望んでいた結果とは程遠い結果に終わった百傑戦からは、1戦だけ振り返ろうと思います。
□Baba,Masahiro (2379)
■Hiebert,Kenji (2063)
百傑戦 2017(3)
[初日を連勝で迎えた3Rはユース代表のHiebert君と。当然ですが、2015年の全日本で当たった時よりパワーアップしているので、要警戒です。]
1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Qc7 5.Nc3 e6 6.Be3 a6 7.Qf3
[Sicilian Taimanovに対するトレンディーなライン。クイーンをg3 or h3にセットし、アタックを目指します。]
7...d6
[b8-h2のダイアゴナルを閉じると、g3で白クイーンが安定するので、個人的には7...Bd6 8.0–0–0 Be5と戦うほうがベターだと思います。]
8.Qg3 Bd7 9.0–0–0 b5?
[g7が狙われている黒は、キングサイドのピースをいかに展開するか悩みどころですが、この手は典型的な3ポーンvsピースのサクリファイスを誘導してしまいます。]
10.Bxb5! axb5 11.Ndxb5 Qb7 12.Nxd6+ Bxd6 13.Rxd6
[g7を狙いつつ、dファイルにルークを重ねます。白のプレーは非常にシンプルなのに対し、黒は局面をまとめるのが難しいところです。]
13...g6
[黒マスを弱くするので指したくない手ですが、他にアドバイスできることがありません。]
14.Rhd1 Rd8 15.Kb1
[このキング寄りはあまり意味はありませんが、メインに考えていた15.Na4(△Nc5)に対して、15...Nb4が思いの他、カウンターになっているので、有用な手で1手待つことにしました。]
15...Bc8 16.Rxd8+ Nxd8
17.a4!
[b5にナイトのための足場を作り、Nb5から決定的なNc7+ or Nd6+を狙います。]
17...Qc6 18.Nb5 Nb7 19.Qb8!
[敵陣にクイーンが侵入してNc7+ or Na7でビショップを取りに行きます。個人的には非常に美しい手で気に入っています。c8のビショップを守るには次の1手ですが…]
19...Ne7 20.Nc7+ Kf8 21.Bh6+ Kg8 22.Qxb7!
[d8のディフェンダーを消し去り、バックランクメイトを完成させます。22...Bxb7 23 Rd8+] 1–0