【日時】2015年9月6日(日)
【会場】朝霞中央公民館
【形式】4Rスイス式 A.B.Cの3クラス
【タイムコントロール】45分指し切り
【参加資格】無し(JCA非公式戦)
【参加費】1,000円(昼食付き)
【スケジュール】
09:30 受付
10:00 R1
朝霞サマー (9/6)
- 2015.08.30 Sunday
- 大会情報
- 11:19
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- by bmasahiro
Japan League 2015
- 2015.08.22 Saturday
- Japan League
- 23:31
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- by bmasahiro
4年ぶりに出場したジャパンリーグはひと夏の悪夢に終わりました。簡単にゲームを見直したら、今年のトーナメントはしばらく忘れようと思います。
さて、今回、特別に中国からNi Hua(GM,2713)とZhao Xue(GM,2533)が来日し、Ni Huaがレクチャーと同時対局を担当し、Zhao Xueが本戦に参戦しました。ジャパンリーグにGMが参戦するのは2006、2007年、2008年のNakamura Hikaru以来です。あの時は、当然GMが優勝すると予想しており、予想通り、3年ともHikaruの全勝優勝でした。Hikaruとまではいきませんが、Zhao Xueもレイティングでリスト2以下を100以上離しているわけですから、優勝は堅かったはずです。そんな中、小島くんがZhao Xueを抑えて6P/7で優勝。日本のIMがホームで意地を見せました。
大会はスムーズに進んだかのように見えたのですが、運営側のミスにより、R.3のペアリングが当日の朝に変わるというハプニングが。しかも、前日にペアリングが発表された直後に、プレーヤーからおかしいと指摘されたにもかかわらず、(すぐに分かるレベルのミス)確認しなかったのは問題でした。入力ミスは誰にでもあることで、間違ったペアリングを発表したのは仕方ありません。しかし、このミスに対して何一つ説明が無く、そのまま新しいペアリングでゲームが進みました。一言謝罪が欲しかったと感じていたのは私だけではなかったと思います。
さて、そんなR.3のゲームは青嶋くんとの対戦になりました。非常に複雑な中盤を過ぎた後、私にミスがあり、完全に敗勢となりました。
Aoshima,Mirai (2407) - Baba,Masahiro (2312)
Position after 36...Rf1
私が36...Rf1と指したところです。青嶋くんは残りの持ち時間が少なく、30分が加算される40手目まで手を繰り返します。このポジションがカギとなるので、よく覚えておいて下さい。
37.Qc6+ Kb8 38.Qe8+ Kb7 (上の局面と同じです。2回目) 39.Qc6+ Kb8 40.Qe8+
40手目を指し、ここで白に30分加算されました。私が普通にやり過ごしてしまうと、白が時間をかけて勝ちの1手、41.Qe4! を見つけられるので、3回同時局面かどうか確かめました。数分かけて、次に40...Kb7と指せば3回同時局面で、しかも手番も同じため、正しいアピールをすればドローが成立することに気付きました。FIDEのルールに則り、40...Kb7と棋譜用紙に記入し、時計を止めてアービターを呼びにいって、確認してもらい、ドローが成立しました。
40...Kb7 ½-½
実際のゲームでは、注意深く手を追わないと、3回同時局面かどうか確認するのは簡単ではありません。このゲームでも、Kb7という手が3回同時局面となる手だったのですが、1回目の局面はRf1と指したときに現れたのです!
□Baba,Masahiro (2312)
■Kinoshita,Akira (1949)
Japan League 2015(6)
1.e4 d5 2.exd5 Qxd5 3.Nc3 Qd6 4.d4 Nf6 5.Nf3 c6 6.Ne5 Nbd7 7.f4 Nb6 8.g4 Nbd5 9.Bg2 g6 10.g5 Nxc3 11.bxc3
11...Nd7! [11...Nd5? 12.c4 Nc7 13.c5 Qd8 14.d5!! cxd5 15.c4! e6 16.Bb2 Bg7 17.Nc6 bxc6 18.Bxg7 Rg8 19.Be5 Bd7 20.0–0 Rb8 21.Qa4 Rb7 22.Rab1 Qc8 23.Rxb7 Qxb7 24.Rf2 d4 25.Qa5 Kd8 26.Be4 1–0 Shirov,A (2749)-Tiviakov,S (2637)/Hoogeveen 2010 は、おそらくこのラインで最も有名なゲームで、たいていの白のプレーヤーは、Shirovのこの勝ちをリピートしようとして、このラインに飛び込んでいると言えます。11...Nd7! は白にセンターのポーンを調子良く突かせない、improvementの1手です。] 12.a4 [GM Vachier Lagraveは、New In Chess Magazineでこのゲームの解説をしていますが、(12.Qe2 Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.0–0 Bf5 and I definitely don't think that White is better at all.)ということです。2ナイトを交換されると、白がアドヴァンテージを取りにいくのは難しくなります。] 12...Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.0–0 Bf5 [fファイルを閉じて0-0-0する準備。私は他に14...Be6と14...h6を考えていました。本譜は、問題ありませんが、次のエクスチェンジサクリファイスを誘う挑戦的な1手です。]
