Selected Games(60)

Carnicelli,Valerio (1992)

Baba,Masahiro (2233)

Rocca Priora 2012 (7)

 

旅を振り返る前に今大会のベストゲームを。相手は10歳ちょいの少年でしたが、ワールドユースなど国際大会の経験もあり、おそらくイタリアのホープの一人でしょう。実際、前のラウンドではFMからポイントを取っていました。

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6

 

イタリアで3戦目のNajdorfです!

 

6.f3 e5 7.Nb3 Be7 8.Be3 Be6 9.Qd2 00 10.000 Nbd7 11.g4 b5 12.g5 b4 13.Ne2 Ne8 14.f4 a5 15.f5



 

ここまで両者ともほぼノータイム。互いのプリパレーション内であるのは明らかでした。ここで私は2010年のジャパンリーグでのSamuel戦で指したラインを再度試してみることにしました。

 

15...Bxb3 16.cxb3 a4 17.bxa4 Rxa4 18.Kb1 Rxa2! 19.Nc1!

 

19.Kxa2に対しては何が起こるかは、対Samuel戦の解説をご覧ください。(http://chessplayer.jugem.jp/?eid=433

 

19...Ra5?

 

Samuel戦では、早めに黒からd6-d5でポーンを返し、ピースをフリーにするアイディアを学びました。しかしここでちょっとラインを混同していました。正しくは19...Ra8です。

 

20.Nb3 Ra8 21.Bc4 Nb6




22.Bxb6

 

ここで私は22.Bxf7+!? を恐れていました。22...Rxf7 には23.g6 Rf8 24.Bxb6 Qxb6 25.Qd5+があります。

 


                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

そこで突っ込んできたビショップを取らずに22...Kh8と指す予定でしたが、後で見直してみたら24...Qc8! で問題ありません。

 

22...Qxb6 23.f6!?

 

白は黒キングの前をこじ開けるためにポーンを捨てます。客観的に見れば、この手では決定的なアタックを作れませんが、黒としては非常に怖い1手です。ここはしっかり考え、このポーンは取ってディフェンスできると読みました。

 

23...gxf6 24.gxf6 Nxf6 25.Rdf1 Kh8 26.Qh6




26...Qa7!

 

f6への当たりを無視してアタックを急ぎます。27.Rxf6? には、27...Qa2+ 28.Kc2 Rac8で、29.Nd2 Rxc4+ 30.Nxc4 Qxc4+29.Kd3 Rxc4 30.Kxc4 Rc8+も決定的です。白は黒の攻めを緩和させるためにルークを1ペア換えます。

 

27.Rhg1! Rg8 28.Rxg8+ Nxg8 29.Qh5 Nf6!

 

ここは悩みましたが、f7e4のポーンの交換にいきました。ちなみに29...Qa2+? 30.Kc2 Rc8 31.Qxf7 Qa6 32.Kd3で黒のアタックは阻まれます。

 

30.Qxf7 Nxe4 31.Qd5?



 

ここまでレイティング以上のプレーを見せてきた相手ですが、ここで決定的なミスを犯します。次のスーパーナイトフォークから7手、心躍るコンビネーションが決まります!

 

31...Nc3+!! 32.bxc3 Qa2+ 33.Kc1 Bg5+ 34.Kd1 Qb1+ 35.Ke2 Ra2+ 36.Nd2

 

キングは捕まる運命にあります。36.Kf3 Qf5+ 37.Kg3 Bh4+!! 38.Kxh4 Rxh2+ 39.Kg3 Qh3#!



                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

36...Rxd2+ 37.Qxd2 Qe4+ 01



 

最後に間違えてはいけないのは37...Qxf1+? で、38.Kxf1 Bxd2 39.cxb4 Bxb4 40.Ke22ポーンアップにもかかわらず白が白マスを抑えれば黒に勝つ術はありません。

 

最終ラウンドをこのような勝利で飾れたのは何よりでした!







Selected Games(59)

ANNOTATED BY

Nanjo Ryosuke

 

 

Nanjo Ryosuke (2280)

Watanabe Akira (2297,FM)

Japan Championship 2012(10)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Be3 e5

 

暁さんといえばここで6...e6とするScheveningen Structureでの指し回しが有名ですが、4ラウンドに私が指したPerenyi Attack(6...e6 7.g4!?)を嫌ったようです。

 

7.Nb3 Be7 8.f3 Be6 9.Qd2 00 10.000 a5




Boleslavsky Variation
から作戦を借りた比較的マイナーなバリエーションです。aポーンを進めてb3のナイトを追い回しつつ白のキングを攻めに行きます。

 

11.Kb1!?

 

この筋を指すのは初めてで、調べてはいたもののこの手を指すこととメインラインがエンディングになることくらいしか覚えていませんでした。b3のナイトをc1に引けるようにしつつa2を自然に守れるようにします。

 

11...a4 12.Nc1 a3

 

後々このポーンがターゲットになることを踏まえると、いきなりこのポーンをa3まで伸ばさずに13...Ra5としたほうがよかったかもしれません。

 

13.b3 Ra5

 

d6-d5を用意します。ここまでどうやったら研究手順のエンディングに突入できるかを必死に思い出そうとしていましたが、ここにきてギリギリ見えました。

 

14.g4

 

g4-g5f6のナイトを追い返して、d5を抑え込もうとします。これを許してしまうと駒の連携が完全に断たれてしまうので、黒は今行くしかありません。

 

14...d5 15.g5




ナイトが逃げたら当然
d5のポーンが落ちてしまい、15...d4 16.gxf6 Bxf6 17.Qe1 Nd7 18.Nd5!は白良しですが、まだ黒には別の手段が残されています。

 

15..Nxe4 16.Nxe4

 

16.fxe4? d4は黒優勢です。

 

16...dxe4 17.Qxd8 Rxd8 18.Rxd8+ Bxd8 19.fxe4

 


 

研究していたエンディングに持ち込むことに成功しました。このエンディングの形勢判断は難しく見えますが、白の方がクイーンサイドにマジョリティがあること、黒はa3のポーンが弱いこと、白の駒の方がアクティブな位置に到達しやすいことなど、わずかかもしれませんが白の方が押しています。

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Selected Games(58)

ANNOTATED BY

Yamada Kohei

 

Yamada Kohei (2191)

Sasaki Hiroshi (1969)

Team Ch. 2011(2)

 

チーム選手権の2R、シニアチャンピオンの佐々木さんとの一戦です。大会前から楽しみにしていた当たりの一つでした。

 

1.d4

 

昨年のアジア大会が終わった頃から、チェスの幅を広げようと思い、こちらを指すようにしています。

 

1…Nf6 2.c4 e6 3.Nc3 Bb4 4.f3 d5 5.a3 Bxc3+ 6.bxc3 b6!?

 

大会前には6…c5を中心に準備していましたが、やや珍しい手が飛んできたので、ここから考えはじめます。

 

7.Bg5

 

7.cxd5 exd5 8.e3 0–0 9.Bd3との比較に迷いましたが、黒がセンターに手をつける前にビショップをポーンの壁の外に出しておきます。

 

7...Bb7 8.e3 h6 9.Bh4 Nbd7 10.Bd3 Qc8?!




