Summer Open 2018

今年も暑い夏が始まりました。先週のSummer Openから1ゲーム紹介します。

 

Baba,Masahiro (2399)

Kakutani,Yuta (1870)

Summer Open 2018(1)

 

[角谷君との対戦は2010年のSummer Open以来、実に8年ぶり。FIDEレイティングは2100あるため、1R目の相手としては簡単ではありません。]

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.00 Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 00 8.h3

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[Marshall Attackを避ける手順の1]

8...d6 9.c3 Nb8 10.d4 Nbd7 11.Nbd2 Bb7 12.Bc2 Re8 13.Nf1 Bf8 14.Ng3 g6 15.a4

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[先月の快速選手権では三ツ矢さんに対して15.b3を指しましたが、今回はBreyer Variationのメインの本譜に戻しました。]

15...c6 16.Bg5 h6 17.Be3 Bg7 18.Qd2 h5 19.Bg5 Nb6 20.b3 Qc7 21.a5 Nbd7 22.Nh4

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[f2f4でキングサイドを開きにかかります。これに対し、黒はセンターを開いて勝負します。]

22...exd4 23.cxd4 c5 24.Rac1

[24.d5 Nh7! 25.Rad1 Nxg5 26.Qxg5は黒の狙い通りです。白としては、e4-e5で白マスビショップのラインを開き、g6をターゲットにしたいところです。]

24...b4 25.e5!?

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[プラン通り、ポジションを開きにかかります。]

25...dxe5 26.dxc5 Qxa5 27.c6 Bxc6 28.Bxg6 Qd5!

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[これは非常に強い1手で、g2のメイトを視野に入れつつ、クイーン交換を強要することで白の攻めを緩和します。28...fxg6 29.Rxc6なら、アクティブなピースとg6の弱点が残るので、白有利と考えていました。]

29.Bxh5 Nh7?

[しかしこれが間違いで、白ピースを呼び込んでしまいます。29...Qxd2 30.Bxd2 Bd5 31.Bxb4 Rab8 32.Bd6 Rxb3ならお互い戦力不足でドローでしょう。]

30.Ngf5! e4

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31.Rxc6! Qxc6 32.Nxg7 Kxg7 33.Nf5+

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[マストではないですが、31手目のエクスチェンジ・サクリファイスからここまでの流れが一番分かりやすく感じました。]

33...Kf8 34.Rc1 Qb5 35.Qd6+

[35.Bf6! から強制メイトがあるようですが、本譜でも勝ちに変わりありません。]

35...Kg8 36.Nh6+ Kg7 37.Nxf7!

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[この手を見つけるのにしばし時間を要しました。Bh6+からQg6#がスレットなのと、37...Nxg5 38.Qh6+ Kg8 39.Qh8#h8でメイトになるのがポイントです。]

37...Nhf6 38.Rc7

[ルークも攻めに参加し、勝負ありです。]

38...Nxh5 39.Rxd7 Qd3 40.Qh6+ Kg8 41.Qh8# 10

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千葉県選手権2018

今年の千葉県選手権は、昨年よりも10名以上参加者を増やし、盛況な中、幕を閉じました。ディフェンディング・チャンピオンとして臨んだ本トーナメントは51ドローで優勝。千葉選手権が毎年恒例のイベントになり、千葉のチェスがさらに盛り上がることを願っています。

 

Baba,Masahiro (2406)

Mitsuya,Naoto (2160)

Chiba 2018(4)

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.00 b5 6.Bb3 Bc5

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[この手は予定外でした。過去の記憶を呼び戻しながら、Archangelskのメインラインに飛び込みます。]

7.c3 d6 8.d4 Bb6 9.a4 Rb8 10.Na3 00 11.axb5 axb5 12.Nxb5 Bg4

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[Archangelskで黒は1ポーンと引き換えにアクティブなプレーを目指します。白は正確に対処しないとセンターを含め、一瞬で崩壊します。]

13.Bc2 exd4 14.Nbxd4 Nxd4 15.cxd4 Bxf3 16.gxf3 Nh5 17.Kh1 Qf6 18.Be3 c5!?

Mitsu3.gif

[この手は近年、黒のベストとして推奨されています。2016年、New YorkでのWorld Championship matchの大事な1戦でCarlsenもこの手を採用しました。これより先のセオリーは特に研究したことはなく、ここから自分の頭で考え始めます。19.d5には19...c4! で白マスビショップの動きが制限されるため、白マスビショップのラインを開く次の1手がロジカルです。]

19.e5! Qe6

[19...dxe5 20.dxc5 Bc7 21.Be4! Rxb2 22.Qd7! なら、2ビショップの威力がありパスポーンというカードのある白が有利だというのが、19.e5と突いた根底の読みです。]

20.f4

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[しかしこれはあまり指されたことはなく、20.exd6と指すのがセオリーのようです。h1-a8のラインを自発的に開くのはQd5+の可能性があり危険に見えますが、それを見越して白クイーンのラインを開きにいきました。三ツ矢さんの知識もここで途切れます。]

20...cxd4!

[いま、21.d5がポジショナルスレットになっているため、20...g6では遅すぎます。]

21.Bxh7+ Kxh7 22.Qxh5+ Kg8 23.Bd2 g6

[gファイルを利用したダブルルークサクリファイス(Rg1Rxg7+Rg1+)の可能性があるので、これを未然に防ぎますが、逆にキング廻りを弱めるデメリットもあります。私は23...d3で黒マスビショップのラインを開きにいくのがベストに思いました。]

24.Rg1 Rb7?

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[Qd5+に対してはf3と突きます。黒クイーンはg6のポーンを守らなければいけないので、アクティブなカウンターをなかなか作れません。本譜は黒クイーンをフリーにするため、Rxg6-fxg6-Qxg6に対して7thランクを守っておくprophylaxisですが...]

25.Qf3!

