オリンピアード代表選考方法 見直し案 (3)

 

さて、いよいよ本題、選考方法の提案です。

 

まず、私の考えるオリンピアードチームの理想は、「現時点でベストの成績を残せるメンバーによるチーム」であり、そのためにどう選考するべきかを考えていきたいと思います。

 

2022年のMinsk Olympiad8/18/14なので、日程はひとまずこれを基準に考えます。)

 

 

まずは、結論から。私の提案は以下の通りです。

 

 

4枠はレイティング上位から選出し、残る1枠はNCSとコーチが選出する

 

 

まずはレイティングで選出する4枠から。

 

ベストの成績を残すためには、チームメンバー全員が他国の代表と勝負できるプレーヤーである必要があります。そのためには、レイティング上位順にプレーヤーを選出するのが最も効果的です。しかし、レイティングは変動するものであり、アクティブにプレーした上での数字でないと意味がありません。さらに、レイティングはFIDEのものかNCSのものかといった問題も出てきます。そこで、ここをもう少し掘り下げて考えていきたいと思います。

 

レイティングはFIDEのものとする

ちょっと前まではFIDENCSの双方のレイティングを加味すべきと考えていましたが、海外にいるプレーヤーはNCSのレイティングが動かない、さらに言えばNCSレイティングを持っていない可能性があります。また、NCSレイティングは様々なタイムコントロールのゲームで計算されます。さらにいま、国内でもFIDE公式戦が増える動きにありますので、FIDEレイティングも十分変動し、信用のある数値になると考えられます。

 

国内では東京以外ではFIDE公式戦が少なく、住んでいる地域によって差があるという意見もありますが、国外にいるプレーヤーも条件は同じです。従来のオリンピアードメンバーに選考されるためには全日本選手権とジャパンオープンに参加しなければならなかった縛りを無くし、どのFIDE公式戦に参加しても良いという変更により、住んでいる地域は関係なく、平等性があると考えます。

 

このような観点から基準とするレイティングはFIDEレイティングだけで良いかと思います。1つの指標にしたほうがシンプルですし、FIDEレイティングは公式に発表されるので、誰もがいつどこからでも確認できます。

 

どの程度をアクティブと考えるか

20204/120224/1の間で、FIDEスタンダードのゲームを30ゲーム以上プレーすれば、そのプレーヤーは一般的にアクティブなプレーヤーだと言えると思います。(年間9R7Rのオープントーナメントをプレーすればクリアー)

 

ただ、例えば「20204月の1ヶ月に30ゲーム以上プレーしてあとはゲーム無し」だと果たしてアクティブかと言われればそうではないので、20204/120213/3115ゲーム以上、20214/120223/31年に15ゲーム以上と、少し細かい期間でゲーム数を規定するのが良いかと思います。

 

どの時点のレイティングを基準にするか

レイティングは変動するものなので、20224/1のレイティングリストなど、一時点のレイティングを使用するのではなく、20204/1から20224/1までのレイティング平均値を使用するのが良いと思います。

 

もちろん、20204/1時点でレイティングが高いプレーヤーが有利ですが、それはそれまで積み上げてきた結果なので、当然、選考期間のスタート時点でレイティングが高いプレーヤーは優遇されるべきです。

 

なお、選考ラインに足切りを設ける(例えばFIDE2100)という意見もあります。これについては議論すると長くなりそうなので、ここでは深く追求しません。

 

 

さて、最後の1枠についてです。

 

上記の方法で選出されない例外について、NCS首脳陣とコーチ(今はGM Stojanovic)の判断に委ねるというものです。

 

例えば、20204/1時点では1200、もしくはレイティングさえ持っていなかったプレーヤーが20224/1時点では2500まで上がることもあります。このような場合、選出基準が20204/1から20224/1までの平均レイティングだと、選考に漏れることになります。最後の1枠はこういう特例に対応したものです。主に若いプレーヤーや棋歴は浅いが才能あるプレーヤーにもチャンスはあるということになります。

 

または、チームとしてのバランスを整えるために経験豊富なベテランを入れるという方法もあります。オリンピアードはチーム競技なので、たとえ自身がプレーするラウンドは少なくとも、他のメンバーを技術的に、精神的にサポートできる存在なら、チームに加えることも考えられます。

 

とにかく、ここはNCSとコーチの判断によるものになりますが、普段の大会のパフォーマンスや過去の経験から、何となく5人目を誰にするかは見えてくるのではないでしょうか。特に、2008年から日本チームコーチを務めているStojanovicコーチなら、誰をチームに入れるべきか一番よく分かっているはずです。(この先も日本コーチを務めてくれるなら、が前提になっていますが...

