学生選手権2011

昨日は学生のチェスを視察しに、またCappelle la Grande国際オープントーナメントの宣伝を兼ね、代々木へ足を運びました。すでに1日目から波乱があったようですが、内容を確認することはできず。今回、オーガナイザーの篠田君は自らもプレーしながらの運営だったため、大会中にゲームを入力する時間はありませんでした。そんな中、今大会もっともショッキングだった次のゲームをこっそり入手しました。

 

Kuwata Susumu (2178)

Takada Yuichiro (1789)

学生選手権 2011 (3)

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.0–0 Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 d6 8.c3 0–0 9.h3 Bb7 10.d4 exd4 11.cxd4 Na5 12.Bc2 c5 13.d5 Re8 14.Nbd2 Bf8 15.Nf1 h6 16.Ng3 Nc4 17.b3 Nb6 18.Nh2 Bc8 19.Bb2 c4 20.Qd4!? [悲劇への序曲No.1 といっても、この手自体は全く悪くありません。] 20…Bd7 21.f4!? [悲劇への序曲No.2。この手も全く悪くありません。] 21…Rc8 22.Bc3 Na8 23.e5?? [23.b4 or 23.Kh1なら…] 23...dxe5 24.fxe5 Bc5!

 


 

[あまりにも痛々しい串刺し] 25.exf6 Bxd4+ 26.Bxd4 Rxe1+ 27.Rxe1 g6 28.Nf3 Be8 29.Re7 Rc7? [29...Qxd5なら白に希望はないように見えます。] 30.d6! Rxe7 31.fxe7 Qxd6 32.Ne4 Qxe7

 


 

33.Nf6+ Kf8 [Nh7-Nf6+からパペチュアル。最後はミラクルでハッピーエンド?!] ½–½

 

最終順位は以下の通り。

 

優勝 南條 遼介(2358) 6P

2 中村 尚広 (2062) 4.5P

3 高田 侑一良(1789) 4.5P

4 三村 健介 (1845) 4P

 

優勝は南條くんでした。どちらかと言えば、彼の優勝より、第2シードの桑田くん、昨年の学生チャンピオンの佐藤 要くん、ユニバーシアード代表の古谷くんらレイティング上位のプレーヤーを押し退けて入賞した高田くん、三村くんの活躍が目立った大会でした。

 

結果の詳細は学生チェス連盟のHPhttp://jccf.blog.fc2.com/)にアップされますので、そちらをご覧ください。


Cappelle la Grande 2012 -Invitation!-



本日、
Cappelle la Grande国際オープントーナメントの招待状がオーガナイザーのStephane Gouvart氏より届きました。今年も例年通り4枠です。条件も例年通りで、期間中の滞在費(ツインルーム×2)、食費(3食)、大会参加費、パリ(orブリュッセル)からの移動費は向こう持ちです。トーナメント期間は201133日から310日です。

 

すでに航空券を取っておきたい時期です。また何より、招待枠外での参加の場合、ホテルを喫緊に抑えなければならない時期です。よって、まず招待選手を決定しなければいけません。

 

招待選手として参加を希望する方は、1/8までに私に連絡をください。また、単にプレーヤーとして参加するのももちろんありですので、大会の詳細を聞きたいという方も私に連絡をください。連絡先が分からないという方はコメント欄にその旨をお書きください。私から連絡を差し上げます。

 

参加希望者が4名を超えた時の招待選手の決定方法ですが、まずはFIDEレイティング順に上から4名とします。FIDEレイティング保持者が4名に満たなかった場合はJCAレイティング順とします。

 

今年は参加希望者が少ないとも噂がありますのでチャンスかもしれません!


Merry Christmas 2011

メリークリスマス

 

ラスベガス組は本日出発ですね!砂漠のオアシスで楽しんできてもらいましょう。

 

割とどうでもよいことですが、私の年末年始の予定は以下の通りです。

 

=================================
12/28(水)-29(木)学生選手権(@代々木)

12/30(金)-1/2(月) 香港

1/7 新年会@新宿or品川)

1/8-9 松戸チェスクラブ選手権(@北千住)

=================================
 

29日が休みになったので、学生選手権を見に行きます。そろそろエントリーリストが出てくる頃だと思いますが...

 

年またぎは香港で過ごします。20093月のハンガリー以来の海外旅行です!