[浮いたルークを狙いつつ、弱点のダイアゴナルをカバーします。ここで体制を整え、次のf4-f5を強力にします。]

25...d5 26.f5! Qxe5 27.Rae1 Qd6 28.Bf4 Qc6 29.Be5+-

Mitsu6.gif

[こうして全てのピースをアクティブにし、Qh3 or Qh5がスレットになった今、黒は駒損を避けられません。]

29...Re7 30.Rc1 Qxc1 31.Rxc1 Rxe5 32.fxg6 fxg6

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33.Qg4 g5 34.Qh5 d3 35.Qg6+ Kh8 36.Qxb6 d2 37.Rg1 Rff5 38.Qd4 10

Mitsu8.gif

 

最終結果は以下のサイトで確認できます。

http://chess-results.com/tnr326585.aspx?lan=1&art=1&rd=6&wi=821


Japan Open 2017

Japan Openが終了して早4週間。今年5月の全日本選手権と今大会は、来年Georgiaで開催されるBatumi Olympiadの代表権がかかった大会でした。最終的に5人が5P/6Rで並んだ結果は、オリンピアード代表権の行方に大きく影響し、今もどう決定していくか方向性が見えません。情報が不確定なのでここでは詳細は書きませんが、Olympiadは一生に一度立てるか立てないかの大舞台なので、皆さんが納得できる形で決着がつくことを願っています。

 

さて、今大会の自分のゲームから、ポイントとなった場面を2つ紹介します。まずはR.1ドローとなり迎えたR.2のゲームから。

 

JO2017.gif

Asaka,Samuel (1417) - Baba,Masahiro (2410)

                          Position after 35...exf4

 

[f4を取りにいくかc6を取りにいくかの2択ですが、ここでの選択が勝負の分かれ道になります。]

36.Qxc6?!

[36.Bxf4 Qg4 37.Rf1が正着ですが、横と縦のピンが気持ち悪いのと、このピンを具体的にどう外すか短時間に判断するのは難しいと思います。]

36...f3!

[ここまでイコールよりは白に分があった形勢ですが、この1手で黒に形勢が傾きました。白の2連ポーンより黒のfポーンのほうが強力であり、さらに白クイーンはキングのディフェンスからカットオフされました。]

37.Rf1 Qh3 38.Rf2 Qf5!

[白のバックランクの弱さをついて、Qb1+を狙います。以前紹介したHabu-Baba戦、Katsuta-Baba戦でもこのクイーンの動きがありました。]

JO2017-2.gif

39.Qa6 Bd4 40.Qa2 Qd3!+

JO2017-3.gif

[c3f1といったマスをおさえ、これで勝負ありです。焦ってはいけないのは40...Bxf2?? 41.Bc3++-]

41.Be1

[41.Qe6でパペチュアルを狙われるほうが黒としては考えることが多く嫌ですが、幸いなことに黒キングは逃げることができます。]

41...Bxf2 42.Qxf2 Re8 43.Kg1 Rg8+ 44.Kh1 Rg2 01

JO2017-4.gif

 

つづいては2日目のR.3から。

 

JO2017-5.gif

Baba,Masahiro (2410) - Shinoda,Taro (2082)

                         Position after 42.b6

 

[マテリアルはイコールですが、bポーンが走り出し、黒はこのパスポーンにどう対処すべきか決める重要な局面です。]

42...Re3

[私は42...Nxb6 43.Qxb6 Rf8とすれば、QB vs RRで白がアップしていても、fortressではないかと考えていました。というのは、同じマテリアル・バランスが現れたVolokitin-Morozevich Biel 2006のゲームを知っていたからです。(このゲームについては最後に紹介します。)白が勝つためにはf7のポーンを落としにいかなければなりませんが、2ルークで頑なに守られると、このポーンをどう落とすか白にはプランがありません。]

43.Qb5 Nf6?

[ここは43...Nxb6! 44.Qxb6 fortressにするラストチャンスでした。また、必要はありませんが、43...Rxf3!? 44.gxf3 Nxb6 45.Qxb6 Re8でもQ vs Rfortressだと思います。この後、はっきりとした勝ちのプランは見えませんが、局面を進めてみます。]

44.b7± Ree8 45.Bc6 Rf8 46.Kf2 Rb8 47.Ke3 Rfd8 48.g4 Kg8 49.Kf4 Ne8 50.h4 Nd6

JO2017-6.gif

51.Qa6 Kf8 52.Ke5 Ke7 53.Qa3 f6+ 54.Kf4

[54.Kd5 Kf8 55.Qxd6+? Rxd6+ 56.Kxd6とエンドゲームに持ち込むのも考えましたが、56...h5! 57.gxh5 Kg8 58.Kc7 Rxb7+ 59.Bxb7 Kh7 60.Bd5 Kh6 61.Bf7 f5 62.Kd6 f4 63.Ke5 f3 64.Kf4 f2 65.Bc4 Kxh5 66.Kg3 g5でドローにしかなりません。本譜のようにf6を突かせて白マスが弱くなるのは、白にとってメリットありと判断して、もう少しチャンスをうかがうことにします。]

54...Kf7 55.Qa5 Ke7?

[55...Kg8 56.Qc7 Kh8とポーンの陰に隠れるほうがベターですが、57.g5 fxg5+ 58.hxg5で黒キング前を崩して白が勝てるでしょう。]

56.Qc7+ Kf8 57.Bd5+-

[これで黒は完全にzugzwangです!]

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57...g5+ 58.Kg3 Ke8 59.Qg7 gxh4+ 60.Kxh4 f5 61.Bc6+ 10

JO2017-8.gif

 

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JO2017-9.gif

        Volokitin Morozevich Biel 2006

                      Position after 43.Rxb2

 

43...Bc5!

[このゲームをliveで見ていた多くのチェスファンはここでMorozevichがなぜ43...Bd6+ 44.g3 Bxb8とルークを取りにいかなかったのか悩んだと思います。(私もその中の1人でした)しかし、45.Rxb8のあと、白はR vs Qfortressに持ち込むことができるため、Morozevichはこれを避け、f2のポーンを狙いにいきます。]

44.R8b3?

[44.R8b5! Bd4 45.Re2! Qf1 46.Rbb2! 2段目でディフェンスすれば白がドローにできる可能性は高かったと、MorozevichsecondだったKuzminは主張します。(New In Chess Magazine 2006/6)]

44...Qe1 45.Kg3 Bd4 46.Rb1 Qxf2+

JO2017-10.gif

[このポーンを落として黒勝ちとなります。]

47.Kh2 Be5+ 48.Kh1 Qf4 49.Kg1 Qh2+ 50.Kf2 Bd4+ 51.Kf3 h5 52.Rb5 Kh6 53.Rd5 Ba7 54.Rbd1 h4 55.R5d2 Qe5 56.Rd6+ g6 57.R1d3 Qg3+ 58.Ke2 Qxg2+ 59.Kd1 Bb8 01


Club Championship 2017

150人を超える参加者が集う国内最大規模の大会であるクラブ選手権には、今年も麻布OBチームの一員として参戦、残念ながらチームはもう一つの麻布OBチームに大敗し、タイトルは逃しました。ただ、個人的には51ドローと、Japan Leagueに継続して好調を維持しました。

 

初日終わってチームは3連勝し、迎えた2日目の朝のラウンドは麻布OB-Bチームとの対戦。ちょうど前日の夜は両チームで夕食に行き、一杯ひっかけたのですが、途中でペアリングが発表されたのを見て、場の雰囲気が...