 

 

以上、私からの提案です。もちろん色々な考え方がありますので、あくまで皆さんが議論する材料になれば良いなと思っています。


オリンピアード代表選考方法 見直し案 (2)

今回は従来のチェスオリンピアード代表選考方法の問題点について見ていきたいと思います。

 

まず、オリンピアード代表は、長い間JCAの「チェスオリンピックゾーン選手権等 海外派遣選手(団)に関する規程(1979.10制定  1994.9修正)」に則り、以下のような優先順位で選考されていました。

 

1.全日本チャンピオン

2.全日本選手権24

3.ジャパンオープンチャンピオン及び2

4.全日本選手権勝率55%以上

5.被推薦者

 

ここで、この選考方法では何が問題か、以前からの私の考えとあわせて次にまとめてみました。

 

選考大会が2つだけの一発(二発)勝負

選考大会は全日本選手権とジャパンオープンの2つであり、代表に選考されるにはこの2つの大会で成績を残すしかありませんでした。しかし、全日本選手権はともかく、ジャパンオープンは年によって持ち時間とラウンド数が変わり、近年は6Rという年も出てきました。6Rという短いラウンド数の大会での一発勝負で代表が決まってしまうことには疑問を隠せません。

 

さらに、全日本選手権の比重が重すぎて、繰り下がりで4のように全日本選手権で勝率55%以上、言ってみればかろうじて勝ち越しのプレーヤーまで権利を繰り下げるのは、言葉は悪いですが、人数合わせの感がありました。

 

選考大会が東京開催のみ

選考大会はすべて東京での大会です。私はずっと東京にいたのであまり感じていませんでしたが、東京以外に住んでいるプレーヤーにとって、これらの大会にコンスタントに出ることは容易ではありません。(私もいま、海外にいてようやくそう感じるようになりました。)日本チェス界のマネージメントは、ずっと東京一極集中であり、広く各地から代表となるべくプレーヤーを選出できていたかは分かりません。

 

選考基準にレイティングが一切加味されていない

選考方法にはレイティングが一切入っていません。レイティングはプレーヤーの強さを反映する指標で、客観的な唯一の指標と言っても良いものです。

 

確かに、FIDEレイティングは、今となってはほとんど下限がありませんが、2200以上でないとつかない時代がありました。一般的にFIDEレイティングはマスターレベルのプレーヤーにのみ授与される、特別な数字だったのです。しかし、日本ではこのラインを超えるプレーヤーはごくわずかで、FIDEレイティングを選考基準に入れると代表の数を揃えられない事態にない可能性があったので、FIDEレイティングは選考基準から排除されてきたと考えられます。

 

それならば、国内レイティングはどうだったでしょうか?国内レイティングは多くのプレーヤーが持っていたはずであり、国内レイティングを選考基準に入れても問題なかったはずです。

 

規定が時代に合わせて見直されてこなかった

1979年(40年前!)に制定された規程を、時代に合わせて見直し・修正を図ってこなかったのが一番の問題で、だからこそ今回、声を上げて見直しを図ろうとしています。(オリンピアードの規定は1994年に一度修正したかは分かりません)

 

実際にすでに問題となりそうな点として、次のことが挙げられます。

 

2008年のDresden Olympiadより、Openの代表枠は6から5に減らされましたが、規定は改定されず、13で重複する者がいなければ6人選出されてしまうことになります。

 

 

以上が私の考える問題点です。

次回は具体的な見直し案について考えていきたいと思います。


オリンピアード代表選考方法 見直し案 (1)

NCSがチェスオリンピアード代表選考方法について、会員限定ですが意見を募集しています。

 