 

1/7にはチェス仲間で新年会を開く予定。忘年会は急な呼びかけにもかかわらず、集まりはよかったので、新年会も期待しています。今回はボーリング大会〜宴会の流れで。

 

年始一発目のトーナメントは松戸チェスクラブ選手権です。都合のつく1/8)だけ参加しようと考えています。

メリークリスマス


Cappelle la Grande 2012



毎年恒例の、フランス北部の田舎町
Cappelle la Grandeでの国際オープントーナメントは201233日〜10日の日程で開催されます。始まるまで2ヶ月程度のこの時期には、だいたいいつもオーガナイザーとやりとりして招待状をもらうのですが、今年はまだ連絡が取れていません。本日、もう一度メールを送ってみましたが、これで返信がなかったら何とか連絡を取れるよう、他の方法を考えます。

 

取り急ぎご報告まで。


2011総括

忘年会も終了し、チェス関係での今年のイベントは全て終了。早いですが、2011年の総括です。

 

まずは私の2011年の戦績です。


======================================

試合数:73試合(□37 36

平均レイティング:1990

結果:(勝ち47 負け14 ドロー12

勝率:72.6%

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今年は
14敗もしたんですね。相手の平均レイティングから考えると、勝率もあまりよろしくないように思えます!

 

2011年はオリンピアードイヤーでなく、オフィシャルな代表試合は8月のユニバーシアード、11月のWorld Youthしかありませんでした。しかしその分、Cappelleやマレーシア、オランダ、アメリカのオープントーナメントに若手プレーヤーが参加してくれました。国内では吉祥寺チェスクラブが閉店になって多くのチェスファンが悲しみましたが、リバネスカフェや新たなサークルの誕生があり、時代は常に進んでいることを感じさせられました。

 

私にとって2011年は全日本選手権優勝の年であり、他に目立った戦績を上げたトーナメントはありませんでした!今年のベストゲームには全日本の最終ラウンドの野口さんとのゲームを選んでおきたいと思います。(http://chessplayer.jugem.jp/?eid=616

 

海外のチェスに目を向けると、2011年は結局Carlsenの圧勝でした。しかし、SvidlerMorozevichGelfandKramnikPolgarといった、今はもうベテランのプレーヤー達が随所で活躍した1年でもありました。私は特にPolgar”All or Nothing”なプレーに魅せられました。European IndividualWorld CupPolgarのプレーには私以外にも感動させられた方は多かったのではないでしょうか?次のゲームはそんな彼女の強烈なプレーが見られる、ぜひ皆さんにも並べていただきたい1戦です。

 

Lupulescu,C (2626) - Polgar,Ju (2686) [E35]

12th ch-EUR Aix-les-Bains FRA (9), 31.03.2011

1.d4 Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4 4.Qc2 d5 5.cxd5 exd5 6.Bg5 h6 7.Bh4 c5 8.dxc5 g5 9.Bg3 Ne4 10.0–0–0 Bxc3 11.f3!? Bd2+ 12.Rxd2 Nxd2 13.Qxd2 d4 14.Bd6 Nc6 15.e3 dxe3 16.Qc3 Rg8 17.Bb5 Be6 18.Ne2 a6 19.Ba4 Qd7 20.Nd4 0–0–0! 21.Qd3 Bd5 22.Qxe3 b5! 23.Bc2 Rge8 24.Qd2 Nxd4 25.Qxd4 Qe6 26.Qb4 Bxa2 27.Rd1 Qe3+ 28.Rd2 Qe1+ 29.Bd1 Re2! 30.Qg4+ Re6 31.Re2 Qf1! 32.Qf5 Bb3 33.Rd2 Qc4+ 34.Kb1 Ba2+ 35.Ka1 Qc1+ 36.Kxa2 Qxd2 37.Qxf7 Rexd6 38.cxd6 Qxd6 39.Bb3 Kb8 40.h3 Qe5 41.Qg6 Rd6 42.Qg8+ Ka7 43.Qh7+ Kb6 44.Bc2 a5 45.Be4 Qe6+ 46.Ka1 Rd1+ 47.Bb1 a4 48.Qh8 Qd6 49.Qe8 Rd2 0–1



 

2012年はイスタンブールでオリンピアードがあります。また、国内では日本チェス界で初の試みとなるビッグイベントがあり、今すでに水面下で動き出しています。皆さま、2012年もどうかよろしくお願いいたします。


R+B vs R -Part1-

長い間、勉強してこなかったテーマです。その理由としては、「このエンディングの詳細を理解するのが難しいこと」と「今までの私の実戦1300ゲームでこのエンディングが一度も現れなかったこと」があげられます。ただ、統計的にはB+Nのエンディングよりもずっと頻繁に現れるものなので、どこかで勉強する機会を設けないといけないとは前々から思っていました。

 

まずは下のポジションから。白番白勝ち。ちなみに、Philidor18世紀に正確な手順を発見したため、Philidor Positionとも呼ばれています。(本当はこのポジションに至るまで、もう少し前段取りがありますが、私はアイディアを理解するにはこのポジションからでよいと考えています。)

 


 

1.Bb3!!