15.Rxf5!? gxf5 16.e6!? [エクスチェンジを切った後、さらに1ポーンを捨てます。このポーン捨ては、正しいかどうか簡単には言えませんが、少なくともh2-b8のダイアゴナルを開くのと、黒のビショップの動きを制限する意味があります。] 16...0–0–0 [16...fxe6 17.Qh5+ Kd7はアンクリアーですが、攻めている白の方が指しやすいと判断していました。] 17.Qf1! [クイーンのベスト・スクエアー。dファイルから避けつつBf4をサポートし、c4に飛び出せるようにします。さらに、バックランクでルークと繋がっているのもポイントです。なお、17.exf7?! e5! は、センターからのカウンターにあいます。]
17...fxe6 18.Bf4 [試合中、プロブレムのような18...Qd7 19.Rb1 h6 20.Qa6! を期待していました。] 18...Rd6! [カウンター・サクリファイス。悲しいことに、すぐにルークをとると、exd6で黒ポーンの形が改善する上に、白は1ポーンダウンのままです。白はもう少しプレッシャーをかけ続けなければいけません。] 19.Re1 Qd7 20.a5 a6
21.Qc4 Rg8! [白としては、そろそろプレッシャーをかける手がなくなってきたので、Bxd6からRxe6で駒を取り返しにいく予定でした。21...Rg8はg5のポーンを睨むことで、Bxd6を指しにくくさせます。] 22.h4 h6 23.Qc5 [△Qa7-Rb1-Qa8-Rxb7] 23...hxg5 24.hxg5 Kb8 25.Rb1 [△Bxc6]
25...e5?! [シンプルにBxc6の狙いを避ける25...Ka8! が黒のベストで、こうなると白が有効な狙いを作り出すのは難しくなります。] 26.Qc4! e6 [26...exf4 27.Qxg8 Qe8 28.Qb3! Qc8 29.Qf7! は、白のgポーンが強力です。] 27.Bxe5 Rxg5? [これが勝負を分ける1手となりました。黒はここでも27...Ka8! で耐えることができます。]
28.Qxa6 [このポーンが落ちると、白はa5-a6から黒キングの前を崩せるので、黒キングはもはや安全とは言えません。時間切迫もあり、すぐに黒ポジションが崩れます。] 28...f4 29.Bxf4 Rb5 30.Rxb5 cxb5 31.Qb6+- Kc8 32.Bxd6 Bxd6 33.Bxb7+! 1–0 [33...Qxb7 34.Qxd6 Qg7+ 35.Kf2 で、Qf6+にはKe2、Qf7+にはKe1でチェックが途絶えます。]
さて、今回、特別に中国からNi Hua(GM,2713)とZhao Xue(GM,2533)が来日し、Ni Huaがレクチャーと同時対局を担当し、Zhao Xueが本戦に参戦しました。ジャパンリーグにGMが参戦するのは2006、2007年、2008年のNakamura Hikaru以来です。あの時は、当然GMが優勝すると予想しており、予想通り、3年ともHikaruの全勝優勝でした。Hikaruとまではいきませんが、Zhao Xueもレイティングでリスト2以下を100以上離しているわけですから、優勝は堅かったはずです。そんな中、小島くんがZhao Xueを抑えて6P/7で優勝。日本のIMがホームで意地を見せました。
大会はスムーズに進んだかのように見えたのですが、運営側のミスにより、R.3のペアリングが当日の朝に変わるというハプニングが。しかも、前日にペアリングが発表された直後に、プレーヤーからおかしいと指摘されたにもかかわらず、(すぐに分かるレベルのミス)確認しなかったのは問題でした。入力ミスは誰にでもあることで、間違ったペアリングを発表したのは仕方ありません。しかし、このミスに対して何一つ説明が無く、そのまま新しいペアリングでゲームが進みました。一言謝罪が欲しかったと感じていたのは私だけではなかったと思います。
さて、そんなR.3のゲームは青嶋くんとの対戦になりました。非常に複雑な中盤を過ぎた後、私にミスがあり、完全に敗勢となりました。
Aoshima,Mirai (2407) - Baba,Masahiro (2312)
Position after 36...Rf1
私が36...Rf1と指したところです。青嶋くんは残りの持ち時間が少なく、30分が加算される40手目まで手を繰り返します。このポジションがカギとなるので、よく覚えておいて下さい。
37.Qc6+ Kb8 38.Qe8+ Kb7 (上の局面と同じです。2回目) 39.Qc6+ Kb8 40.Qe8+
40手目を指し、ここで白に30分加算されました。私が普通にやり過ごしてしまうと、白が時間をかけて勝ちの1手、41.Qe4! を見つけられるので、3回同時局面かどうか確かめました。数分かけて、次に40...Kb7と指せば3回同時局面で、しかも手番も同じため、正しいアピールをすればドローが成立することに気付きました。FIDEのルールに則り、40...Kb7と棋譜用紙に記入し、時計を止めてアービターを呼びにいって、確認してもらい、ドローが成立しました。
40...Kb7 ½-½
実際のゲームでは、注意深く手を追わないと、3回同時局面かどうか確認するのは簡単ではありません。このゲームでも、Kb7という手が3回同時局面となる手だったのですが、1回目の局面はRf1と指したときに現れたのです!
