Bishop vs 3 passed pawns

先日の建行杯のR.5ゲームでは、優勢をものにできず、ドローに終わりました。このゲームの中で、勝負しに行くか悩んで踏み込まなかったエンドゲームを考えてみました。

 

En1.gif

Baba Masahiro - Sun Jihan

Suzhou 2019(5)

position after 43... Qg5

 

[Qc1からのメイトに対応するため、白はg3のポーンを消しにいかなければいけませんが、44. Qxg3? には44... Qc1+ 45. Kh2 Bf4+! でクイーンを取られます。44. fxg3には44... Qe3+からb6のナイトを取られるため、悩んだ挙句、44. f4? と負ける1手を指したのですが、切り捨ててしまった44. fxg3が正しい1手でした。]

44. fxg3!

[白が勝ちに行くにはこの手しかありません。]

44... Qe3+ 45. Qxe3 Bxe3+ 46. Kf1 Bxb6

En2.gif

[こうしてmanyパスポーンvsビショップのエンドゲームとなります。直感的には白がポーンを進めるだけで勝つのは難しくなさそうですが、そんなに単純ではありません。]

47. Ke2 Kg6 48. Kf3 Kg5 49. b4 Bd4 50. b5 Bb6 51. c3 Ba5 52. c4 Bb6

[黒は白の3連パスポーンのブロックに成功。パスポーンを進めるために白はどう状況を打開するか。]

En3.gif

53. g4 !

[キングがe4のマスに上がるために必要不可欠な手です。]

53... Bg1

[ここで黒には2つの選択肢があります。1つはメインラインのようにキングをe4に上がらせないよう辛抱強く待つか、もう1つはe4のマスを白に明け渡す代わりにgポーンをパスポーンにしにいくかです。後者を少し掘り下げて見てみます。

 

53... fxg4+ 54. Ke4 Kh4

En4.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

[私はゲーム中、この局面がちらっと頭に浮かび、白黒どちらのポーンが早いか自信が持てなかったため、44.fxg3に踏み込みませんでした。しかし、局面を進めてみると、白のプロモーションのほうが早いことが分かりました。 

 

55. d4 Kg3 56. c5 Ba5 57. b6 Kxg2 58. b7 Bc7 59. d5 g3 60. d6

En5.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

 

60... Kf1 (60... Bb8 61. d7 +-) 61. dxc7 g2 62. b8=Q g1=Q 63. Qb1+ +- これで白勝ちです。]

En6.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

 

[メインラインに戻ると...]

 

54. gxf5 Kxf5 55. g4+ Ke5

En7.gif

[白キングのe4へのアクセスを阻みます。]

56. g5 Kf5 57. g6!

[gポーンを捨て、キングでクイーンサイドのパスポーンをサポートしにいきます。とにかくこのエンドゲームではキングのポジションが重要です!]

57... Kxg6 58. Ke4

En8.gif

[こうしてクイーンサイドへの道が開けました。ここから白はキングのサポートのもと、注意深くポーンを進めます。]

58... Kf6 59. Kd5 Ke7 60. d4 Kd7 61. c5 Kc7 62. Kc4 Kb7 63. d5

En9.gif

[5段目に3つポーンを並べ、あと1歩です。]

63... Bf2 64. d6 Bg1 65. Kd5 Bf2 66. c6+ Kc8 67. Ke6 Be3

En10.gif

68. Ke7

[まだ白は気を付けなければいけません。68. d7+? Kd8 69. Kd6 Bb6はドローです。]

68... Bc5 69. c7 Bb4 70. b6 Bc5 71. b7+! Kxb7 72. Kd7

En11.gif

[最後に1ポーンを捨てるのがポイントで、これでcポーンのプロモーションが確実となり、白勝ちです。]


Mate with 2 Knights -Troitsky's line-

裸のキングに対して、ダブルビショップが残っている場合と、ナイト+ビショップが残っている場合には強制手順でチェックメイトにできます。しかし、次の例のように、ダブルナイトだけではメイトにできません。

 