ここまで普通の進行だと思いますが、やや意外な一手です。
Ba6c5のサポートですが、クイーンはセンターで使いつつ、早めにルークを連結させる手を考えたいところです。ピンが気になりますが、いずれにせよcxd5に対して…Nxd5とは取りづらいでしょう。10...0–0 11.cxd5 exd5 12.Ne2 c5 13.0–0 Qe7 14.Bf2

 

11.Ne2 0–0 12.0–0 Ba6 13.cxd5!

 

狙いのBa6に対してこれが上手い返しです。もっともこの後のタクティクスを少し読み違えていたのですが…。

 

13…exd5




ゲーム中
13…Bxd3?に対しては14.dxe6? Bxe2 15.exd7 Bxd1?? 16.dxc8=Q Raxc8の局面がピースアップだと思っていたため、それ以上読んでいませんでしたが、今見ると14…Qa6!という手があり困っています。しかし冷静に14.Qxd3と取り返しておけば次のe4突きが強烈なため、白優勢です。e4をつかせてしまうことになりますが、13...Nxd5 14.Qd2 Bxd3 15.Qxd3 c5 16.e4 N5f6 17.Rfd1 Qc6は黒にとって面白い選択の一つだったでしょう。

 

14.Bf5?!

 

すこし考えてダブルビショップを残す手をひねり出します。白が積極的にアドバンテージを取りに行くならすぐに14.e4!でしょう。

 

14...Qb7 15.Qd2 Qc6!?

 

ここは15...Rfe8 16.Rfe1 Bc4かすぐにc5をつくくらいだと思っていたため、この手は少し変に映りました。しかしこのあとQd6からクイーンサイドに狙いをつけるのであれば特に変な手ではありません。白の方はc5とセンターに反撃してくる手が一時的に消えたので、ゆっくりe4を突く準備に入ります。

 

16.Rf2 Rae8 17.Re1 g6 18.Bc2 Kg7?




17...g6
の時から、僕はこの手がブランダーであることを知りつつ、間違いなく来ると思っていました。g6h6の弱点を補強する非常に自然な手です。代わりの手としては18…Bc4からb5a5くらいでしょうが、キング周りの弱点を残しつつ戦うのは容易なことではないでしょう。

 

19.Ng3!

 

20.e4の準備が完全に整いました。19…g520.Nf5があるのがポイントです。

 

19…Ng8 20.e4 Ndf6 21.e5 Nh7 22.f4 f5 23.Nf1 Re6 24.Ne3 Ne7

 

この局面になり白が圧倒的優位にあることが明らかになりましたが、次の一手はひどい手でした。

 

25.Bb3??




これで
d5のポーンが受からないと思いほぼノータイムでしたが、こんな手はありません。25.g4!とこちらに手をつけるのが正解で、こうなればほとんど終わりでした。

 

25...g5!

 

鋭いカウンターです。完全なうっかりに動揺しましたが、まだ白が優勢だったのが幸いでした

 

26.Bg3 gxf4 27.Bxf4 Ng5! 28.Bc2 Rg6?




惜しいことにこの手が敗着になってしまいました。ここは目をつぶって
28…Ne4 29.Bxe4 fxe4とすすめるべきで、白が良いのは間違いないものの具体的な勝ちの手順を見つけるのは簡単ではなくなっています。どう指しても悪いときは、なるべく局面が簡単にならない手を選ぶのも実戦では大事な勝負術です。

 

29.Bxg5!

 

f5の弱点を利用して、白のアドバンテージをもっとわかりやすい形に変換しにいきます。これがあるため、黒はf5の弱点を解消する必要があったのです。

 

29…Rxg5 30.h4! Rg3 31.Nxf5+ Nxf5 32.Bxf5 Qxc3 33.Qxc3 Rxc3 34.e6




駒交換が進んで、白のアドバンテージがパスポーンに姿を変えました。

 

34…Rxa3

 

34…Bb5 35.e7 Rh8! 36.Be6 Be8が最善の手順だと思いますが、37.Bxd5Re4-g4Rf3からのルーク交換が両睨みになっているので、白の優勢は変わりません。

 

35.e7 Re8 36.h5 Bb5 37.Bg6 Rc8 38.e8Q Bxe8 39.Re7+ 1–0

 

最後はきれいにメイト(39…Kg8 40.Bh7+ Kh8 41.Rf8#)でフィニッシュです。

大会はこのあと2日目に龍二さんになんとか勝ち、要君、権田さんに快勝して6戦全勝と2番ボードレーティングトップの意地(?)を見せることが出来ました。10月のジャパンオープン、オランダでのUnive Openに向けて弾みになる大会になりました。


Selected Games(57)

ANNOTATED BY

Kuwata Susumu


Kuwata Susumu (2127)

Nanjo Ryosuke (2347)

Team Ch. 2011(3)

 

1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Qb6!?




World Chess Cup 2011
Polgarが指していたラインです。小島対策として少し試合を調べていました。

 

5.Nb3 e6 6.Be3 Qc7 7.Nc3 Nf6 8.Bd3 Bb4?!

 

狙いはd5ですが、キングサイドの守りが薄くなり、ショートキャスリングしにくくなります。8...Be7が硬い手です。

 

9.f4 e5!?

 

9...d5 10.e5 を嫌った手です。白にe5と指させないことでd3のビショップを働かせません。

 

10.0–0 Bxc3 11.bxc3 d6 12.c4?!

 

12.f5 d5の局面は面白くないと思い、d5を防ぎつつf5を狙うことにしました。しかし、次のNg4を考えるのを忘れていました。

 

12...Ng4 13.Qf3 Nxe3 14.Qxe3 Qb6!?




Q
交換してしまえば、ポーンストラクチャーとビショップの働きの差で黒がよくなります。しかし、白にはQ交換を避ける手があります。

 

15.c5!

 

ワンポーンを捨ててQ交換を避け、f5をつきにいきます。f5-f6を狙うことで黒にキャスリングさせません。

 

15...dxc5 16.f5 Nd4!?

 

ワンポーンアップを守るにはこの手しかありませんが、次の手があるので指されないと思っていました。読んでいた筋は16...c4 とワンポーンを返してでもQ交換する手です。以下、17.Qxb6 axb6 18.Bxc4 Ra4! 19.Nd2 0–0 20.Bb3 Rd4 は黒のルークがアクティブになり、白の指し手が難しい局面です。

 

17.Qg3!




e5
g7のダブルアタックです。受けるには17...Qf6しかありませんが、f6から動けなくなるのでよくありません。

 

17...Nxb3

 

この手を指された瞬間にc4+からピースダウンの筋を読み抜けしていることに気づきました。しかも、この時点で防ぐ手がありません。ひどい読み抜けですが、運良く白には手が残っています。

 

18.axb3?

 

試合後に南條君に指摘されましたが、18.Qxe5+ Kf8 19.f6! で白勝ちでした。

 

18...Qf6

 

18...c4+ 19.Kh1 cxd3 20.Qxg7 Rf8 21.Qxe5+ Kd8 22.Rfd1 Bd7 23.Rxd3 は白にチャンスがあります。

 

19.Bb5+ Bd7 20.Bxd7+ Kxd7 21.Rfd1+ Kc6 22.Rd5 Rhe8??




e5
を守る自然な手に見えますが、これが決定的な敗着となります。22...Rhd8 とぶつけるべきでした。

 

23.Rad1!?

