Mate with 2 Knights -Troitsky's line-

裸のキングに対して、ダブルビショップが残っている場合と、ナイト+ビショップが残っている場合には強制手順でチェックメイトにできます。しかし、次の例のように、ダブルナイトだけではメイトにできません。

 

Troitskys line1.gif

             Baba (2202) - Kojima (2197)

                                    百傑戦 2007

                     position after .77...Kxe3

 

78. Kg1 Kf3 79. Kf1 Kg3 80. Kg1 Ne3 81. Kh1 Nd3 82. Kg1 Ne1 83. Kh1 N1c2 84. Kg1 Nd4 85. Kh1 Nb3 86. Kg1 Nd2 87. Kh1 ½–½

 

Troitskys line2.gif

 

87...Nf3だとステールメイトですので、メイトまで1歩足りず、ドローです。

 

 

しかし、相手に1ポーンでも残っていると話が変わってきます。

現在進行中のIsle of Manのトーナメントで、KarjakinWorldクラスのテクニックを見せ、これが話題になっています。

 

Troitskys line3.gif

          Karjakin (2760) - Sevian (2634)

                             IoM Masters 2018

                       position after .92.Kf8 1-0

 

92…g2 93. Nd6 g1=Q 94. Nf7でメイトですので、黒のSevianはここでリザインしました。

 

局面を少し戻してみましょう。

 

Troitskys line4.gif

          Karjakin (2760) - Sevian (2634)

                            IoM Masters 2018

                         position after .61.Ng3

 

ちょうど片方のナイトでgポーンをブロックしたところです。g3のナイトはこのパスポーンをブロックしなければいけないので、動けません。黒キングは盤上をフリーに動き回れ、とても捕まるようには見えませんが、驚くべきことに白はキングと片方のナイトだけで黒キングを強制的にコーナーに押し込むことができるのです!

 

61...Kd4 62. Kf2 Kc3 63. Nd1+ Kd3 64. Ke1 Kc4 65. Kd2 Kd4 66. Nc3 Kc4 67. Nce2 Kd5 68. Kc3 Kc5 69. Nf4 Kc6 70. Kc4 Kd6 71. Nd3 Kc6 72. Ne5+ Kd6 73. Kd4 Ke6 74. Nc4 Kf6 75. Ne3 Ke6 76. Nef5 Kd7 77. Kd5 Kc7 78. Nd4 Kd7 79. Ne6 Ke7 80. Nc5 Kf7 81. Kd6 Kf6 82. Nce4+ Kf7 83. Kd7 Kf8 84. Nd6 Kg7 85. Ke6 Kg6 86. Nde4 Kg7 87. Ke7 Kg8 88. Kf6 Kh7 89. Nf5 Kg8 90. Ke7 g3 91. Nf6+ Kh8 92. Kf8 1-0

 

Karjakinのテクニックに酔いしれるのも良いと思いますし、きっと感銘を受けることでしょう。しかし、真相はどうでしょうか?

 

実際は黒ポーンがg4まで進んでいると、黒はドローにできたということです。Sevianの敗着は、gポーンをブロックしているナイトに近いコーナーに逃げたことです。代わりに、gポーンをブロックしているナイトから遠いコーナーであるa8に逃げたら、g3のナイトがファイナルステージで黒キングをメイトにしにいくのに手数がかかり、その間に黒はパスポーンをプロモーションさせることができます。例えば、78... Kb7! 79. Kd6 Ka6 80. Kc6 Ka7 81. Ne6 Kb8 82. Nc5 Ka7 83. Kc7 Ka8と、84. Nge4 g3 85. Nd6 g2 86. Nb5 g1=Qなど。

 

Troitskys line5.gif

 

 

では、いったい相手のパスポーンをどこでブロックしていれば勝ちになるでしょうか?

 

答えはTroitskyというendgame study composerの鬼才が発見していました。

 

Troitskys line6.gif

 

 

白黒両方でTroitsky'sのラインと呼ばれるものを示します。

 

このラインよりポーンが進むことなく片方のナイトでブロックできていれば勝ちだということです。

 

例えば、Karjakin-Sevianでは黒パスポーンがg4まで進んでいたので、Troitsky'sのラインを超えています。ですので、これは理論的にはドロー。もし、黒ポーンがg6にいるところでブロックできていれば強制的な勝ちがあるということです。

 

 

今回、私が学んだレッスンがChessbase Indiaにあります。2つあわせて見てもらえると理解が深まると思います。

 

What is Troitsky's line? An instructive endgame lecture

https://www.youtube.com/watch?v=VM9JWGbBQ4s

 

Update to what is Troitsky's line! Karjakin vs Sevian!

https://www.youtube.com/watch?v=gAPpIb51snQ

 

 

今回のテーマを見ていた時、次のゲームを思い出しました。

 

Troitskys line8.gif

      Higashishiba (2041) - Kojima (2463)

                      Japan Championship 2016

                        position after .44...Nxh5

 

白のポーンはTroitskyのラインより進んでない側で黒ナイトにブロックされるため、黒勝ちであることが分かります。実戦でも、黒が以下のように勝ちました。

 

45. Kf2 Ke5 46. h4 Ke4 47. Ke1 Kd3 48. Kf2 Kd2 49. Kf1 Nf3 50. Kg2 Ke2 51. Kh3 Ne5 52. Kg2 Ng4 53. Kh3 Ne3 54. Kh2 Kf3 55. Kh3 Nf4+ 56. Kh2 Ng4+ 57. Kg1 Kg3 58. Kh1 Ne3 59. h5 Ne2 0-1