Troitskys line1.gif

             Baba (2202) - Kojima (2197)

                                    百傑戦 2007

                     position after .77...Kxe3

 

78. Kg1 Kf3 79. Kf1 Kg3 80. Kg1 Ne3 81. Kh1 Nd3 82. Kg1 Ne1 83. Kh1 N1c2 84. Kg1 Nd4 85. Kh1 Nb3 86. Kg1 Nd2 87. Kh1 ½–½

 

Troitskys line2.gif

 

87...Nf3だとステールメイトですので、メイトまで1歩足りず、ドローです。

 

 

しかし、相手に1ポーンでも残っていると話が変わってきます。

現在進行中のIsle of Manのトーナメントで、KarjakinWorldクラスのテクニックを見せ、これが話題になっています。

 

Troitskys line3.gif

          Karjakin (2760) - Sevian (2634)

                             IoM Masters 2018

                       position after .92.Kf8 1-0

 

92…g2 93. Nd6 g1=Q 94. Nf7でメイトですので、黒のSevianはここでリザインしました。

 

局面を少し戻してみましょう。

 

Troitskys line4.gif

          Karjakin (2760) - Sevian (2634)

                            IoM Masters 2018

                         position after .61.Ng3

 

ちょうど片方のナイトでgポーンをブロックしたところです。g3のナイトはこのパスポーンをブロックしなければいけないので、動けません。黒キングは盤上をフリーに動き回れ、とても捕まるようには見えませんが、驚くべきことに白はキングと片方のナイトだけで黒キングを強制的にコーナーに押し込むことができるのです!

 

61...Kd4 62. Kf2 Kc3 63. Nd1+ Kd3 64. Ke1 Kc4 65. Kd2 Kd4 66. Nc3 Kc4 67. Nce2 Kd5 68. Kc3 Kc5 69. Nf4 Kc6 70. Kc4 Kd6 71. Nd3 Kc6 72. Ne5+ Kd6 73. Kd4 Ke6 74. Nc4 Kf6 75. Ne3 Ke6 76. Nef5 Kd7 77. Kd5 Kc7 78. Nd4 Kd7 79. Ne6 Ke7 80. Nc5 Kf7 81. Kd6 Kf6 82. Nce4+ Kf7 83. Kd7 Kf8 84. Nd6 Kg7 85. Ke6 Kg6 86. Nde4 Kg7 87. Ke7 Kg8 88. Kf6 Kh7 89. Nf5 Kg8 90. Ke7 g3 91. Nf6+ Kh8 92. Kf8 1-0

 

Karjakinのテクニックに酔いしれるのも良いと思いますし、きっと感銘を受けることでしょう。しかし、真相はどうでしょうか?

 

実際は黒ポーンがg4まで進んでいると、黒はドローにできたということです。Sevianの敗着は、gポーンをブロックしているナイトに近いコーナーに逃げたことです。代わりに、gポーンをブロックしているナイトから遠いコーナーであるa8に逃げたら、g3のナイトがファイナルステージで黒キングをメイトにしにいくのに手数がかかり、その間に黒はパスポーンをプロモーションさせることができます。例えば、78... Kb7! 79. Kd6 Ka6 80. Kc6 Ka7 81. Ne6 Kb8 82. Nc5 Ka7 83. Kc7 Ka8と、84. Nge4 g3 85. Nd6 g2 86. Nb5 g1=Qなど。

 

Troitskys line5.gif

 

 

では、いったい相手のパスポーンをどこでブロックしていれば勝ちになるでしょうか?

