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Portugal Open Rapid 2020

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本戦であるClassicalトーナメントの翌日、同会場でRapidトーナメントが開催されました。15+5/手のタイムコントロールのゲームを1日で8Rを戦います。Classicalトーナメントには出てRapidトーナメントには参加しなかったプレーヤーもいたり、その逆もいたりしましたが、総勢200名近くのビッグトーナメントでした。

 

海外でこのようなRapidトーナメントに参加するのは初めてで、まして15+5/手のタイムコントロールも経験したことがなかったので、どうなるものかなと思いながらも楽しんでこようと朝から会場に向かったのでした。

 

 

 

45番ボードまでセンサーボードでした。

 

 

今回は順調にR.1R.2を勝ち、続くR.3がこの大会のハイライトでした。

 

Baba, Masahiro (FM,2274,JPN)

Grigoryan, Karen (GM,2667,ARM)

Portugal Open Rapid 2020(3)

 

[前日、Classicalトーナメントを優勝したアルメニアのGMGrigoryanとの対戦。試合前、「Congratulations!」と声をかけ、「Thanks!」と返してきたGrigoryan。笑顔でゲーム開始となりました。ちなみにこの時点でGrigoryanRapidランキングは世界69位でした。]

1. e4 c5 2. f3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Bg5 Nbd7 7. f4

Por27.gif

[相手がNajdorfプレーヤーであることは知っていましたが、18ゲームをこなすマラソントーナメントなので、当然、準備の時間はありません。これまで、6... Nbd7ラインには7. Bc4を指していましたが、このゲームでは研究ラインを試すことにしました。]

7... Qc7 8. Qf3 h6 9. Bxf6 Nxf6 10. f5 Qc5 11. O-O-O g5 12. fxg6!?

Por28.gif

[これが面白いと思っているラインで、白はエクスチェンジを捨てる(1ポーンのお釣りはくる)代わりに黒の白マスの弱さを利用してアタックします。]

12... Bg4 13. gxf7+ Kxf7 14. Qd3 Bxd1 15. Nxd1

Por29.gif

[判断は難しいところですが、白は1ポーン以上の代償はあると思います。何より、次の数手の白のセットアップが分かりやすいです。]

15... e6 16. g3 Bg7 17. Bh3 Rhe8 18. Ne3 b5 19. Rf1 Qh5

Por30.gif

[白ルークがh2の守りから動いたタイミングでこのクイーンの手は予想していました。これに対しては次の1手です。]

20. Bxe6+! Rxe6 21. Nxe6 Kxe6 22. Rf5

[ここは本譜と22. Nf52択でしたが、Nf5には22... Qg5+があります。20. Bxe6+の時点で本譜のように指すつもりでした。]

22... Qe8 23. e5!

Por31.gif

[これは直感で指しました。黒キング前のポジションをできるだけ開くため、ポーンを突き捨てます。]

23... dxe5 24. Qb3+ Kd7

[human decisionです。本譜よりベターかもしれませんが、誰も24... Kd6!? とは指さないのではないかと思います。]

25. Nd5 Qe6

Por32.gif

[25... Nxd5 26. Qxd5+ Ke7 27. Qb7+ Ke6 28. g4で黒がディフェンスするという展開もあるようですが、これもhuman decisionで、誰もe6にキングが上がる展開は望まないでしょう。]

26. Nxf6+ Bxf6 27. Rxf6! Qxf6

[27... Qxb3? 28. axb3は白がポーンアップの上、ルークもずっとアクティブなため、この交換は間違いです。Najdorfのエンドゲームでは、a6-b5のポーンコンビは弱点にしかならず、いつも役に立ちません...]

28. Qd5+

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[一連のコンビネーションのポイントです。カッコよく両取りが決まりますが、実際はドロー以上にはなりません。]

28... Ke7 29. Qb7+!

[a6を取ったときにチェックになるよう、この1手を挟みます。]

29... Ke6 30. Qxa8 Qf1+ 31. Kd2 Qf2+ 32. Kd1 Qg1+

Por34.gif

[Qf1+Qf2+で黒はドローにできますが、手番を持っている黒はもう少し可能性を探ります。]

33. Ke2 Qxh2+ 34. Kf1 Qh3+ 35. Kf2 Qf5+ 36. Kg1

Por35.gif

[これで黒にさらなるチェックは無く、黒としては仕方がなくクイーンサイドのポーンの取り合いとなります。]

36... Qxc2 37. Qxa6+ Kf5 38. Qxb5 Kg4?!