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeUCj4xrSzhFYOArQ4hlix0zbPVfaUcLeDXgPtWGweXJNfy8Q/viewform

 

1 : 参加希望者を募り、その中から選考

2 : 国内のチャンピオンは自動的に出場権を得、他メンバーを希望者より選考

3 : レーティング順で決定

4 : 国内の大会順位等で決定

 

上の14の中から評価する形式になっており、別に自由回答欄もあります。特にオリンピアードに無関係・興味ないという方もいるとは思いますが、幅広い意見が寄せられれば何よりだと思っています。

 

 

そもそもチェスオリンピアード代表選考方法についてなぜこのような見直しが必要なのか?

それは、従来の代表選考方法がベストメンバーを選出するのに適切な方法とは考えにくかった点にあります。

 

従来の選考方法の問題点と改善案については後日にまわすとして、10年以上前から選考方法の見直しを言い続けてきた私にとって、ようやくこのような見直しの機会ができたことはうれしく思っています。そして10年以上前の私の考えが以下にあります。

 

http://chessplayer.jugem.jp/?eid=57#comments

 

 

そもそも日本チェス界にとってチェスオリンピアードとは何か?

この問いに対して私はこう答えます。

 

世界の大舞台に立てる唯一の機会

 

残念ながら今の日本の実力ではTata steelDortmundなどの伝統的なビッグトーナメントに呼ばれることも有名なオープントーナメントで優勝することもできず、さらに国内で世界に注目されるようなイベントもありません。そんな中、オリンピアードだけは世界の大舞台に立てるチャンスです。もちろん、日本のプレーヤー全てが目指すところではないにせよ、少なくともアンビシャスなプレーヤーにとっては憧れの舞台であり続けてほしいと思っています。一生に一度立てるかどうか分からない舞台であるからこそ、代表選考方法は全てのステークホルダーが納得できるものでないといけないと私は考えています。

 

選考方法については、次回以降、具体的に考えていきたいと思います。


Drinking alcohol.... -私の回答-

http://chessplayer.jugem.jp/?eid=499#comments

 

昨年、議論した話題です。皆さんから非常に多くの意見をいただきましたが、まだ私自身の回答を出していませんでしたね。私はあくまで国際プレーヤーとしての見解を示させていただきたいと思います。

 

×  アルコール

論外です。JCAのクリスマスオープンでもワインが出されなくなりました!

 

  ソフトドリンク

下に置いておくと誰かに蹴飛ばされる可能性があるのでそこは注意です。昔、全日本選手権でありました。

 

×  お弁当

学校の試験、資格試験など、食べながら受けますか?

 

  サンドイッチ、果物などの軽食

長丁場になるとどうしても栄養補給が必要になります。ただ、相手の前で食べるのではなく、席を離れて食べるのがマナーだと思います。

 

  チョコレートなどのお菓子

上記、「サンドイッチ、果物などの軽食」と同様です。

 

  ガム

音を立てなければOKでしょう。

 

  帽子

ファッションの一部と考えてOKです。宗教によっては髪を出していけないところもありますし。

 

×  サングラス

Radjabovも一時期かけていましたが、今はすっかりやめましたね。やっぱり感じ悪いです。

 

×  耳栓

ドローオファーはジェスチャーも交えるのが賢明ですが、口頭で伝えることも多いです。耳栓は「相手のドローオファーを一切受け入れない」という意思表示にも受け止められます。

 

  露出度の高い服

夏、ヨーロッパの女性に良く見られます。これを嬉しいと思うかそうでないと思うかは人によりますが

ちなみに露出が問題ではないでしょうが、昔、マレーシアオープンで靴下をはかずにサンダルで試合会場に行ったらアービターに注意されたことがありました。日本の温泉宿の宴会場気分で行くと受け入れてくれないことがあります。。


×
  音楽プレーヤー

論外です。信じられないことにアメリカ国内の大会では許されているようですが、少なくともアメリカのプレーヤーが他国のトーナメントに出て音楽プレーヤーをつけてプレーしているところは見たことがありません。あ、一人を除いて...