 

答えはTroitskyというendgame study composerの鬼才が発見していました。

 

Troitskys line6.gif

 

 

白黒両方でTroitsky'sのラインと呼ばれるものを示します。

 

このラインよりポーンが進むことなく片方のナイトでブロックできていれば勝ちだということです。

 

例えば、Karjakin-Sevianでは黒パスポーンがg4まで進んでいたので、Troitsky'sのラインを超えています。ですので、これは理論的にはドロー。もし、黒ポーンがg6にいるところでブロックできていれば強制的な勝ちがあるということです。

 

 

今回、私が学んだレッスンがChessbase Indiaにあります。2つあわせて見てもらえると理解が深まると思います。

 

What is Troitsky's line? An instructive endgame lecture

https://www.youtube.com/watch?v=VM9JWGbBQ4s

 

Update to what is Troitsky's line! Karjakin vs Sevian!

https://www.youtube.com/watch?v=gAPpIb51snQ

 

 

今回のテーマを見ていた時、次のゲームを思い出しました。

 

Troitskys line8.gif

      Higashishiba (2041) - Kojima (2463)

                      Japan Championship 2016

                        position after .44...Nxh5

 

白のポーンはTroitskyのラインより進んでない側で黒ナイトにブロックされるため、黒勝ちであることが分かります。実戦でも、黒が以下のように勝ちました。

 

45. Kf2 Ke5 46. h4 Ke4 47. Ke1 Kd3 48. Kf2 Kd2 49. Kf1 Nf3 50. Kg2 Ke2 51. Kh3 Ne5 52. Kg2 Ng4 53. Kh3 Ne3 54. Kh2 Kf3 55. Kh3 Nf4+ 56. Kh2 Ng4+ 57. Kg1 Kg3 58. Kh1 Ne3 59. h5 Ne2 0-1

 

Troitskys line9.gif

 

白ポーンがプロモーションする前に、Ng4-Nf2#が入ります。

 

これまでのレッスンから、白キングがh1ではなく、ブロックしているh5のナイトから遠いほうのコーナー(a1a8か)に逃げるべきだったと分かります。この時、実際に白キングをメイトにできるかどうか試してみるべく、自分の力でやってみることにしました。

 

46. Ke1

 

Troitskys line10.gif

 

白キングはa1に向かいます。 

 

46…Nb3 47. Kd1 Kd4 48. Kc2 Kc4 49. Kb2 Nd4 50. Ka3 Kb5 51. Ka2 Kb4 52. h4 Nc2 53. Kb2 Ne3 54. Ka2 Nc4 55. Kb1 Kc3 56. Kc1 Nb2 57. Kb1 Nd3 58. Ka2 Kb4 59. Kb1 Kb3 60. Ka1

 

Troitskys line11.gif

 

白キングをコーナーに追い込め、いよいよパスポーンをブロックしていたナイトの出番です。

 

60...Nhf4 61. h5 Ne2 62. h6 Nc3 63. h7 Nb4 64. h8=Q Nc2#

 

Troitskys line12.gif

 

何とかメイトまで持っていけましたが、実戦で間違いなくきちんと指せるようになるにはトレーニングが必要です。


Rook vs 3 Pawns

現在進行中のPoland Championshipのゲームを見ていたら、次のinstructiveendgameを見つけました。

 

3pawns1.gif

                 Mista (2590) - Socko (2593)

                                ch-POL 2018

                        position after 60.Rxa8

 

黒はルークで白のパスポーンを消し、代わりに3つのパスポーンを得ました。まだ黒のパスポーンはほとんど進んでいないので、白のほうが安心して指せるendgameだと思います。逆にポーンの進め方に気を付けなければいけない黒はどう進めれば良いでしょう?

 

60...g5 61. Kc6 Kg6 62. Kd5 Kf5 63. Ra1 Kf4 64. Ra4+ Kf5 65. Kd4 Kf4 66. Kd3+ Kf3 67. Ra5 Kg4 68. Ra4+ Kf3 69. Ra5 Kg4 70. Ke3 f5 71.Kf2 h5 72. Kg2 h4 73. Ra4+ Kh5 74. Ra5 Kg6 75. Kh3 Kf6 76. Ra6+ Kf7 77. Kg2 g4 78. Kf2 Kg7 79. Ke3 h3

 

3pawns2.gif

 

このポジションを見て、かつて似たようなポジションを見たことがあるのを思い出し、過去のNew In Chess Magazineを引っ張り出したところ、2009 Issue2のゲーム解説でRozentalisが次のように書いていました。ポーンをf5-g4-h3に置き、キングがg7-f7を行き来すればドローだと。Sockoもこの形を知っていて(おそらく)まさしくその通りに進めましたが

