全日本選手権2016

過去最高レベルと見られた今年の全日本選手権が閉幕しました。昨年、優勝したトーナメントでFIDEレイティングが+11だったのに対し、今年は入賞しなくとも+30。これが大会のレベルを物語っていると思います。今回は上位陣の潰し合いで、トーナメント・リーダーが毎ラウンドのように変わる波乱の展開でしたが、最終的には優勝候補最有力と見られていたTuさんの単独優勝で終わりました。あらためてTuさん、Congratulations!
 
今大会では、事前byeの管理が徹底されていたため、これまで問題となっていた不戦勝のような事態は一切ありませんでした。しかし、代わりに時計のトラブルが多かったことは今後の運営に課題を残したことになりました。トラブルの原因は設定ミス・時計が古く感度が悪かったなど、いろいろあると思いますが、アービターだけで判断できないような事態になった時もありました。そんな時、問題を解決するのに、実際に全日本に参加しているプレーヤーで組織されるAppeals Committeeのような裁定機関があっても良いのかなと個人的には思ったりもしました。
 
さて、私はと言うと、今回はハードな相手の連続で、とても緊迫したゲームが続きました。敗れたIM2試合は、どちらも相手の指し回しが完全に上回っていました。特に最終ラウンドの小島戦は、彼のページに解説があるように、なかなか日本ではないような美しい負けでした。負けはもちろんありましたが、大会を通じてそれなりのパフォーマンスは示せましたし、思い出に残るようなゲームはできました。今回のベストはイングランドのベテランFM Andrew Lewisさんとのゲームです。私のゲームでは珍しく、難しいエンドゲームに突入しました。
 
Lewis,Andrew (FM,2267)
Baba,Masahiro (2232)

Japan Ch. 2016(9)
 
[このゲームの時点でAndrew6.5Pで首位を走っていました。すでにAndrewは上位陣とほとんど当たり尽くしていたため、このゲームに勝つことができれば優勝も現実的なものになっていたことでしょう。そんな大会のシチュエーションの中、1番ボードでのゲームです。]
1.Nf3 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.Qa4+

[メインに準備していたのは5.e4 Nxc3 6.dxc3 Qxd1+ 7.Kxd1 f6 8.Be3 e5 9.Nd2 Nd7でした。外されはしたものの、この手も経験ありなので動揺はしません。]
Andy1.gif
5...Nc6 6.Nxd5!?
ここでは6.Ne5と入るのが一般的ですが、正しいディフェンスをすれば、黒がイコアライズするのはそう難しくはありません。本譜はセンターにポーンを並べるグリュンフェルドの主流のプランです。]
6...Qxd5 7.e4 Qa5
[
ゲームの早い段階でクイーンを交換しにいくのは好みではありませんが、クイーンの引き場所に自信がなかったので、ぶつけにいきました。]
8.Qxa5 Nxa5 9.d4 Bg7 10.Bf4

[c7をアタックする強い手に見えますが、私は10.Be3のほうが自然だと感じました。黒はc7のポーンを守る必要がありません。]
Andy2.gif
10...00! 11.000
[11.Bxc7 Nc6 12.Rd1 (12.d5 Bxb2) 12...Bg4 13.d5 Rac8なら、展開でだいぶ黒が有利です。1ポーンの代償も十分あります。白の0-0-0は有りですが、0-0に比べるとリスキーに見えます。]
11...Bg4 12.Be2

[12.d5 b5!?]
12...Nc6 13.d5 Bxf3 14.Bxf3 Nd4 15.Rd3 e5

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[白のセンターをc7-c6で崩しにいきたいのですが、すぐに15...c6だと、16.dxc6 Rac8 17.c7 e5 18.Rxd4!? exd4が可能です。]
16.Be3 c6 17.dxc6 Rac8 18.Rc3 Nxc6 19.Bc5 Bh6+ 20.Kb1 Rfd8 21.Bg4 Ra8 22.Bd1 Rd2 23.Bb3 Nd4?
[f2をアタックするために、黒マスビショップのラインを閉じにいきます。ただ、白の25手目を見落としていました。23...Rad8dファイルのコントロールを強めるのが正しい手筋だと思います。]
24.Bxd4 exd4