 

Aoshima,Mirai (2403)

Baba,Masahiro (2396)

Club Championship 2017(4)

 

1.d4 Nf6 2.Bg5 Ne4 3.Bf4 c5 4.f3 Qa5+ 5.c3 Nf6

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[実を言うと、彼がTrompowskyを指すのを完全に忘れていて、早くもプリパレーション外となります。]

6.d5 d6 7.e4 g6 8.Na3 Bg7 9.Qd2 00 10.Bh6 Nbd7 11.Bxg7 Kxg7

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12.Nc4 Qc7 13.a4 b6 14.Ne3 Bb7 15.g4 e6 16.000 e5

[センターを閉じるのは本意ではありませんでしたが、16...exd5 17.g5 Nh5 18.Nxd5 Bxd5 19.Qxd5は十分な反撃がないままd6が落ちます。この後、白はキングサイドから、黒はクイーンサイドからアタックを目指すことになります。黒はg7にビショップがいない分、白はa4を突いている分、キング廻りを弱めているため、だいたいチャンスはイコールかなと考えていました。]

17.h4 h5? [白のキングサイドアタックを止めようと、よく考えずに突き返したこの手は大きな間違いでした。]

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18.gxh5! Rh8

[前の手でh5を突いた時に私が見落としていたのは、18...Nxh5 19.Nf5+ Kg8 20.Qh6のあと、Nh3-Rg1とされると黒に受けが無い点です。本譜ではポーンダウンになりますが、戦えるよう手を作りにいきます。]

19.hxg6 fxg6 20.Nh3 Nf8

[20...Rxh4? 21.Ng5+-(×e6]

21.Bc4?!

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[d1のルークをg1に廻すために展開しますが、a6-b5で黒にテンポよく追い返されるので、ややケアレスな1手でした。]

21...a6 22.Ng5 b5 23.Be2 Bc8 24.Rdg1 bxa4 25.Nf5+!

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[準備が整ったところでアタック開始です!]

26...Bxf5 26.exf5 Rh6

[27.Ne6+ Nxe6 28.Rxg6+! に対して、先にg6を守っておきます。]

27.fxg6

[この手を見て、黒に反撃のチャンスが回ってきたと感じました。キングの目の前の敵ポーンは逆にディフェンダーとして働いてくれることが多く、この局面でもghファイルがオープンでないので白の攻めがスローダウンします。正しくは27.h5! で、プレッシャーをかけ続けるべきでした。]

27...a3! 28.bxa3 Rb8

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[クイーンサイドから反撃です!]

29.Bd3 Qa5 30.Nf7 Qxa3+ 31.Kd1 Rh5

[Qxh6+に対する唯一の受けですが、効果的です。]

32.Nxd6 Rb2

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[反撃に参戦している黒駒はクイーンとルークだけですが、大駒が2つあれば、十分なカウンターを作れます。]

33.Bc2 Qa1+ 34.Qc1 Qa2 (△Qxd5+ 35.c4 Qa3 (△Qxf3+ 36.Rh3 Qc3 (△Qd4+ 37.Rg5 Ra2!

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38.Nf5+ Kg8 39.Ne7+ Kg7 40.Nf5+ Kg8

[Ra1に対して満足な受けが無い白は、少なくともパペチュアルチェックでドローに持っていくことはできますが・・・]

41.g7!?

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[ドローを蹴って勝負してきました!ちょうどこの頃、他のボードが全て負け、チームとしては負けが確定していましたので、相手チームのキャプテンの篠田君は青嶋君にドローで良いとアドバイスしていましたが・・・]

41...Ra1 42.Bb1

[42.gxf8Q+ Kxf8は、白のアタックが止まります。]

42...Qb3+ 43.Ke2 Rxb1 44.Rxh5

[44.Ne7+ Kf7f6のナイトがいい働きをしているため、g8Q+はありません。]

44...N8h7?!

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[気をつけなければいけないのは、44...Nxh5? 45.gxf8Q+ Kxf8 46.Qh6+での一発逆転です。また、44...Ng6? 45.Rh8+! Kf7 (45...Nxh8 46.gxh8Q+ Kxh8 47.Qh6+ Kg8 48.Qg7#) 46.Rf8+! も白勝ちを許してしまいます。いずれにしても、白クイーンだけはゲストに招かないことです! 試合中は本譜が唯一の受けだと思っていましたが、ここで黒にはっきりした勝ちがありました。44...Qa2+! 45.Qd2 Qxc4+ 46.Ke3 Nxh5 47.gxf8Q+ Kxf8+ 白キングがクイーンの道をふさいでQh6+ができません!]

45.Ne7+?!

[ここで両者気付いていなかった1手をチームキャプテンの塩見さんが指摘してくれました。45.Rg3! で、Nh6#がスレットになっているため、黒は慎重に手を模索しなければいけません。45...Qa2+ 46.Qd2 (46.Kd3? Rb3+ 47.Qc3 e4+! 48.fxe4 Rxc3+ 49.Kxc3 Nxe4++) 46...Qxc4+ 47.Ke3 Qf4+ 48.Ke2 Qc4+は黒の最善で、パペチュアルでドローに落ち着きます。]

45...Kxg7 46.Qh6+

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[クイーンをゲストに招き入れても黒ナイトのコンビがさらなるアタックを阻みます。]

46...Kf7 47.Qg6+ Kf8!+

[47...Kxe7? 48.Rxh7+ (48.Rxe5+? Kd8+) 48...Nxh7 49.Qxh7+は白に主導権があり、攻めが継続します。]

48.Kf2

[48.Qh6+ Kxe7 49.Rxe5+ Kd8はチェックが止まり、勝負ありです。]

48...Qb2+

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[49.Ke3 (49.Kg3 Rg1#) 49...Re1+ 50.Kd3 Rd1+ 51.Ke3 Qd2# A big fight, A crazy game!] 01


