Back-Rank Strategy

小笠さんの訳書「チェス戦略大全1 Complete chess strategy」は売行き好調のようです。私も購入はしていないものの、書店でさらっと中身はチェックしました。その中で偶然目に留まった手筋が以下のものです。


              DurasBarasz

                           Breslau 1912

ここから白はどう続けるのでしょうか?

35.Rxd6! Rxd6 36.Rc8+ Kh7 37.Qa8 Qf6 38.Rh8+ Kg6 39.Qg8!



今回扱うテーマの鍵となる手です。白の狙いは40.Qh7+ Kh5 41.h3!で次にg4#

39... Rd3 40.Nh4+ Kg5 41.Nf5 Re6 42.h4+ Kg4 43.Nxh6+

39.Qg8!のポイントです。gファイルのピンのため、h6のポーンは守られていません。

43...Kh5

43...Qxh6 44.Rxh6 Rxh6 45.Qxg7+ Rg6 46.Qxf7は黒に望みなし。

44.Nxf7+ Kg4 45.Nh6+ Kh5 46.Nf5+ Kg4 47.Rh7 Re7 48.Nh6+ Kh5 49.Nf7+ 1-0


49...Kg6には50.Rh6#!です。


私がこのテーマに興味を持ったきっかけとなったゲームはおととしの百傑での井上さんとのゲームでした。(チェックメイトNo.68より)


               Inoue(1774)Baba(2202)

                百傑戦 2007


ワンポーンダウンの一見、望みのなさそうなポジションからバックランクで何とか反撃を作ろうとしたところです。


30. Bc5??


これはバックランクからの攻めを過小評価した結果のブランダーでした。
 

30…Rh1+ 31. Kg3 Qg1!




これは盤上で思いついたアイディアでした。「安全側」であるはずの3rdランクに逃亡を図ったキングは突如
Rxh3#の脅威にさらされます。

 

32. Kh4

 

32. Kf3には32…Bxh3!で、

A)     33.Ke2 Qf1+ 34.Kf3 Qxg2+ 35.Ke2 Qf1+ 36.Kf3 Bg4+! 37.Kxg4 Qg2+ 38.Qg3 Qxe4+ 39.f4 f5#

B)     33.g3 Bg2+ 34.Kg4 Qh2(Qh5#) -+

C)     33.gxh3 Rxh3+ 34.Ke2 Rxe3+ 35.Bxe3 h5 -+

 

32…Qxg2 33.Rd3 Rxh3+ 34.Qxh3 Qg5#


最後に同じ手筋のものをもう一例挙げます。(チェックメイトNo.74より)

 

              Inoue(1781)Nanjo(2163)

             学生選手権 2007


白はメイトを避けるため、逃げ道を作らなければいけません。


25.Bxa4 Ra1+ 26.Kb3 Qb1?

 

ここでも白キングが突如Rxa3#の危機にさらされます。しかし、今回はうまくいきません!
黒はここで26...Qc5!(27...Rxa3+! 28.bxa3 Qxa3#!) 27.c3 bxa4+ 28.Rxa4 Qb5+ 29.Rb4 Bxb4 30.cxb4 Qxe5とするべきで、こうすれば黒優勢でした。
井上さんは上のゲームの教訓を生かして、ここはきちんと対処しました。



27.Kc3! Ra2?!

 

魅力的に見える27...Bxa3!?には、28.bxa3 Rxa3+ 29.Bb3 Rxb3+! 30.cxb3 Qxe4 31.Nd3で、面白いラインではありますが白が受け切れてしまいます。黒は27...bxa4 28.Rxa4 Qg1で、クイーンをバックランクから元のフィールドに戻すのが最善です。

 

28.Nd3 b4+!?

 

28...bxa4 29.Rxa4は黒に望みがないなので、勝負に出ます。

 

29.axb4?!