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25.Rf3
[本譜はダイレクトでアタッキングな手ですが、ここは25.Rc2!±というクールな1手がありました。7thランクに侵入した唯一アクティブな黒駒を換えられてしまうと、白のアドバンテージがはっきりします。25...Rxc2 26.Kxc2 Rc8+ 27.Kd3で、白はg3-f4-e5とポーンを突いて、黒マスビショップを抑えにいければ白の勝ちは近いです。]
25...Rf8 26.Re1

[
少し期待していたのは、26.Rc1? Re2 27.Rc7 Re1+ 28.Kc2 Rc1++]
26...Kg7?!

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[ここはチャンスで、26...d3! と突けば十分勝負できていました。ロングダイアゴナルを開いてb2を狙いにいきます。ポイントは、27.Bc4 Bg7 28.e5のとき、28...Bxe5! があることです。(29.Rxe5? Rd1#]
27.e5!
[f7の弱点を固定する好手]
27...Bg5 28.g3 h5 29.h4 Bh6?!

[なぜ将来性の少ないほうに引いたのか自分でもよく分かりませんが、29...Be7 30.Rc1 Re2 31.Rc7 Rxe5 32.Rxb7も苦しいことに変わりありません。]
30.a3 b5 31.Rd1

[
一瞬、f8のルークをフリーにしてくれるので、この手には助けられました。31.Rc1! Re2 32.Rc7 Rxe5 33.Rxa7±なら、29手目のコメントのラインのように、黒はf7のディフェンスから解放されません。]
31...Rxd1+ 32.Bxd1 Rc8 33.Bb3 Rc7

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34.Rf6?
[これは白の大きなミスと言えるミスでした。白は次にf4を突いてから、Rd6に回ってしまえば簡単に勝ちですが、このプランを防ぐ強力な1手がありました。正しくは、34.Rd3f2-f4を目指し、まだ白が優勢です。]
34...Bd2!

[
e1から白の3つのキングサイドのポーンを狙います。今度は逆に白ルークがf2のポーンの守りに縛られることになります。]
35.Rf3 a5 36.e6 fxe6 37.Bxe6 Be1 38.Bd5

Andy7.gif
[
この手とともに
Andrewからドローオファーが来ました。ここまでのゲームの流れを考えれば、ドローは十分満足できる結果ですが、よくポジションを観察すると、ルークのアクティビティーの差から黒にチャンスがあることが分かります。ここから30分が加算される40手まで時間落ちしないように気を付け、時間が増えた41手目で勝負をかけます。]
38...Rc5 39.Be4 Rc7 40.Bd5 Rd7 41.Bc6 Rf7! 42.Rxf7+ Kxf7 43.Bxb5 Bxf2
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[ルークを交換して黒にチャンスのあるエンディングに持ち込みます。ただ、この異色ビショップを勝ち切るにはまだまだ先は長いです。]
44.g4!
[Andrewはここで時間をかけて、もっとも粘れる手を指してきました。このあたりの判断に、彼のベテランらしさが感じられます。]
44...hxg4 45.Kc2 Kf6 46.Kd3 Ke5 47.Be8 Bxh4 48.b4!

[48.Bxg6 g3 49.Be4には、本譜と同じように、49...a4! と突きます。50.Bc6 Bf6 51.Ke2 Kf4 52.Bxa4 d3+ 53.Kf1 Bxb2 54.Bb5 d2 55.Ba4 Bxa3で黒勝ちです。]
48...g3 49.Bc6

[49.Ke2? g2]
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49...a4!
[この手がポイントです。間違って49...axb4 50.axb4だと、白にb7までポーンを進められ、黒はb8のマスを常に抑えておかなければいけないので、前に進めず、勝ちの希望は消えます。]
50.Ke2 Kd6!
[
白ビショップをa4-e8のダイアゴナルから外します。51.Bxa4 g2はプロモーションが止まらないため、白ビショップはh1-a8ダイアゴナルから動けません。このあたりで、h4のビショップはgポーンのプロモーションと相性が良いことに気付きます。実際、これがあとで黒が勝つ重要なカギとなります。]
51.Be4 g5 52.Kf3

