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Selected Games(52)

ANNOTATED BY

Kojima Shinya

 

 

7R終了後、選手村に戻ってペアリングを調べると、私の対戦相手はキルギスタンの友人でした。Tologontegin Semeteyはキルギスタンの若き代表メンバーの一人で、昨年参加したCappelle La Grandeで出会い、仲良くなりました。今年のオリンピアードでも頻繁に結果やチームの状況について話をしています。ペアリングの確認後、私はなんとしてでも連勝すべく、試合の準備を進めました。

 

Tologontegin Semetery (2330,KGZ,FM)

Kojima Shinya (2329,JPN,FM)

Guangzhou Asian Games Rapid (8)

 

1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Qb3

 

見慣れない人は驚くかもしれませんが、黒からc4を取れば、Slav Defenceの世界で以前紹介した4.Qc2と同じ変化になります。

 

4…dxc4 5.Qxc4 Bg4 6.Nc3!?

 

6.Nbd2と人気を二分する手です。白はポーンストラクチャーを崩しても、ピースの展開とダブルビショップで勝負します。

 

6…Nbd7 7.e4 Bxf3 8.gxf3 e5 9.Be3 exd4 10.Bxd4 Bd6 11.0–0–0 Qc7

 


 

12.Bh3

 

白マスビショップを最もアクティブに使える位置です。

 

12…0–0

 

この手を指した直後、13.Bxd7 Nxd7 14.Bxg7 Kxg7 15.Qd4+ でポーンが落ちるのでは?と危惧しましたが、14…Bf4+!という返しがあります。しかし、このg7を取るラインは十分白が指すことができ、形勢不明になります。

14…Bf4+ 15.Kc2 Kxg7!(15…Ne5?? 16.Rhg1!) 16.e5!(16.Qd4+!? Ne5 17.Ne2 Rfd8 18.Qc3 Rxd1 19.Rxd1 Bxh2 20.f4) 16..Qxe5 17.Rhg1+ Kh8 18.Rxd7=

 

13.Rhg1 Ne5 14.Qe2

 

私が事前に読みこんでいたPlay the Slavには14.Qf1 Nh5! 15.Bf5 Ng6 16.Kb1 Rfd8 17.Qc4 Nhf4という変化が紹介されています。

 

14...Nh5!?

 

14…Ng6 15.Bxf6 gxf6という変化があることは知っていましたが、私はどうして14…Nh5ではいけないのか分からず、本で紹介されているのとは違う手を指してみました。Nh5という手はこのラインでは重要な一手で、白のポーンストラクチャーが乱れていることを利用し、f4のマスにナイトを運ぶことを狙いとしています。

 

15.Bf5 Rad8 16.Kb1 g6!?

 


 

ここは16…Ng6とどちらを指すべきか、非常に悩みました。Nh5-Nf4を目指すならば、そのサポートとなる16…Ng6が正しいように見えます。しかし、16…g6ならばh7g7を同時に守り、ナイトをセンターにキープしたまま、クイーンサイドも狙える可能性が残ります。

 

17.Be3!?

 

この手は16…g6を指した直後に気がつきました。黒のNf4を抑え、白からf4を突くことが狙いです。黒はf4のマスを抑え続けたいので、もったいないようにも見えますが、e5のナイトを一度退きます。

 

17…Nd7 18.Qc4 Nb6 19.Qb3 Be5 20.Bg4 Nf4

 


 

ここで黒は念願のNf4を実現します。この時点でほぼ黒に不満はないと考えていました。

 

21.h4

 

白の狙いは弱いhポーンを消し、黒のキングのディフェンスを弱めることです。このようなポーンストラクチャーではよく見られる手ですが、黒はピースを交換してキングサイドアタックを緩和すれば、さほど怖くはありません。

 

21…Rxd1+ 22.Rxd1 Rd8

 

試合中、22…h5も面白いと考えていました。白からh5を突かせなければ、白は孤立したhポーンを解消することができず、黒が優勢なエンドゲームで戦うことができます。

22…h5! 23.Bxf4 (23.Bxb6? Qxb6 24.Qxb6 axb6 25.Bd7 Bxc3 26.bxc3 Rd8) 23…Bxf4 24.Bh3 Qe7

 

23.Rxd8+?!

 

ここで白からルークを交換する理由はありません。23.h5を優先し、dファイルをキープしていれば白はさほど悪くないでしょう。

 

23…Qxd8 24.Bxf4

 

白はd3への侵入を気にしてナイトビショップの交換を決断したのだと思いますが、ダブルビショップが消えてくれれば黒には特に不安がなくなり、白のポーンストラクチャーの悪さをつくことができます。

 

24…Bxf4 25.h5 Qd2

 


 

黒は白キングを脅かすと同時に、f2を取りに行きます。

 

26.a4

 

シンプルにf2を守ろうとする26.Qc2には26…Qe1+ 27.Nd1 gxh5! 28.Bxh5 Qh1 29.Bf5 h5! という手があります。

 

26…Qxf2 27.hxg6 hxg6 28.a5 Qf1+!

 

白はb7を取り返すことで望みをつなげようとしますが、この一手で防がれてしまいます。

 

29.Ka2 Qa6 30.Qb4?

 

白は最後のチャンスを逃しました。

31.Be6! Qxa5+ 32.Kb1 Kg7(32…fxe6?! 33.Qxe6+ Kg7 34.Qe7=) 33.Bxf7 ならば、黒やや優勢ながら試合を続けることができます。

 

30...Nc4

 


 

これで2つ目のポーンが落ち、試合終了です。黒はこの後、カウンターに気をつけながら丁寧に指していきます。

 

31.Qe7 Qxa5+ 32.Kb3 Nd6 33.Kc2 Qa1 34.Qd8+ Kg7 35.Ne2 Be5 36.Nc3 Nc4 37.Nd1 Nxb2 38.Nxb2 Qxb2+ 39.Kd1 Bf4 40.Qd3 a5 41.Ke1 a4 42.Qd7 a3 43.Be6 Bg3+




43...Qd2+ 44.Qxd2 Bxd2+ 45.Kxd2 fxe6

 

44.Kd1 Qf6 45.Ba2 Qxf3+ 46.Kc2 Qe2+ 47.Qd2 Qxe4+ 48.Kb3 Be1 49.Qd6 Qe3+ 50.Kc2 Qc3+ 51.Kd1 Qa1+ 52.Ke2 Qxa2+ 53.Kf3 Qd5+ 0–1

 

このラウンドで初めて山田君、内田さんと3人でそろって勝利となりました。最終ラウンドでは、私はオリンピアードでも試合をしたネパールの代表に勝ち、内田さんも勝って2人ともハーフを上回る戦績で大会を終えることができました。一方、山田君は悔いが残る結果だったでしょう。ラピッドの大会とはいえ彼の課題が浮き彫りになったので、今後そこにどう立ち向かうか、彼の成長に期待したいと思います。

 

私は今回のアジア大会には4年前の悔しい思いを胸に挑みました。GMからポイントは取れずじまいでしたが、54敗、21位という結果は悪くなかったと思います。次回の代表がどうなるかはまだ分かりませんが、(そもそもチェスが競技から外されるとの噂もあります)私が参加できるならばさらに上の順位を狙える実力をつけ、参加できないならば私を超える実力を持つプレーヤーを育てていきたいと考えています。最後に日本で応援して下さった皆様、ありがとうございました。まだアジア大会は続いていますので、チーム戦の状況を見守りましょう。


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