今年も残すところあと1ヶ月余り。皆さまいかがお過ごしでしょうか?
私は年内に参加する予定の大会がないため、今年は早々と店仕舞させていただきます。そして来年の予定は未定です。
さて、11/10の小島くんのページの記事をきっかけに、私の好きなテーマであるバックランク・ストラテジーの第2弾をまとめてみようと思い付きました。
第1弾はこちら↓ ずいぶん前に書いたものです。
http://chessplayer.jugem.jp/?eid=53
Guseinov – Sargissian
Porto Carras 2011
ここで白に華麗な決め方があります。
33.Qxe6+!! Rxe6 34.Rc8+ Kh7 35.Rff8 Qd1+ 36.Kg2 Qd5+ 37.f3
大幅なマテリアル・アップの黒ですが、Rh8#をさけるためには大幅なマテリアル・ダウンを避けられません。黒としては何とも悲しい構図です。
37...Rd8 38.Rcxd8 Qxd8 39.Rxd8 Rxe3 40.Kf2 Re5 41.h4 Ra5 42.a3 Ra4 43.Kg3 Rc4 44.Ra8 Rc7 45.b4 1–0
この、「バックランクに2つルークを突っ込んで相手をメイト受けなしにする」というのが今回のテーマです。小島くんの記事にコメントを入れたように、このバックランク・ストラテジーは、私に真っ先に次のゲームを思い出させました。
Mamedyarov – Timofeev
Moscow 2004
32.Qxd8+! Rxd8 33.Rxd8+ Kh7 34.Ree8 1–0
メイトは防げるにせよ、黒のクイーンが絶望的なポジションにいます。
このストラテジーはもとを辿ればAlekhineの有名なゲームに行き着きます。1925年のゲームです。
Alekhine – Colle
Paris 1925
30.Qxd7!! Rxd7 31.Re8+ Kh7 32.Rcc8 Rd8 33.Rexd8 1–0
やはり、バックランクは「明渡してはいけない最後の砦」なのでしょうかね。