 

単に29.Kd2で白勝ちです。

 

29...Rxa4 30.Rc4 Ra8 31.Qf3 Qa1 32.Rc7

白の反撃です。黒に希望はないように見えますが、ここから南條君は実戦的な手筋でゲームを難しくします。

32...Bf8!? 33.Qxf7+ Kh8 34.Qxe6 Ra3+!



35.Kd2 Rxd3+!

白キングを裸にして何とかパペチュアルに逃れようとします。

36.cxd3

 

白勝ちのラインとして36.Kxd3 Qd1+ 37.Ke3 Qe1+ 38.Kf3 Qd1+ 39.Kg3 Qe1+ 40.Kh3 Qe3+ 41.g3もありました。

 

36...Bxb4+ 37.Kc2 Bf8 38.Rc8 Qf1 39.Qe8 Qe2+ 40.Kb1?

 

40.Kc3! Qe1+ 41.Kb3 Qb4+ (41...Qd1+ 42.Ka2) 42.Kc2で黒のチェックが途絶え、ゲームオーバーでした。

 

40...Qxd3+ 41.Ka2 Qd5+ 42.Kb1 Qd3+ 43.Kc1?!

 

この手の後、白はパペチュアルを防ぐことはできません。勝ちへのプロセスは難しいですが、ラストチャンスは43.Rc2でした。

43...Qf1+ 44.Kc2 Qxg2+ 45.Kb1 Qf1+ 46.Ka2 Qa6+ 47.Kb3 Qb6+?!  48.Kc4 Qb4+ 49.Kd5 Qa5+ 50.Ke6 Qa2+ 51.Kf5?! Qb1+ 52.Ke6 Qa2+ 53.Kd7 Qa7+ 54.Rc7 Qa4+ 55.Kd8 Qa8+ 56.Kd7 Qa4+ 57.Kd8 Qa8+ 58.Rc8 Qa5+ 59.Rc7 Qa8+  1/2-1/2


GM Baburin also comes to Japan!

SamCollins)からメールがありました。

どうやらConquest氏と同様に、アイルランドのGM Baburin氏が来日したいそうです!
Baburin
氏はロシア出身のGMで、1993年にアイルランドに移り住んでいます。E-mailでのChess Newspaperである Chess Today」の編集長としても有名です。

二人のGMが来る時期はまだ定かではありません。まずは一度Samに会って話をするところからスタートしたいと思います。

これはやはりドレスデン効果なのでしょうか...




全日本選手権予選

2009年度の全日本選手権予選が来月からスタートします。

JCA
のホームページでは「2010全日本選手権 全国大会予選」となっていますが、これにはよく分からない理由が確かありました。しかし、傍から見れば年度を間違っているようにしか思われません。今からでも遅くはないので、きちんと「2009全日本選手権 全国大会予選」と修正するべきでしょう。


さて、各地区の予選日程です。


東海地区 (2/1)                   

関西地区・兵庫県選手権 (2/8)                   

中国地区選手権 (3/1)                   

百傑戦 (3/20,21,22)         

北海道選手権 (3/28,29)             

東北選手権 (3/29)            

九州地区選手権 (3/29)

関西地区・大阪府選手権 (4/11,12)


北海道、東北、九州で日程が重なっているため、チャンスは最大でも6回ということです。
ただ、これは一般予選であって、実際には全日本選手権出場資格者として、

1. 4
段以上持っていて、年間で25ゲーム以上対局した人
2.
レイティングTOP20(チェス通信に掲載されています)に4回以上名がある人
3.
ジャパンオープン上位10名(繰り下がりなし)
4. JCA
推薦を受けた人

も加わります。

今年の百傑戦は普段と会場が違います。東京都大田区池上の池上会館(池上本門寺の隣に建てられた施設)です。池上は門前町として発展した地で、趣があります。葛餅が有名です。



