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Slav Defenceの世界-part2- by 小島慎也

Classical Slav

 

1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 dxc4

 


このタイミングで
c4のポーンを取ります。古くは元世界チャンピオンVasilly Smyslovが愛用した定跡で、現在でも根強い人気があります。

 

5.a4

 

黒がb5を突いてc4を守ることを防ぎ、安全にc4を取り返そうという狙いです。

 

5…Bf5

 

黒はeポーンを動かさなかったことにより、白マスビショップをアクティブに使うことができます。c4を取ったのは白のQb3を防ぎ、安全に白マスビショップを展開するためでした。ここから2つの変化を紹介します。

 

a) 6.e3 e6 7.Bxc4 Bb4

 

白はポーンを無事に取り返しましたが、代わりに黒マスビショップをポーンストラクチャーの内側に閉じ込めてしまいました。そこで将来的にe3-e4を狙いたいですが、それを牽制するのがBb4です。白が5.a4と指したことによりb4のマスが弱まっていることがポイントです。ちなみに白が白マスビショップでポーンを取り返すこの変化をSlav Dutchと呼びます。

 

8.0-0 Nbd7 9.Qe2 Bg6 10.e4!? 0-0

 

10…Bxc3 11.bxc3 Nxe4 12.Ba3 はキングがセンターに縛りつけられるため、ポーンの代償があると言われています。

 

11.Bd3

 

e4のポーンを守るため、ビショップを退きます。次にもう1つのc4を取り返す方法を紹介しましょう。

 
 

b) 6.Ne5!?



今度はナイトでポーンを取り返しにいきます。同じピースを序盤に何度も動かすのは損に見えますが、黒マスビショップを閉じ込めないための工夫です。

 

6…Nbd7

 

6…e6 7.f3 Bb4 8.e4 Bxe4 9.fxe4 Nxe4 10.Bd2 Qxd4とピースを捨てるラインも興味深いと思います。

 

7.Nxc4 Qc7 8.g3 e5 9.dxe5 Nxe5 10.Bf4 Nfd7 11.Bg2 g5!?

 

11…f6に代わり人気の高まってきた手です。c4のナイトが落ちるため12.Bxg5は不可能です。

 

12.Ne3!? gxf4 13.Nxf5 0-0-0

 

この変化は2000年頃に開発された非常に歴史の浅いラインです。Slav Dutchよりも激しい応酬になることが多く、白で勝ちを目指すならば指してみても良いでしょう。

 

Semi-Slav

 

1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 e6



次に紹介するのがこちらの
Semi-Slavです。黒が早い段階で自身の白マスビショップを閉じこめてしまうのが特徴です。その狙いは黒マスビショップをb4に素早く出せるようにすることで、dxc4-b5-Bb4の流れでポーンを掠め取ってしまうことにあり、ここでの白の方針は大きく分けて2つ、c4を守るか守らないかです。ここからの変化も代表的なものを2つ紹介します。

 

a) 5.e3

 

c4を守る最も自然な手だといえます。しかしSlav Dutchと同様に黒マスビショップを後々どう使うか、という課題が白には残ります。

 

5…Nbd7 6.Qc2 Bd6 7.Be2

 

混乱した局面を好むならば7.g4!?も面白いでしょう。

 

7…0-0 8.0-0

 

Semi-Slavの中ではおとなしい変化で、Anti-Meran Variationと呼びます。

 

8…dxc4 9.Bxc4 a6 10.Rd1 b5 11.Be2 Qc7 12.e4 e5

 

白はゆっくりe4をついて黒マスビショップのダイアゴナルを開き、黒も同様にセンターで応酬します。次の変化は非常に複雑です。

  

b) 5.Bg5

 

c4を取らせても黒マスビショップをアクティブに使おうというアイディアです。

 

5….h6

 

黒がおとなしい変化を選ぶならば5…Nbd75…Be7Queen’s Gambit Declined にするでしょう。また、h6をはさまずに5…dxc4とポーンを取るBotvinik Variation90年代に大流行しました。

 

6.Bh4 dxc4 7.e4 g5 8.Bg3 b5

 

白はポーンを捨てましたがセンターを支配している上、ピースの展開も早いです。これがSemi-Slavの中では最も激しい変化の1つとされるAnti-Moscow Variationです。

 

9.Be2 Bb7 10.0-0 Nbd7 11.Ne5

 

Semi-Slavは現在Slavの中でも最も人気があり、特にこのAnti-Moscowなどは新しいアイディアが続々と出ています。どちらの色を持つにせよ、Semi-Slavを指したいならば、しっかりと勉強をして試合に臨む必要があると思います。

 

Chameleon Slav

 

1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 a6!?



今回
3つ目に紹介するのがこちらです。Chebanenko Slav, もしくは単にa6 Slavとも呼ばれます。a6をつく狙いはb5をつく準備であると共に、白マスビショップのダイアゴナルを開いたままにすることで、白の出方を窺っている、と考えられます。私はこの変化についてあまり詳しくないので、あっさりと紹介しいたいと思います。

 

5.c5

 

他のSlavQueen’s Gambit Declinedでは、白から早期にc5とつくことはあまりありません。それは黒がb6をついて崩しにいき、cxb6-axb6と進む形が黒にとって好形だからです。しかしChameleon Slavのような黒がa6をついた変化では黒はb6をついた後、ポーンで取り返すことができないため、白はc5突きが有効になるのです。加えて白からNa4-Nb6b6のマスに侵入する可能性も作れます。

 

5…Nbd7 6.Bf4 Nh5 7.e3!?

 

このようにナイトでビショップが狙われた際に、ビショップを退かずポーンで守るアイディアは時々見られます。もし黒からビショップを取るようであれば、白は強力なe5のマスとオープンファイルを得ることができます。

 

7…g6

 

通常Slavでは黒マスビショップを置くのに適したd6のマスが今は使えないため、黒はフィアンケットを組みます。

 

8.Bd3 Bg7 9.0-0 0-0

 

Chameleon Slavの最大の特徴は、どこかでa6をつけばその変化になる、という点だと思います。次回から説明する白がSlavのメインを外す手筋( 3.Nf3,4.e33.Nc3,4.e3 ) にも対応しやすく、勉強する側としてはありがたいことです。ただChameleon Slavも現在非常に人気が高く、新しいアイディアが出続けています。最新の棋譜を調べて多くのアイディアを吸収すると良いでしょう。

 

以上簡単ではありますが、代表的なSlavの変化を3つ紹介しました。d4プレーヤーにとってはこれらのメインラインを受けるにしろ避けるにしろ、それぞれの変化の背景にあるアイディアを理解しておくことが大切だと思います。黒として指す場合もどの変化にするかを、好きなGMが使うから、といった理由で安易に選ばず、簡単で良いのでそれぞれの変化の特徴を調べ、自分がどういった指し方をしたいのかを考えて選ぶとよいでしょう。参考までに私は長らくSemi-Slavを指していましたが、現在はClassical Slavを勉強しています。次回は私の棋譜を交えながら、Slavのメイン外しを紹介したいと思います。


コメント
1.d4 d5 2.c4 c6

ネットの対戦で時々相手(黒)の人が使ってきますが、その後のどのような手順になるのか知りませんでしたので勉強になりました。
  • hitsujyun
  • 2009/06/01 5:56 PM
小島さん、続きを楽しみにしています。
  • blueofnoon
  • 2009/06/04 7:45 AM
Part3は今日か明日にアップする予定です。

いよいよ実戦解説となります。
  • bmasahiro
  • 2009/06/04 2:26 PM
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