Summer Open 2017

夏の大会はこのサマーオープンを皮切りに、ジュニア・シニア・小学生・女子選手権、ジャパンリーグと続きます。今大会では初日に小林厚彦君に敗れるものの2日目3連勝で、幸運にも1位タイ(タイブレークでは2位)に終われました。今大会からは、先日、CMのタイトルを獲得した若手のホープ、逢阪拓真くんとのゲームを紹介します。

 

Osaka,Takuma (1967)

Baba,Masahiro (2363)

Summer Open 2017(2)

 

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.Nf3 Bg7 5.Qb3 dxc4 6.Qxc4 00 7.e4 a6

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[Hungarian Variation. Grunfeld Russianに対する私のメインの受け方です。]

8.Be2 b5 9.Qb3 c5 10.dxc5 Bb7 11.00 Nxe4 12.Nxe4 Bxe4

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[センターポーンが消えて局面がオープンになり、ここからピースプレーとなります。黒としてはcのパスポーンがやや気がかりですが、このポーンを焦って取りにいく必要はありません。]

13.Be3 13...Bd5

[13...Nc6 14.Rfd1 Qc7 15.Rac1は単純に白良しなので、まずはdファイルを閉じるべきだと判断]

14.Qc2 Nc6 15.Rfd1 e6 16.Nd4?

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16...Bxd4!

[はじめは16...Nxd4 17.Bxd4 Bxd4 18.Rxd4 Qg5で黒満足なゲーム展開だと考えていましたが、すぐに本譜のコンビネーションを見つけました。]

17.Bxd4 Bxg2! 18.Bg7!

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[白は予想通り一番面白い変化に飛び込んできました。この他の手に対しては、黒は単純に1ポーンアップです。]

18...Bd5!

[このビショップの強さを正確に評価しての本譜なので、エクスチェンジを捨てるのは構想通りです。ただ、焦って18...Qg5?と出ると、19.f4!で失敗します。]

19.Bh6!?

[19.Bxf8 Qg5+ 20.Kf1 Qg2+ 21.Ke1 Rxf8

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ANALYSIS  DIAGRAM

は、黒圧倒的です。これは両者共通の認識でした。本譜ではこの攻撃の要となるg5のマスを奪いますが...]

19...Qh4! (このマスもあります!) 20.Qd2

[20.Rxd5 exd5 21.Bxf8 Rxf8と戦うのが比較的白のベストだと思いますが、黒は安定した1ポーンアップです。]

20...Qh3

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21.f3

[21.Bf1?? Qg4+は即終了。少し面白いかなと考えていたのは21.Qg5 f6 22.Qg4 Qxh6 23.Rxd5 exd5 24.Qe6+ Kh8 25.Qxc6ですが、25...Qd2で白駒が足りていません。]

21...Nd4!?

[おそらく21...Rfd8として何ら問題ありませんが、h6にビショップが居座られると気持ちが悪いのと、22.Qxd4 Qxh6なら1ポーンアップを維持したまま安全に指し続けられるので本譜を選択。]

22.Bxf8

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22...Bxf3!

[拓真くんの考えていた22...Nxe2+ 23.Qxe2 Bxf3 24.Qc2 Bxd1 25.Rxd1 Rxf8 26.c6 Qg4+ 27.Kh1は白のパスポーンが強力で、黒がどう勝つか定かではありません。]

23.Bf1 Qg4+

[ここで23...Ne2+ 24.Kf2 24...Qxh2+ 25.Kxf3 Ng1+ 26.Ke4

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ANALYSIS  DIAGRAM

と、もう1つピースを捨ててセンターにキングをおびき寄せる変化も考えましたが、これ以上続ける手が見えませんでした。(実際無い)]

24.Kf2

[24.Bg2?には24...Ne2+で白はクイーンを捨てざるをえません。]

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24...Qh4+!

[24...Bxd1? 25.Rxd1だとd4のナイトがアタックされているのでf8を取り返せません。このチェックを挟み、キングとクイーンをフォークポジションに強制するのがポイント。]

25.Kg1

[25.Ke3 Bxd1 26.Rxd1 (26.Qxd4 Qe1+ 27.Kd3 Qxf1+ 28.Kc3 Qe1++) 26...Nf5++]

25...Bxd1 26.Qxd1

[26.Rxd1?? Nf3+なので、クイーンで取り返すのがオンリーです。]

26...Rxf8+

Osaka10.gif

[駒を取り返し、黒の2ポーンアップ。若干、白のパスポーンが脅威ですが、白キング廻りが弱く、本譜の通り黒のアタックが先に決まります。]

27.Bg2 Rd8 28.Rc1 Qg5(Qxc1) 29.Rc3 Nf5 30.Qc1

[30.Rd3には30...Qe3+!? 31.Rxe3 Rxd1+ 32.Kf2 Nxe3 33.Kxe3 Kf8+を用意していました。]

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30...Qg4 31.Kf2 Rd1 32.Qc2 Qh4+ 33.Rg3

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[キングがよけるとナイトフォークで白はクイーンを失います。]

33...Qd4+ 34.Ke2 Rg1 35.Qe4 Nxg3+ 36.hxg3 Qxb2+ 37.Kd3 Rd1+ 38.Ke3 Re1+ 01

Osaka13.gif


千葉県選手権2017

全日本選手権の地区予選として開催された千葉県選手権は、東京近郊ということもあり、地区予選としては多い32名の参加者を集めました。スタンダードなタイムコントロールのゲームを楽しめるため、また、全日本の権利枠(8名につき1名)を増やすのに貢献するため、参加を決めました。

 

余裕のある会場スペース、スケジュール・ルールにシビアな大会運営と、クオリティーの高い大会でしたので、また機会があれば参加したいと思います!

 

Furuya,Masahiro (2079)

Baba,Masahiro (2379)

Chiba 2017(5)

 

[ここまで4連勝で迎えた5R目は、初対戦となる古谷くんと。] 1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.e4 Nxc3 6.bxc3 Bg7 7.Nf3 00 8.Be2 c5 9.Be3 Qa5

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[少し種々のラインがミックスされていますが、あらかたスタンダードなグリュンフェルドです。] 10.Qd2 Nc6 11.Rc1 Bg4 12.d5 Rfd8 13.00 e6 14.Rfd1 exd5 15.exd5 b6?