 

Qd3-Rd6+がスレットです。勝つには十分な手ですが、23.Qc3!が正確な手です。以下、23...b6 24.Rad1 Rad8 25.Qd3 Kc7 26.Rd7+ Kc8 27.Qa6+で簡単な白勝ちでした。

 

23...Rad8 24.Qd3

 

Rxd8がスレットです。しかし、Rd6+からQが落ちるのでRが逃げるわけにはいきません。

 

24...Rxd5?

 

24...Kc7 25.Rd7+ Kc8 26.Qd5 Qb6 27.Qxf7

こちらの方が粘れますが、白勝勢に変わりはありません。

 

25.Qxd5+ Kb6




26...Kc7??
27.Qd7+でルークただ落ちです。

 

26.Qd7!

 

Qxe8Rd6+のダブルスレットです。

 

26...Qe7 27.Rd6+ Ka5 28.Qa4# 1–0

 

ボード3Ekaterinaさんが石原君を瞬殺していたため、私が勝ったことでチームの引き分け以上が確定しました。その後ボード2で中村君が佐藤君と引き分け、ボード4で古谷君が大沢さんに負けとなり、チームは2.5-1.5で勝利、貴重な勝ち点1を獲得しました。

 

2日目は、慶應日吉本部が松戸B、松戸A、東大OB3連勝、優勝争いをしていた慶應藤沢支部が東大AAと引き分けたため、単独全勝優勝という完璧な成績で大会を終えることができました。去年、一昨年とかなわなかったチーム戦優勝ですが、在学中にその夢がかなって本当に良かったと思います。

 

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。


Selected Games(56)

Can you break the jinx?

 

Hisatomi Seiji

Baba Masahiro

Azabu Open 2001(8)

 

高校2年の夏、麻布チェス部を引退してから早10年。ふと10年前、自分が引退したチェス部の合宿を思い出しました。

 

麻布チェス部の合宿は春と夏の2回。45日の日程で合宿地に赴き、麻布オープンと呼ばれる9R制のスイストーナメントと参加者全員による総当たりのブリッツトーナメントを行っていました。

 

2001年夏の合宿は私達の代(馬場・中郡・内田etc)の引退合宿でした。OB3名を含めた全37名による合宿は、比較的規模の大きいものであり、中高生の合宿ながらレイティング2000+4名擁し、ハイレベルなトーナメントとなったのです。このときから参加の中学1年生の中には、南條・小島・桑田君の名前もありました。

 

当時、部長だった私は、「部長は引退合宿では麻布オープンを優勝できない」というジンクスを破るため、躍起になって優勝を目指していました。このゲームは、優勝に向けた重要な1戦でした。

 

1.b4 c6




当時、ソコルスキーまたはオラウータンと呼ばれている風変わりな
1.b4に対しては色々試してみました。1.b4に対しての正しい受け方を学んだのはずっと後になってからでした。ちなみに、正しい受け方とは、1...e5! 2.Bb2 Bxb4 3.Bxe5 Nf6です。次に4...Nc6とすれば、黒のほうが展開が速い上に、白には端っこに孤立ポーンが残るため、単純に黒良しと判断できます。

 

2.c4 Nf6 3.Bb2 d5 4.e3 Bf5 5.Nf3 e6 6.a3 Nbd7 7.Be2 Bd6 8.0–0 0–0 9.Nh4 Bg6 10.Nxg6 hxg6 11.f4 Re8 12.c5?! Bc7 13.d3




13...e5

 

ここまでの黒の一連の手はこのポーンを突くことにあったので、ロジカルと言えばロジカルですが、いつでも突けるので、特に今のタイミングでなければいけないというわけではありません。今の私なら、13...b6からの突き崩しを考えます。

 

14.f5 g5 15.Nd2 e4 16.dxe4 Nxe4 17.Nxe4 Rxe4 18.Bd3!?




ここからゲームが面白くなります。

 

18...Rxe3?

 

このあとの展開を考えれば、18...Rh4!? 19.g3 Rh6! として、白のf5-f6を止めておくべきでした。ただ、若いうちは食欲旺盛です!取れるものは何でも取っておきます。

 

19.Bd4! Re8




20.f6! Nxf6
[20...g6? 21.Bxg6! fxg6 22.f7++-] 21.Rxf6!?

 

客観的に見れば、ここは21.Bxf6 gxf6 22.Qh5のほうがベターですが、本譜のほうがよりエンターテイニングです!

 

21...gxf6 22.Qh5




ダブルビショップとクイーンが黒の弱いキング周りを狙ってきます。白のスレットは、
23.Qh7+ Kf8 24.Qh6+ Kg8 (24...Ke7 25.Bxf6+) 25.Bh7+ Kh8 26. Bg6+ Kg8 27. Qh7+ Kf8 28.Qxf7#です。急いで対処しなければいけない状況下で、私は次のディフェンスの1手を見つけました。

 

22...Re4!

 

エクスチェンジを返して、ビショップのラインを塞いでしまいます。これで安心かと思いきや、次の手がまた強烈でした。

 

23.Qh6!

 

24.Bxf6を狙われます。23...Rxd4? にも23...Rf4? にも24.Bh7+! からメイトがあるので、e4のルークは動けません。そこで23...Be5と当てる手が見えますが、24.Bxe5 fxe5 25.Bxe4 dxe4 26.Rf1



                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

は、黒のポーンアップにもかかわらず、黒のキング周りが弱いのと黒ルークがプレーに参加できないため、白に十分なチャンスがあると考えられます。(例えば、h3を突いてh2にキングの逃げるマスを用意してからRf5など)

 

ここまで読めていたため、23...Be5がなかなか指せずにいました。しかし、ためらいながら23...Be5を指そうかと思っていた時、このビショップはe5で止める必要がないことが分かりました。

 

23…Bxh2+!!




このゲームで最高の
1手、そして最高のカウンターブローです。

 

24.Kf2?

 

5つの選択肢のうち、これはベストではありません。ただ、どのラインも黒が良くなります。

 

A) 24.Kxh2? Rh4+–+

B) 24.Qxh2? Rh4! 25.Qg3 Rxd4–+

C) 24.Kf1 Qc7! 25.Bxe4 Qf4+ 26.Bf2 dxe4–+

D) 24.Kh1 Be5 25.Bxe4 dxe4 26.Bxe5 fxe5 27.Rf1 Qf8 28.Qxg5+ Qg7

 

                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

ベストなラインですが、h2のポーンが取られたため、白キングも不安定です。黒は次にルークを参加させれば勝てるでしょう。

24...Rf4+ 25.Ke2 Qe8+! [e7のマスを空けておくのがポイント] 26.Be3




26.Kd2
には、26...Rxd4 27.Qh7+ Kf8 28.Qh6+ Ke7 29.Re1+ Re4! (29...Be5?? 30.Rxe5+! fxe5 31.Qd6#) 30.Bxe4 Be5で黒勝勢です。29手目のRe4! を見つけられなければ勝てません!

 

26...Re4!

