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Slav Defenceの世界-part11- by 小島慎也

ずいぶんと間が空いてしまい申し訳ありません。前回の予告ではd5-c6-Bg4のセットアップを紹介すると告知しましたが、予定変更です。今回はSemi-SlavShabalov Gambitの特集をお送りします。このオープニングは昨年の北京WMSGで対戦したフィンランドのGM Nyback(ニューバック)が得意とし、彼との試合では貴重なアドバイスを頂きました。加えて今年のチーム選手権では2試合ほどShabalov Gambitの試合を見かけました。まだまだ日本ではマイナーな変化ですが、注目している人がいるならば私が学んだアイディアを参考にして頂きたいと思います。

 

Nyback,Tomi (2634,FIN,GM)

Kojima Shinya (2272,JPN)

Beijing World Mind Sports Games Pair Rapid 2008(2)

 

1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 e6 5.e3 Nbd7 6.Qc2 Bd6 7.g4!?



 

この変化は麻布時代に、部報に載っていた中村(龍)−中郡戦で初めて目にし、非常に驚いた記憶があります。白のアイディアはg4-g5でナイトをf6からどかすことにあり、黒の7手目のアイディアは全てこれに対応するものです。

 

7…h6

 

私は今のところこれがベストだと思っています。白にg5をすぐには許さず、f6のナイトはしばらく安泰です。他のアイディアとしてはd5にナイトが跳ぶためのマスを作る7…dxc4e4にナイトが跳ぶためのマスを作る7…Bb4,思い切ってポーンを取る7…Nxg4が存在します。チーム選手権での慶應チームにとっての大一番、吉村−大竹戦では7…Nxg4でしたが、私はこれはやや黒のリスクが高く、最初の3つの選択肢をお勧めします。ちなみにWMSGではチームメイトの井上さん、山田君と共にShabalov Gambit対策を話し合いましたが、私が7…h6、井上さんが7…dxc4、山田君が7…Bb4と見事にばらばらでした。

 

8.Bd2

 

白はロングキャスリングの用意をします。8.Rg1,8.h3なども良い手だと思います。

 

8…dxc4

 

黒はここで早めにアクションを起こします。Meranと同じ感覚で白マスビショップが動いてからdxc4を考えていると攻め合いに遅れてしまいます。きちんと確認していないのではっきりとは分かりませんが、チーム選手権の中村(龍)−結城戦ではここで8…e5 9.cxd5 cxd5と進み、白がcファイルを基点に攻撃のチャンスを得たのではないかと思います。Semi-Slavでは黒からのe5つきは白マスビショップを活用する優秀なアイディアですが、タイミングが難しいものです。

 

9.Bxc4 b5 10.Be2

 

ここはf3のナイトをサポートするためにd3ではなくe2に退きます。

 

10…Bb7 11.e4 Be7!?

 



これも
Semi-Slavの常識からは少し外れた手です。他のラインではほとんど白のe4にはe5を返し、ポーンフォークを防ぎます。しかしここでは11…e5?! 12.dxe5 Nxe5 13.Nxe5 Bxe5 14.f4で白が攻勢に立ちます。

 

12.g5 hxg5 13.Nxg5 c5!?

 



私が昨年、対
Nyback戦のために準備したのがこのアイディアです。b5のポーンを捨ててビショップのダイアゴナルを開きます。

 

14.dxc5 Nxc5 15.Bxb5+ Nfd7

 

チェックを防ぎながらg5のナイトを攻めます。

 

16.Rg1 a6 17.Be2

 

17.Bxd7+ Qxd7でもd3のマスが弱いため黒にはポーンの代償があるでしょう。


17.e5!? axb5 18.Nxf7 Qb8! (18…Kxf7?? 19.Qg6+ Kf8 20.Qxg7+ Ke8 21.Qxh8+ +
-) 19.Nxh8 Nxe5

 


                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

こちらの局面は非常にアンクリアーです。こういった局面を好む方はお試し下さい。

 

17…Ne5

 



こちらが黒の目指したポジションです。黒が
1ポーンを捨てた狙いはナイトをうまく組み替え、d3のマスへと進入することにありました。

 

18.Rd1 Ncd3+ 19.Kf1 Nxf2?

 

ここまではうまく指しながら、このナイト切りで試合を台無しにしてしまいました。試合後、この局面で19…Rxh2と指してはどうかとNybackに指摘されました。これは私も試合中に読んだのですが、20.Be3と指され、f2を守られながらd3のナイトが狙われてダメだと結論付けました。しかしこの読みには大きな落とし穴があります!

 

19…Rxh2! 20.Be3 Bxg5 21.Rxg5 Qxg5!!(ここでクイーンを一時的に捨てます!

22.Bxg5 Rxf2+ 23.Kg1 Nf3+! 24.Bxf324.Kh1?? Rh2#Rxc2 25.Rxd3 Rxb2


 

                               ANALYSIS  DIAGRAM


駒数は
2ピース vs 2ポーンルークとなり、形勢判断は非常に難しいところです。h2はどこかで取らなければいけないと思いつつ、クイーンを一時的に捨てるアイディアが出てこなかったため、実行に移せませんでした。

 

20.Kxf2 Bc5+ 21.Kg2 Qf6 22.Rf1 Qh6 23.Bf4 Be3 24.Bxe5 Qxg5+ 25.Bg3 1-0

 

Shabalov Gambitは非常に興味深く、また難解なオープニングです。いくつか試合を見ても7.g4!?のアイディアをきちんと説明するのは難しいものです。メインのオープニングに使うには多少リスクが高いと思われる方は、ブリッツやラピッド専用のオープニングとして研究してみても面白いかもしれません。WMSGのペアブリッツではGM,IMが申し合わせたかのように皆Shabalov Gambitを使ってきたため、大変な苦労をしたのも今では懐かしい思い出です。


コメント
7...Nxg4 で2敗している川中です。負けたのは、7...Nxg4 が悪いのではなく、単に私が弱いからなんでしょうが、そうでなくとも他の候補手よりはリスキーな手だったということですね。白にはポーン1個分の代償がちゃんとある、と。しかし、上手くしのげればポーン・アップだ、と考えるとやっぱり毒入りポーンでも食べたくなっちゃいます。
川中さん、コメントありがとうございます。
私は7...h6と7...dxc4を試していましたが、どちらも難しいものです。Semi-Slavはこの4年ほど指していますが非常に奥深いですね。
  • kojima
  • 2009/11/18 11:21 PM
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