 

80. Kf4 Kf7

 

81.Kxf5? に対しては81…g32パスポーンを白は止められません。

 

81. Rh6 Kg7 82. Rh5 Kg6 83. Rh4 (83.Rxf5 h2!) 83…Kf6 84. Rh8 Kg7 85. Rc8

 

3pawns3.gif

 

ここで85...Kf7! であれば、白はこれ以上やれることがなく、ドローでした。もし白が勝てる方法があったら教えてください。

 

85…Kg6? 86. Rf8!

 

3pawns4.gif

 

これで黒がツワンクに陥りました。86…Kg7 87.Rxf5 h2に対して88.Rh5! で黒はどちらのポーンも落とされます。

 

86…Kh6 87. Rf6+ Kg7 88. Rxf5 1-0

 

それなりに現れるendgameですので、知っていて損はありません。


Looking for the right rook road -Intensive Analysis-

三阪さんからエンドゲーム分析の寄稿がありました。以前、小島くんが自身のHPで発表したものに、今回、三阪さんがアナライズを加えた形です。今週末はこのテーマを考えてみます。斜体の解説は20111215日の小島くんの解説そのままです。リソースはこちら。

 

http://shinyakojima-blog.blogspot.jp/2011/12/looking-for-right-rook-road.html


WRITTEN BY

Misaka Susumu

 


                       NN
Kojima Shinya

                                Training Game 2011

                                     White to move
 

50.Re6+!?

 

50.Rxh6 d4 51.Kf2 d3 52.Rd6 Rb1 53.h4 g4 54.h5 Ke5 55.Rxd3 Rxb6=



                                ANALYSIS  DIAGRAM

 

50...Kd3 51.Kf2 d4!? 52.Kf3

 

白は実戦的にチャンスの多い変化を選択しました。以下の二つの変化であれば、黒としては問題なくドローに持ち込めます。52.g4 Kc2 53.Rd6 Kc3=, 52.Rxh6 Kd2=

 

52...h5 53.g4 h4 54.g3 hxg3 55.Kxg3 Kd2?!

 


 

黒はやや難しいラインを選んでしまいました。55...Rb3 56.Kf2 Kc3 57.Rc6+ Kd3 58.Rd6 Kc4 59.Rg6 Rb2+ で難なくドローです。

 

56.Kf3?!

 

悪い手ではないですが、黒の応対が簡単になります。黒がより正確に指さなければいけないのは、56.h4! gxh4+ 57.Kxh4 Rd5 58.b7 Rd8 59.g5 Rb8 60.Rb6 d3 61.g6 Kc2 62.Rc6+ Kb2 63.Rd6 Kc2 64.g7 d2 65.Kg5 d1Q 66.Rxd1 Kxd1 67.Kf6 Ke2 68.Ke6 Kd3 69.Kd6 Rg8 70.Ke6 Rb8 71.Kd6 Rg8= という変化でした。最後の形は有名です。

 

56...d3 57.Ke4 Rb4+ 58.Kf5 Rb5+ 59.Re5 Rxb6 60.Kxg5 Rd6=



 

ここまでくればドローです。ルークを切らせた後、ポーンを追いかけます。

 

61.h4 Kc2 62.h5 d2 63.Re2 Kd3 64.Rxd2+ Kxd2 65.h6 Ke3 66.h7 Rd8 67.Kf6 Rh8 ½–½

 



ここまでは Kojima blogの内容そのまま


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                       NN Kojima Shinya

                               Training Game 2011

                             White to move


本譜では白は
K-side2つ目のpassed-pawnを作りましたが、黒のd-pawnの反撃が十分でした。より進んでいるb-pawnを白Kがサポートするプランがcriticalです。具体的には

 

50.Re6+(!) Kd3 51.Kf2 d4 52.Kf3 h5 53.g4 h4 54.g3 hxg3 55.Kxg3 Kd2(?)