 

最後に注意を払います。26...d4? 27.Bh7+ Kh8 28.Bg6+ Kg8 29.Bh7+=だったら、ここまでの黒の努力が水の泡です。

 

27.Bxe4 Qxe4 28.Qxh2 Re8




残りは
1本道です。

 

29.Rh1 Qxe3+ 30.Kd1 Qd3+ 31.Kc1 Qxa3+ 32.Kd1 Qa1+ 33.Kd2 Qb2+ 34.Kd1 Qb3+ 35.Kc1 Qc3+ 36.Kd1 Qa1+ 37.Kd2 Qd4+ 38.Kc2 Re2+ 0–1

 

このあとR.9の引退試合も勝ちで飾り、7P/9Rで終了。しかし、タイブレークのソルコフ0.5差で優勝を逃しました。「次期部長は部長就任合宿で優勝する」とのジンクスの通り、このトーナメントを制したのは私の後を引き継いで部長になった佐野くんでした。


Selected Games(55)



Noguchi Koji (2035)

Baba Masahiro (2217)

Japan Chess Championship 2011(11)

 

最終ラウンド、優勝へ望みをつなぐためには、勝つしかない状況でした。しかし、前ラウンドで南條くんを倒して上がってきた野口さんに黒番というのは、困難なタスクです。前日のプリパレーションでは、さらっとオープニングを見直し、アルコールを飲んで早めに就寝。あとは運に任せます。

 

1.c4 Nf6 2.g3 g6 3.Bg2 d5

 

自分に正直に、最も使い慣れたGrunfeldのセットアップで勝負に行きました。

 

4.cxd5 Nxd5 5.Nc3 Nxc3 6.bxc3 Bg7 7.Rb1 Nc6 8.h4!? h6 9.Nh3 Qd7 10.Qc2 b6 11.Nf4 Bb7 12.0–0

 

12.Nxg6? fxg6 13.Qxg6+ Kf8 は怖くありません。次は12…0-0がノーマルですが、ここは攻め合いを期待して、逆サイドにキャスリングします。この時は自分のキングのガードは十分堅いと考えていたのですが

 

12...0–0–0




13.d4 Na5?!

 

白マスビショップを交換できれば怖い攻めはないと考えて、またナイトのc4への跳び出しを狙って指した手ですが、h3-c8のダイアゴナルを軽視しすぎていました。

 

14.Bh3 e6 15.e4! g5 16.Nh5 Rdg8 17.d5 Qe7

 

すぐにgファイルは開くと考えていましたが、それは大間違いでした。17...gxh4には18.Nf4からe6へプレッシャーをかけられます。

 

18.c4! Be5 19.c5 Kb8 20.d6!




Strong pawn play!!

いつの間にかポーンが進出してきて、自分のキングのガードがこじ開けられようとしています。ディフェンスに必死で、なかなか黒の攻めの起点になると考えていたgファイルを開けられません!

 

20...Qd8?! 21.Rd1 Qd7? 22.Bb2!

 

このビショップはe3から使うものだとしか考えていませんでした。もちろん、それも強力ですが、黒の唯一アクティブな黒マスビショップを消し、f6のマスを弱点にし、しばらくh5で遊んでいたナイトをプレーに戻す、素晴らしいアイディアです。

 

22…Bxb2 23.Qxb2 Rd8 24.Nf6 Qc6 25.Bf1!!




Strong piece play!!

今度は白マスビショップがプレーに戻ってきました。スレットは26.Bb5。これを防ぐ手を考えますが、25...Qxc5? には26.Rbc1!がありますし、他にクイーンを動かすマスがありません!ここで私は初めて大きなトラブルに陥っていることに気が付きました。私のプレーにマズイところはたくさんありますが、それ以上に野口さんのプレーが力強い特に25.Bf1!! には、このゲームを見せた多くの方から称賛の声が上がりました!

 

25...cxd6 26.cxd6

 

26.Bb5! が非常にストレートで、26...Qxc5 27.Nd7+ Rxd7 28.Qxh8+ Qc8 29.Qxh6+-でほぼ勝負ありです。それでも私はまだほんの小さな可能性にかけて指し続けるつもりでした。

 

26...Nc4 27.Bxc4 Qxc4 28.Rbc1 Qa4 29.Rd4 Qa5 30.Rb4!? Rhf8

 

30...gxh4 31.Nd7+ Ka8 32.Nxb6+! axb6 33.Rc3は避けたいところです。黒はいまだgxh4からgファイルを開きにいく時間がありません。

 

31.Rc7?

 

これは期待していたブランダーでした! d6ポーンを落とせます。32.Nd7+ には33…Kxc7 があるのがポイントです。もちろん、白は33.Nxf8でルークを取り返せますが、33…gxh4でようやく黒の反撃がスタートします。

 

31...Rxd6! 32.Qc3 Rfd8




ここで態勢を整えなおし、反撃の準備をします。

 

33.hxg5 Qxg5?! 34.Rxf7 [Qc7+] 34…Rc6 35.Rc4 Qb5 36.Rxc6 Bxc6? 37.a4?

 

37.Qa3!+- Qxa7+Qe7の両狙いで白勝ちです。しかし、両者23分の持ち時間の中、正確に手を見つけるのは簡単なことではありません。私は37.Qa3! は試合中見えていてマズイと思っていましたが、これに対して37...Rd1+ 38.Kh2 Rh1+! 39.Kxh1 Qf1+ 40.Kh2 Qxf2+のカウンターアタックを用意していました。しかし実際は41.Kh3 Qf1+ 42.Kh4 Qh1+ 43.Kg4 Qd1+ 44.Kf4 Qd2+ 45.Ke5 Qg5+ 46.Kxe6+-でパペチュアルにもなりません。実戦では、パペチュアルがあるかどうか探しているうちに次の手が来ます!

 

37...Qc5 38.Qf3 Qe5 39.a5 Qxa5 40.Qf4+ e5 41.Qxh6 Qe1+!




じっくりチャンスをうかがってようやくここで決定的なカウンターです。野口さんの表情をうかがい、これは読み落としだということが分かりました。


42.Kg2 Bxe4+ 43.Nxe4 Qxe4+ 44.Kh2 Qd5 45.Qg7 e4?!
46.Qh7?!

 

試合中、45…e4はカウンターアタックを作る好手だと考えていましたが、実際はパペチュアル以上にはなりません。46.Rxa7! Qh5+ 47.Kg2 Qf3+ で、次の48.Kh3! を見落としていました。”Error and Error”のシーソーゲームですが、あとからじっくりゲームを見ればアラはいくらでも出てきます。しかし、実際のゲームでは1手に30秒もかけられない状況です!

 

46...a5! 47.Ra7




ここでドローオファーが来ました。しかし、この手には次の
1手を用意していました。

 

47...Rh8! 48.Rb7+ Qxb7 49.Qxh8+ Ka7 50.Qd4 Qh7+! 51.Kg2 Qf5!

 

ルーク交換に成功し、さらにクイーンのポジションを改善し、黒は勝ちに近づきました。パペチュアルチェックを避けながらパスポーンを前進させることを考えます。

 

52.Kf1 Ka6 53.Ke2 Kb5 54.Qb2+ Ka6 55.Qd4 Qf3+ 56.Kd2 Kb5 57.Qd7+ Kb4 58.Qd4+ Ka3!