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[15...Ne7 16.c4 Qxd2 17.Rxd2 Nf5 のときに、c5のポーンが浮いているため、あらかじめ守りをつけた手ですが、18.Bxc5? には18...Bh6! があるので不要な手です。クイーン交換が無ければ、黒クイーンがa5で孤立してしまうので、感覚的にもおかしな手です。] 16.Bg5! f6 17.Bh6?! [黒にf6を突かせ、a2-g8ダイアゴナルを開かせるのは良いアイディアですが、ラインの閉じた黒マスビショップを交換しにいくのは、やや一貫性に欠けます。17.Bf4! とビショップをキープすべきでしょう。] 17...Ne7 18.Bxg7 Kxg7 19.Qe3

furu3.gif

19...Nf5 [19...Nxd5 20.Rxd5 Rxd5 21.Qe7+ Kh6 22.Qe3+ Kg7 23.Qe7+でパペチュアルによるドローなら黒としてはOKですが、22.Qxf6!? で勝負されると厄介です。] 20.Qe4? [これは黒にテンポを取らせるので明らかにミスです。20.Qf4! で、c7への侵入を見せつつ黒ビショップをアタックすべきでした。] 20...Bxf3 21.Bxf3 Re8 22.Qf4 Re5!

furu4.gif

[eファイルを取りつつ、白クイーンの侵入を防ぐ絶好のアウトポストを見つけ、形勢が黒に傾き始めます。] 23.a4?! [このあと黒にブロッケードを築かれてしまうと白ビショップが働かなくなるので、ここは23.d6と仕掛けるしかなかったと思います。その場合、黒は23... Rd8 24.d7 Qxa2でポーンを取った後、クイーンサイドのポーンで勝負します。] 23...Rae8 24.g3 [バックランクが弱いので、もう24.d6と突けません。(24...Qxc3!] 24...Nd6!

furu5.gif

[センターをブロックし、黒は理想のポジションを得ました。白にはc3a4のポーンが弱点として残っています。] 25.Kg2 c4 26.Qg4 R8e7 27.Rd2 Qxa4 28.Re2 Rxe2 29.Bxe2 Qa3 30.Rc2 Qc5

furu6.gif

[あとはクイーンサイドのポーンを突いていくだけです。]31.Bf3 a5 32.Qf4 b5 33.h4 b4 34.cxb4 axb4 35.Be2 c3 01

furu7.gif

 

最終結果はChess-results.comで確認できます。

http://www.chess-results.com/tnr260897.aspx?lan=22

 


Japan Open 2016

先週のJapan Openから1ゲーム紹介します。

 

Katsuta,Yuki (2074)

Baba,Masahiro (2355)

Japan Open 2016(4)

 

[2日目の朝のラウンドは、電車遅れにより10分遅刻でのスタート。用意したラインで時間の遅れを取り戻します。] 1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.e4 Nxc3 6.bxc3 Bg7 7.Nf3 00 8.Be2 c5 9.Rb1 cxd4 10.cxd4 Qa5+ 11.Bd2 Qxa2 12.00 Bg4

katsu1.gif

[かつてのグリュンフェルドのメインライン。研究が進み、だいたいどの変化でも黒がイコアライズできるラインが発見された今、指される頻度は減ってきています。] 13.Rxb7 Bxf3 14.Bxf3 Bxd4 15.Bb4 Nc6

katsu2.gif

[ここで、今年のJapan LeagueでのKatsuta,Y-Zhou,J 戦から外しました。GM Zhou,Jの選択した15...Rd8も可ですが、私にはナイトを展開する手のほうが自然に見え、プリパレーションではNc6をメインに見ていました。16.Qc1 Na6 17.Bxe7 Rac8 18.Bxd8 Qxf2+ 19.Kh1 Rxc1 20.Rxc1 Nc5 21.Rc7 Nd3 22.R7c2 Nxc1 23.Rxf2 Bxf2 24.Be7 Bd4 25.g4 Nd3 26.h3 a5 27.Kh2 Bc5 28.Bf6 a4 29.Bd1 a3 30.Bb3 Bd6+ 31.Kg2 Be5 32.Be7 Nc1 33.Bxf7+ Kxf7 34.Bxa3 Nb3 35.h4 Nd2 36.h5 g5 37.Bc1 Bf4 01 Katsuta,Y (1839)-Zhou,J (2616)/Japan League 2016) ] 16.Bxe7 Rfe8 17.e5[白マスビショップのラインを開き、c6のナイトないしはa8のルークまで狙う自然な1手ですが、e5のポーンを守れなくなるというデメリットがあります。白が継続して黒にプレッシャーを与えるなら、17.Bg5が面白いと思います。] 17...Rxe7 18.Rxe7 Rd8

katsu3.gif

[狙いはBxf2+での白クイーン取り。このスレットは白クイーンがdファイルを外れれば簡単に防げますが、e7のルークが当たりになっているので、単純にクイーンがよける手に対してはNxe7で黒のピースアップになります。] 19.Re8+?! [予想はしていましたが、これだと本譜のように黒勝ちorドローの展開に突入します。白のベストは、19.Bxc6 Bxf2+ 20.Kh1 Rxd1 21.Rxd1 Bd4

katsu4.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

これでマテリアルバランスはイコール。ただ、黒にはパスポーンを進めるというプランがあり、白はバックランクの弱さからなかなかルークを連結させられないので、勝つとしたら黒だと考えていました。]

19...Rxe8 20.Bxc6 Rd8

katsu5.gif

[これではっきりと黒良し。e5ポーンはすぐに落ちますし、ルークのアクティビティーの差がはっきりしています。] 21.Kh1 Qe6 [ダブルアタック!] 22.Qa4 Qxe5 23.Bb5 Bb6

katsu6.gif

24.f4 [Bb8-c7からh2でのメイトを狙う手もあるので、fポーンは遅かれ早かれ突かなければいけませんが、今度はf4のポーン自体が弱点になります。] 24...Qf5 25.Ba6 h5

katsu7.gif

[白のf4-f5の突きをクイーンでしっかり抑え、あとはキングサイドのポーンを突いて白キング前を崩しにいきます。] 26.Qc6 h4 27.h3 Kh7 28.Qc3 Rd4 29.Bc8?

katsu8.gif

29...Rxf4! 30.Rxf4 [30.Bxf5 Rxf1+ 31.Kh2 Bg1+ 32.Kh1 Bd4+ +] 30...Qb1+! 01

katsu9.gif


Japan League & 新潟 2016

Fighting against Chinese masters

 

この夏は中国のマスター達との連戦でした。

 

