Summer Open 2017

夏の大会はこのサマーオープンを皮切りに、ジュニア・シニア・小学生・女子選手権、ジャパンリーグと続きます。今大会では初日に小林厚彦君に敗れるものの2日目3連勝で、幸運にも1位タイ(タイブレークでは2位)に終われました。今大会からは、先日、CMのタイトルを獲得した若手のホープ、逢阪拓真くんとのゲームを紹介します。

 

Osaka,Takuma (1967)

Baba,Masahiro (2363)

Summer Open 2017(2)

 

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.Nf3 Bg7 5.Qb3 dxc4 6.Qxc4 00 7.e4 a6

Osaka1.gif

[Hungarian Variation. Grunfeld Russianに対する私のメインの受け方です。]

8.Be2 b5 9.Qb3 c5 10.dxc5 Bb7 11.00 Nxe4 12.Nxe4 Bxe4

Osaka2.gif

[センターポーンが消えて局面がオープンになり、ここからピースプレーとなります。黒としてはcのパスポーンがやや気がかりですが、このポーンを焦って取りにいく必要はありません。]

13.Be3 13...Bd5

[13...Nc6 14.Rfd1 Qc7 15.Rac1は単純に白良しなので、まずはdファイルを閉じるべきだと判断]

14.Qc2 Nc6 15.Rfd1 e6 16.Nd4?

Osaka3.gif

16...Bxd4!

[はじめは16...Nxd4 17.Bxd4 Bxd4 18.Rxd4 Qg5で黒満足なゲーム展開だと考えていましたが、すぐに本譜のコンビネーションを見つけました。]

17.Bxd4 Bxg2! 18.Bg7!

Osaka4.gif

[白は予想通り一番面白い変化に飛び込んできました。この他の手に対しては、黒は単純に1ポーンアップです。]

18...Bd5!

[このビショップの強さを正確に評価しての本譜なので、エクスチェンジを捨てるのは構想通りです。ただ、焦って18...Qg5?と出ると、19.f4!で失敗します。]

19.Bh6!?

[19.Bxf8 Qg5+ 20.Kf1 Qg2+ 21.Ke1 Rxf8

Osaka5.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

は、黒圧倒的です。これは両者共通の認識でした。本譜ではこの攻撃の要となるg5のマスを奪いますが...]

19...Qh4! (このマスもあります!) 20.Qd2

[20.Rxd5 exd5 21.Bxf8 Rxf8と戦うのが比較的白のベストだと思いますが、黒は安定した1ポーンアップです。]

20...Qh3

Osaka6.gif

21.f3

[21.Bf1?? Qg4+は即終了。少し面白いかなと考えていたのは21.Qg5 f6 22.Qg4 Qxh6 23.Rxd5 exd5 24.Qe6+ Kh8 25.Qxc6ですが、25...Qd2で白駒が足りていません。]

21...Nd4!?

[おそらく21...Rfd8として何ら問題ありませんが、h6にビショップが居座られると気持ちが悪いのと、22.Qxd4 Qxh6なら1ポーンアップを維持したまま安全に指し続けられるので本譜を選択。]

22.Bxf8

Osaka7.gif

22...Bxf3!

[拓真くんの考えていた22...Nxe2+ 23.Qxe2 Bxf3 24.Qc2 Bxd1 25.Rxd1 Rxf8 26.c6 Qg4+ 27.Kh1は白のパスポーンが強力で、黒がどう勝つか定かではありません。]

23.Bf1 Qg4+

[ここで23...Ne2+ 24.Kf2 24...Qxh2+ 25.Kxf3 Ng1+ 26.Ke4

Osaka8.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

と、もう1つピースを捨ててセンターにキングをおびき寄せる変化も考えましたが、これ以上続ける手が見えませんでした。(実際無い)]

24.Kf2

[24.Bg2?には24...Ne2+で白はクイーンを捨てざるをえません。]

Osaka9.gif

24...Qh4+!

