4/29〜5/4(5/3はrest day)の日程で全日本選手権、5/2〜4の日程でゴールデンウィークオープン(以下、GWO)が開催されます。平成から令和へ、JCAからNCSへのまさに変換期のイベントです。エントリーリストもほぼフィックスで、全日本に57名、GWOに50名の参加が見込まれています。
大会に先立ち、今回の全日本で昨年までの慣習・ルールから変更された点がいくつかあるので、それを簡単にまとめました。
全日本選手権2019と開催年と大会名が一致した
昨年までは次の年のチャンピオンを決める(?)というような良く分からない理由から、全日本選手権の大会名の年は次の年となっていました。(例えば、2018年の全日本は全日本選手権2019であった) これは前々からおかしいと感じていましたし、そもそも対外的な説明に困るので、開催年と大会名を合わせるよう、JCAに提言してきました。それがようやくここでリセットされた形になります。
会場が蒲田から大井町に移動
今回、大会会場が生活センター、産業プラザ、大田区民センターという蒲田の施設から大井町の公共施設に移りました。JR駅の目の前で交通の便は良いと思いますので、大方の参加者に賛成されているのではないでしょうか?昔、中学の担任に、全日本選手権の大会が蒲田だと話したら、「蒲田〜??」とかなりネガティブな返しを受けたのを覚えています。個人的に蒲田の会場が嫌いなわけではありませんが、より魅力的な大会にするには、環境も重要です。
チャンピオンは日本チェス国籍の者に限る
今までは全日本で優勝すれば、特に日本籍に限らず、外国籍のプレーヤーも全日本チャンピオンとして認定されてきました。しかし、今回から「チェス国籍が日本でなくても出場・入賞はできるが全日本チャンピオンは日本国籍の者に限る」というように変更になりました。全日本はナショナルチャンピオンを決める大会であるので、この決定は分かりますが、外国籍のプレーヤーの参加を認め続けると、例えば海外から10人強いプレーヤーが参加して1位〜10位を独占、11位の日本プレーヤーがチャンピオン?というような事態も発生するので、ゆくゆく参加資格は日本チェス国籍のプレーヤーのみになることも考えられます。
2020年のオリンピアードの選考大会ではなくなった
今までは、オリンピアードイヤーの前の年の全日本が選考大会でしたが、今年の全日本はスキップされ、オリンピアードの選考大会ではなくなりました。2020年のオリンピアードの選考方法については大きく変わっていませんが(全日本とジャパンオープンの上位者が優先)、急な変更ということもあり、モチベーションが変わってくる参加者もいると思います。今回は選考方法に大きな変更はありませんが、2022年からのオリンピアードの選考方法には議論の余地があると思います。私はFIDEレイティングが最優先されるべきだという考えに変わりはありません。
今年は大型連休が取りやすいのというのと、新たな組織への期待があいまった影響か、全日本の参加者は57名ととても多いです。長いタイムコントロールでじっくりチェスに漬かる5日間は、参加回数の浅いプレーヤーにとってはかけがえのない経験になるでしょうし、上位者でまだチャンピオンの冠を手に入れたことのないプレーヤーにとっては、全日本チャンピオンを掴むチャンスです。
私は国内のFIDEレイティングがどのように変動するか、非常に楽しみに見ています。