オリンピアードの公式サイトに小島君のインタビューが載りました。しかも南條君についてのインタビューです。以下、私がかなり砕いて訳したものになります。マトリックスのところは良く分からなかったので、一部、函館の山田さんの訳を使わせていただきました。
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日本チーム1番ボードの小島慎也と我々ジャーナリストは、共に彼のチームメイトである南條遼介の誕生日を祝いました。
南條に初めて会ったのは10年前、学校のチェスクラブです。当時すでに彼は他の人とは違いました。ある日、土砂降りの雨に降られたとき、みんなは普通にしていたのに、彼はマトリックスの主人公を演じて、『見よ、この雨粒を私が止めてみせよう!』などと叫び始めたのです。そんな行動を、最初は奇妙だと思っていましたが、そのうち慣れっこになりました。天才というものはときとして変な行動をするものですあり、彼は本当に天才なんです。まるでアインシュタインですよ。他にもあります。南條は携帯電話を持たなくても平気な珍しい人種です。一度携帯をなくした時、彼に新しいのを買うよう、6ヶ月も言い続けましたよ。だけど断られました。『携帯なくてもいつでも連絡つくから』と。こちらから連絡してもなかなか連絡がつかないなんていう主張は全く通じませんでしたね。
“南條は日本生まれでないと聞きましたが。”
そうです。南條はアメリカで生まれ、そこでチェスを始めました。9歳からアメリカのトーナメントに出始め、2年後、家族で日本に戻ってきました。今回は彼にとって4回目のオリンピアードです。
“彼はチェスプレーヤーとしてどんな相手?”
強い相手です。彼からはいつも多くを学んでいます。
“他に南條の特徴を挙げるとしたら?”
チームの雰囲気を盛り上げることができます。そしていつもジョークを飛ばし、知性を見せびらかします。女性といるときは特に!
“古い世代のプレーヤーは、若い世代はコンピューターのように手を読むと言っています。南條のスタイルはどうですか?”
そういう時もありますが、南條は独創的なアプローチもお得意です。
“南條はチェス以外のスポーツはやりますか?”
柔道を5年間やっていました。師は有名な金坂茂です。(注:元麻布学園教論 残念ながら今年、他界されました)
ご存知かもしれませんが、柔道のような日本の武術はただのスポーツではありません。精神を鍛錬するためのものでもあります。柔道はプロフェッショナルなチェスプレーヤーにとって必要な、集中力と自信を学ばせてくれます。
“日本文化は、特に西欧の人間の目には独特で奇妙に映ります。南條もアニメやマンガが好き?”
もちろん!
“最近の南條の活躍として特筆すべきものは?”
今年、日本チャンピオンになりました。すぐにFIDEマスターにもなると思います。
“レストデーは何をして過ごしました?”
チームメンバーみんなでKhanty-Mansiyskの街を観光しました。Khanty-Mansiyskはとても小さな街だと分かりましたが、居心地は良いです。南條はマンモスの像がある遺跡公園にはしゃいでいましたかね。
“南條の誕生日はどう祝うつもり?”
ゲーム終了後、ケーキを買い、プレゼントを渡します。チェスの本ですが。また、付き添いの可愛いアンナと一緒に祝います。彼女はスタッフとしてもお祝いしてくれるでしょう。
“誕生日に、あなたがたが南條に願うことは?”
日本チャンピオンになってくれるよう願ったのは去年ですからね。今年は何か他のことを願いましょう。日本のチェスを輝かせるとか!
南條はこの先成功すると思います。私たちは健康、幸福といった人生において一番重要なところもうまくいくよう、願っています。もちろんあちらのほうも!