池上会館正面入り口


本門寺入口への長い階段






池上会館の屋上は庭園となっています


池上会館屋上と本門寺の敷地はつながっています


Informant 102 Ten Best Games

Chess Informant102の上位10局が出ました。 

http://www.chesscafe.com/informant/informant.htm

1
位に輝いたのはDresden Dream(8)でもちょこっと触れた"Ivanchuk's Birthday Bomb"でした。

正直意外です。そもそもラピッドのゲームですしね。

このクイーンサクリファイスは、黒が正確に受ければ白はイコール以上は望めないという結論も出ています。しかし、このラインのように、Sozinはまだまだ面白いアイディアが潜んでいるので、研究の余地があると思います。私もドレスデンではMishaとラインを研究しました。おすすめのSozinプレーヤーはNisipeanuStocek(ストチェク)です。Nisipeanuは皆さんご存じでしょう。StocekはチェコのGMで、アタッカーです。

2
位以下のゲームでいくつか知らなかったゲームがありました。

まず4位のHaba-Gyimesi
ピースサクリファイスで黒のキングをおびきよせます。典型的なアタッキングゲームで、攻めの参考になると思います。

次に7位のGelfand-Alekseev
これはチーム選手権のゲームですか?初めて見ました。Alekseevは非常にクラシカルなプレーヤーなのでAnti-Moscowは合わないと思います。あくまで個人的な意見ですが。

あと9位のMoiseenko-Ivanov
黒はアメリカのAlexander Ivanovとは別人です。これはかなりアンユージュアルなポジションですね。こんなのもあるのかと思って眺めました。

Informant
の購読をやめてからずいぶん経ちますが、Best Games 上位10局とNovelty 上位10局は必ず確認するようにしています。


チェス通信 2009.1月号

今日、届きました。

あまり内容についてあれこれ言わないようにはしていますが、私の担当する記事において、私の意図したことがJCAのほうに伝わらなかった箇所がありましたので、指摘しておきます。


        Li Chao-David Howell
        World Junior 2008
         Position after 97.Re8


「ここでわざと180度回転させた局面図をお見せします」
として示したのが上図です。

おそらくこの局面だけ見れば手前が白陣だと思うはずです。ナイドルフかなんかのとてもよくありそうなポジションです。しかし実際は手前が黒陣であるのがポイントです!

ですから、原稿の局面図は上図の通り、左下マスがh8になっていますが、チェス通信ではa1になっています。


せっかくですのでちょっと話を発展させます。

前号はオリンピアードのレポートでした。オリンピアード帰りの成田での解団式で、レポートを書きたい人がいたら申し出てくださいと言われていました。本来ならプレーヤーの私が書いたほうがよかったと思いますが、オリンピアード後はやや忙しく、時間が取れませんでした。また、ドレスデンでの経験は少ない紙面には収まりきらないと思っていたので、このページに書くことにしたわけです。

しかし、そりなりに楽しみにしていた前号のレポートでは全く感動が伝わってきませんでした。また、結果だけ載せるのであれば表にしたほうがずっと分かりやすかったと思います。

今号もレイアウトがおかしすぎます。記事の途中でページを飛ばすなら、そのまま続けたほうが読みやすいものです。

あと、せっかくしっかりした印刷物なのに、三つ折りにして郵送してしまっては台無しです。きちんとA4がそのまま入るサイズの封筒で送るべきでしょう。


以上は私の考えですが、皆さんはどうお考えでしょうか?


9th Bangkok Chess Club Open



タイで毎年行われている国際大会のスケジュールが出ました。

http://www.bangkokchess.com/9thopen.html

BCC Open
4/1-4/66日間の日程で行われ、9試合です。
今年は有名なパタヤビーチに近いWongamart ビーチで開催ということです。つまりリゾート地での大会です。本大会は1年おきに都市部開催とリゾート地開催を繰り返しているようです。

BCC Open
と並行して、BCC Challengerも開催されます。BCC Openは誰でも出られますが、BCC Challengerのほうは出場制限があり、FIDE Rating2100未満か、アンレートのプレーヤーとなっています。また、BCC Challenger4/2-4/61日少なく、7試合です。

ホテルは1泊ツインで6600円程度、参加費はBCC Open7400円程度(3/1までに支払えば6600円)、BCC Challenger2650円程度(3/1までに支払えば2100円)です。

チェスと海が好きな方には最高な大会だと思います。興味のある方は主催者のほうにメールを出してみたらいかがでしょうか?