パペチュアルから逃れるため、
b6ポーンを捨てて勝負です。実際、59.Qxb6 Qd3+ 60.Ke1 a4 はプロモーションまで一本道です!

 

59.Qa1+ Kb3 60.Qb1+ Kc4 61.Qc2+ Kd5 62.Qa2+ Kd6! -+

 

チェックが途絶えました! 白がf2ポーンを守るためにキングを動かさざるを得ませんが、c1に行ってもe1に行ってもQc3+があります。Qc3+a5のポーンを守ったあとは、bポーンを突けるようになり、2パスポーンで勝負が決まります。

 

63.Ke1 Qc3+! 64.Kf1 b5 65.Qg8? Qc4+ 66.Qxc4 bxc4 0–1




67.Ke2 a4 68.Kd2 a3 69.Kc3 (69.Kc1 c3 70. Kc2 a2) 69…Ke5
で、あとはf2ポーンを取りにいってeポーンを進めて黒勝ちです。

 

このボードが最後まで残っており、ここで全日本全ゲームが終了しました。また、この瞬間に同時優勝が決まり、そして私のベストトーナメントの完成です!


Selected Games(54)

ANNOTATED BY

Yamada Kohei

 

 

17日のオリンピアードレポートで全日本クラスのタイトルを狙う、と大層な目標をたててしまいましたが、全日本選手権の前哨戦であり、東京予選を兼ねる百傑戦で、今回初優勝することができました。ここ最近は調子が良くなかっただけに、全日本選手権に向けて自信をつけることができた大会でした。

 

ゲームの内容としては良くないものが多かったのですが、思い通りに局面が進まなくても焦って自爆しなかったこと、ポイントを取れるところでしっかり取りにいったこと、この2点が今大会の勝因になったのではないかと思います。とくに1R、優勢だったゲームを中村くんにうまく指されてドローにされてしまったあと、落ち込まずに午後の2局を勝てたというのは今までの自分にはあまりないことでした。2日目、おそらく注目されていたであろう南條くんとのゲームは、ずっと苦しかったものの相手のブランダーにより、ワンポーンアップに。しかし時間がないこと、まだトップのプレイヤーとの対戦を残していることから、ポーンアップが確定した瞬間にドローをオファーしました。

 

最終ラウンドを迎えた状況で、トップボード2つは以下のとおり。優勝はこの4人に絞られていました。

1番ボード 野口4.5P−山田4P

2番ボード 南條4P 塩見4P

黒ですが、勝たなければ優勝がない状況です。全日本前のトレーニングとしては絶好のシチュエーションだと思い、対局に挑みました。

 

Noguchi Koji (2121)

Yamada Kohei (2200)

百傑戦2011 (6)

 

1.g3 d5 2.Nf3 Nf6 3.Bg2 g6 4.0–0 Bg7 5.d4 0–0 6.c4 dxc4 7.Qc2 a6!?

 

僕にはよくあることですが、この時点ですでにお互いのオープニングの知識から外れていました。

 

8.Qxc4 b5 9.Qc2 Bb7 10.Nbd2

 

10.Nc3との比較が難しいところです。10.Nc3 Nbd7 11.b4 Nb6 12.Rd1 Qd6 13.a3 Qe6!?も一局だと思っていました。

 

10...Nbd7 11.b3?!




黒の目標は
c5と突いて、クイーンサイドのピースをさばいて、互角に持っていくことです。白はそれを防ぐのが当面の目標です(10.Nbd2としたことで、白のクイーンがc5に利いているのも注意してください)。11.b3Ba3によってRc8c5を牽制する手ですが、驚くことにこれは受けになっていません。

 

11...Rc8!?

 

ここではすぐに11…c5!が成立し、黒ややよしです。11…c5! 12.dxc5 Nxc5! 13.Bb2 Rc8=/+ 試合中は他の筋に気を取られ、この順はみえていませんでした。

 

12.Ba3?

 

当然の一手ですが、局面を保つには12.b4の一手だったようです。

 

12...c5!

 

こちらが僕の考えていた手順で、13.dxc5に対して13…Qa5!と出来るのがミソです。c5Qa5の組み合わせに気を取られていたために、すぐにc5が成立するとは思っていませんでした。

 

13.Bxc5 Nxc5 14.dxc5 Nd7?

 

より厳しく14…Nd5!としなければなりません。これでa1ルークの逃げ場所が難しく、(一例は14…Nd5 15.Rad1 Nc3 16.b4 Nxd1 17.Rxd1 Qc7 -/+)本譜よりだいぶ楽しい展開になっていたはずです。

 

15.b4!




エクスチェンジを捨てる代わりに、黒のピースをポーンで抑え込みます。実戦的には黒のほうが勝ちやすそうな局面ですが、厳密にはイコールだと思います。

 

15…Bxa1 16.Rxa1 Nf6 17.Bh3 Rc7 18.Rc1!? Qd5 19.Qb3 Qh5 20.Bg2 Rd8 21.h3 Qd5

 

ここは何を指すか難しかったため、「すぐに負けない手」を選ぶことにしました。当初の予定は21…Qh6!?だったのですが、後にNe5の反撃が強力になりそうだったので、指し切れませんでした。

 

22.Qxd5 Bxd5 23.Nb3?

 

とりあえず23.a3と突いておくところでしょう。本譜は白ポーンが弱点になります。

 

23...Bxb3! 24.axb3 Nd5 25.Rd1 Rcc8 26.Rd4 Nc3!




ここではよくなったと思ったのですが…。

 

27.Bf1 Rxd4 28.Nxd4 Nd5?

 

自然な手に見えますが、もう少し簡単に勝つことができます。28…Na2! 29.Nc2 Rd8で黒勝勢。なんにせよエクスチェンジアップが最大限活きる指し方を選ぶべきでした。

 

29.Nc2 a5!?

 

ここでもRd8を回るべきでしょう。

 

30.bxa5 Rxc5 31.Na3!

 

31.Nd4? e5!は簡単に黒勝ちです。時間があまりないところへこの勝負手が飛んできて、完全に混乱しました。

 

31...b4 32.Nc4




32…
Nf6??

 

29手目でa5を突いた時には、ここで32…Rxc4で勝ちだと思っていました。32…Rxc4 33.bxc4 b3 34.e3 Nb4でプロモーションが受からないためです。ところが、この局面でもう一回この順を読み直すと、34.e3に変えて、34.a6 b2 35.a7 b1=Q?? 36.a8=Qで黒は負けてしまうことに“気が付き”ました。もちろん35.Nc7で黒勝ちですが、これがなぜか見えず激しく動揺しました。ちなみに34.e3の変化も34…Nb4 35.a6 Nxa6(これもみえていませんでした!) 36.Bd3 Nc5 37.b2 38.Bc2 Na4!で黒勝ちです。最後に34.Bg234…Nc3! 35.a6 b2 36.a7 Nxe2 38.Kh2 b1=Qで、ここから長いですが、キングの形の差が大きく黒勝勢の局面です。結論としては最初の読み通りルークを切るべきでした。しかし、一度簡単な読み落としをして、動揺している僕はまたしてもひどいミスをやります。

 

33.e3 Ne8??