 

Troitskys line9.gif

 

白ポーンがプロモーションする前に、Ng4-Nf2#が入ります。

 

これまでのレッスンから、白キングがh1ではなく、ブロックしているh5のナイトから遠いほうのコーナー(a1a8か)に逃げるべきだったと分かります。この時、実際に白キングをメイトにできるかどうか試してみるべく、自分の力でやってみることにしました。

 

46. Ke1

 

Troitskys line10.gif

 

白キングはa1に向かいます。 

 

46…Nb3 47. Kd1 Kd4 48. Kc2 Kc4 49. Kb2 Nd4 50. Ka3 Kb5 51. Ka2 Kb4 52. h4 Nc2 53. Kb2 Ne3 54. Ka2 Nc4 55. Kb1 Kc3 56. Kc1 Nb2 57. Kb1 Nd3 58. Ka2 Kb4 59. Kb1 Kb3 60. Ka1

 

Troitskys line11.gif

 

白キングをコーナーに追い込め、いよいよパスポーンをブロックしていたナイトの出番です。

 

60...Nhf4 61. h5 Ne2 62. h6 Nc3 63. h7 Nb4 64. h8=Q Nc2#

 

Troitskys line12.gif

 

何とかメイトまで持っていけましたが、実戦で間違いなくきちんと指せるようになるにはトレーニングが必要です。


Rook vs 3 Pawns

現在進行中のPoland Championshipのゲームを見ていたら、次のinstructiveendgameを見つけました。

 

3pawns1.gif

                 Mista (2590) - Socko (2593)

                                ch-POL 2018

                        position after 60.Rxa8

 

黒はルークで白のパスポーンを消し、代わりに3つのパスポーンを得ました。まだ黒のパスポーンはほとんど進んでいないので、白のほうが安心して指せるendgameだと思います。逆にポーンの進め方に気を付けなければいけない黒はどう進めれば良いでしょう?

 

60...g5 61. Kc6 Kg6 62. Kd5 Kf5 63. Ra1 Kf4 64. Ra4+ Kf5 65. Kd4 Kf4 66. Kd3+ Kf3 67. Ra5 Kg4 68. Ra4+ Kf3 69. Ra5 Kg4 70. Ke3 f5 71.Kf2 h5 72. Kg2 h4 73. Ra4+ Kh5 74. Ra5 Kg6 75. Kh3 Kf6 76. Ra6+ Kf7 77. Kg2 g4 78. Kf2 Kg7 79. Ke3 h3

 

3pawns2.gif

 

このポジションを見て、かつて似たようなポジションを見たことがあるのを思い出し、過去のNew In Chess Magazineを引っ張り出したところ、2009 Issue2のゲーム解説でRozentalisが次のように書いていました。ポーンをf5-g4-h3に置き、キングがg7-f7を行き来すればドローだと。Sockoもこの形を知っていて(おそらく)まさしくその通りに進めましたが

 

80. Kf4 Kf7

 

81.Kxf5? に対しては81…g32パスポーンを白は止められません。

 

81. Rh6 Kg7 82. Rh5 Kg6 83. Rh4 (83.Rxf5 h2!) 83…Kf6 84. Rh8 Kg7 85. Rc8

 

3pawns3.gif

 

ここで85...Kf7! であれば、白はこれ以上やれることがなく、ドローでした。もし白が勝てる方法があったら教えてください。

 

85…Kg6? 86. Rf8!

 

3pawns4.gif

 

これで黒がツワンクに陥りました。86…Kg7 87.Rxf5 h2に対して88.Rh5! で黒はどちらのポーンも落とされます。

 

86…Kh6 87. Rf6+ Kg7 88. Rxf5 1-0

 

それなりに現れるendgameですので、知っていて損はありません。


Draw by three-fold repetition

先日、東京で行われたようなアービター・セミナーは各国で行われています。50人のGM100人近いIMを抱えるインドでは、国内で数多くの国際トーナメントが開かれ、アービターの存在は不可欠です。Chessbase indiaでは、そのセミナーのレポートが上がっています。

 

https://www.chessbase.in/news/FIDE_Arbiter_Seminar_in_Manali

 

この中で気になったのがthree-fold repetitionの裁定に関しての部分。問題となるゲームは以下のように進行します。

 

1. d4 e6 2. Nf3 f5 3. d5 exd5 4. Qxd5 d6 5. Ng5 Qe7 6. Nxh7 c6 7. Qb3 Rxh7 8.Qxg8 Rh4 9. Qb3 Na6 10. Qe3 Re4 11. Qd2 Nb4 12. Qd1 Rd4 13. Nd2 f4 14. a3 Nd5 15. c3 Ne3 16. fxe3 Qh4+ 17. g3 fxg3 18. Bg2 gxh2+

 

threefold1.gif

 

19. Kf1 Qf6+ 20. Ke1 Qh4+

 

threefold1.gif

 

21. Kf1 Qf6+ 22. Ke1

 

threefold2.gif

 

ここで黒のプレーヤーは次に22…Qh4+と指すことを示唆し、棋譜用紙に22…Qh4+と記入し、時計を止めて(止めなくても良い)アービーターを呼びます。

 

さて、ここでアービターはどう裁定するのが正しいでしょうか?