ジャパンリーグにはZhou JianchaoGM,2616)、Lu ShangleiGM,2607)、Ni ShiqunWGM,2398)、Wang JueWGM,2369)の4人のマスターが招待され、他の参加者に交じって熱戦を繰り広げました。私はZhou JianchaoNi Shiqun2人と当たりましたが、どちらも負け。途中、中国のマスター同士の対戦もありましたが、最終的にはLu ShangleiZhou Jianchaoがワン・ツーフィニッシュを決めました。

 

日本勢が大敗した中、R.3で、青嶋君がマスターに黒星をつけました。

 

Aoshima,Mirai (2207)

Ni,Shiqun (WGM,2398)

Japan League (3) 2016

 

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.e4 Nxc3 6.bxc3 Bg7 7.Nf3 c5 8.Rb1 00 9.Be2 Nc6 10.d5 Ne5 11.Nxe5 Bxe5 12.Qd2 e6 13.f4 Bg7 14.00 exd5 15.exd5 Qd6 16.c4 b6 17.Bb2 Re8 18.Bd3 f5 19.Rfe1 Bd7 20.Bxg7 Kxg7 21.Qb2+ Kf7 22.Re5 Re7 23.Rbe1 Rae8 24.g3 b5 25.Kf2 a6 26.R1e3 b4 27.Rxe7+ Rxe7 28.Qh8 h5 29.Re5 Re8 30.Qh7+ Kf8

Ni1.gif

[Find the combination!] 31.Qh6+! Kf7 32.Bxf5! Qf6 [32...gxf5 33.Qxd632...Bxf5 33.Rxf5+ gxf5 34.Qxd632...Rxe5 33.fxe5 Qxe5 34.Bxd7も白勝ちです。] 33.Qh7+ Kf8 34.Qxg6 Qxg6 35.Bxg6 Rb8 36.Rxh5+-

Ni2.gif

[黒ポーンをかすめ取り、あとは丁寧に指して白勝ちです。] 36...Ke7 37.Bc2 a5 38.d6+ Kxd6 39.Rd5+ Ke7 40.Rxc5 a4 41.Re5+ Kf6 42.Rd5 Be8 43.Rf5+ Kg7 44.Re5 Bc6 45.Re6 Rc8 46.Ke3 Kf7 47.Rxc6 Rxc6 48.Bxa4 Re6+ 49.Kf3 Re1 50.h4 Rf1+ 51.Kg4 Kf6 52.h5 Rc1 53.Bb3 Rc3 54.f5 Rc1 55.h6 Rh1 56.c5 Rxh6 57.c6 Rh1 58.Bd5 Rf1 59.Be6 Rc1 60.Bd7 Rc4+ 61.Kf3 Ke5 62.g4 Rc3+ 63.Ke2 Kd6 64.g5 Rc2+ 65.Kd3 Rxa2 66.Kc4 Rb2 67.g6 Ke7 68.Be6 Kf6 69.Kd3 b3 70.c7 Rc2 71.c8Q 10 [青嶋君自身も上手く指せたという、good gameです。]

 

また、最終ラウンドには篠田君がWang Jueを撃破!

彼がこれまで指してきた中でbestということなので、このゲームの解説はそろそろどこかのページに上がってくると思います。

 

========================================

 

新潟の日中対抗戦では、中国からZhao JunGM,2623)、Wang ChenIM,2508)、Zhang XiaowenWGM,2364)、Gu XiaobingWGM,2324)の4名のマスターが、日本の4名のプレーヤーと対戦しました。昨年よりも若干、相手の平均レイティングは落ちていますし、下2人は2300台なので、そこからは何としてもポイントを取りたいところでした。データベースで相手のゲームをチェックし、準備して臨みました。

 

Baba,Masahiro (2263)

Gu,Xiaobing (WGM,2324)

Niigata 2016(1)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 Be7 8.Qf3 Qc7 9.000 h6 10.Bh4 Nbd7 11.Be2 b5 12.e5 Bb7 13.Qg3!?

Gu1.gif

[昨年のIVLでの篠田戦の焼き直し。45分指し切りなので、この後に続くピース・サクリファイスが必ずしも正しくはないと思いつつも、まずは自分の土俵に持ち込みます。ここからしばらく白も黒もオンリー・ムーブの応酬ですが、相手のGu Xiaobingは、時間を使いこんで考えていたため、オープニングのチョイスは成功だと言えます。] 13...dxe5 14.Nxe6!? fxe6 15.Qxg7 Rh7 16.Bh5+ Kd8 17.Qg6 Kc8

Gu2.gif

18.Rxd7!? [17手目まで全てプリパレーション。ここから自分の頭で考え、この手が思い浮かびました。サクリファイスではなく、単に駒交換になります。] 18...Nxd7 [18...Qxd7 19.Bxf6 Bxf6 20.Qxf6は明らかに黒が悪いので、こう取り返すしかありません。] 19.Qxh7 Bxh4 20.Rd1 Bc6 21.g3 Bf6

Gu3.gif

22.Ne4 [これで使いづらかったc3のナイトをうまく捌けます。] 22...Bxe4 23.Qxe4 Ra7 24.Qg6 [Rxd7-Qxf6] 24...Qc4!

Gu4.gif

[強力なカウンター。25.Rxd7?? Rxd7 26.Qxf6 Qf1+では白がメイトになります。] 25.b3 Qc3 26.Qe8+ Bd8 27.Rd3 Qa1+ 28.Kd2 e4! [これも強力な1手で、白はルーク交換を余儀なくされます。白としてはビショップでe6のポーンを取りに行きたいのですが、その時間を与えてはくれません。] 29.Rc3+ Rc7 30.Rxc7+ Kxc7 31.Qxe6 Qd4+ 32.Ke2

Gu5.gif

[どちらのキングもノーガードですが、すぐにチェックはありません。白は厄介なe4のポーンを消しにいくことが、黒はピースをうまく連携させることが、最優先事項です。] 32...Nb6 [局後、Gu Xiaobingは、a6e4を守れる32...Nc5のほうが良かったと話していました。] 33.Bg4 [Nb6-d5を防ぎます] 33...h5 34.Bf5 [34.Bxh5?! Nd5 35.Qe5+ Qxe5 36.fxe5 b4! は、エンドゲームで負けそうです。] 34...Qg1? [クイーンがセンターから離れるのは危険です。] 35.Qe5+ Kc6 [35...Kb7? 36.Bxe4+ Kc8 (36...Ka7 37.Qg7+ Kb8 38.Qb7#) 36.Qe6+ Kb8 38.Qc6 Qxh2+ 39.Bg2+-] 35.Bxe4+ Kd7