 

時間がなかったとはいえ、これはひどすぎます。

 

34.Bg2??




この手が本局の敗着になりました。この瞬間に
34.a6!ならば、黒がこのポーンを回収できずドローです。34.a6 Nc7 35.a7 Rc6 36.Na5 Rc5 37.Nc4 Rc6=

 

34...Nd6 35.a6?

 

この手を見てやっと勝ったと思いました。もっとも35.Nxd6 exd6 36.a6 d5 37.a7 Ra5 38.Bxd5 Rxa7 39.Kg2 Ra2も相当黒が良いことに違いはありません。

 

35...Nxc4 36.bxc4 Ra5–+ 37.c5 Rxa6 38.c6 Ra1+ 39.Kh2 Rc1 40.Bd5 e6 0–1

 

終わった直後は優勝したことを喜ぶよりも、後半乱れたことを反省する気持ちが強かったのは事実です。しかし、個々のゲームはともかくトーナメント全体としては納得出来る試合運びだったと思います。チェスにおいて「勝てるゲームを勝つ」ということはとても大変なことですが、海外のプレイヤーと勝負しようと思ったら、そのあたりの壁をしっかり破っていかなければいけません。

 

今回は運も味方した優勝だったと自分では思っていますが、全日本ではしっかりと内容の良いチェスを指し、入賞を狙っていきたいと思います。


Selected Games(53)

ANNOTATED BY

Sato Kaname

 

 

どうも、まさかの学生選手権で優勝してしまった佐藤要です。この度はBehind the Sceneに自分の書いた駄文を載せられるということで感無量です。改めて優勝したという事実を実感することができ、喜びをかみしめております。

 

Sato Kaname (1981)

Yamada Kohei (2203)

学生選手権 2010 (5)

 

1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nd2 c5 4.exd5 Qxd5

 

フレンチディフェンス・タラシュヴァリエーション。4…Qxd510手目の白の手までほぼ一本道に確定しました。前回の東京オープンで僕が負けた対戦と同様のラインであったこともあり、お互いサクサク進めていきました。

 

5.Ngf3 cxd4 6.Bc4 Qd6 7.0–0 Nf6 8.Nb3 Nc6 9.Nbxd4 Nxd4 10.Nxd4 Bd7 11.c3 Qc7 12.Qe2 0–0–0



 

ここまでで両者の時間が増えていました。定跡で言えば、10…a611.b3と言った手もよく見られるようですが、12手目まで東京オープンと同様に進みます。

 

13.a4

 

前回の対戦では13.Bb5 a6 14.Bxd7+ Rxd7 15.h3 Nd5 16.Bd2 Bd6 17.b4? Nb6 8.Nb3 Nc4=/+ から、c3の弱点を維持しつつキングサイドをバランスよくアタックした山田さんに見事に押し込まれ、負けてしまいました。その時の検討で教えて頂いたのがこの13.a4でした。狙いはNb5からaファイルを開けたり、a5-a6Qサイードにプレッシャーをかけたり、とシンプルです。対して黒はh5Ng5,Bd6などでキングサイドを攻めるという展開になるそうです。13…h5 14.Nb5 Bxb5 15.axb5 Bc5 16.Ra4などとルークを4段目で使う展開が考えられます。

 

13…Bd6 14.h3 Bh2+ 15.Kh1 Bf4

 

キングをh1に追いやってから交換することがすぐに何かにつながるわけではありませんが、エンディング時のキングのポジションが有利である事やf2の守りが一つ外れる事などを考えて、この場面では黒にとってチェックを入れておいた方がベターです。

 

16.Nb5 Bxb5 17.axb5 Bxc1 18.Rfxc1




16.Nb5
は当初の予定通りですが、c1のビショップを変えられるとd2のマスが手薄になるので、このようにdファイルを開けるより、16.a5など突くプランもあったかもしれません。また、検討では黒からc1のビショップを取る必要はないという話も出ました。どうせ白から取る事になるので、17…Kb8ぐらいで18.Bxf4 Qxf4ならdファイルを使える黒に不満が無くなるという事です。

 

18…Qb6??

 

問題の一手です。a7を守る手ですが、これではQb6に縛り付けられてしまう(19…Qc5には20.b4)上にこの後ポジションの改善の方法がありません。これでは完全に白良しになってしまいます。18…b6 Ra2 19.Kb8 Rca1 20.Rd6 などと進んで行くのが読みでした。しかし、18…Qf4という手も成立する様です。c1のルークに当たっているため、a7を取ることが出来ません。これでは本譜のようにaファイルにルークを重ねる前に黒がdファイルにルークを重ねる事ができてしまうので、クイーンサイドからの攻めを諦めるしかありません。

 

19.Ra2

 

個人的に好きな一手です。ただ、言われたことを丸暗記していると19.Ra4を指してしまいそうですが、ここではRa2の方がベターだと思います。いや、ベターかどうかは難しいところですが、展開として分かりやすく白良しを維持できる手だと思います。19.Ra4では4段目からの横利きと言うメリットがありますが、b4を指しづらくなりますし、そもそも4段目を横に利いている事、横移動出来る事がこの局面で重要でしょうか?19.Ra2ではbポーンをつけば2段目を守ることができ、前述したc1のビショップが消える事によるd2のマスが手薄になった問題、f2の守りが一枚消えた問題を一挙に解消できます。(試合では特に生きませんでしたが…)

 

19…Rd7 20.Rca1 Kb8




実はこの辺りまで、白良しと思いつつも半信半疑だったのですが、
20…Kb8を見て白良しと言う判断に若干自信が出てきました。20…Rhd8 21.Rxa7 Rd1+ 22.Rxd1 Rxd1+ 23.Qxd1 Qxa7が若干面倒くさそうに思えましたが、ワンポーンアップですし、キングのポジション等を考えても勝ち切れるでしょう。

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Selected Games(52)

ANNOTATED BY

Kojima Shinya

 

 

7R終了後、選手村に戻ってペアリングを調べると、私の対戦相手はキルギスタンの友人でした。Tologontegin Semeteyはキルギスタンの若き代表メンバーの一人で、昨年参加したCappelle La Grandeで出会い、仲良くなりました。今年のオリンピアードでも頻繁に結果やチームの状況について話をしています。ペアリングの確認後、私はなんとしてでも連勝すべく、試合の準備を進めました。

 

Tologontegin Semetery (2330,KGZ,FM)

Kojima Shinya (2329,JPN,FM)

Guangzhou Asian Games Rapid (8)

 

1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Qb3

 

見慣れない人は驚くかもしれませんが、黒からc4を取れば、Slav Defenceの世界で以前紹介した4.Qc2と同じ変化になります。

 

4…dxc4 5.Qxc4 Bg4 6.Nc3!?