ドローは成立しますか?

 

 

答えはNOです。確かに、22…Qh4+とすれば、18…gxh2+のあとのポジションと20…Qh4+のあとのポジションと同一で、しかも次の手番が白なので、(three-fold repetitionでは手番は同じでないといけない)ドロー成立と宣言してしまいそうですが

 

まずは、FIDEのルールを確認しましょう。チェスのルールのArticle 9: The drawn gameの部分では以下のようになっています。

 

9.2.2

Positions are considered the same if and only if the same player has the move, pieces of the same kind and colour occupy the same squares and the possible moves of all the pieces of both players are the same. Thus positions are not the same if:

9.2.2.1

at the start of the sequence a pawn could have been captured en passant

9.2.2.2

a king had castling rights with a rook that has not been moved, but forfeited these after moving. The castling rights are lost only after the king or rook is moved.

 

白は20…Qh4+22…Qh4+のときにはキャスリングの権利を失っているが、18…gxh2の時点ではキャスリングの権利を失っていないので、9.2.2.2によってポジションは同一とはみなされないとのことです。もちろん、白は19手目にキャスリングはできないのですが、9.2.2.2の字面を追っていくと、あくまで白のキャスリングの権利が失効するのは19.Kf1と指した後で、18…gxh2の時点ではキャスリングの権利自体はありと解釈することができます。

 

 

セミナー受講者の中には正しく答えられる人もいれば、そうでない人もいるのも納得な、きちんとルールを理解していないと答えられない問題だと思います。プレーヤーもしかり、アービターもしかり、きちんとルールを理解してそれを実践するのは言うほど簡単なことではないということがよく分かる良い例でした。


Looking for the right rook road -Intensive Analysis-

三阪さんからエンドゲーム分析の寄稿がありました。以前、小島くんが自身のHPで発表したものに、今回、三阪さんがアナライズを加えた形です。今週末はこのテーマを考えてみます。斜体の解説は20111215日の小島くんの解説そのままです。リソースはこちら。

 

http://shinyakojima-blog.blogspot.jp/2011/12/looking-for-right-rook-road.html


WRITTEN BY

Misaka Susumu

 


                       NN
Kojima Shinya

                                Training Game 2011

                                     White to move
 

50.Re6+!?

 

50.Rxh6 d4 51.Kf2 d3 52.Rd6 Rb1 53.h4 g4 54.h5 Ke5 55.Rxd3 Rxb6=



                                ANALYSIS  DIAGRAM

 

50...Kd3 51.Kf2 d4!? 52.Kf3

 

白は実戦的にチャンスの多い変化を選択しました。以下の二つの変化であれば、黒としては問題なくドローに持ち込めます。52.g4 Kc2 53.Rd6 Kc3=, 52.Rxh6 Kd2=

 

52...h5 53.g4 h4 54.g3 hxg3 55.Kxg3 Kd2?!

 


 

黒はやや難しいラインを選んでしまいました。55...Rb3 56.Kf2 Kc3 57.Rc6+ Kd3 58.Rd6 Kc4 59.Rg6 Rb2+ で難なくドローです。

 

56.Kf3?!

 

悪い手ではないですが、黒の応対が簡単になります。黒がより正確に指さなければいけないのは、56.h4! gxh4+ 57.Kxh4 Rd5 58.b7 Rd8 59.g5 Rb8 60.Rb6 d3 61.g6 Kc2 62.Rc6+ Kb2 63.Rd6 Kc2 64.g7 d2 65.Kg5 d1Q 66.Rxd1 Kxd1 67.Kf6 Ke2 68.Ke6 Kd3 69.Kd6 Rg8 70.Ke6 Rb8 71.Kd6 Rg8= という変化でした。最後の形は有名です。

 

56...d3 57.Ke4 Rb4+ 58.Kf5 Rb5+ 59.Re5 Rxb6 60.Kxg5 Rd6=



 

ここまでくればドローです。ルークを切らせた後、ポーンを追いかけます。

 

61.h4 Kc2 62.h5 d2 63.Re2 Kd3 64.Rxd2+ Kxd2 65.h6 Ke3 66.h7 Rd8 67.Kf6 Rh8 ½–½

 



ここまでは Kojima blogの内容そのまま


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                       NN Kojima Shinya

                               Training Game 2011

                             White to move


本譜では白は
K-side2つ目のpassed-pawnを作りましたが、黒のd-pawnの反撃が十分でした。より進んでいるb-pawnを白Kがサポートするプランがcriticalです。具体的には

 

50.Re6+(!) Kd3 51.Kf2 d4 52.Kf3 h5 53.g4 h4 54.g3 hxg3 55.Kxg3 Kd2(?)