ここまでが本譜で、分析の
56.h4! gxh4+ 57.Kxh4 Rd5 58.b7 Rd8

 

ここで 59.Rd6! です。




59...Rh8+ 60.Kg3 d3 61.Kf3

 

Ke2を止め、62.Ke4! d3のポーンを狙います。62...Re8+ には63.Kd5 からKc6に入れます。(b7のポーンがなければKe4に対して…Ke2! Rxd3 Re8+ Kd4 Rd8+ Kc3 Rc8+によるドローがあります。)

 

黒は 61...Re8 Ke4を防ぎます。




62.Rd7
には 62...Kc3! でポーンの進む道を開けます。63.Rc7+ Kd4! 64.Rc8には64...d2! が間に合います。64.Rc8の代わりに64.Kf2には64...Re2+! 65.Kg3 Rb2で黒十分です。(66.Kf3 Ke5 or 66...d2 67.Ke2 Ke5=

62.Rb6 Rb8 63.g5 63...Kc3! 64.Rc6+ Kd4 65.Rc7 Rf8+! 66.Kg4 d2で白がRを切ってb7+g7 vs Rで本譜と似た形となります。

 

62.Kf4! zugzwangです。62...Kc3 63.Rc6+ Kd4 64.Rc8 d2d1=QがチェックにならないのがKf4のポイントです。

 

62...Rg8

 

Ke4を止めるリソースが残っています。63.Re6には 63...Rb8! でドローです。

 

63.Ke5!!




Ke4
との違いはg4を取ってもチェックにならないことです。

 

63...Rg5+ 64.Kd4! Rxg4+ 65.Kc5! Rg8 66.Kc4 Rg4+ 67.Rd4 Rg8 68.Rxd3+ and White wins

 

分析の結果としては、55...Kd2 が敗着のようです。元記事の55...Rb3の以外にも、55...Kc2で黒Kがポーンの邪魔をしなければ問題ありません。56.Rc6+ Kd1 57.Rd6 には...Rb3+からd3-d2とポーンを進められます。ポーンがd3d2かは大きな違いです。


The Witty Knights

ブルガリアのGM Bojkovblogは私が良く閲覧するページの1つです。彼自身のゲーム解説や大会のレポート、スタディなど、非常に多くのテーマを扱っており、楽しめるページです。今回は、表題と同タイトルの記事から、あっと驚くようなスタディを紹介します。

 

以下にBojkovのページのリンクを貼っておきますので、詳しく見たい方はそちらをご覧ください。

 

http://dejanbojkov.blogspot.jp/

 


                           Nadareishvili,G

                          White to move and draw


一般的に、
3ピースはクイーンより強いと言われていますが、それは3ピースが連携を取れている場合です。上のポジションでは、白の3ピースは互いに守り合うことはできません。されど3ピース。ここから奇跡が起こります。

 

1.Nb4+ Ka5 2.Nc6+ Ka4 3.Nb6+ Ka3 4.Nc4+ Ka2

 


 

意外なことに、ナイトフォークを避けつつチェックから逃れるためにはオンリームーブ続きです。次に5.Nb4+なら5...Ka1! で、これ以上白にチェックは続かないように見えますが...

 

5.Bf3! Qxf3

 

黒はピースを取らざるを得ません。黒が何もしなければ白は次にN4e5N6e5でピースの連携を取り合ってしまい、そうなれば局面はドローです。また、5...Qf8+ 6.Kh7 Qf7+ 7.Kh8 Qxc4なら、8.Bd5! Qxd5 9.Nb4+で、これまたドローです。

 

6.Nb4+ Ka1 7.Nc2+ Ka2 8.Nb4+ =

 


 

白はビショップを犠牲にして黒クイーンをf3に釣り出し、こうなると黒キングはパペチュアルとナイトフォークの両方から同時に逃げることはできません!