 

6.Nbd2と人気を二分する手です。白はポーンストラクチャーを崩しても、ピースの展開とダブルビショップで勝負します。

 

6…Nbd7 7.e4 Bxf3 8.gxf3 e5 9.Be3 exd4 10.Bxd4 Bd6 11.0–0–0 Qc7

 


 

12.Bh3

 

白マスビショップを最もアクティブに使える位置です。

 

12…0–0

 

この手を指した直後、13.Bxd7 Nxd7 14.Bxg7 Kxg7 15.Qd4+ でポーンが落ちるのでは?と危惧しましたが、14…Bf4+!という返しがあります。しかし、このg7を取るラインは十分白が指すことができ、形勢不明になります。

14…Bf4+ 15.Kc2 Kxg7!(15…Ne5?? 16.Rhg1!) 16.e5!(16.Qd4+!? Ne5 17.Ne2 Rfd8 18.Qc3 Rxd1 19.Rxd1 Bxh2 20.f4) 16..Qxe5 17.Rhg1+ Kh8 18.Rxd7=

 

13.Rhg1 Ne5 14.Qe2

 

私が事前に読みこんでいたPlay the Slavには14.Qf1 Nh5! 15.Bf5 Ng6 16.Kb1 Rfd8 17.Qc4 Nhf4という変化が紹介されています。

 

14...Nh5!?

 

14…Ng6 15.Bxf6 gxf6という変化があることは知っていましたが、私はどうして14…Nh5ではいけないのか分からず、本で紹介されているのとは違う手を指してみました。Nh5という手はこのラインでは重要な一手で、白のポーンストラクチャーが乱れていることを利用し、f4のマスにナイトを運ぶことを狙いとしています。

 

15.Bf5 Rad8 16.Kb1 g6!?

 


 

ここは16…Ng6とどちらを指すべきか、非常に悩みました。Nh5-Nf4を目指すならば、そのサポートとなる16…Ng6が正しいように見えます。しかし、16…g6ならばh7g7を同時に守り、ナイトをセンターにキープしたまま、クイーンサイドも狙える可能性が残ります。

 

17.Be3!?

 

この手は16…g6を指した直後に気がつきました。黒のNf4を抑え、白からf4を突くことが狙いです。黒はf4のマスを抑え続けたいので、もったいないようにも見えますが、e5のナイトを一度退きます。

 

17…Nd7 18.Qc4 Nb6 19.Qb3 Be5 20.Bg4 Nf4

 


 

ここで黒は念願のNf4を実現します。この時点でほぼ黒に不満はないと考えていました。

 

21.h4

 

白の狙いは弱いhポーンを消し、黒のキングのディフェンスを弱めることです。このようなポーンストラクチャーではよく見られる手ですが、黒はピースを交換してキングサイドアタックを緩和すれば、さほど怖くはありません。

 

21…Rxd1+ 22.Rxd1 Rd8

 

試合中、22…h5も面白いと考えていました。白からh5を突かせなければ、白は孤立したhポーンを解消することができず、黒が優勢なエンドゲームで戦うことができます。

22…h5! 23.Bxf4 (23.Bxb6? Qxb6 24.Qxb6 axb6 25.Bd7 Bxc3 26.bxc3 Rd8) 23…Bxf4 24.Bh3 Qe7

 

23.Rxd8+?!

 

ここで白からルークを交換する理由はありません。23.h5を優先し、dファイルをキープしていれば白はさほど悪くないでしょう。

 

23…Qxd8 24.Bxf4

 

白はd3への侵入を気にしてナイトビショップの交換を決断したのだと思いますが、ダブルビショップが消えてくれれば黒には特に不安がなくなり、白のポーンストラクチャーの悪さをつくことができます。

 

24…Bxf4 25.h5 Qd2

 


 

黒は白キングを脅かすと同時に、f2を取りに行きます。

 

26.a4

 

シンプルにf2を守ろうとする26.Qc2には26…Qe1+ 27.Nd1 gxh5! 28.Bxh5 Qh1 29.Bf5 h5! という手があります。

 

26…Qxf2 27.hxg6 hxg6 28.a5 Qf1+!

 

白はb7を取り返すことで望みをつなげようとしますが、この一手で防がれてしまいます。

 

29.Ka2 Qa6 30.Qb4?

 

白は最後のチャンスを逃しました。

31.Be6! Qxa5+ 32.Kb1 Kg7(32…fxe6?! 33.Qxe6+ Kg7 34.Qe7=) 33.Bxf7 ならば、黒やや優勢ながら試合を続けることができます。

 

30...Nc4

 


 

これで2つ目のポーンが落ち、試合終了です。黒はこの後、カウンターに気をつけながら丁寧に指していきます。

 

31.Qe7 Qxa5+ 32.Kb3 Nd6 33.Kc2 Qa1 34.Qd8+ Kg7 35.Ne2 Be5 36.Nc3 Nc4 37.Nd1 Nxb2 38.Nxb2 Qxb2+ 39.Kd1 Bf4 40.Qd3 a5 41.Ke1 a4 42.Qd7 a3 43.Be6 Bg3+




43...Qd2+ 44.Qxd2 Bxd2+ 45.Kxd2 fxe6

 

44.Kd1 Qf6 45.Ba2 Qxf3+ 46.Kc2 Qe2+ 47.Qd2 Qxe4+ 48.Kb3 Be1 49.Qd6 Qe3+ 50.Kc2 Qc3+ 51.Kd1 Qa1+ 52.Ke2 Qxa2+ 53.Kf3 Qd5+ 0–1

 

このラウンドで初めて山田君、内田さんと3人でそろって勝利となりました。最終ラウンドでは、私はオリンピアードでも試合をしたネパールの代表に勝ち、内田さんも勝って2人ともハーフを上回る戦績で大会を終えることができました。一方、山田君は悔いが残る結果だったでしょう。ラピッドの大会とはいえ彼の課題が浮き彫りになったので、今後そこにどう立ち向かうか、彼の成長に期待したいと思います。

 

私は今回のアジア大会には4年前の悔しい思いを胸に挑みました。GMからポイントは取れずじまいでしたが、54敗、21位という結果は悪くなかったと思います。次回の代表がどうなるかはまだ分かりませんが、(そもそもチェスが競技から外されるとの噂もあります)私が参加できるならばさらに上の順位を狙える実力をつけ、参加できないならば私を超える実力を持つプレーヤーを育てていきたいと考えています。最後に日本で応援して下さった皆様、ありがとうございました。まだアジア大会は続いていますので、チーム戦の状況を見守りましょう。


Selected Games(51)

ANNOTATED BY

Kojima Shinya

 

 

オリンピアードのゲームから一つ、解説を書かせていただきます。9Rが終わった時点で、私は143ドローと大きく負け越しており、日本チーム大将としての責任を果たせていませんでした。10Rも負けるようでは日本に帰国できないと覚悟していた折、発表された10Rの相手は、なんとドレスデンオリンピアードの10Rと同じボツワナでした。前回のボツワナ戦では私のみが負けて非常に悔しい思いをしたため、私はこの再戦を立ち直るチャンスと捉え、試合に臨みました。

 

Khetho Phemelo (2266,BOT,FM)

Kojima Shinya (2334,JPN,FM)

Khanty-Mansiysk Olympiad Men (10)

 

1.e4 c6

 

全日本からのプリパレーションであるカロカンを、ここでも採用します。ちなみに私がドレスデンで敗れた相手は、3Bで弘平君と対戦です。

 

2.d4 d5 3.exd5 cxd5 4.c4

 

4R,8Rに続き、ハンティマンシスクで3回目となるPanov Botvinnikです。もちろん、こちらも以前の試合に改良を加えて準備済みです。

 

4…Nf6 5.Nc3 Nc6

 

8Rでは 5…g6 6.Qb3 Bg7 7.cxd5 0–0 8.Be2 Na6 9.Bf3 Qb6 10.Qxb6 axb6 11.Nge2 Nb4 12.0–0 Rd8 13.d6 exd6?! [13...Rxd6! 14.Bf4 Rd7 15.Rfd1 Nfd5 ] Denny K.-Kojima S.,Khanty-Mansiysk Olympiad Men (8)と進めて、白にチャンスを与えてしまいました。5…g6は慶應で尚広君と共に研究していた変化でしたが、明らかに準備が足りていませんでした。そこで10Rでは、4Rと同じ変化で対応します。

 

6.Bg5!?