ここまでが本譜で、分析の
56.h4! gxh4+ 57.Kxh4 Rd5 58.b7 Rd8

 

ここで 59.Rd6! です。




59...Rh8+ 60.Kg3 d3 61.Kf3

 

Ke2を止め、62.Ke4! d3のポーンを狙います。62...Re8+ には63.Kd5 からKc6に入れます。(b7のポーンがなければKe4に対して…Ke2! Rxd3 Re8+ Kd4 Rd8+ Kc3 Rc8+によるドローがあります。)

 

黒は 61...Re8 Ke4を防ぎます。




62.Rd7
には 62...Kc3! でポーンの進む道を開けます。63.Rc7+ Kd4! 64.Rc8には64...d2! が間に合います。64.Rc8の代わりに64.Kf2には64...Re2+! 65.Kg3 Rb2で黒十分です。(66.Kf3 Ke5 or 66...d2 67.Ke2 Ke5=

62.Rb6 Rb8 63.g5 63...Kc3! 64.Rc6+ Kd4 65.Rc7 Rf8+! 66.Kg4 d2で白がRを切ってb7+g7 vs Rで本譜と似た形となります。

 

62.Kf4! zugzwangです。62...Kc3 63.Rc6+ Kd4 64.Rc8 d2d1=QがチェックにならないのがKf4のポイントです。

 

62...Rg8

 

Ke4を止めるリソースが残っています。63.Re6には 63...Rb8! でドローです。

 

63.Ke5!!




Ke4
との違いはg4を取ってもチェックにならないことです。

 

63...Rg5+ 64.Kd4! Rxg4+ 65.Kc5! Rg8 66.Kc4 Rg4+ 67.Rd4 Rg8 68.Rxd3+ and White wins

 

分析の結果としては、55...Kd2 が敗着のようです。元記事の55...Rb3の以外にも、55...Kc2で黒Kがポーンの邪魔をしなければ問題ありません。56.Rc6+ Kd1 57.Rd6 には...Rb3+からd3-d2とポーンを進められます。ポーンがd3d2かは大きな違いです。


An Instructive Bishop’s Endgame

しばし自分の中で凍結していたエンドゲームの勉強を再開させました。

まずは過去に自分のゲームで現れたエンドゲームで、あまり深く検討しなかったものから。


 

      Kobayashi,A. (1726) - Baba,M. (2158)

                          Matsudo Summer 2007 (2)

                          position after 41...Kd5-e4

 

直前までの一連の手で、黒は最大限に駒をベストなポジションにもっていきました。上の局面で黒のアドヴァンテージとして挙げられるのは以下の3点。

 

双方、黒マスビショップが残っているが、白ポーンは全て黒マスで黒ポーンは全て白マス

白キングが動くと黒キングはd3f3に侵入できる

黒にはc6-c5と局面を動かす切り札がある

あらためてポジションを見ると、黒のアドヴァンテージは決定的なものであり、勝つのはそんなに難しくないように見えます。しかし、実際に勝ちに結び付けるには、トライアンギュレーション、ツークツワンク等、細かな手順が要求されます。

 

まず、黒の目指すべきポジションは次の局面図のもの。手番は白です。


 

                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

この局面はツークツワンクです。白にはビショップを動かす手しか残っていませんが、Bd2(Bc1)とすればc6-c5のブレークが、Bf2(Bg1)とすればBxf4! が入ります。実際のゲームは後者で決着がつきました。

 

42.Bf2 Bd6[Bxf4] 43.Be3 Bc7 44.Bd2 Bb8 45.Be3?! [45.Bc1] 45...Bd6! [ツークツワンク!] 46.Bf2 [46.Bd2 c5!]




46...Bxf4! 47.gxf4 Kxf4 48.Be1 Ke4 49.Bd2 f4 50.Be1 f3+ 0–1



 

黒の2パスポーンが勝負を決めます。51.Kf2として白キングでパスポーンを止めに行く手には、51...Kd3から侵入し、クイーンサイドのポーンを取って黒勝ち。

 


一番初めのポジションに戻って、白のベストディフェンスを考えてみましょう。

 

42.Bf2 Bd6[Bxf4] 43.Be3 Bc7 44.Bc1 Bb6[c5] 45.Be3 Ba7! 46.Bd2 [46.Bf2 Bb8 47.Be3 Bd6! ならツークツワンク] 46...c5!




黒の目的が達成されました。

 

47.d5!

 

最もタフな1手だと思います。47.dxc5 Bxc5 48.Bc1 (48.Be1 Be3! –+) には、



                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

48...Ba7! 49.Bd2 Bg1! 、これまたツークツワンクです。50.Be1には50…Be350.Bc1には50...Bh2 51.Kf2 Kd3ではっきりした黒勝ちの形が現れます。ちなみに、ちょっと注意しなければいけないのは、48...Bg1?! だと、49.Bd2 Bh2 50.Be1! で黒は勝つことができません。48...Ba7! 1手いれ、手番をずらすのがポイントです。

 

47.d5! g1-a7ダイアゴナルが閉じた以上、黒ビショップがこのラインにいる意味はなくなりました。局面を進展させるため、このビショップをマヌーバリングします。

 

47...Bb8 48.Bc1 Bd6 49.Bd2 Bf8 50.Bc1 b4 51.Bd2 Kxd5 52.Ke3 (52.axb4 cxb4 53.cxb4 Bg7 54.Bc1 Ke4 55.b5 Bd4–+)




52...b3!

 

局面が閉じると突破口がなくなるので、このようにポーンの形を固めるのには勇気がいります。ここでは54手目に決め手があるのを見込んで、局面を閉じます。

 

53.Bc1 Bg7 54.Bd2




54...Bd4+!!

 

決め手であり、勝つためのオンリームーブ。この手を指せないと勝てないことを思うと、明らかに優勢(or勝勢)に見えるエンドゲームも、きっちり勝ちにつなげるのは簡単ではないことが分かります。

 

55.cxd4

 

55.Ke2にはさらに美しい1手が残されています。55...Ke4 56.Bc1 Bf2!!