 

  体臭

ある程度は仕方ありませんが、周りに不快感を与えないように気を配るのはチェスの試合以前の問題です。

 

  香水

「体臭」と同様です。

 

  煙草の残り香

「体臭」と同様です。

 

×  3者による助け(飲み物、軽食を買ってくるetc

これはチーム戦でコーチにのみ認められている特権と言えそうです。基本的にチェスは個人と個人の対戦ですから、他者が介入するのは良くないでしょう。「好手があるときにはバナナを差し入れ」、「チョコレートを渡す時はルークを動かせ」など、暗号にも使えますしね。

 

  他のプレーヤーとの会話

きっと試合には関係ない話をしているのだと思いますが、余計な誤解を与えないよう、試合は他のプレーヤーとの接触はできるだけ避けたほうが良いです。

 

×  メイト宣言

日本では某チャンピオンしかやっているところを見たことがありませんが、これも感じが悪いです。黙ってメイトにすれば良いだけの話です。

 

以上、いかがでしょうか?


Drinking alcohol during the game is allowed or not?

吉祥寺CCの書き込みに触発され、試合中に臨むにあたって許されるものと許されないものを考えてみました。吉祥寺CCでは、試合中はもちろん、アルコール類の持ち込みは一切禁止ということだと思うので、この記事の趣旨とは完全に合致しないところはありますが、そこは気にしないことにしましょう。

 

さて、試合中のアルコールについては、私は禁止すべきだと考えています。これに対しては自分なりの答えを用意してありますが、まずは吉祥寺CCの主の回答を聞きたいと思いますから、少々保留にしておきます(笑)

 

以下、気になるものをリストにあげてみました。皆さん、○×△をつけ、(できれば理由も!)コメント欄にご意見をどうぞ。

 

×  アルコール

ソフトドリンク

お弁当

サンドイッチ、果物などの軽食

チョコレートなどのお菓子

ガム

帽子

サングラス

耳栓

露出度の高い服

音楽プレーヤー

体臭

香水

煙草の残り香

3者による助け(飲み物、軽食を買ってくるetc

他のプレーヤーとの会話

メイト宣言


チーム選手権の課題 -おさらい編-

来週、919日・20日はチーム選手権です。会場はいつものPIOではなく、池上会館となることに注意してください。さて、昨年の大会後、チーム選手権の課題をこのページで取り上げましたが、円滑な大会運営の実現に向け、ここで要点をあらためて整理したいと思います。

 

A) レイティング計算の準備

当日、試合を定刻通り始めるためには、チームとしてのレイティング計算について、上位4人の平均値とするか、全員の平均値とするか、URの選手をどのように取り扱うか、明確にし、前日までに計算を済ませておくことが必要です。今年はしっかりやられるとのことですので、このことが原因となる当日朝の混乱はないと信じています。

 

B) 同一クラブからの出場チーム同士の対戦

昨年は、「1日目は同じクラブ同士のチームを積極的に当てて、2日目は全く当てない」という謎のルールが適用されました。その結果、2Rに東北大Aチームと東北大Bチームが対戦するということが起きました。確かに、最終ラウンドに同じクラブ同士のチームが対戦すると、星の調整が可能になるので避けるべきですが、だからといって1日目に無理やり当てるというのはおかしなことです。このままだと、今年もこのルールが適用されるようです。どうにかなりませんか?

 

C) チーム構成

昨年は何らかの理由で欠員が生じ、1番ボードを空けてプレーしているチームがありました。Mishaによると、「1番ボードを空けて戦ってはいけない」とのことでした。そこで、

 

出場選手は1番ボードからレイティング順に着席する。

何らかの理由で欠員が生じた場合はレイティング順に詰めて座り、最下位ボードから空席ができるものとする。

欠員の新規補充は、各ラウンドの組み合わせが発表されるまでに申し出れば、そのラウンドから出場できる。

 

というようなルールを明記し、プレーヤーに周知すべきでしょう。

 

D) チームキャプテンの役割

FIDEのルールには明確に書かれていることですが、日本のチーム選手権に完全に浸透させるのはなかなか難しいところだと思います。しかし、せっかくですから、次の点くらいは適用されても良いかと思います。

