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Cappelle la Grande 2012 -Round9-

WRITTEN BY

Kanda Daigo

 

中村(尚)、カテゴリー優勝!310日(土)、第9ラウンド]

最終第9ラウンドはこうなりました。

 

南條 =/= Bokros, Albert (2472,IM)

篠田 1-0 Lantoine, Gauthier (1630)

 

PAPP, Petra (2296) - NOGUCHI, Koji (2040)

1.e4 c5 2.Nf3 g6 3.d4 Bg7 4.d5 Nf6 5.Nc3 O-O 6.e5 Ne8 7.h4 d6 8.h5 dxe5 9.hxg6 hxg6 10.Bh6 Bxh6 11.Rxh6 Kg7 12.Qd2 Nd6 13.O-O-O Rh8 14.Rxh8 Qxh8 15.Nxe5 Nd7 16.f4 Nf6 17.g3 Bf5 18.Be2 Qh2 19.g4 Nfe4 20.Nf3(23) Qf2(29) 21.Qd3(22) c4(22) 22.Nxe4(16) cxd3?? (23) [22…Bxe4ならば黒やや良し野口] 23.Nxf2 dxe2 24.Re1 以下略1-0

Janev戦同様、チャンスはあったのですが、相手よりも時間を使わず、勝負所で雑になったのが悔やまれます。対戦したGMIMは皆、勝負所でしっかり時間を使い、必死に勝ちを取ろうとするところが自分には一番勉強になりました。」(野口さん談)

 

Doluhanova, Evgeniya(2269,WGM) - NAKAMURA, Naohiro (2000)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. h5 Bh7 8. Nf3 Qa5+ 9. Bd2 Qc7 10. Bc4 e6 11. Qe2 Nf6 12. Ne5 Bd6 13. O-O-O Nd5 14. Rhe1 O-O 15. Qg4 Kh8 16. Qf3 Bxe5 17. dxe5 Nd7 18. Qe2 a5 19. f4 Nb4 20. Bxb4 axb4 21.Qd2 Nb6 22. Qxb4 c5 23. Qb3 Nxc4 24. Qxc4 b5 25. Qb3 c4 26. Qb4 c3 27. bxc3 Rfc8 28. Qb3 Ra4 29. Ne2 Rca8 30. Kd2 Rxa2 31. Rc1 Qc5 32. Nd4 R8a3 33. Qb4 Qxb4 34. cxb4 Rd3+ 35. Ke2 Rxd4 0-1

Caro-Kann Classicalで、今までほとんど指されていない妙手を選択して、早々に定跡を外しました。私が格下だからか、いきなりキングを狙って来ましたが、何もなく凌いで、Qサイドの反撃につなげました。ポーンを2つ切って攻めにいったところで、相手からミスが出て勝ち。」(中村尚さん談)

 

総合成績は

南條(2280)=5.5p(423), performance=2355

中村(尚)(2000)=5.5p(423), perf.=2236

野口(2040)=4.5p(333), perf.=2188

篠田(1906)=4.5p(441), perf.=1913

神田(1933)=3.5p(341), perf.=1830

 

南條さんはその実力を遺憾なく発揮しました。GM四人とIM一人に当たりながら5.5ポイントを挙げて二つ勝ち越し、カテゴリー賞金95ユーロを獲得しました。performance2355と、レイティングを大幅に上回る素晴らしい成績です。FM誕生の日もそう遠くないことでしょう。

 

中村(尚)さんもお見事でした。総合5.5ポイントでカテゴリー(2000-2099)優勝です。壇上に呼ばれ、トロフィーが授与されました。賞金250ユーロを獲得。大会スタート時のレイティング2000ですからこのカテゴリーで一番低い位置にいながら、全員をごぼう抜きして一位!昨年のカペルの雪辱を果たすべく、一年間、積み重ねて来た努力が大輪の花を咲かせました。拍手!!