                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

57.Kxf2 Kd3 [ここにてようやく侵入!] 58.Be3 Kc2 59.Bxc5 Kxb2 60.Bb4 Kc2


 

                               ANALYSIS  DIAGRAM

 

これでbポーンがポロモーションして黒勝ち。

 

55...cxd4+ 56.Ke2 c3 57.Bc1 (57.bxc3 b2) 57...Ke4



 

あとはポーンを突くなりキングが侵入するなりで黒勝ちです。

 

手待ち・ツークツワンクのアイディアが多く詰まったインストラクティブなエンドゲームで、Study Materialとしてどこでも使えそうです。


Almira Scripchenko 同時対局 -リアルBehind the Scene -



前日までの準備の中で
1つ書き忘れていたことが。

 

今回の同時対局では、盤駒は主催者側で用意しました。参加者がそれぞれのセットを持参するよりも、1つの種類のセットを使うほうが統一感はあるだろうという、私の意向です。しかし、30セットをそろえるのは現実的には無理でした。頼りにしていたのは吉祥寺チェスクラブの在庫ですが、マックスで15セットしか用意できないとのこと。残り15セットは他を当たることにしました。最終的には、朝霞チェスクラブと上智のチェスクラブ+αで足りましたが、これだけのセットを会場に持ってくるには労力が必要でした。ここは太田君らに任せっきりで、私が身をもって体験したところではありませんが、盤駒の用意もこれから同時対局を開くにあたって、1つの大きな課題だと感じました。

 

さて、当日は10時に会場に行き、設営を行いました。主に力仕事を手伝ってくれたのは上智の女の子達でした(!) いろいろ机の配置を考え、余分な机を他教室に移して無事セット完了。あとは参加者が集まるのを待つのみでした。13:30からのスタートに向け、参加者は続々と集まり、Almiraさんも太田くんに連れられて来場。遅刻者がいなかった(厳密に言えばいなかったわけではありませんが)のは、運営側にとって何よりでした。

 

定刻になり、私が同時対局のルールを簡単に説明し、Almiraさんには簡単にメッセージをもらい、同時対局がスタート。同時対局中は写真を自分のカメラとAlmiraさんのカメラで撮りつつも、何か不具合が起きないかと目を光らせていました。ゲームは全て1.e4で始まりました。参加者の皆さんのゲームは、現在、篠田くんがPGNファイルにすべく入力中です。各人のゲーム終了時に、私がデジカメで棋譜を写しておいたのです。PGNファイルが出来上がったら、どこかでダウンロードできるようにしたいと思っています。

 

試合中の会場はとても静かで、皆さんのマナーも良く、だいたい全てスムーズに進みました。ただ、2点、反省点が。1つは、ドローオファーをする場合、またはドローオファーされる時のジェスチャーをルール説明の時に言わなかったこと。試合経験の浅い人が多い中、これはまずかったです。実際、Almiraさんのほうから両人差し指をクロスさせるドローオファーのジェスチャーをされた参加者の中で、戸惑った人もいたようです。もう1つは、最後1ボードになった時、どうゲームを続けるかということ。今回は三阪さんのボードが最後まで残り、Almiraさんと1 on 1になりました。時間がおしている場合は、ここでチェスクロックを使うこともありますが、(両者5分の指し切りetc)今回は事前に何も決めていなかったので、そのまま続行してもらうことにしました。

 

三阪さんのゲームがドローに落ち着き、全ゲームが終了しました。結局、Almiraさんの1756ドローでした。閉会式での感想では、Almiraさんは参加者のレベルが高かったと話していました。確かにそうだったのでしょうが、やはり5敗したことに本人は相当悔しがっていたようで、最後に私がホテルまで送り届けたタクシーの中では、いろいろと本調子ではない理由を聞かされました()

 

閉会式では、皆で&個人でAlmiraさんと記念撮影、質問タイム、サインタイムなどずいぶん長く盛り上がりました。しかし、次の日、羽生さんとのマッチがあるため、早めのお開き。私はAlmiraさんをホテルに届けたあと、打ち上げ組に合流。盤駒の返還など、仕事はまだ残っていましたが、この時点で私の中ではすっかりこのイベントは終了していました。あとは飲むだけ...

 

最終的な収支は、

 

¥ +  92,000 (参加費計)

¥ −100,000 (謝礼)

¥ −    3,000 (タクシー代等諸経費)

----------------------------

¥ −    9,000

 

で、12回の飲み会で調整できそうな額の赤字に収まりました!

 

今回の同時対局では、多くのことを学ばせてもらいました。そして、今後また同時対局の機会があったら、オーガナイザーの方は今回私が具体的に出した数字を参考にして頂けたら幸いです。


Almira Scripchenko 同時対局 -リアルBehind the Scene -



同時対局アナウンス後、しばらくはエントリーメールが来るのを待ちました。また、篠田くんや太田くんには、学生に呼び掛けてくれるよう頼みました。

 

私の想定していたこのイベントの対象者は、主に15002000の中級層でした。2400台前半というAlmiraさんのレイティングを考えると、2000+にゴロゴロ参加されるわけにはいきませんでした。30面の同時対局では、同時対局する側と参加者の平均レイティングがだいたい600離れていると、バランスが良いのではないかと考えていました。そのため、2000+のプレーヤーにはあまり声をかけなかったのです。しかし、意に反して真っ先に申し込んできたのは2000+の人でした...