Cappelle la Grande 2009 Invited players

招待選手がアップされています。

http://www.cappelle-chess.fr/en/default.php?page=45

日本からは小島君(2276)と太田君(1936?)が招待枠を使って参加します。ギリギリでしたが何とか残り一枠を埋めることができました。小島君には普段以上のパフォーマンスをたたき出すことを、太田君には世界のレベルを体感してもらうことを期待しています。二人は仲が良いので、旅自体は問題なさそうです。


ホテルのあるダンケルクは港町です。



ホテル部屋からの景色


157  wm Nadig Kruttika 2367 IND Female

おそらくこれを見て吹き出してるんではないでしょうか? ねえ、佐野君w
あの伝説に残る5クイーンのゲームをした相手が昨年夏からこの短期間に100以上もレイティングを伸ばしています。

http://tournaments.chessdom.com/kruttika-nadig-wins-india-national


この大会で稼いだようです。とても同一人物とは思えません。。。


優勝の行方は分かりません。昨年はリストトップのGashimovが優勝しましたが、今年リストトップのMiroshnichenkoがそうすんなり優勝できるとは考えられません。今年のAerofloat Openは2/16-27なので、AeroとCappelleのハシゴが可能です。今後、強いプレーヤー達がCappelleにエントリーする可能性は高いということです。

Cappelle la Grande 国際大会2009は、2/28スタートです。お見逃しなく。


Uesugi Shinsaku - Alexander Shabalov 1/2-1/2!!

Corusの話題に移る前に面白いニュースが飛び込んできました。

アメリカ、フィラデルフィアで行われている Liberty Bell Openで、上杉晋作君が
GM Shabalovからドローをとったようです。

Corus1,2Rのどのゲーム、どの結果より興奮しました。


Uesugi Shinsaku(USCF2315)
Alexander Shabalov(USCF2632)

41st Annual Liberty Bell Open (5) 2009.1.18

 

1.Nf3 d5 2.g3 Bg4 3.Bg2 Nd7 4.d4 e6 5.0–0 Bd6 6.c4 c6 7.b3 f5 8.Ba3
 
e5のアウトポストを占拠するため、黒マスビショップを交換しにいきます。

8...Bxa3 9.Nxa3 Qe7 10.Nc2 Nh6!?

Nh6-Nf7
としてe5のマスをカバーするための手ですが、10...Ngf6からNe4を狙っていくほうが自然に見えます。

11.Nce1 0–0 12.Nd3 Nf7 13.Qc1 Qf6 14.Qe3!?

私だったら14.Qb2を選ぶと思います。 

14...Bxf3 15.exf3 dxc4 16.bxc4 Nb6

白のc,dポーンが弱いので黒としては満足なポジションです。

17.Rac1 Rad8 18.Nc5 Rfe8 19.Nxb7




19...Rxd4?!

ここは19...f4!がありました。20.Qxf4 Qxf4 21.gxf4をいれてから21...Rxd4なら黒が主導権を握ります。これを逃したので白は...

20.f4!

ビショップの道を開いて白有利です。

20...Nxc4 21.Qe2 Nd2 22.Bxc6 Rb8 23.Rfd1 Ne4 24.Bxe4 Rxe4 25.Qa6 e5

 

26.Qxa7

ここは26.Rc6 Qe7 27.Nc5でナイトを中央に戻しておいたほうが良かったようです。

26...Re8 27.Nc5 Re2 28.fxe5?

