5 Bxd5 19.Qxd5は十分な反撃がないままd6が落ちます。この後、白はキングサイドから、黒はクイーンサイドからアタックを目指すことになります。黒はg7にビショップがいない分、白はa4を突いている分、キング廻りを弱めているため、だいたいチャンスはイコールかなと考えていました。]
17.h4 h5? [白のキングサイドアタックを止めようと、よく考えずに突き返したこの手は大きな間違いでした。]
18.gxh5! Rh8
[前の手でh5を突いた時に私が見落としていたのは、18...Nxh5 19.Nf5+ Kg8 20.Qh6のあと、Nh3-Rg1とされると黒に受けが無い点です。本譜ではポーンダウンになりますが、戦えるよう手を作りにいきます。]
19.hxg6 fxg6 20.Nh3 Nf8
[20...Rxh4? 21.Ng5+-(×e6)]
21.Bc4?!
[d1のルークをg1に廻すために展開しますが、a6-b5で黒にテンポよく追い返されるので、ややケアレスな1手でした。]
21...a6 22.Ng5 b5 23.Be2 Bc8 24.Rdg1 bxa4 25.Nf5+!
[準備が整ったところでアタック開始です!]
26...Bxf5 26.exf5 Rh6
[27.Ne6+ Nxe6 28.Rxg6+! に対して、先にg6を守っておきます。]
27.fxg6
[この手を見て、黒に反撃のチャンスが回ってきたと感じました。キングの目の前の敵ポーンは逆にディフェンダーとして働いてくれることが多く、この局面でもg、hファイルがオープンでないので白の攻めがスローダウンします。正しくは27.h5! で、プレッシャーをかけ続けるべきでした。]
27...a3! 28.bxa3 Rb8
[クイーンサイドから反撃です!]
29.Bd3 Qa5 30.Nf7 Qxa3+ 31.Kd1 Rh5
[Qxh6+に対する唯一の受けですが、効果的です。]
32.Nxd6 Rb2
[反撃に参戦している黒駒はクイーンとルークだけですが、大駒が2つあれば、十分なカウンターを作れます。]
33.Bc2 Qa1+ 34.Qc1 Qa2 (△Qxd5+) 35.c4 Qa3 (△Qxf3+) 36.Rh3 Qc3 (△Qd4+) 37.Rg5 Ra2!
38.Nf5+ Kg8 39.Ne7+ Kg7 40.Nf5+ Kg8
[Ra1に対して満足な受けが無い白は、少なくともパペチュアルチェックでドローに持っていくことはできますが・・・]
41.g7!?
[ドローを蹴って勝負してきました!ちょうどこの頃、他のボードが全て負け、チームとしては負けが確定していましたので、相手チームのキャプテンの篠田君は青嶋君にドローで良いとアドバイスしていましたが・・・]
41...Ra1 42.Bb1
[42.gxf8Q+ Kxf8は、白のアタックが止まります。]
42...Qb3+ 43.Ke2 Rxb1 44.Rxh5
[44.Ne7+ Kf7はf6のナイトがいい働きをしているため、g8Q+はありません。]
44...N8h7?!
[気をつけなければいけないのは、44...Nxh5? 45.gxf8Q+ Kxf8 46.Qh6+での一発逆転です。また、44...Ng6? 45.Rh8+! Kf7 (45...Nxh8 46.gxh8Q+ Kxh8 47.Qh6+ Kg8 48.Qg7#) 46.Rf8+! も白勝ちを許してしまいます。いずれにしても、白クイーンだけはゲストに招かないことです! 試合中は本譜が唯一の受けだと思っていましたが、ここで黒にはっきりした勝ちがありました。44...Qa2+! 45.Qd2 Qxc4+ 46.Ke3 Nxh5 47.gxf8Q+ Kxf8–+ 白キングがクイーンの道をふさいでQh6+ができません!]
45.Ne7+?!
[ここで両者気付いていなかった1手をチームキャプテンの塩見さんが指摘してくれました。45.Rg3! で、Nh6#がスレットになっているため、黒は慎重に手を模索しなければいけません。45...Qa2+ 46.Qd2 (46.Kd3? Rb3+ 47.Qc3 e4+! 48.fxe4 Rxc3+ 49.Kxc3 Nxe4+–+) 46...Qxc4+ 47.Ke3 Qf4+ 48.Ke2 Qc4+は黒の最善で、パペチュアルでドローに落ち着きます。]
45...Kxg7 46.Qh6+
[クイーンをゲストに招き入れても黒ナイトのコンビがさらなるアタックを阻みます。]
46...Kf7 47.Qg6+ Kf8!–+
[47...Kxe7? 48.Rxh7+ (48.Rxe5+? Kd8–+) 48...Nxh7 49.Qxh7+は白に主導権があり、攻めが継続します。]
48.Kf2
[48.Qh6+ Kxe7 49.Rxe5+ Kd8はチェックが止まり、勝負ありです。]
48...Qb2+
[49.Ke3 (49.Kg3 Rg1#) 49...Re1+ 50.Kd3 Rd1+ 51.Ke3 Qd2# A big fight, A crazy game!] 0–1