 

さて、エントリーメールを持っていてもなかなか来ません。自分からチェス関係者にメールを出したりソラマチで営業活動したりするなど、人集めの努力はしてみたものの、イベント1週間前の9/23の時点でのエントリー人数は13人と、かなり危機的な状況でした。このままだと5万円以上の赤字を一人で背負いこまなければいけなくなると危惧した私は、金銭的な補助を申し出るヘルプメールを仲間内に出しました。快諾してくれた人もいれば、イベントのあり方についての見直しを求める人もいました。しかし、すでに申し込んでいる人がいますし、何より一度受けた仕事を最後までやり遂げることが自分の最低限の役目だと考えたので、イベントのキャンセルはしない方向で押し進めました。そして仲間内に胸中を告白したのが吉となったか、そのあと皆さん、一生懸命人集めに勤しんでくれました。9/24には16人、前日の9/28には25人と、大きく参加者が増え、最終的には28人と、ほぼ定員に達しました。この間に色々と動いてくれた人たちにはこの場で感謝します。

 

さて、同時対局当日にAlmiraさんを滞在先のホテルから会場の上智大学にまで連れてくる役目はピノーさんの予定でした。しかし、前々日の9/27に、突然ピノーさんから太田くんにメールが... 「当日、急用が入り、Almiraさんを連れていくことはできなくなった」とのこと。これはあまりに想定外のことでした。もしAlmiraさんを会場に連れてくることができなかったら、これまでの努力が水の泡です。誰がどう迎えに行くかを話し合っていたら、前日の9/28に、太田くん、ピノーさん、Almiraさんの3人で顔を合わせる機会ができ、協議の結果、太田くんが迎えに行くことで一件落着。

 

Almiraさんの滞在先は、六本木のANAインターコンチネンタルホテルでした。この時ようやく、Check Mate at Tokyoの後援にANAインターコンチネンタルホテルの名前が入っていた理由が分かりました。今回、幸いにも滞在先が会場に近く、迎えと送りはタクシーにしました。片道1,070円。Shortのイベントの時は、北千住から麻布まで8,000円かかったことを思えば安いものでした。ちなみに、あの時はShortのタクシー代が経費に含まれていませんでした...

 

前準備は終了。あとは当日を残すのみです。

 

To be continued


Almira Skripchenko 同時対局 -リアルBehind the Scene-



同時対局の件をピノーさんから持ちかけられたのは
8/29のことでした。Almiraさんは日本に長期滞在するが、メインイベントであるCheck Mate at Tokyoのイベントとしての特性上、一般のプレーヤーが彼女と直接触れ合う機会はここしかないとのこと。私は同時対局を開催した経験はありませんでしたが、この機会ですからやろうと決め、すぐさま快諾しました。この時は赤字物件の受注とは知らないまま...

 

準備期間は1ヶ月程度と短工期。それなりに余裕があるように見えますが、すぐにアナウンスしなければ参加希望者の皆さんに先に予定を入れられ、人が集まりません。とりあえず同時対局の日程を9/29(土)に決め、会場取りを急ぎました。そして、会場取りの段階から一緒に動いてくれる人材を探しました。この手のイベントを一人でやるのは無理です。しかし、ちょうどこの頃、オリンピアード期間真最中だったため、頼りになるオリンピアードメンバーには相談できずにいました。そこで初めは学生チェス連盟代表の篠田くんと進める予定でしたが、SophiaチェスサークルOBの太田くんにもピノーさんから同時対局の話がいっていたので、彼と話し合って準備を進めることに。

 

今回、ネックだったのはAlmiraさんへの謝礼でした。ピノーさんから提示された額は10万円。同時対局の謝礼としては至ってスタンダードでありますが、決して参加者から集めるのは容易ではない金額です。今年4月に開かれたShortの同時対局の時の経験から、参加者の上限人数は30人程度だろうと考えていました。あの時は30人で全てのボードで決着がつくまで6時間かかりました。そのくらいの時間が大人数を相手にする側にとって体力的にも知力的にも限界だと思います。参加者30人と考えると、参加費が一人当たり5,000円はないと黒字経営にはなりません。しかし、参加費5,000円で果たして人が集まるかどうかは甚だ疑問だったので、一般4,000円、女性学生3,000円に料金を下げました。こうなると、30人フルに人が集まるとして、一般参加者が10人いて、ようやく10万円集まることになります。

 

不足分は運営側で補わなければいけなくなりますが、仕方ありません。Almiraさんと直接交渉できるなら、いくらかディスカウントしてもらうことも可能だったと思いますが、今回はピノーさんを挟んでのやり取りでしたので、これは無理でした。思えばここが第一の失敗でした。運営側は直接、プレーヤーと交渉すること。これはどんなイベントを開くにせよ、鉄則でした。あとでも同様に後悔することがありました。そして、ユーロ安の今、10万円相当の1000ユーロで謝礼を支払えば、両替料を含めても10万円を切り、経費削減できたのではないかと考えています。しかし、少なくともあの頃はそんなことに頭が回っていませんでした。これも反省点。

 

赤字物件でこれ以上赤字を増やさないためには、謝礼以外の部分で経費削減するしかありません。まずは会場代。一般の施設では料金が発生しますので、主に料金無料の大学の施設を探すことに。これは全面的に太田くんに任せました。ただ1点、会場の広さだけは私から注文。Shortの時の会場が166屬如▲妊奪疋好據璽垢鮃洋犬垢襪函30面指しにはだいたい120130屬旅さが必要だと算出。結局、1回部屋を取り直し、129屬把螳150人の部屋を確保しました。「30面指しだからちょっと余裕を見て50人部屋〜♪」とすると失敗することがここで分かると思います。さらに太田くんは、検討部屋兼控え室と対局会場のイスと机を移動させるための部屋も各々取ってくれました。こちらは59人部屋で、これがないと大変なことになっていました。あらためて感謝。

 

一通りアナウンスの内容をまとめ、9/10に、ここBehind the Sceneで告知を出しました。

あとはすべてうまくいくと願って...