これは黒を助けるだけです。
28.Re1! exf4 29.Rxe2 Rxe2 30.Qb8+ Qd8 31.Qxf4なら白に勝ちのチャンスがあります。
 
28...Nxe5 29.Nd3 Nxd3

29...Nf3+ 30.Kg2 Qe6 31.Qb7!は黒に
反撃を与えません。

30.Rxd3 Re1+ 31.Rxe1 Rxe1+ 32.Kg2 Qc6+ 33.Kh3

ここは安全にドローにしにいって良いと思いますが、勝ちにいきたいなら、
33.Rf3! Qb5 34.Re3でワンポーンアップのメジャーピースエンディングを続ける選択もありました。
 
33...Qh6+ 34.Kg2 Qc6+ ½-½





オープン優勝はウズベキスタンのGareev(写真右の黄色ジャージ)


Corus2009

さて、いよいよ今日からオランダのWijk aan ZeeにてCorus2009が始まります。

Corus2009のホームページはこちら
http://www.coruschess.com/index.php

ライブゲームもページ内左欄のLive Games→Watch the gamesで見られます。

まずは今年のメンバーを確認してみましょう。

Aグループ

1  GM Vassily Ivanchuk UKR 2779 1969
2  GM Magnus Carlsen NOR 2776 1990
3  GM Alexander Morozevich RUS 2771 1977
4  GM Teimour Radjabov AZE 2761 1987
5  GM Sergei Movsesian SVK 2751 1978
6  GM Levon Aronian ARM 2750 1982
7  GM Wang Yue CHN 2739 1987
8  GM Gata Kamsky USA 2725 1974
9  GM Leinier Dominguez Perez CUB 2717 1983
10 GM Michael Adams ENG 2712 1971
11 GM Sergei Karjakin UKR 2706 1990
12 GM Loek van Wely NED 2625 1972
13 GM Daniel Stellwagen NED 2612 1987
14 GM Jan Smeets NED 2601 1985

今年はAnand、Topalov、Kramnikが不在ですが、注目は地元オランダの次世代を担う二人の若手の起用です。

オランダは長年TiviakovとI.Sokolovに頼りすぎていましたが、ようやくVan Welyに続く純オランダ人のStellwagenとSmeetsが成長してきました。大会主催者はオランダ自国のレベルアップを図るため、今回、思い切って二人をAグループに招待しました。

すでにDresden OlympiadではVan Wely+若手4人(Stellwagen Smeets L'ami Werle)でチームを構成してきたことからもナショナリズム を見て取ることができます。L'amiとWerleはBグループに参戦です。


Bグループ

1 GM Krishnan Sasikiran IND 2711 1981
2 GM Francisco Vallejo Pons ESP 2702 1982
3 GM Zahar Efimenko UKR 2688 1985
4 GM Rustam Kasimdzhanov UZB 2687 1979
5 GM Alexander Motylev RUS 2676 1979
6 GM Andrei Volokitin UKR 2671 1986
7 GM Nigel Short ENG 2663 1965
8 GM Fabiano Caruana ITA 2646 1992
9 GM David Navara CZE 2638 1985
10 GM Jan Werle NED 2607 1984
11 GM Erwin L'Ami NED 2603 1985
12 GM Hou Yifan CHN 2571 1994
13 GM Henrique Mecking BRA 2567 1952
14 GM Dimitri Reinderman NED 2549 1972

毎年レベルが上がってくるBグループは、もはやBとは呼べず、A2グループとでも言ったほうが良さそうです。今回も豊富な人材を揃えてきました。Hou YifanがGMになったことから、14人全員GMです。

Cグループ

1 GM Wesley So PHI 2627 1993
2 GM David Howell ENG 2622 1990
3 GM Tiger Hillarp Persson SWE 2586 1970
4 GM Abhijeet Gupta IND 2569 1989
5 GM Friso Nijboer NED 2560 1965
6 GM Manuel Leon Hoyos MEX 2542 1989
7 GM Oleg Romanishin UKR 2533 1952
8 GM Eduardo Iturrizaga VEN 2528 1989
9 GM Frank Holzke GER 2524 1971
10 WGM Dronavalli Harika IND 2473 1991
11 FM Anish Giri RUS 2469 1994
12 IM Roeland Pruijssers NED 2444 1989
13 IM Manuel Bosboom NED 2418 1963
14 FM Ali Bitalzadeh NED 2400 1989