□Baba,Masahiro (2312)
■Kinoshita,Akira (1949)
Japan League 2015(6)
1.e4 d5 2.exd5 Qxd5 3.Nc3 Qd6 4.d4 Nf6 5.Nf3 c6 6.Ne5 Nbd7 7.f4 Nb6 8.g4 Nbd5 9.Bg2 g6 10.g5 Nxc3 11.bxc3
11...Nd7! [11...Nd5? 12.c4 Nc7 13.c5 Qd8 14.d5!! cxd5 15.c4! e6 16.Bb2 Bg7 17.Nc6 bxc6 18.Bxg7 Rg8 19.Be5 Bd7 20.0–0 Rb8 21.Qa4 Rb7 22.Rab1 Qc8 23.Rxb7 Qxb7 24.Rf2 d4 25.Qa5 Kd8 26.Be4 1–0 Shirov,A (2749)-Tiviakov,S (2637)/Hoogeveen 2010 は、おそらくこのラインで最も有名なゲームで、たいていの白のプレーヤーは、Shirovのこの勝ちをリピートしようとして、このラインに飛び込んでいると言えます。11...Nd7! は白にセンターのポーンを調子良く突かせない、improvementの1手です。] 12.a4 [GM Vachier Lagraveは、New In Chess Magazineでこのゲームの解説をしていますが、(12.Qe2 Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.0–0 Bf5 and I definitely don't think that White is better at all.)ということです。2ナイトを交換されると、白がアドヴァンテージを取りにいくのは難しくなります。] 12...Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.0–0 Bf5 [fファイルを閉じて0-0-0する準備。私は他に14...Be6と14...h6を考えていました。本譜は、問題ありませんが、次のエクスチェンジサクリファイスを誘う挑戦的な1手です。]
15.Rxf5!? gxf5 16.e6!? [エクスチェンジを切った後、さらに1ポーンを捨てます。このポーン捨ては、正しいかどうか簡単には言えませんが、少なくともh2-b8のダイアゴナルを開くのと、黒のビショップの動きを制限する意味があります。] 16...0–0–0 [16...fxe6 17.Qh5+ Kd7はアンクリアーですが、攻めている白の方が指しやすいと判断していました。] 17.Qf1! [クイーンのベスト・スクエアー。dファイルから避けつつBf4をサポートし、c4に飛び出せるようにします。さらに、バックランクでルークと繋がっているのもポイントです。なお、17.exf7?! e5! は、センターからのカウンターにあいます。]
17...fxe6 18.Bf4 [試合中、プロブレムのような18...Qd7 19.Rb1 h6 20.Qa6! を期待していました。] 18...Rd6! [カウンター・サクリファイス。悲しいことに、すぐにルークをとると、exd6で黒ポーンの形が改善する上に、白は1ポーンダウンのままです。白はもう少しプレッシャーをかけ続けなければいけません。] 19.Re1 Qd7 20.a5 a6
21.Qc4 Rg8! [白としては、そろそろプレッシャーをかける手がなくなってきたので、Bxd6からRxe6で駒を取り返しにいく予定でした。21...Rg8はg5のポーンを睨むことで、Bxd6を指しにくくさせます。] 22.h4 h6 23.Qc5 [△Qa7-Rb1-Qa8-Rxb7] 23...hxg5 24.hxg5 Kb8 25.Rb1 [△Bxc6]
25...e5?! [シンプルにBxc6の狙いを避ける25...Ka8! が黒のベストで、こうなると白が有効な狙いを作り出すのは難しくなります。] 26.Qc4! e6 [26...exf4 27.Qxg8 Qe8 28.Qb3! Qc8 29.Qf7! は、白のgポーンが強力です。] 27.Bxe5 Rxg5? [これが勝負を分ける1手となりました。黒はここでも27...Ka8! で耐えることができます。]
28.Qxa6 [このポーンが落ちると、白はa5-a6から黒キングの前を崩せるので、黒キングはもはや安全とは言えません。時間切迫もあり、すぐに黒ポジションが崩れます。] 28...f4 29.Bxf4 Rb5 30.Rxb5 cxb5 31.Qb6+- Kc8 32.Bxd6 Bxd6 33.Bxb7+! 1–0 [33...Qxb7 34.Qxd6 Qg7+ 35.Kf2 で、Qf6+にはKe2、Qf7+にはKe1でチェックが途絶えます。]
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