 

d1c2のマスをカバーする、このエンディングの肝となる1手です。黒はRd1+など、1段目からチェックをかけ続けることでドローに逃げたいところなので、白はまずそれを防ぎます。d1のマスをコントロールするには1.Bf3もありますが、これには1…Rc2!で黒は2段目からのチェックができるようになります。

 

ここで黒には1…Kc81…Rc32手あります。片方ずつ見ていきましょう。

 

A) 1...Kc8

 

2.Rb4

 

狙いはBe6+からのメイト。これを防ぐには次の1手です。

 

2...Kd8 3.Rg4 Re1

 

3...Ke8とすると、4.Rg8#があります。f7のマスにはビショップが利いています。また、3…Kc8には4.Bd5 Kb8 5.Ra4!次のRa8#を黒は防げません。

 

4.Ba4!!

 


 

d1を抑えながらe8のマスを抑える美しい1手です。

 

4…Kc8 5.Bc6b7を抑える) 5…Rd1+ 6.Bd5 Kb8 7.Ra4!

 


 

これで黒は次のRa8#を防げません。

 

B) 1...Rc3

 

黒はキングを動かせないとなると、ルークを動かすしかありません。そして、cファイルで動けるのはこのマスのみです!

 

2.Be6 Rd3+ 3.Bd5 Rc3




3…Kc8
には4.Ra7!で白勝ちです。

4.Rd7+! Kc8

 

4...Ke8には5.Rg7でメイトになります。f3のマスをビショップがカバーしているため、黒はRf3からRf8とすることができません!

 

5.Rg7

 

Rg8#を狙います。4手目でいきなり4.Rg7としないで、4.Rd7+!をはさむ理由が見えたかと思います。

 

5…Kb8 6.Rb7+ Kc8 7.Rb4!

 

狙いはBe6+からのメイト。そして4段目にひくのがポイントです。

 

7…Kd8 [7...Rd3 8.Ra4!] 8.Bc4!! +-



 

d3のマスを抑えながらcファイルを塞いでしまいます。黒はどうあがいてもメイトを防げません。

 

注意深く11手見ていくと、白は強制手順で勝てることが分かると思います。しかし、これを実戦で指せるようにするには、何度も盤上で練習することが必要ですね!


朝霞クリスマス2011 -Champion’s Meeting-

4日の朝霞クリスマス大会は、全日本チャンピオン経験者が5名(ピノー、松尾、塩見、中村(龍)、酒井 敬称略)集ったとのことです。私は前日まで大会に参加する気満々でしたが、当日の朝、行くか寝るかの選択を迫られた時、後者を選びました

 

さて、私が注目したのはチャンピオンの数ではなく、松尾さんの一時帰国(?)による参加というところです。松尾さんの参加があらかじめ分かっていれば、きっとベッドから跳び起きていたことでしょう。残念。 


The Art of the Endgame

Endgame ManualDvoretsky著)のExerciseを解いていると、たまにStudyに出くわします。

 

                       F.Simkhovich,1927

 

単純に1.Bxc4だと、1...Rb1! で、次にb2ポーンを取られます。もし、c6にポーンがなければそのまま2.Bb5a4ポーンを落としにいけ、ドローに落ち着きます。しかし、このc6ポーンがb5のマスにビショップが来るのを阻み、白に簡単にドローにさせません。「1...Rb1を防ぐためには?」と考えれば、白の初めの2手はそう難しくありません。

 

1.Bg4+ Kd6 2.Bf5!

 

これでb1にルークが来るのを防ぎます。しかし...

 

2...Ra2!




3.Nxa2
に対して3...bxa2でプロモーションが止まりません。放っておくとb2が取られ、白必敗です。白に打つ手はなく、本当にこれで終了でしょうか?

 

Studyは、ここで、ダメだと思って考えをやめず、もう一歩踏み込んで考えると正解にたどり着きます。

 

3.Nxa2!! bxa2 4.Kc1 a1Q+ 5.Bb1



 

クイーンを隅に閉じ込めてしまいます。動きのとれないクイーンは全く無力です。黒はキングで監獄に閉じ込められたクイーンを救いにいきますが、力及ばず。

 

5...Ke5 6.Kc2 Ke4 7.Kc1+ Ke3 8.Kc2 Ke2 9.Kc1 Qxb1+ 10.Kxb1 Kd1 11.Ka2 Kc2 12.Ka1=

 

最近、オランダのGM Timmanが、古今東西の優れたEndgameStudy1冊にまとめた本を世に送り出しました。タイトルはThe Art of the Endgameです。Timman自身、Studyの作者として有名であり、New In Chess Magazineには自身の作品を多く発表してきましたが、この本はその集大成でもあると考えられます。Amazon Japanでの発売はまだ先のようなので、私はまだ手に入れていません。どうしてもすぐ欲しいという方は輸入するのが良いと思います。

 

チェスのちょっと違った魅力をこの本で感じてみませんか?


London Chess Classic 2011



今年最後のスーパーGMトーナメント。世界ランキング1位から4位の2800+4名(CarlsenAnandAronianKramnik)に地元イギリス勢4名(AdamsShortMcShaneHowell)を加えた全8名のラウンドロビンです。

 

Carlsenは昨年、一昨年に続く優勝で今年を締めくくるのでしょうか? 注目したいと思います。


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