 

チームキャプテンは、

a)各ラウンド開始の10分前までに「出場選手表」を運営側に提出する。但し、登録選手
   が
4人のチームは(レイティング順に自動的に着席ボードが決まるので)この表を提出す  
   る必要はない。

b)チーム各メンバーに対戦相手を報告する。

c)チームの全てのゲーム終了後、すみやかに結果を運営側に報告する。

チームキャプテンに限り、自チームメンバーに対して「相手にドローを提案しなさい」「提案されたドローを受けなさい」「提案されたドローを拒否して指し続けなさい」などの助言を与えることが出来る。但し、助言は要点のみの簡潔なものとし、指し手に係る具体的な助言を与えてはならない。

チーム選手権といえども、ゲームはあくまでも個人のものであり、キャプテンの助言に従うかどうかは各選手の判断にゆだねられる。

 

本当はキャプテンによるミーティングが1Rの前にあるのが望ましいですが、時間の制約上、無理とのことです。その代わり、文書掲示などの形でキャプテンの役割が周知されることになりそうです。

 

E) タイブレーク

詳しくはhttp://chessplayer.jugem.jp/?eid=224をご覧ください。

 

1番目のタイブレークが「マッチポイント」であるのはよいとして、2番目のタイブレークは果たして昨年までのように「チームの各メンバーのポイントのトータル(ゲームポイント)」で良いのか、今一度議論すべきところだと思います。私は2番目のタイブレークは「対戦した相手チームのマッチポイントの合計(通称ソルコフ)」であるべきだと考えており、Mishaもそう考えているようです。

 

そして、さらには3,4番目のタイブレークも用意する必要があります。日本の大会で良くない点として、タイブレークがきちんと定められていない点が挙げられます。昨年の名古屋オープンでもありましたが、1,2番目のタイブレークで順位が決まる保証はありません。絶対に順位がつくよう、最後のタイブレークは「チームレイティング平均の高い(or低い)チームを上順位とする」としておけば問題とならないはずです。

 

F) 表彰

個人賞の扱いと表彰盾の問題です。

 

昨年までのチーム選手権では、個人賞は4局以上対戦という条件はありますが、単純に勝率が高いプレーヤーに贈られていました。4人のチームと5人のチームが入り混じっている状況では、ボード賞を設けるのは無意味ですが、やはり1番ボードと4番ボードが同じ基準で表彰されては問題です。最近のオリンピアードではパフォーマンスが採用されているように、今度のチーム選手権でもパフォーマンス順に表彰すべきでしょう。パフォーマンス計算が困難な場合には、いっそ個人賞は廃止してしまったほうがすっきりするのではないかと思います。

 

また、表彰したチームには表彰盾が渡されますが、誰が盾を持って帰るかも問題となります。以前、盾を本当に4等分しようとした輩がいたとのことですが、常識から考えれば、チーム選手権の表彰は個人個人にメダルを渡す形式を取るべきです。

 


これらのことはチーム選手権に参加される方には特に考えてもらいたい点です。いかがでしょうか?


最後に、チーム選手権の課題の要点を一緒にまとめてくださった神田さん、田畑さんには感謝の意を表します。


ルーク or ルック?

暁さんの「ここからはじめるチェス」を読んでいてふと気になったことです。暁さんは一貫してRookをルックと表記していますが、JCA関係の入門書ではルークで統一されています。私も昔はルックと発音していたことがありましたが、今はルークとよんでいます。

 

おそらくどちらでも間違いではないのでしょうが、入門書によって駒の呼び方がまちまちであると、入門者の混乱の原因になる可能性もあるので、ここらできちんと統一したほうがよいのではないでしょうか?