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52...g2!
[gポーンに重なったパスポーンは1つ捨て、ビショップのラインを開いてキングサイドのポーンを狙いにいきます。]
53.Kxg2 Be1 54.Bc2 Bxb4! 55.Bxa4

[55.axb4 a3 56.Bb3 d3 57.Kf3 g4+は黒パスポーンが止まりません。]
55...Bxa3
+
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[こうして2ファイル離れた2パスポーンの異色ビショップエンディングとなりました。この形はたしかドローがあったような気がしたのですが、それはビショップの色が逆だった場合です。つまり、g1を白のビショップがコントロールできる場合はドローにするディフェンスがありますが、この場合、白のビショップは白マスなので、g1をコントロールできません。さらには、先に白がd3のマスをキングで抑えることができればドローになりますが、きっちり1手先に黒がd3を抑えにいけます。黒が勝ちにいく条件はすべてそろっていて、あとは正しいプランを見つければ勝てます!]
56.Kf3 Kc5 57.Ke4 Kb4 58.Bd1 Kc3
[黒キングのベストポジションです。これ以上dポーンを突かせるわけにはいかないので、白ビショップはf1-a6ダイアゴナルから離れることはできません。]
59.Be2 Bd6 60.Kf5 Be7 61.Ke4 Bd8 62.Ba6 Bf6
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[なんとかgポーンを進めたいところですが、具体的にどう進められるか分かっていませんでした。ここで唯一、黒が局面を進展させられる手があります。それは、62...Bc7 63.Kf5 Bf4 64.Ke4 Bg3! 65.Kf3 Bh4!
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ANALYSIS  DIAGRAM
これでどちらかのポーンを進めることができ、黒勝ちです!]
63.Bb5 Kd2
[まだ勝ちは逃していませんが、黒キングがパスポーンの前に入るのは正しくありません。勝つためにはミスを認め、次にc3に戻らなければなりません。]
64.Kf5?
[
時間切迫の中、ここでAndrewにミスが出ました。]
64...Ke3!
[
ビショップを捨ててもパスポーンが止まらないことを確認し、フィニッシュの1手を決めます。]
65.Kxf6 g4

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[最後は「Congratulations」という言葉とともにAndrewが手を差し伸べてきました。日本語で言う「おめでとう」という意味合いではないと思いますが、相手のプレーを褒め称えてリザインするというのはなかなかできないこと であり、最後まで紳士のプレーを見せられました。彼とはまたどこか対戦したいですし、日本でもっとプレーしてもらいたいですね。] 01

 

IM南條遼介 同時対局@名古屋

【日時】201636日(

【会場】名古屋市芸術創造センター (6F会議室)

【形式】同時対局(定員30名)

【参加資格】チェス愛好者(基本ルールの分かる方)

【参加費】2,000円(18歳未満1,000円/小・中学生無料)当日払い

【スケジュール】

13:00 開場

13:30 対局説明

13:40 対局開始(対局棋譜解説)

19:00 終了

【備考】棋譜記録の分かる方は記録をして頂きます。

【申込締切り】201635日(土) (定員になり次第締め切ります)

【申込先】名古屋チェスクラブ(堀江)


IV League 2016/1

2016年の指し始めはIVLで。上位ランカーを抑え、4.5Pで優勝。幸先の良いスタートとなりました。今回は2ゲーム紹介します。
 
Habu,Yoshiharu (FM,2418)
Baba,Masahiro (2305)

IV League 2016(2)
 