 

このお二人が余りにも素晴らしい戦績を残したので目立ちませんが、実は野口さんも特筆ものの好成績でした。GMIMFM一人ずつ、WGM二人にWIM一人と対戦。9試合中6人がタイトル保持者という厳しい当たりなのに総合成績が五割の指し分けで、レイティング100以上も上回る高いperformanceを叩き出しました。6ラウンドのFantasticなゲームは日本の棋界で長く語り草となることでしょう。指し盛りの勢いそのままに、全日本選手権での活躍が大いに期待されます。

 

篠田さんも勝率五割に到達し、かつレイティング以上のperformanceで、「招待選手として最低限の結果を残せたから、ホッとしています」と慎ましい感想。でも実際は、カテゴリー賞金25ユーロを獲得しましたから十分に健闘したと言えます。毎年カペル大会には日本人が多く参加して来ましたが、過去において、同じ年に3人が賞金を獲得したことがあったでしょうか?皆さん、おめでとうございます!!

 

私はご覧のとおり、不甲斐無い成績でした。一から出直しです。

 

他人を知る

大会の始まる三日前、私は下見を兼ねて会場に行きました。折しも運営ボランティアの人たちが長テーブルを並べるなど、設営の真っ最中でしたので、邪魔にならぬよう、遠くから見学していると、ジャージ姿のおじさんが「こんにちは!」と気さくに声をかけて来ました。過去の大会写真を見ていたので、すぐに誰だか分かりました。地元のチェスクラブの会長であり、大会運営委員長でもあるグヴァールGouvart, Michelさんでした。

 

彼の話によれば、このカペル大会の目的は「他人を知ること」だそうです。今の世の中、至る所で人と人とが“衝突”している。戦争や内戦といった文字通りの戦いもあれば、言葉と言葉をぶつけ合う外交の角突き合いがあり、国の中での住民同士のいがみ合いもある。形はさまざまだがその原因は共通で、自分と意見の違う相手を“知らない”からだ。知らないから、疑心暗鬼で簡単に“敵”になって衝突する。こんな悲しい状況を何とかしたい、という思いでチェスの大会を立ち上げたのだそうです。チェスを通じて「他人を知る機会を作りたいんです」、と。

 

こうして始まったカペル・ラ・グランド大会、1985年の第一回の参加者は68人でした。それが年々、回を重ねるごとに参加者が増え続け(と言いますか、グヴァールさんたちが努力して増やし続け)、十年後の1995年には500人の大台を超えました。スイス式9ラウンドという競技のことだけを単純に考えれば、人数が多すぎるかも知れませんが、ゲームすることだけが目的ではないのです。いかなチェス大国フランスでも、参加者が500人規模の大会は皆無です。また、今年の参加者497人の内、フランス人は「たった」265人しかいません。参加者の半数近くが外国人なのです。「他人を知る」という方針で大会が企画されていることを雄弁に物語っています。

 

大会が始まって二日目、ゲーム開始のしばらく前に席についてぼんやりしていると、年配の男性から「日本の方ですか?コインを譲ってくれませんか?」と話しかけられました。外国の硬貨を集めているのだそうで、手持ちの100105円玉をあげたら、とても喜んでくれました。数日後、会場でまたこの男性を見かけたので、どうです?と聞いたら、「今日はブラジルのコインをもらえた」と嬉しそうに話していました。この男性はきっと、自宅でコインを眺めることで外国旅行を楽しんでいるのでしょう。チェスの試合には出ないこの男性にとってもまた「他人を知る」機会となっています。大会がもたらす相乗効果と言えましょう。

 

来年もまた多くの日本人がカペルに参加し、老若男女、さまざまな国の選手と盤をはさんで対戦し、チェスを続ける喜びを体験されますよう願ってやみません。数次にわたり長々と書き連ねたレポートにお付き合いいただき有難うございました。日本人選手の記録を残す貴重な機会を提供してくださった馬場五段に深く感謝いたします。(了)

 

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訂正:カペルのレポート中に2か所、誤字がありました。訂正してお詫びいたします。

R4のミニコラム

【誤】フランスのIMイアンPayen, Arnaud 2336さん。

【正】フランスのIMイアンPayen, Arnaud 2336さん。

R6のミニコラム

【誤】勝っていました!WIMのドルハノヴァ

【正】・・・WGMのドルハノヴァ


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