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Bangkok Chess Club Open (4) Kojima reports

Kojima Shinya (2277)

Li Hanbin (2322)

Thailand Open Chess Championship 2009(7)

 

1.Nf3 d5 2.d4 c6 3.c4 Nf6 4.e3 e6 5.b3 Nbd7 6.Bb2 Bd6

7.Bd3 0-0 8.0-0

 

黒のプランとしてb6-Bb7と組むことは自然に見えますが、もう1Ne4-f5も考えられます。8.Nbd2と指せば後者のプランは消すことが出来ましたが、ストーンウォール組みの試合はいくつも見ていたので、来るなら来い!という気概でキャスリングを優先しました。

 

8...Ne4 9.Nbd2 f5 10.Ne5 Nxe5!?

 

この手は少し意外でした。いくつか見た試合の中では10...Qf6!? 11.f4 Qe7 といった手筋が印象に残っていました。

 

11.dxe5 Bc5 12.Nf3

 

白はd4が空いたのでそこにナイトを持っていきます。

 

12...Qe7 13.Nd4 Bd7 14.Qc2 Rac8 15.Rac1 Bb6

 

ここを自分は一つのチャンスと見ました。

 

16.f3 Ng5?!

 

16...Nc5とビショップに当てつつ退くほうが自然に見えます。

 

17.c5! Bc7 18.Ne2! 

 



これでやや白良しと判断できます。白にはスペースアドヴァンテージとクイーンサイドのポーンを伸ばしていくという明確なプランがあるのに対し、黒にはアクティヴかつ有効なプランが存在しません。また、黒のナイトが
e4に戻ってきてしまうため、白はすぐにf4をつきません。f4をつくのは黒のナイトがさらに退いてからです。

 

18...Rfd8 19.b4 b6 20.Bd4!

 

ナイトが退いたあとにd4を抑えるのはビショップの役目です。c5のポーンをサポートしつつ、黒がaポーンを動かすことを許しません。

 

20...Qe8 21.Rb1 Rb8

 

このようなポジションでは白が優勢であることは理解しながら、これからどう進めていけばよいか分からない、ということがしばしばあります。そういった際はあせらず、ゆっくりとピースのポジションを改善していくことが大切です。

 

22.Rfc1

 

試合中自分は22.Qa4 b5!? 23.Qxa7 Ra8 24.Qxc7 Rdc8 25.Qb6 Rcb8はクイーンを戻すことが出来ず、ドローだと考えていましたが、26.Ra1!? Rxb6 27.cxb6 Ra3 28.Nc1!というクイーンを捨てる変化をコンピューターは出しました。確かにc5がナイトの入る絶好のマスとなるため面白い変化だと思いますが、これに気づいたとしてこのような怪しい駒数にするかは疑問です。

 

22...Nf7 23.f4 b5

 

ここで黒はクイーンサイドを固めてきました。もちろん白は教科書どおりにこれを崩しにいきます。

 

24.a4 a6 25.Ra1! 

 



ちょっとしたテクニックなので覚えておくと良いでしょう。黒は自身の
aポーンが弱点として残ってしまうため、bxa4ととることができません。それに対し白はいつでもaxb5aファイルを開くことが出来ます。そのような場合白はすぐにポーンの交換をせず、開いた際に大きな優勢が得られるよう準備する(例えばあらかじめaファイルにルークを回しておく)と効果的です。これをキープテンションと呼びます。

 

25...Bc8 26.Bc3!

 

これも前述の準備の一つです。c5,e5をすでに守る必要がなくなったビショップを退き、ナイトをd4に戻します。

 

26...Nh8 27.Nd4 Ng6 28.axb5!

 

ここまで準備して白はaファイルを開きます。

 

28...axb5 29.Ra7 Rb7 30.Rca1?!

 

ここは30.Ra6! とルークをキープしながら、もう一つのルークをaファイルに回すべきでした。

 

30...Rxa7 31.Rxa7 Bb8 32.Ra3 Nf8 33.Be1!

 

ビショップのダイアゴナルを切り替えます。

 

33...Qd7 34.Bh4 Re8

 

黒からポジションを改善する術がないので白が勝負に行かなければドローは確定です。ここで自分は長考し、勝ちを目指すことを決断しました。

 

35.Bxb5!!  

 



良くある筋ですがやはり慎重に読みました。

 

35...cxb5 36.c6 Qc7 37.Nxb5 Qb6 38.Qc5!

 

b.cファイルの2コネクテッドパスポーンではなくなりますが、白として十分です。

 

38...Qxc5 39.bxc5

 

Nd6,c7,Ra8といった狙いが白にはあり、黒のディフェンスは難しいように見えます。

 

39...Nd7!?

 

白としては、ピースを返されて粘られる展開は面白くないので一気に勝負を決めてしまいたいところですが、あせりは禁物です。自分が読んでいたのは 39...Ng6 ですが、こちらも 40.Ra8! Nxh4 41.Rxb8 Rf8 42.Nd6 Ba6 43.c7 Ng6 44.c8=Q Bxc8 45.Nxc8 と進んで白の勝ちです。

 

40.Nd6!? Bxd6 41.exd6

 

異色ビショップにしても白は何の問題もなく勝つことができます。41.cxd7 Bxd7 42.exd6 Bc6 43.Ra7!

白の黒マスビショップの働きがポイントですね。

 

41...Nxc5 42.Ra7

 

これで黒はプロモーションを防ぐために2ピースを捨てざるをえないので白の勝ちとなります。

 

42...e5 43.d7 Bxd7 44.cxd7 Nxd7 45.Rxd7 exf4 46.exf4

1-0

 

 後半戦の初戦はタフなゲームでしたが、何とかものにすることができました。この後8RはドイツのGM Scheblerにドローのエンディングを時間切迫により負け、9RはマレーシアのIM Masにドローとなり、5.5/9でトーナメントを終えました。一方、上原君は最終戦でフランスの2000を相手に黒できっちりと勝ち4.5/9、パフォーマンスも2121と初海外トーナメントとして十分すぎる戦績です。

 トップ陣はと言えば、Xiu Deshun7,8Rも連勝し、最後はScheblerとドローで8/9Moradiabadi1敗のまま食いついていましたが、最終戦でShortとドローで7.5/9、細かくドローをとられポイントを削られていったShort7/9という結果で1,2,3位が決まりました。

Xiu Deshunは昨年に引き続きGM2ドローしかポイントを落とさない完璧ともいえる戦績での優勝です。彼が今年中に2500台に乗ることは間違いないでしょう。また他の中国勢も、Zhang Ziyangが前半崩れながらも、最後に4連勝で6.5/9, Shen Siyuanが最後に連敗したものの5.5/9IMノーム獲得、女子のZhou GuijueMas,Zhang Ziyangらに勝ってベストレディーとIMノームの獲得です。なんと彼女はまだ2100台です!ここ数年でアジアどころか世界のトップにのし上がってきた中国のレベルの高さを改めて思い知るトーナメントでした。

来年はバンコクでの開催(と言っていたような気がします)ですので当然来年も行きたいと私は考えています。

FIDEレート2100未満のチャレンジャークラスも同時開催ですので、どんなレベルのプレーヤーでも楽しめると思います。興味のある方は是非私に声をかけて下さい。

 

2009410日 小島慎也


コメント
レポートと自戦解説、読み応えがありました。有難うございます。私も来年、行きたくなってきたな〜
  • みとじん
  • 2009/04/13 3:39 PM
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