 

To be continued


Which is correct? -同時対局から-

Almiraさんの同時対局では、参加者の皆さんに棋譜を提出してもらいました。(正確に言うと、私がデジカメで写したのですが)

 

現在、解読作業を進めています。これがなかなか難解(笑)

あらためてゲームを見返してみると、勉強になることや面白い発見が随所に見られます。特に次の例。

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bc4 Bc5 4.b4 Bxb4 5.c3 Be7 6.d4 Na5 7.Nxe5 Nxc4 8.Nxc4 d5 9.exd5 Qxd5 10.Ne3



 

Almiraさんはメインラインプレーヤーというわけではなく、かなりトリッキーなオープニングを好んで指します。このEvans Gambitもその1つです。この同時対局では、この局面が3ボードで現れました。(!)おそらく、3人が共同研究をしていたわけではないと思うので、驚きです。しかし、注目すべきは、このあと3人がそれぞれ違うクイーンのマスを選択したことです。

 

Skripchenko,Almira

Uchida,Narumi

 

10…Qd6



 

[内田さんはd6のマスを選択。一見、Ba3Nc4で狙われる危ないマスに見えますが、g6に振ったり、本譜のようにf4に行ったりして白キングを直接狙うアタッキングな1手です。]

11.0–0 Nf6 12.c4 0–0 13.Bb2 Re8 14.h3 Qf4! 15.Nd2 Bd6 16.Nf3




16...Bxh3?
[私もこの手を考えていました。17.gxh3? Rxe3 18.fxe3 Qg3+ 19.Kh1 Qxh3+なら少なくとも黒はドローにできます。しかし、次のAlmiraさんの手を見落としていました。] 17.c5! [強力なintermediate moveです。このあと、黒は駒損となり、厳しくなります。16...Bxh3? の代わりに16...Rxe3! は可能で、17.fxe3?! (17.Bc1 Rxf3 18.Bxf4 Rxf4はクイーン vs 3ピースで黒が指しやすいが、おそらくこれが白のベスト。) 17...Qxe3+ 18.Kh1 Ne4 19.Ne5 Ng3+ 20.Kh2 Nxf1+ 21.Qxf1 Be6はほぼ強制手順で黒が良くなります。惜しかったですね、内田さん。] 17...Rxe3 18.fxe3 Qg3 19.Qe2 Bf8 20.Qf2 Qxf2+ 21.Rxf2 Be6 22.Nd2 Bd5 23.Re1 Re8 24.a3 Ne4 25.Nxe4 Bxe4 26.Bc3 g6 27.Ba5 Re7 28.Rd1 Bd5 29.Re1 Bg7 30.Rd2 Kf8 31.e4 Bxe4 32.Bxc7 Rxc7 33.Rxe4 Re7 34.Rxe7 Kxe7 35.d5 Be5 36.Kf2 f6 37.Ke3 h5 38.Ke4 Kd7 39.Rd3 h4 40.Rh3 Bg3 41.Rh1 f5+ 42.Kd4 g5 43.Rf1 Bf4 44.Rb1 Kc7 45.Re1 Kd7 46.Re6 Bc1 47.Rg6 Kc8 48.Ke5 Bxa3 49.Rg8+ Kc7 50.d6+ Kc6 51.Rc8+ Kd7 52.Rc7+ Kd8 53.Ke6 Bxc5 54.Rxc5 1–0

 

Skripchenko,Almira

Umayabara,Go

 

10...Qd7




[
馬屋原くんの選んだのはこの何とも中途半端なクイーンの引き方(笑) アイディアとしては、白マスビショップをb7に置こうというもの。b7-b6と突いたときに、Qa4+を指せないようにするための1手です。私だったら絶対に指せない1手です。] 11.0–0 Nf6 12.c4 0–0 13.Bb2 b6 14.Qd3 Bb7 15.Nd2 Rfe8 16.a3 Ng4 17.Nf5 Bg5 18.d5 Ne5 19.Bxe5 Rxe5 20.Nd4 Rae8? [これはブランダーです。エクスチェンジが落ちます。] 21.N2f3 Bf6 22.Nxe5 Bxe5 23.Rae1 c6 24.Nf3 Bd6 25.Rxe8+ Qxe8 26.Re1 Qd7 27.dxc6 Qxc6 28.Rd1 Bf8 29.Qd7 g6 30.Qxc6 Bxc6 31.Ne5 Ba4 32.Rd8 Kg7 33.Ra8 a5 34.Ra7 Be8 35.a4 Bc5 36.Nd7 Bxd7 37.Rxd7 Kf6 38.Kf1 Ke6 39.Rd5 h5 40.Ke2 f6 41.f4 Bg1 42.Rb5 Kd6 43.g3 Ke7 44.h3 Kd6 45.Kf3 Bc5 46.g4 hxg4+ 47.hxg4 Ke6 48.Rb1 g5 49.Re1+ Kf7 50.f5 Bb4




[
ほとんど白勝ちのこの場面で事件は起きました。同時対局開始から5時間が経過し、Almiraさんは疲れ果てていました。特に、日本に来てからジェットラグに悩まされ続けているようで、毎朝4時には起きてしまう生活をしていたとのこと。] 51.Ke4?? Bxe1 0–1 [チェスは時に悲しい...]