Bronのスタディから

先日、我が家にTimmanThe Art of the Endgameが届きました。本の前評判通り、濃い内容で、面白いテーマが次々と出てきます。実戦的なものが多く含まれているため、Endgameのスキルアップにもつながります。

 

http://chessplayer.jugem.jp/?eid=718

 

一通り見た中で、一つ非常に考えさせられるスタディがありました。


 

Bron, ‘Sovietskaya Rossiya’ 1957

White to move and draw (incorrect)

 

白は黒の危険なパスポーンを止めに行きます。ここで、R vs BR vs Nは理論的にドローのエンディングだということを予備知識として持っていなければいけません。つまり、たとえルークに取り返されても、ナイトかビショップのどちらかでパスポーンを取れればOKです。

 

1.Nb5 [Nc3-Bg5] 1...d2

 

ルークの横の利きで2.Nc3ができなくなりました。もう、パスポーンは止めようがないので、白は違う狙いを作り出します。

 

2.Kc8 Rf5

 

2...d1Q 3.Nc7+ Ka7 4.Bc5#が白の狙いでした。黒がこれを防ぐには本譜の1手のみです。

 

3.Nc7+ Ka7 4.Bb4 [Bxd2=] 4...d1Q 5.Bc5+ Rxc5 =


 

 

これでステールメイトが完成。

 

極めて簡明で美しいスタディだと思いますが、冒頭で「incorrect」とあるように、実はこのスタディにはグレーな部分があります。どこでしょう?

 

4…d1B!

 


 

このプロモーションがありました!

 

もちろん、エンドゲーム作者のBronはこのプロモーションの可能性にも気付いていた上でこの作品を発表したことでしょう。それなのになぜ?という問いにはこのRB vs NB (ビショップは異色)というマテリアル・バランスに対する評価がからんでいます。このマテリアル・バランスは長い間ドローだと考えられていました。そのため、このスタディは「correct」であり続けたわけです。

 

しかし、人工知能の発達とともにテーブルデータベースなるものが開発され、今では盤上に数個の駒しか残ってない場合には、全てのケースにおいて、結果と手順が解明されています。このマテリアル・バランスも例外ではありません。

 

上のポジションは、79手で黒が白キングをメイトにして黒勝ちです。

双方が最善手を指し続けた結果、黒勝ちになるのです!

 

ここで、OTBチェスのルールに精通している方であれば、50手ルールで白がメイトにされる前にドローになるのではないか?と思われるかもしれません。しかし、50手ルールはあくまでOTBチェスの現行のルールです。そもそも50という数字には特に根拠はありませんし。テーブルデータベースの開発で、色々と真実が見えてきた今日この頃、50手ルールも改めて見直したほうが良いのでは?と考えているプレーヤーも少なくはないでしょうが、それはまた別の話です...

 

さて、上のマテリアル・バランスで黒勝ちの手順は簡単ではありません。以前に私自身のゲームでも、このマテリアル・バランスが現れたことがあります。


 

Kuwata Susumu – Baba Masahiro

TOTOVS 2009 (1)

Position after 84.Ne2xg3

 

黒の最後のポーンが取られたところでこのマテリアル・バランスとなりました。黒はできるだけ白キングを隅に追いやり、メイトを狙います。

 

84...Kg5 85.Ne2 Kh4 86.Bd5 Rd3 87.Be6 Bd6 88.Kf2 Bc5+ 89.Kg2 Re3 90.Bc4 Kg4 91.Ba6 Re8 92.Bb5 Re7 93.Bd3?!




93.Bc4!
なら、作戦を練り直さなければいけなかったことでしょう。

 

93...Rf7! 94.Bb5 Rf2+ 95.Kh1 Kf3 96.Ng1+

 

96.Nc3 Rc2 97.Bc6+ Kf4 98.Ne4でも良かったと思います。このあと黒がどのように指せばよいのか、私はまだ分かっていません。

 

96...Ke3 97.Bc6?

 

勝敗を決定づけるブランダーです。97.Nh3 Rb2 98.Bc6 Bd6 99.Kg1 Be5 100.Kf1で、これまた私には黒の指し方が見えません。

 

97...Bd6! [Rh2#] 98.Nf3 Rc2 99.Bb7 Kf2 0–1

 

 

白はメイトを避けられません。

 

このテーマ1つでも何時間も考えさせられます!