Gu6.gif

[チェックで厄介なe4のポーンを消し、主導権もまだ白にあります。しかし、持ち時間もなくなってきて、勝ちのラインを見つけられません。37.Qxh5! なら、白にチャンスがありますが、エキサイティングなゲームはパペチュアルでドローに落ち着きます。] 37.Bf5+ Kc6 38.Be4+ Kd7 39.Qg7+ Be7 40.Bf5+ Kd8 41.Qh8+ Kc7 42.Qe5+ Bd6 43.Qg7+ Kd8 44.Qf6+ Kc7 45.Qc3+ Kd8 46.Qh8+ Kc7 47.Qg7+ Kd8 48.Qf6+ Kc7 49.Qf7+ Kd8 50.Qf6+ Kc7 ½–½


クラブ選手権 2015

麻布の1つ上の先輩である井上さんから声がかかり、今年は麻布OBチームで参戦しました。今回、麻布OBチームはもう1チームありましたが、そちらは小林厚彦君がチーム編成し、我々のチームとは、まったく別の動きをしていました。(そのチームの当初、予定していた1番ボードが病欠で休んでくれたのは、本人には申し訳ないですが、我々のチームにとっては嬉しい誤算でした。)
 
塩見さんをゲストに、あとは麻布OBで固めて1日目は順調に3連勝。優勝候補と見られていた麻布OBに勝っての3連勝だったので、チーム内の士気も上がり、2日目へ。R.4が山場で、慶応OBチームと対戦。あとにチームメイトがチームのハイライトと称してくれたゲームを紹介します。
 
Kojima,Shinya (2465,IM)
Baba,Masahiro (2297)

Club Ch. 2015(4)
 
1.Nf3 Nf6 2.c4 g6 3.d4 Bg7 4.g3 d5 5.cxd5 Nxd5 6.Bg2 00 7.00 Nc6 8.Nc3 Nb6 9.e3 Re8 10.Nh4!? [この手は自分の中で初めてだったので、ここから考えます。過去、試合経験があるのは10.Re1のみです。]

10...a5 [クイーンサイドのスペースを拡げる1手。過去の試合経験から学んだアイディアです。9...Re8との一貫性を考えると、ここで10...e5と突くのが自然に見えますが、11.d5と突かれると黒が指しにくくなります。] 11.f4 [こうして黒のe7-e5を抑えるのが10.Nh4の狙いの1つです。] 11...a4 12.Rf2 Ra5 [12...Nxd4 13.exd4 Bxd4でマテリアルバランスを崩して戦う手を考えましたが、13.Rd2! があるので、12...Nxd4はダメだと気付きました。本譜のRa5も変に見えますが、ルークを5段目でアクティブに使うのはよくあるアイディアです。] 13.Nf3 h6 [ここで一時的にやることが見つからなかったため、被害の少なそうな手を指して、相手の出方を待ちます。本譜はg6を弱めるので、小島君は13...Bf5と指すのではと、局後に指摘してくれました。] 14.Ne5 Nxe5 15.fxe5 c6 16.Bd2 Ra7 [Ne4-c5が見えたので、b7を守る位置にひきました。]

17.Qf3 Rf8 18.Rd1 Nc4 19.Bc1 Be6 20.h3 Qa5 21.Ne2! [Nf4からe6のビショップをアタックしにいく好手] 21...a3?! [ナイトをどこかにやって、c4のマスをビショップの逃げるマスにしようと考えた手ですが、白の24手目を見逃していました。小島君からは21...Nb6とさがってa2をアタックするのでは、と指摘されましたが、ピースをさげるアイディアはなかなか見つけられませんでした。] 22.bxa3 Nxa3 23.Nf4 Bc4 24.Bf1! Bd5 [24...Bxf1 25.Rdxf1は、次にNxg6がスレットになっています。]

25.e4 Be6 26.Nxe6 fxe6 27.Qb3 Rxf2 28.Kxf2 Nb5 29.Qxe6+ Kh7 30.Bc4 [Qg8#] 30...Ra8

[このゲームを見ていたチームメイトも、白が勝ちそうだと思っていたそうです。しかし、冷静に局面を分析すると、黒キングは安全なのに対し、白キングのガードが薄く、さらにRf8Qc3からの黒のアタックが強力です。e6ポーンという肉を切らせて反撃を得るのは、Grunfeldらしい戦い方だと思います。] 31.Kg2?! [白のベストは31.Bxh6! Bxh6 32.Qxe7+ Bg7 33.Qh4+ Bh6 34.Qe7+でパペチュアルでした。] 31...Qc3! [Qc2+Nxd4Rf8などのスレットを白が同時に防ぐことはできません。] 32.Rf1 Nxd4-+

[たしかこのあたりだったと思います。4番ボードの佐野-勝田戦も進行中で、佐野君がブランダーを指した後に気付いてドローオファーをしました。勝田君は続ければ良くなると分かっていたと思いますが、ドローオファーを受けてよいか、チームキャプテンの小島君のところに確認に来ました。(おそらく、チーム内でそういう取り決めになっていたのでしょう。)そのとき、小島君の持ち時間は1分を切っており、しかもどう受ければよいか分からないこの局面。小島君は4番ボードの局面を見ずに、勝田君にドローオファーを受けてよいと指示しました!まさかその判断がマッチの勝敗を決めることになるとは思っていなかったでしょうが、小島君は自分のゲームを捨てて、そちらのゲームを見に行っていたら、チームは2-2の引き分けになっていたかもしれません...] 33.Qf7 Qc2+ 34.Qf2 [34.Kg1 Rf8 35.Qxf8 Bxf8+] 34...Qxc4 01 [結局、これがチーム唯一の勝ち星となり、チームは2.5-1.5で慶応OBチームに勝利しました!]