 

Skripchenko,Almira

Shinoda,Taro

 

10...Qd8




[
篠田くんが選んだのは最も自然で安全なd8へのクイーン引き。堅実でいいと思います。ここからの指しては篠田くん自身が「自分でも満足している」とのこと。しっかりとアドヴァンテージを積み上げる指し方に見えました。] 11.0–0 Nf6 12.c4 0–0 13.Bb2 c6 14.h3 b5 15.cxb5 cxb5 16.Qd3 a5 17.d5 Bc5 18.Rd1 b4 19.Nf5 Bxf5 20.Qxf5 Ra6 21.Nd2 Rd6 22.Ne4 Nxe4 23.Qxe4 Qb6 24.Rd2 Rfd8 25.Rad1 f6 26.Qf3 a4 27.Kh1 Qb5 28.Qe4 Re8 29.Qg4 b3 30.a3 Re7 31.h4 Qe8 32.h5 Re4 33.f4 Be3 34.Re2




34...Rxf4!–+ 35.Rxe3
[35.Qxf4 Qxh5+ 36.Qh2 Qxe2 37.Qxd6 Qxd1+ 38.Kh2 Bg1+ 39.Kg3 Qd3+ -+] 35...Qxe3 36.Qc8+ Kf7 37.Qc7+ Qe7 38.Qc3 Rh4+ 39.Kg1 Qa7+ 0–1

 

結局どこに引くのが正解だったのかは分かりません!

 

おそらくどれも可能な手だと思います。(←無責任) こんなところでも皆それぞれ違うプランがあるというのが面白く感じた次第です。


★おまけ★

 

ちなみにAlmiraさんの夫であり、フランスのトップGMの一人であるFressinetの最近のゲームにもこの局面が現れました!黒のEfimenkoが選んだのは....
 

10...Qa5




11.0–0 Nf6 12.c4 0–0 13.Bd2 Bb4 14.Bxb4 Qxb4 15.Qd3 b6 16.Nc3 Bd7 17.Rfd1 Rad8 18.a4 a5 19.h3 Qd6 20.Rac1 Rfe8 21.c5 bxc5 22.dxc5 Qxd3 23.Rxd3 Rb8 24.Rcd1 Bc6 25.Nc4 Rb4 26.Nxa5 Bxa4 27.Rd4 Rxd4 28.Rxd4 Re1+ 29.Kh2 Be8 30.Nb3 ½–½ [Fressinet,L - Efimenko,Z Tata Steel GMB 2011 (2)]

 

皆さんはどの手が好みでしょう?


Vachier Lagrave’s Best Game

以前、New In Chess MagazineGM Vachier Lagrave自身が自分のベストゲームと明言したゲームを紹介します。チェス史上に残る鮮やかなキングハントです。

 

Fontaine,Robert (2567)

Vachier Lagrave,Maxime (2595)

FRA-ch Aix-les-Bains 2007 (10)

 

1.Nf3 f5 2.d4 Nf6 3.g3 g6 4.Bg2 Bg7 5.0–0 0–0 6.c4 d6 7.Nc3 Nc6 8.b3 e5 9.dxe5 dxe5 10.Ba3 e4!? [序盤早々にエクスチェンジを切り、ゲームを怪しくさせます。] 11.Bxf8 Qxf8




12.Nd4 Nxd4 13.Qxd4 Be6
[狙いはNf6-d5からc3のナイト取り] 14.Qd2 h5!? 15.Rad1 h4 16.Qg5 Kf7!? 17.Qf4 [17.Qxh4だったらどうなったでしょう?] 17...Qc5 18.Nb5 hxg3 19.hxg3 Rc8 20.Nd4 Bd7 21.g4 [これはリスキーに見えます。] 21...Nxg4 22.Nxf5 Bxf5 23.Rd5




23...Qxd5!!
[強烈なカウンターブローです。] 24.cxd5 Be5 25.Qc1 Bh2+ 26.Kh1 Rh8 27.Qc4 Bd6+ 28.Kg1 Bh2+ 29.Kh1 b5! 30.Qxb5 [白クイーンの紐がなくなったことに注目] 30...e3! 31.Bf3 [31.fxe3? Bf4+ 32.Kg1 Bxe3+] 31...Nxf2+ 32.Rxf2 [32.Kg2 Bh3+ 33.Kxh2 には33...Bxf1+ではなく、33...Bd7+! でクイーンを落として勝ち] 32...exf2 33.Kg2 Bg1! 34.Qc6 Rh2+ 35.Kg3




35...f1N+!!
[キングハントを完成させるアンダープロモーション] 36.Kf4 Rh4+ 37.Kg5 Be3+! 38.Kxh4 g5+ 39.Kh5 Ng3+ 0–1 [40.Kh6 g4#!!! Just Amazing] 


 


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