快速選手権 2015

いくつかの理由から、長い間、JCAの快速選手権へは不参加でした。全日本の後で参加者の層が薄いことや、25+10/手という時間ではまともにプランを組み立てられないことだったのですが、今年はトレーニングの一環と考え、参加を決意。結果は521ドローという貧弱な成績でありましたが、いくつか研究しがいのある局面に出くわしました。優勝は青嶋(将棋)4段で、7P/8R。チェスにかける情熱と成長スピードがヤバいです...
 
Baba,Masahiro (2286)
Shioguchi,Tatsuya (2064)

JCA Rapid 2015(7)
 
1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nd2 Nf6 4.e5 Nfd7 5.Bd3 c5 6.c3 Nc6 7.Ngf3 g6 8.h4 h6

9.Nf1!? [GM Moskalenkoは自身のベストセラーFlexible Frenchでこの手に言及していません。ただ、すぐに黒がこれを咎める手もなく、十分指せる1手だと思います。他には9.Nb19.b39.Qe29.a3など] 9...b6!? 10.Ng3 cxd4 11.cxd4 Nb4 12.Bb1 [12.Be2? には12...Qc7c2を狙われるので、ここに下がる他ありません。] 12...Ba6 13.a3 Nc6 14.Ne2 Na5 15.Nf4 Rg8 [Nxe6-Bxg6を防ぎ、のちにg6-g5からのカウンターの準備にもなる1]

16.Bd3 [ここはキャスリングするためにビショップを交換しにいきます。黒としては、一般的に使えないとされる白マスビショップを交換できて作戦成功です。] 16...Bxd3 17.Qxd3 Qc7 18.b4 Nc4 19.00 000 [白黒、逆サイドにキャスリングし、ここから攻め合いです。] 20.Bd2 Be7 [検討でも出ましたが、ここですぐに20...g5はあったと思います。] 21.Nh3

21...Bxh4! [21...g5 22.hxg5 hxg5 23.Nfxg5は、黒にポーンを捨てた代償は無さそうですし、次の22.Bxh6も防がなければいけないので、納得の1手です。] 22.Nxh4 g5 23.Nf5 [最も黒のポーンの形を崩せるピースの返し方だと考えました。] 23...exf5 24.Rfc1 Qc6! [24...f4には25.Qh7! で、f7h6のダブルアタック] 25.Qxf5 Qe6 26.Qd3 Kb8 27.a4 f6

28.f4! [キングの守りを弱め、gファイルまで開けてしまうので指すのをためらいそうな手ですが、out of playのビショップとナイトを何とかするために、ここは局面を開きにかかります。] 28...fxe5 [28...gxf4 29.Nxf4 Qg4 30.e628...g4 29.f5は白にチャンスありです。本譜ではg5にポーンが残るので、Nf4Bf4も指せず、ピースの問題は残りますが、黒からもg5-g4と突きづらいので、ジレンマと言えばジレンマです。] 29.fxe5 Rdf8 30.b5 Rf7 31.Bb4 [ビショップをアクティブにし、このダイアゴナルを抑えます。] 31...g4 [f4の守りがなくなったところでようやくこのポーンを突けます。] 32.Nf2 h5 [32...g3 33.Nh3は十分キング廻りをガードできているように見えました。]

33.Rxc4! [狙いのエクスチェンジ・サクリファイス] 33...dxc4 34.Qe4! [ポイント。△35.Bd6+ Kc8 36.Qa8+] 34...Rc8? [ここで黒はBd6+に対してQxd6と取れるように34...Re8と指すしかありませんが、35.Qc6! Qxc6 36.bxc6 Nf8 37.Ne4で白が勝つ形です。] 35.Bd6+ Rc7 36.Qc6+- Nf8 37.Ne4

[ナイトも参戦し、勝負ありです。] 37...Qd7 38.Bxc7+ Qxc7 39.Qe8+ 10 [緊迫したgood gameでした。]

IV League 2015/5

今回のIVLは私の発案でした。たいていのプレーヤーが全日本後にモチベーションが上がるので、そのモチベーションを絶やさぬよう、ここで一度トレーニングを行おうという意図がありました。8人集まり、形式はいつもと同じ25+10/手の5試合。楽なゲームは1つもなく、結果、指し分けの2.5Pで終了。結果は結果ですが、中身のある内容だったので良かったです。急なメンバー召集と会場セッティングに応じてくれた小島君、ありがとう。
 
Baba,Masahiro (2251)
Shinoda,Taro (1957)

IV League 2015(4)
 
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 h6 8.Bh4 Be7 9.Qf3 Nbd7 10.000 Qc7 11.Be2 [11.Bf3に比べて少しトリッキーな変化。このビショップはd1-h5ダイアゴナルで働きます。特に、h5を抑えているため、Qf3-Qg3という手が指せます。]

11...b5 12.e5 Bb7 13.Qg3!? [クイーンサクリファイスする13.exf6!? Bxf3 14.Bxf3 Bxf6 15.Bxa8 d5 16.Bxd5 Bxd4 17.Rxd4 exd5 18.Nxd5 Qc5 19.Re1+ Kf8 20.c3 h5! Keres -Fischer /Bled/Zagreb/Belgrade 1959というラインも知っていましたが、初めに思い描いていた本譜のラインに飛び込みます。] 13...dxe5 14.Nxe6!? fxe6 15.Qxg7

15...000 [非常に人間的なチョイスですが、黒は明らかに不利なポジションで戦うことになります。ただ、15...Rg8 16.Bh5+ Kd8 17.Qf7 は白に強力な主導権とアタッキング・チャンスがあります。何より、黒は駒損しないようにするには、オンリームーブを指し続けなければいけなく、黒でナイドルフを指す私も、この局面は黒で指したいと思いません。バックランクの守りを薄くするのは危険ですが、e7のビショップに守りをつけることがマストです。15...Rh7!?16.Bh5+ Kd8 17.Qg6 Kc8 18.Bxf6 Nxf6 19.Rhe1 e4 20.g3 Qc4だと、白の攻めは止まっているように見えます。] 16.Qxe7 Rde8 17.Qb4 [新たにスレットを作ります。△17...exf4? 18.Bxb5! axb5 19.Nxb5+-] 18...e4 [Qxf4+] 18.g3 Nd5 19.Nxd5 exd5 20.a4 bxa4 21.Qxa4 Nc5 22.Qa3 Qb6 23.Bh5!

23...Re6? [ルークは逃げるマスがないので、黒は唯一の反撃の手段であるセンターの2ポーンを進めて勝負すべきだったのではないかと思います。23...e3!? 24.Bxe8 Rxe8で、次にd5-d4と突ければ、少し怪しくできます。] 24.Bg4 Kb8 25.Bxe6 Nxe6 26.Bf6 Rc8 27.Be5+ Ka8 28.f5?! [指した後、28...Qf2c2f5のダブルアタックに気付きましたが、29.c3 Qxf5 30.Rxd5!がありました。] 28...Ng5  29.Bd4 Qb5 30.Kb1 Nf3 31.f6 Qc6 32.f7! 10 [黒はc2でチェックを入れても、プロモーションを止められないため、さらなる駒損を免れません。]

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