[24...Bxd1? 25.Rxd1だとd4のナイトがアタックされているのでf8を取り返せません。このチェックを挟み、キングとクイーンをフォークポジションに強制するのがポイント。]

25.Kg1

[25.Ke3 Bxd1 26.Rxd1 (26.Qxd4 Qe1+ 27.Kd3 Qxf1+ 28.Kc3 Qe1++) 26...Nf5++]

25...Bxd1 26.Qxd1

[26.Rxd1?? Nf3+なので、クイーンで取り返すのがオンリーです。]

26...Rxf8+

Osaka10.gif

[駒を取り返し、黒の2ポーンアップ。若干、白のパスポーンが脅威ですが、白キング廻りが弱く、本譜の通り黒のアタックが先に決まります。]

27.Bg2 Rd8 28.Rc1 Qg5(Qxc1) 29.Rc3 Nf5 30.Qc1

[30.Rd3には30...Qe3+!? 31.Rxe3 Rxd1+ 32.Kf2 Nxe3 33.Kxe3 Kf8+を用意していました。]

Osaka14.gif

30...Qg4 31.Kf2 Rd1 32.Qc2 Qh4+ 33.Rg3

Osaka12.gif

[キングがよけるとナイトフォークで白はクイーンを失います。]

33...Qd4+ 34.Ke2 Rg1 35.Qe4 Nxg3+ 36.hxg3 Qxb2+ 37.Kd3 Rd1+ 38.Ke3 Re1+ 01

Osaka13.gif


IV League 2017/6

6月のJCA快速選手権では、メインライバルに白で3敗を喫し、ポイントとレイティングを大きく落としました。IVLは快速選手権と同じタイムコントロールなので、何とか挽回したいところでした。

 

Yamada,Kohei (2258)

Baba,Masahiro (2389)

IV League 2017(5)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 Qc7 8.Qf3 b5

nai1.gif

9.000 b4 10.Nce2

[Najdorf Labyrinthに迷い込むなら10.e5 Bb7 11.Ncb5!?ですが、この後の詳しい変化を知らなければあまりおススメはできません。]

10...Bb7 11.Bxf6 gxf6 12.Ng3 Nd7 13.Qh5 Nc5 14.Kb1?!

[ロングキャスリングした時はだいたいどの局面においても意味のある手ですが、この場合はそうでありません。白は攻めを急ぐところで、14.f5 000 15.fxe6 fxe6 16.Bc4を考えていました。]

14...000 15.Bd3 f5!

nai2.gif

[ポーンを犠牲にして黒マスビショップの威力が発揮されるロングダイアゴナルを開きにいきます。さらに、白マスビショップのダイアゴナルもオープンになるのがポイントです。]

16.exf5 Bg7 17.Nb3 Na4 18.fxe6 fxe6

nai3.gif

[単純な狙いですが、白はb2を守ることができません。]

19.Qa5 Nxb2

[19...Nc3+ 20.bxc3 Qxc3 21.Kc1では黒に決定打が無いことを確認し、ポーンを取り返しにいきます。]

20.Qxc7+ Kxc7 21.Rde1 Bxg2 22.Rhg1 Nxd3 23.cxd3 Bd5

nai4.gif

[1ポーンアップの上、ダブルビショップが強烈なので、黒勝勢と言って良いでしょう。]

24.f5 Bc3 25.Ref1 Rdf8 26.Ne2 Rxf5 27.Nxc3 bxc3 28.Kc2 Kb6

nai5.gif

29.Rb1 Rf2+ 30.Kxc3 e5!

[d4のマスを奪い、白キングにメイティングネットをかけます。]

31.Rg7 Rc8+ 32.Kb4 Rxa2 33.Rxh7 a5+ 01

nai6.gif

[34.Nxa5 Rxa5のあと、Rb5+Ra8#です。]

 


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