Japan League 2015

4年ぶりに出場したジャパンリーグはひと夏の悪夢に終わりました。簡単にゲームを見直したら、今年のトーナメントはしばらく忘れようと思います。
 
さて、今回、特別に中国からNi HuaGM,2713)とZhao XueGM,2533)が来日し、Ni Huaがレクチャーと同時対局を担当し、Zhao Xueが本戦に参戦しました。ジャパンリーグにGMが参戦するのは20062007年、2008年のNakamura Hikaru以来です。あの時は、当然GMが優勝すると予想しており、予想通り、3年ともHikaruの全勝優勝でした。Hikaruとまではいきませんが、Zhao Xueもレイティングでリスト2以下を100以上離しているわけですから、優勝は堅かったはずです。そんな中、小島くんがZhao Xueを抑えて6P/7で優勝。日本のIMがホームで意地を見せました。
 
大会はスムーズに進んだかのように見えたのですが、運営側のミスにより、R.3のペアリングが当日の朝に変わるというハプニングが。しかも、前日にペアリングが発表された直後に、プレーヤーからおかしいと指摘されたにもかかわらず、(すぐに分かるレベルのミス)確認しなかったのは問題でした。入力ミスは誰にでもあることで、間違ったペアリングを発表したのは仕方ありません。しかし、このミスに対して何一つ説明が無く、そのまま新しいペアリングでゲームが進みました。一言謝罪が欲しかったと感じていたのは私だけではなかったと思います。
 
さて、そんなR.3のゲームは青嶋くんとの対戦になりました。非常に複雑な中盤を過ぎた後、私にミスがあり、完全に敗勢となりました。


Aoshima,Mirai (2407) - Baba,Masahiro (2312)
                         Position after 36...Rf1
 
私が36...Rf1と指したところです。青嶋くんは残りの持ち時間が少なく、30分が加算される40手目まで手を繰り返します。このポジションがカギとなるので、よく覚えておいて下さい。
 
37.Qc6+ Kb8 38.Qe8+ Kb7 (上の局面と同じです。2回目) 39.Qc6+ Kb8 40.Qe8+
 
40手目を指し、ここで白に30分加算されました。私が普通にやり過ごしてしまうと、白が時間をかけて勝ちの1手、41.Qe4! を見つけられるので、3回同時局面かどうか確かめました。数分かけて、次に40...Kb7と指せば3回同時局面で、しかも手番も同じため、正しいアピールをすればドローが成立することに気付きました。FIDEのルールに則り、40...Kb7と棋譜用紙に記入し、時計を止めてアービターを呼びにいって、確認してもらい、ドローが成立しました。
 
40...Kb7 ½-½
 
実際のゲームでは、注意深く手を追わないと、3回同時局面かどうか確認するのは簡単ではありません。このゲームでも、Kb7という手が3回同時局面となる手だったのですが、1回目の局面はRf1と指したときに現れたのです!
 
 
Baba,Masahiro (2312)
Kinoshita,Akira (1949)

Japan League 2015(6)
 
1.e4 d5 2.exd5 Qxd5 3.Nc3 Qd6 4.d4 Nf6 5.Nf3 c6 6.Ne5 Nbd7 7.f4 Nb6 8.g4 Nbd5 9.Bg2 g6 10.g5 Nxc3 11.bxc3

11...Nd7! [11...Nd5? 12.c4 Nc7 13.c5 Qd8 14.d5!! cxd5 15.c4! e6 16.Bb2 Bg7 17.Nc6 bxc6 18.Bxg7 Rg8 19.Be5 Bd7 20.00 Rb8 21.Qa4 Rb7 22.Rab1 Qc8 23.Rxb7 Qxb7 24.Rf2 d4 25.Qa5 Kd8 26.Be4 10 Shirov,A (2749)-Tiviakov,S (2637)/Hoogeveen 2010 は、おそらくこのラインで最も有名なゲームで、たいていの白のプレーヤーは、Shirovのこの勝ちをリピートしようとして、このラインに飛び込んでいると言えます。11...Nd7! は白にセンターのポーンを調子良く突かせない、improvement1手です。] 12.a4 [GM Vachier Lagraveは、New In Chess Magazineでこのゲームの解説をしていますが、(12.Qe2 Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.00 Bf5 and I definitely don't think that White is better at all.)ということです。2ナイトを交換されると、白がアドヴァンテージを取りにいくのは難しくなります。] 12...Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.00 Bf5 [fファイルを閉じて0-0-0する準備。私は他に14...Be614...h6を考えていました。本譜は、問題ありませんが、次のエクスチェンジサクリファイスを誘う挑戦的な1手です。]

15.Rxf5!? gxf5 16.e6!? [エクスチェンジを切った後、さらに1ポーンを捨てます。このポーン捨ては、正しいかどうか簡単には言えませんが、少なくともh2-b8のダイアゴナルを開くのと、黒のビショップの動きを制限する意味があります。] 16...000 [16...fxe6 17.Qh5+ Kd7はアンクリアーですが、攻めている白の方が指しやすいと判断していました。] 17.Qf1! [クイーンのベスト・スクエアー。dファイルから避けつつBf4をサポートし、c4に飛び出せるようにします。さらに、バックランクでルークと繋がっているのもポイントです。なお、17.exf7?! e5! は、センターからのカウンターにあいます。]

17...fxe6 18.Bf4 [試合中、プロブレムのような18...Qd7 19.Rb1 h6 20.Qa6! を期待していました。] 18...Rd6! [カウンター・サクリファイス。悲しいことに、すぐにルークをとると、exd6で黒ポーンの形が改善する上に、白は1ポーンダウンのままです。白はもう少しプレッシャーをかけ続けなければいけません。] 19.Re1 Qd7 20.a5 a6

21.Qc4 Rg8! [白としては、そろそろプレッシャーをかける手がなくなってきたので、Bxd6からRxe6で駒を取り返しにいく予定でした。21...Rg8g5のポーンを睨むことで、Bxd6を指しにくくさせます。] 22.h4 h6 23.Qc5 [Qa7-Rb1-Qa8-Rxb7] 23...hxg5 24.hxg5 Kb8 25.Rb1 [Bxc6]

25...e5?! [シンプルにBxc6の狙いを避ける25...Ka8! が黒のベストで、こうなると白が有効な狙いを作り出すのは難しくなります。] 26.Qc4! e6 [26...exf4 27.Qxg8 Qe8 28.Qb3! Qc8 29.Qf7! は、白のgポーンが強力です。] 27.Bxe5 Rxg5? [これが勝負を分ける1手となりました。黒はここでも27...Ka8! で耐えることができます。]

28.Qxa6 [このポーンが落ちると、白はa5-a6から黒キングの前を崩せるので、黒キングはもはや安全とは言えません。時間切迫もあり、すぐに黒ポジションが崩れます。] 28...f4 29.Bxf4 Rb5 30.Rxb5 cxb5 31.Qb6+- Kc8 32.Bxd6 Bxd6 33.Bxb7+! 10 [33...Qxb7 34.Qxd6 Qg7+ 35.Kf2 で、Qf6+にはKe2Qf7+にはKe1でチェックが途絶えます。]

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