 

ちなみに、私の経験上、海外ではほぼ間違いなくルークと発音されています。


JCAのカルテの存在意義に関して

私は先日、学生選手権の開催を終え、JCAへ結果の報告に行きました。そこで報告用の用紙としてカルテを買わされたのですが、あのJCAで使用しているカルテが本当に必要なのかどうか、ここで考えてみたいと思います。

 

JCAのカルテは3枚複写式で、大会主催者が手書きによりプレーヤーの試合結果を1つずつ記録します。1枚はJCA保存用、1枚は大会主催者保存用、1枚はプレーヤー保存用です。以前はこのカルテを用いてペアリングを行っていましたが、現在はスイスパーフェクトの導入によりその必要はありません。現在のカルテが持つ役割は主催者にとっては試合の記録、プレーヤーにとっては記念品だと言えます。

 

しかしそれが手書きのカルテである必要は全くないと私は思います。JCAへの報告ならばスイスパーフェクトから結果をコピーして送れば良い話であり、手書きのカルテをJCAで再びデータに打ち直すのはナンセンスだと言えます。プレーヤーの記念としてならば、JCAが綺麗なフォーマットを用意し、各クラブ宛、もしくはチェス通信のように個人宛に郵送すれば現在の手書きのカルテよりもずっと喜ばれるでしょう。それにも関わらず各クラブに手書きのカルテを買わせ、無駄なコストと手間をかけている現状に私は反対です。JCAのカルテに関してどのような考えをお持ちか、皆さんからコメントを頂ければ嬉しいです。

 

2010125日  小島慎也


チーム選手権の課題

今回のチーム選手権では白熱した戦いになった一方、いくつか大きな課題を残したと思います。

 

1.開始時間の遅れ

 

これは普段の大会でも良くあることですが、今回は特に参加人数も多く、さらに組み合わせが変則的なこともあり、30分以上遅れました。私自身は開始時間が遅れるのはそれほど気にはならないのですが、その分、昼休みを削るというのはいかがなものでしょうか。ちなみに今回は2日とも昼を食べている時間がありませんでした。そもそもかなりキツキツなスケジュールですので、やはり1Rの開始時間が遅れたら、2Rの開始時間もその分、遅らせてほしいものです。

 

今回も当日申し込みのチームがあったかもしれませんが、参加申し込みの締め切りを前日の24:00などにして、それ以降に申し込みがあったチームは1Rbyeにするという処置を取るべきなのかもしれません。その上で、遅れて申し込んできたチームが2チーム以上あったら、1Rはその中で組み合わせるという手法は取れると思います。

 

2.空白ボードの扱い

 

何らかの理由で欠員が出た場合の扱いについてです。4Bがいない場合はそのまま戦えば良いでしょうが、13Bで欠員が出た場合、そのままそのボードを空けるのか、それとも詰めて座るのか、どちらが妥当でしょう?

 

特に1Bが欠けた場合、チームとしては窮地ですから、13Bで戦うよりなるべく24Bで戦った方が勝てる可能性は高いでしょう。

 

3.タイブレーク

 

今回、私が最も焦点を当てて議論すべき点だと思っています。今後のルール決めのためにも、今回の結果を検証してみましょう。

 

全てのチームの結果を検証するのは大変なので、ここでは4P3位タイの4チームの結果を比較したいと思います。



 

先日もタイブレークの優先順位の2番目に来るのは何が妥当かを考えてみましたが、上の表を見るとそれぞれのタイブレークによって順位が変動してしまうことが分かります。

 

マッチポイントの合計では、やはり最終ラウンド、1B2Bで戦っていた麻布OBと本郷が上に来ました。本郷は3Rで優勝チームを打ち破っているので、当然、当たりは厳しかったのです。

 

チームの獲得ポイント(ゲームポイント)の合計では、慶応OB Aがトップでした。これは最終ラウンド、東北大学A4-0で大勝したことが大きく影響しています。個人的な話にはなりますが、先日、東北大学にお邪魔して指導(?)した身としては、東北大学にはもう少しポイントを削ってほしかったという思いはあります...

 

ドレスデン・ルールで2番目のタイブレークにあったのは、(マッチポイント×獲得ポイント)の合計でした。これは、獲得ポイントに"ある種の重み付け"がなされたものです。マッチポイントの高いチームからたくさんポイントを取っているほど高くなり、逆にマッチポイントの高いチームに大敗してしまうと低くなってしまいます。麻布OB4Rで慶応Aに大敗してしまったことがこのタイブレークポイントの低さにつながっています。

 

以上、3つのタイブレークを加味して総合的に評価すると、やはり3位は本郷が妥当ではないでしょうか。我々はどのタイブレークでも勝てず、残念です...