Por36.gif

[黒が38... Qb1+? a2のポーンを取りに行くと、39. Qf1+! でクイーンの強制交換となり、交換後は白勝ちのポーンエンディングになります。38... Ke4なら黒キングが十分アクティブで、白はパペチュアルでドローにする他ありません。e5がフリーで落とせるようになり、何かトラップがあるのかと疑いながらも特に何もなさそうだったので、もらえるものはもらっておきます。]

39. Qxe5 Kh3 40. Qe6+ Kxg3 41. Qe3+

[41. Qe1+ Kg4 (41... Kf3? 42. Qc3+ Qxc3 43. bxc3 +-) 42. Qb4+ Kg5 43. a4だと、白がわずかに勝ちのチャンスがありそうです。ただ、これだけキングの囲いがないと、パペチュアルチェックを避けるのは困難でしょう。局後、Grigoryane1のマスを指差し、危なかったというジェスチャーをしたのは、ここのことだと思います。]

41... Kg4

Por37.gif

[41手目のチャンスを逃した今、もうチャンスはなく、よく戦ったと納得し、最後のポーンを取ります。]

42. Qxh6 Qb1+ 43. Kg2 Qxb2+ 44. Kg1 Qa1+ 45. Kg2 Qxa2+ 46. Kg1 ½–½

Por38.gif

[この状況で私からドローオファー。相手は少し考え、ドローに同意しました。最終的にGrigoryanRapidトーナメントも優勝。圧倒的な強さでPortugal Openを制しました。]

 

 

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このトーナメントの中から、もう1ゲーム、一番クリーンな勝ちのゲームを紹介します。

 

Baba, Masahiro (FM,2274,JPN)

Fernandes, Miguel (1987,POR)

Portugal Open Rapid 2020(5)

 

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Nf6 5. Nxf6+ exf6

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[カロカンのサイドラインですが、近年はトッププレーヤーも採用しています。6... gxf6と取り返す手もありますが、本譜のほうが人気です。]

6. c3 Bd6 7. Bd3 O-O 8. Ne2 Re8 9. Qc2 h5!?

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[h7のポーンを取られないようにしつつ、0-0のあと白のナイトがg3に来た時、h5-h4で追い払う狙いがあります。]

10. Be3 Be6 11. O-O-O Nd7 12. c4 Nf8 13. Nc3

[このラインでは逆サイドにキャスリングしていますが、無理やりキングサイドから攻めるのではなく、センターを取りにいくのが白の正しい指し方だと考えています。]

13... a6 14. h3 b5 15. c5 Be7 16. Be4 Rc8

Por41.gif

[私の読みでは、16... b4 17. d5! bxc3 18. dxe6 cxb2+ 19. Kb1 Qc8 20. exf7+ Kxf7 21. Qc4+は白優勢です。]

17. d5! cxd5 18. Nxd5 Bxd5 19. Rxd5 Qa5?! 20. Kb1 g6 21. h4 f5

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22. Bxf5!?

[ここはアタックが続くと読んで、ビショップを捨てます。Classical本戦ではもっとソリッドなプレーをしていましたが、これはRapidなので、直感を大事にします。]

22... gxf5 23. Qxf5 Ng6 24. g4!

Por43.gif

[黒クイーンがa5で遊んでいる今、キングサイドから畳みかけに行きます。24... hxg4 25. h524... Nxh4 25. Qxh5も白のアタックが強力です。]

24... Qa4 25. gxh5 Nxh4 26. Rg1+ Kh8 27. Qxf7 Qe4+ 28. Ka1 Rg8

Por44.gif

[黒はかろうじてメイトを防ぎ、白の弱点のバックランクへ反撃を狙いますが...]

29. Bd4+! Qxd4 30. Rxg8+ Rxg8 31. Qxg8+ Kxg8 32. Rxd4 Nf5 33. Rd5

Por45.gif

[強制手順の駒交換後、残ったのはセンターを制圧するルーク。そしてcポーンが止まりません。]

33... Ng7 34. c6 Ne6 35. c7! 1-0

[35... Nxc7 36. Rd7で黒はどちらかのピースを失うので、ここでリザインしました。]

 

 

最終順位は13位とこれまたスタートランキングの29位を大きく上回り終了。プライズは10位までだったので入賞はしませんでしたが、満足な結果です。レイティングは+14.8で、Classicalのレイティングより高くつくことになります。

 

最終結果

http://chess-results.com/tnr484680.aspx?lan=22&art=1&rd=8&flag=30

 

 

総じて良い大会でした。

Obrigado!!

 

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