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学生選手権2010 Review (3)

Round4

 

初日終わってすでに全勝者はいませんでした。混戦の中、2日目は上位陣の潰し合いになりました。



     
Sato K. (1991) – Kuwata S. (2060)

       Position after 18.c2-c3

 

オープニングでの指摘事項はいくつかありますが、ここでは割愛してこのポジションから考えてみることにします。皆さんはこのポジションをどう評価するでしょうか? 私は黒が自信を持って勝ちに行くポジションだと評価します。しかし、このポジションでどう指せばより黒がアドヴァンテージを拡げられるのかはきちんと考えなければいけないところです。

 

18…Be4?!

 

ここから桑田くんはキングサイドで手を作ります。しかし、私はキングサイドではなく、クイーンサイドからの手を考えました。私が具体的に考えたのは18...c418...Rb8です。どちらも開いたbファイルを利用してb2に圧力をかけるというプランです。ただ、しばらく考えて19.b3が黒のプランをうまくかわしているように見えました。さらに、黒はc5-c4と突くのもありですが、d5-d4と突くのも有効です。さらに、本譜でもあとで現れるようにh5のナイトを追い払うのにg7-g6と突いた時、Nh5-f6+とされるのを未然に防ぐことを考慮し、ここは18...Kc6! がベストではないかと思います。こうしてc5-c4 or d5-d4のポーン突き、Ra8-b8 or Ra8-Rd8のルーク回しのどちらも可能性を残せます。

 

19.Rh3 Be7 20.Bg5! [20.Nxg7 Rag8] 20...Bxg5 21.hxg5 g6?

 

これは明らかにブランダーです。g6を突くのであれば、Kd7-c6の準備が必要でした。

 

22.Nf6+ Kc6 23.Rh6!




白が
hファイルを取り、以下、黒は厳しいと思います。

 

23…Bd3 24.Kd2 Bb5 25.Rah1 Rhc8 26.Rh7 Rc7 27.Rg7 Kb6 28.Rhh7 Raa7 29.Ng8 d4 30.Nh6 Rd7 31.Rxf7 dxc3+ 32.Kxc3 Rd3+ 33.Kc2 Rxf7 34.Rxf7 Rh3 35.Rf6 Bc4 36.Ng8 Kb5 37.Ne7 Bxa2 38.Nxg6 c4 39.Nf4 Rf3 40.Nxe6 Rd3 41.Nc7+ Kc5 42.Nxa6+ Kb5 43.Nc7+ Kc5 44.Rd6 Bb3+ 45.Kc1 Rf3 46.Ne6+ Kb4 47.Nd4 Rxf2 48.Nxb3 cxb3 49.g6 Rg2 50.g7 Rg1+ 51.Rd1 1–0

 

中盤でのプランが明暗を分けた1戦と言ってよいでしょう。次のゲームも中盤のプランで気になったものです。

 


  Nakamura N. (1989) –Furuya M. (1880)

       Position after 14…cxd5

 

15.Qb5?

 

一瞬で否定したくなりました。実際、17手目でd3にクイーンが戻っていますし、これが誤ったプランであることは明らかです。ではどう指せばよいでしょうか? 白の究極のプランはf2-f4-f5からのキングサイドアタックだと思います。しかし、すぐにはfポーンを突けないのでその準備をしなければいけません。そこでナイトのマヌーバリングです。私だったら15.Ne1! と指します。このナイトはc2を迂回してe3にもっていきます。e3fポーンの突きをサポートしつつ、c2,c4のマスに利き、黒のcファイルからの反撃を緩和します。さらには頃合いを見計らってNe3-g4からアタックに加担することもできます。f3からe3にナイトをマヌーバリングするのに手数をかける価値はあるということです。

 

15...Qe7! 16.a5

 

16.Qxb7? には16…Nxe5! 17.Qxe7 Nxf3+ 18.gxf3 Bxe7があるのがポイントです。

 

16...a6 17.Qd3


ここでの誤ったプランが直接の原因ではありませんが、このあと40手で黒勝ちとなりました。いずれにしても、この2ゲームは、中盤のプランを考える上で非常に良い題材であったと思います。


 

Round5

 

頂上決戦の佐藤-山田戦は、勝者のコメントともに送りたいと思います。


コメント
昨日、この2つのゲームについて仲間と話したところ、いろいろと意見が出てきました。

まず、Sato-Kuwata戦では、18...Rb8が良いのではないかという意見が多く出ました。

ちなみに、私がちょっと勘違いしていたことですが、図のポジションで、黒は1ポーンダウンでした。しかし、それでも黒の2ビショップは強く、黒を持ってプレーしたいという考えに変わりありません。ただ、局面評価は"黒やや良し"程度に落としたいと思います。
  • bmasahiro
  • 2010/12/31 9:37 AM
Nakamura-Furuya戦では、WACTOGで高橋礼二くんがNe1-c2-e3のプランについてコメントを寄せてくれています。

これも話題に出たのですが、15.Ne1は良いにせよ、このナイトはe3ではなく、f4に持っていくのではないかということです。例えば、15.Ne1 Qe7 16.Qg3 Kh7 17.Nd3 Rac8 18.Nf4など。
  • bmasahiro
  • 2010/12/31 10:01 AM
書いたことを書き込もうと思ったら素早い。
いつも良い棋譜の紹介を楽しませて頂いています、良いお年を。
  • R.T
  • 2010/12/31 10:19 AM
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