 

4.個人賞

 

このチーム選手権では単純に勝率で個人賞を決めています。そして普通はボードごとに賞を用意するべきなのでしょうが、このチーム選手権ではボードによる区別はありません。確かに、4人のチームと5人のチームが入り混じっている状況では、ボード賞を設けるのは不可能です。しかしやはり単純な勝率で決めてしまうことには私は反対です。

 

過去のオリンピアードではこのように単純勝率でボード賞が決められていましたが、最近のオリンピアードではパフォーマンスが採用されています。ですから、ドレスデンでは1Bのボード賞がLekoGelfandTopalovというそうそうたる顔ぶれになったことは容易に理解できるでしょう。

 

パフォーマンス計算は手計算では不可能です。しかし、ペアリングソフトを活用すれば、参加者のパフォーマンスは瞬時に算出されます。さすがに全勝であると、パフォーマンスは出ない(はず)ので、そこは考慮する必要がありますが...


不透明なレイティング管理

レイティングはプレーヤーにとって目標を設定するための最も大切な指標です。大会が終わった後はどの程度レイティングが変動したか知りたいものだと思います。しかし、その計算方法が分からなければ、2カ月に一度の更新時まで待たなければいけません。現在の日本チェス界では残念ながらレイティング計算方法が公表されていません。

 

また、レイティング更新の結果は各クラブのリーダーに紙ベースで送付され、クラブに所属していない会員にとっては、本部に問い合わせない限り、自分のレイティングがいくつになったかさえも分かりません。レイティングを知り得ることのできる会員と知り得ることのできない会員。同じ会費を払っていながらこのような差が生まれることがあってよいことでしょうか?

 

本来であればレイティング計算方法と会員のレイティングはホームページに公表するべきです。FIDEは長らくそうしてきています。会員のレイティングについては多少個人情報に引っ掛かるため、会員にしか見られないような制限をかける必要はあるとは思います。しかし、各クラブに紙ベースで送るのは明らかに経費と資源の無駄です。せめてExcelファイルで送るべきでしょう。

レイティング計算方法は公表して何ら問題ないはずです。レイティング計算方法の原理など単純なものですから。計算方法を公表しない理由については、他の団体(JCAから脱退した朝霞CCなど)で使われないようにするためという意味不明なものを聞いたことがありますが、JCAのレイティングをどう悪用できるのでしょうか?

 

計算方法ですが、参考までに10年ほど前、私が一番はじめに教えられた方法は、

 

勝った場合は{(相手レイティング+400)−自分のレイティング}÷25

負けた場合は{(相手レイティング−400)−自分のレイティング}÷25

引き分けた場合は{(相手レイティング)−自分のレイティング}÷25

 

でした。ただし、相手レイティングが±400以上離れている場合は、変動幅には上限と下限が設けられていて、上限は30点、下限は3点(あとで0.5点だと知りました)でした。

 

このあと一時期レイティング計算は手計算(!!)で行われていた時期がありました。信じられませんね。当然ミスも続出し、私も何度か自分の計算結果と違った時は抗議した覚えがあります。今となっては自分のレイティングにはやや無頓着であり、特にレイティング変動に一喜一憂することはありませんが、2000未満の時はレイティングを上げることに相当貪欲でしたので、計算結果がずれることに不満を抱いていました。

 

現在はレイティング計算もだいぶ文明化したようで、計算効率は上がったようですが、計算方法が公表されていないため、正しく計算されているのかどうか確かめる術はありません。だからと言ってJCAのレイティングが実力を反映していないかと言われればそうではないと思います。地域差はあると思いますが、確実にJCAレイティングとFIDEレイティングの隔たりは少なくなってきているように思えます。

 

今回私が主張したいことは、不透明なレイティング管理をやめ、全ての会員が平等に情報を得ることができるようにするべきだ、ということです。そしてレイティングを上げることに皆が貪欲になって、日本チェス界のレベルが底上げされれば、と願っています。


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