Cグループも年々GMの比率が上がってきているようにみえます。基本的には将来のある若手中心で構成されているかと思いきや、ベテラン勢も混ぜ合わせて面白い構成になっています。

おそらくSoとHowellの争いになるとは思いますが、ふたを開けてみないと全く分かりません。

ちなみにGuptaは世界ジュニアチャンピオン、Leon HoyosはIM時代からLinaresでのIvanchukのセコンドを務めた経験を持ち、Iturrizagaはベネズエラ初のGMです。

松戸CCチャンピオンシップから

Manabe Hiroshi (2075)

Uehara Shinpei (1917)

Matsudo C.C. Championship 2009 (7)


6R終了して5Pで首位に立つ上原君を4.5Pの真鍋さんが追いかける展開です。最終ラウンドはこの両者の対戦となりました。

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 Bg7 4.e4 d6 5.Nf3 0-0 6.Be2 e5 7.0-0 Nc6 8.d5 Ne7 9.b4

キングズインディアンのバイヨネット・アタックとよばれるもので、近年キングズインディアンのメインラインと考えられています。Van welyRadjabovがしつこく盤上でこのラインを議論しています。

9...Nh5 10.Re1 f5 11.Ng5 Nf6 12.Bf3

12.f3
のほうがポピュラーですが、本譜の12.Bf3も、2004年のLinaresでのShirov-Radjabov戦があり、相当詳しく研究されたラインです。

12...c6 13.b5?!




この手自体は悪くありませんが、このゲームに絶対勝たなければならない状況であることを考えるとやや疑問です。というのは13.b5はドローになる可能性がとても高いからです。
Pelletier-Nakamura, Biel, 2005
でもこのポジションになりました。ここでPelletier13.b5に対するコメントを紹介しておきます。
「これは全くの心理戦だ。私はこのラインで黒が十分ドローにできるというところまで細かく研究していたが、もしこのドローの選択を黒から拒んだら、黒にとって危険なラインがあることも分かっていた。もしNakamuraがもっとじっくり考え込んで指してきたなら私は13Qb3で勝負にいっただろう。しかし彼はドローなんて選択肢になかったんだ!」

このあとNakamuraのドローを避けた疑問手により、Pelletierが快勝しました。

13...cxd5 14.cxd5 h6 15.Ne6 Bxe6 16.dxe6 fxe4 17.Nxe4 Nxe4 18.Bxe4 d5 19.Ba3 dxe4 20.Qxd8 Rfxd8 21.Bxe7 Re8 22.Bc5 Rxe6

 

強制手順が続いたあと、局面は完全にドロー模様になりました。

 

23.Red1 a6

 

23...b624.Be3のあとa4-a5でやや白にチャンスがありますが、それでもイコールでしょう。

 

24.b6

 

白が勝ちに行くならb7を落としにいかなければなりません。

 

24...Bf8 25.Be3 Rae8?


 


おそらく黒の敗着です。7段目に入られることに気を取られ、ルークの最も自然なマスを逃しました。25...Rc8なら黒十分です。例えば26.Rd7 Re7 27.Rad1 Rc2! でカウンターです。

 

26.Rac1!

白のルークの位置のほうがずっと自然であり、7段目への侵入が止まりません。

 

26...Ba3 27.Rc7 R8e7 28.Rd8+ Kg7 29.Rb8 Kf6 30.Rbxb7 Rd6 31.g3 Rd8 32.Ra7 Bd6 33.Rxe7 Bxe7 34.b7 Rd1+ 35.Kg2 Rb1 36.Rxa6+ Kf7 37.Rb6 1-0


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