When Queen is completely powerless...

Facebookで見つけた小さな感動。

 

                    White to move and win

 

1.Bd8+ g5 2.Ba5! [Be1#] 2...Qe2 [黒クイーンはg2のポーンをピンにしながらBe1#を防がなければいけません。2...Qe4 3.g3#] 3.Bc7! [Bg3#] 3...Qf2 [3...g4 4.Bd8+] 4.Bd6!! [Zugzwang!! 4…g4には5.Be7+からメイトです。]

 


4…Qe1 5.g3+ Qxg3+ 6.Bxg3#
[Beautiful!]


R+B vs R -Part1-

長い間、勉強してこなかったテーマです。その理由としては、「このエンディングの詳細を理解するのが難しいこと」と「今までの私の実戦1300ゲームでこのエンディングが一度も現れなかったこと」があげられます。ただ、統計的にはB+Nのエンディングよりもずっと頻繁に現れるものなので、どこかで勉強する機会を設けないといけないとは前々から思っていました。

 

まずは下のポジションから。白番白勝ち。ちなみに、Philidor18世紀に正確な手順を発見したため、Philidor Positionとも呼ばれています。(本当はこのポジションに至るまで、もう少し前段取りがありますが、私はアイディアを理解するにはこのポジションからでよいと考えています。)

 


 

1.Bb3!!

 

d1c2のマスをカバーする、このエンディングの肝となる1手です。黒はRd1+など、1段目からチェックをかけ続けることでドローに逃げたいところなので、白はまずそれを防ぎます。d1のマスをコントロールするには1.Bf3もありますが、これには1…Rc2!で黒は2段目からのチェックができるようになります。

 

ここで黒には1…Kc81…Rc32手あります。片方ずつ見ていきましょう。

 

A) 1...Kc8

 

2.Rb4

 

狙いはBe6+からのメイト。これを防ぐには次の1手です。

 

2...Kd8 3.Rg4 Re1

 

3...Ke8とすると、4.Rg8#があります。f7のマスにはビショップが利いています。また、3…Kc8には4.Bd5 Kb8 5.Ra4!次のRa8#を黒は防げません。

 

4.Ba4!!

 


 

d1を抑えながらe8のマスを抑える美しい1手です。

 

4…Kc8 5.Bc6b7を抑える) 5…Rd1+ 6.Bd5 Kb8 7.Ra4!

 


 

これで黒は次のRa8#を防げません。

 

B) 1...Rc3

 

黒はキングを動かせないとなると、ルークを動かすしかありません。そして、cファイルで動けるのはこのマスのみです!

 

2.Be6 Rd3+ 3.Bd5 Rc3




3…Kc8
には4.Ra7!で白勝ちです。

4.Rd7+! Kc8

 

4...Ke8には5.Rg7でメイトになります。f3のマスをビショップがカバーしているため、黒はRf3からRf8とすることができません!

 

5.Rg7

 

Rg8#を狙います。4手目でいきなり4.Rg7としないで、4.Rd7+!をはさむ理由が見えたかと思います。

 

5…Kb8 6.Rb7+ Kc8 7.Rb4!

 

狙いはBe6+からのメイト。そして4段目にひくのがポイントです。

 

7…Kd8 [7...Rd3 8.Ra4!] 8.Bc4!! +-



 

d3のマスを抑えながらcファイルを塞いでしまいます。黒はどうあがいてもメイトを防げません。

 

注意深く11手見ていくと、白は強制手順で勝てることが分かると思います。しかし、これを実戦で指せるようにするには、何度も盤上で練習することが必要ですね!


H.Rinck 1920


                           白番
1.?

 

またしてもDvoretskyEndgame Manualから出題。白が勝つと言われればgのパスポーンしかありませんが、さて、いかにして最終マスまで到達するのでしょうか?

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J.Vancura 1924


                 白番
1.?

 

DvoretskyEndgame Manualから出題。
5分で正確に解けたら素晴らしいと思います。

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