 

非常にシャープな変化になります。より一本筋で有名なのは、6.Nf3からクイーンを交換してエンドゲームに入るラインでしょう。しかし、これに対して私は珍しい手を用意していました。

6.Nf3 Bg4 7.cxd5 Nxd5 8.Qb3 Bxf3 9.gxf3 e6 10.Qxb7 Nxd4 11.Bb5+ Nxb5 12.Qc6+ Ke7 13.Qxb5 Nxc3!? [13…Qd7 14.Nxd5 Qxd5 15.Qxd5 exd5]14.bxc3 Rb8 15.Qc5+ Ke8 16.Qxa7 Bd6 17.Qa4+?! [17.Rg1,17.Qd4,17.0–0] 17...Qd7 18.Qxd7+ Kxd7 Chumfwa S. – Kojima S., Khanty-Mansiysk Olympiad Men (4)

 

6…dxc4 7.Bxc4 h6!

 

近年人気が上がってきており、勝率も良い手です。よりソリッドな局面を求めるならば、7…e6も悪くなく、典型的なIQPポジションになります。こちらの変化は桑田君が好みます。

 

8.Bf4 e6 9.Nf3 Bd6 10.Ne5!? N

 


 

この手を私はデータベースで見つけることができませんでした。おそらく新手でしょう。ここから自分の頭で考え始めます。

 

10...0–0

 

意外かもしれませんが、私はこの手に10分以上費やしました。10…Bxe5から孤立したeポーンを狙おうとも考えましたが、絶対に負けてはいけないゲームであるため、慎重に指すことに決めました。

 

11.0–0 Ne7

 

二つのナイトでd5のマスをコントロールします。IQPポジションでは自然なアイディアでしょう。

 

12.Qf3 Ned5 13.Bg3 a6

 

ここは素早くビショップをb7に上げたいところですが、うまくいきません。まずはNb5を防いで様子を窺います。13...b6?! 14.Nb5!

 

14.Rfd1

 

この手の評価は難しいところです。dファイルにルークを回せば15.Nxd5がスレットになりますが、なぜ14.Rad1ではなく、14.Rfd1なのでしょうか。私はIQPポジションでは、ほとんどの場合にRad1,Rfe1というセットアップを好みます。それはセミオープンファイルに回したe1のルークを、e5のサポートとして使い、チャンスがあればNe5-Nxf7といったスレットを作りたいからです。しかし、cファイルもオープンファイルなので、Rfd1,Rac1も決しておかしな配置ではありません。皆さんの好みはどうでしょうか?

 

14...Nxc3 15.bxc3 Qc7 16.Bb3 b6!=

 


 

この試合で最も慎重に考えて指した手です。黒は白マスビショップの展開のみが問題となっており、それさえ解決できれば満足なポジションです。

 

17.Ng4!?

 

全く予想しなかった手です。17.Qxa8 Bb7 18.Qxf8+ Kxf8 19.c4 Ne4 と進めば、黒はダブルビショップを得られるため、2ルーククイーンの交換は損ではありません。

 

17...Nxg4 18.Bxd6 Qxd6 19.Qxa8?

 


 

これは驚きのブランダでした。白は19.Qxg4 Bb7=と進めるほかありません。これでも黒には何ら問題ない展開です。

 

19...Qxh2+ 20.Kf1 Qf4!

 

当然の一手です。黒は21...Qxf2#21…Ne3+のダブルスレットによって、エクスチェンジを取り返そうとします。

 

21.Ke2?

 

エクチェンジを返しては勝負にならない、との判断からこう指したのだと思いますが、まだ21.f3のほうが粘ることができるでしょう。

 

21…Qxf2+ 22.Kd3 Ne5+?!

 

勝ちをほぼ確信していましたが、ここで詰めを誤ってしまいました。試合後に同じ代表メンバーの龍二さん、元コーチのルイセンコさんとの検討で出た変化は、22...e5! 23.Qf3 e4+! 24.Kxe4 Re8+ 25.Kd3 Bf5+ 26.Kc4 Ne5+ –+



                                 ANALYSIS  DIAGRAM
 

と指して黒勝ちでした。

 

23.dxe5 Rd8+ 24.Ke4 Qxg2+

 

私は恥ずかしいことに24...Qe2+ 25.Kf4 g5+ でメイトだと勘違いしていました。もちろん白のキングはg3にエスケープできます。

 

25.Ke3 Qxa8



 

かなり時間をかけたうえで、3ポーン多い2ルーククイーンのこの局面は、十分に黒が勝ち切れると判断しました。それでも白にはまだ、ちょっとしたトリックが残っています。

 

26.Rxd8+ Kh7 27.Bc2+ g6 28.Rf1 Qb7 29.Bxg6+

 

この手も予想済みです。白がのんびり来るようならば、黒はQb7-Qc7からe5c3を狙って楽に勝てるでしょう。

 

29…fxg6!

 

29...Kxg6? 30.Rg8+ Kh7 31.Rfg1 h5 32.R1g7+ Kh6 33.Rg1=

 

30.Rff8 Qg7!



 

この局面で間違えないか冷や冷やしたと、試合後にMishaにコメントをもらいましたが、さすがにそれはありえません。黒はビショップを返してe5を取れば、後は丁寧に指して問題なく勝てます。30…Qc7?? 31.Rh8+ Kg7 32.Rdg8+ Kf7 33.Rh7+ +-

 

31.Rxc8 Qxe5+ 32.Kf3 h5 33.Rf7+ Kh6 34.c4 Qe1 35.Kg2 h4 36.Rcf8 Qg3+ 37.Kh1 e5 38.Rf2 e4 39.Rg2 Qe5 40.Rg8 Qf6 41.Re8 Qf3 42.Rh8+ Kg7 43.Rxh4 e3 44.Rhg4 e2 45.Kh2 Qxg2+ 0–1

 


 

この試合を見て派手で面白かったとのコメントをいただきましたが、私が詰めを誤ったためにそう見えたゲームであり、本来はもっとスマートに勝たなければいけませんでした。野球で下手な外野が、本来なら楽に取れるボールをダイビングキャッチしたために、ファインプレーに見えたようなものです。それでも私にとっては大きな勉強になりましたし、嬉しい勝利でした。全体を見れば戦績が振るわないオリンピアードでしたが、最後のボツワナ、ケニヤの2戦は、楽しんで観戦していただけたのではないかと思います。


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