1.d4 Nf6 2.Bg5 c5 3.Bxf6 gxf6 4.d5 Qb6 5.Qc1 d6 [オープニングは昨年のWorld BlitzでのCarlsen-Ivanchukに倣ってアグレッシブなラインをチョイス]
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6.c4 Bg7 7.Nc3 f5 8.Nf3 Nd7 9.e3 Ne5 10.Nxe5 Bxe5 11.Bd3 Bd7 12.00 000 13.Rb1 Rdg8 14.Qc2 e6 15.a3 Qd8
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16.f4! [静かに仕掛けたメイティングスレットは軽くかわされます。16.b4? Bxh2+! 17.Kxh2 Qh4+ 18.Kg1 Rxg2+ 19.Kxg2 Rg8+ 20.Kf3 Qg4#] 16...Bxc3 17.Qxc3 Qe7 18.b4?! [羽生さんは次の黒の手でe3のポーンを浮くのを見落としていたとのこと。18.Rbe1としておけば問題ありません。] 18...exd5 19.Rbe1 dxc4 20.Qxc4 Kb8 21.bxc5 dxc5 22.e4 Bc6 23.g3
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[ここが自分にとってクリティカル・ポジションでした。1ポーンに固執して23...fxe4 24.Bxe4 Bxe4 25.Rxe4 Qc7でセンターを開くと、26.Rfe1あたりで白が主導権を握ります。アドバンテージを失わないよう、どう指すか考え、次の一連の手筋を思い付きました。自分からe4ポーンを触らなければ、h1-c6ダイアゴナルビショップの道が開きます。] 23...h5! 24.exf5 Qh4! [Rxg3+] 25.Re3 Qh3 [Qg2#] 26.Rf2 h4 [just timing!] 27.Bf1 Qxf5 28.Bg2 hxg3 29.Rxg3 Rxg3 30.hxg3 Bxg2 31.Rxg2 [31.Kxg2 Qh3+ 32.Kf3 Qh1++] 31...Qb1+ 32.Kf2 [32.Qf1 Rh1+]
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32...Re8 33.Rg1 Qb2+ 34.Kf3 f5 35.Rd1 Qxa3+ 36.Kg2 Qb2+ 37.Kg1 Rh8 38.Qxc5 Qh2+ 39.Kf1 Qh1+ 40.Ke2 Rh2+ 01 [41.Ke3 Qe4#. 23手目以降、最後までflawlessだったと思います。]
Tro5.gif

Baba,Masahiro (2305)
Yamada,Kohei (2223)

IV League 2016(5)
 
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 Be7 8.Qf3 Qc7 9.000 Nbd7 10.Bd3
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[10...b5 or 10...h6のチョイスの分かれ目] 10...h6 11.Bh4 g5 12.fxg5 Ne5 13.Qe2 Nfg4 14.Nf3 Nxf3 15.gxf3 hxg5 16.Bg3 Ne5
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17.h4! [1ポーンを捨て、アタックを目指します。] 17...gxh4 18.f4 Nxd3+ 19.Rxd3 Bd7 20.Bf2 b5?! [黒はキングを中央に残したまま戦うことを選択。20...000 には21.Nd5! exd5 22.Rc3 Bc6 23.exd5があるので、なかなかキャスリングしにくいですが、やはりロングキャスリングを目指して20...Bc6と指すべきだったのではと思います。] 21.Bd4 Rg8 22.f5 Bg5+? [これは余計なチェックでした。逆にg5のビショップがターゲットになります。] 23.Kb1 b4 24.fxe6 fxe6 25.Qh5+ Kd8
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26.Rg1! Qa5 [26...bxc3 27.Rxc3!] 27.Bf6+ Kc7 28.Rxg5 Rxg5 29.Bxg5 Qc5 [29...bxc3? には30.Bd8+!a5のクイーンを引き抜いて勝ち。しかし、29...Qe5でも30.Qxh4! bxc3 31.Rxc3+ Kb7 32.Qh7で白のアタックが決まってしまいます。ピースアップであとはバックランクでの反撃を許さないよう注意して指すだけです。] 30.Qxh4 Rb8 [bxc3] 31.Be3 Qe5 32.Ne2 Rh8 33.Qg4 Bb5 34.Bf4 Rh1+ 35.Nc1 10
Sci4.gif
 
 

2015総括

今年もあと残りわずかとなりましたので、2015年の総括です。
 
2015年の戦績は以下の通り。
 
========================
試合数:72試合(□35 37
結果:(勝ち41 負け19 ドロー12
勝率:65.3%
========================
 
試合数は代替目標数(月6ゲーム×12月)であり、アクティブにプレーを続けた1年でした。今年はどのトーナメントでも当たりがきつく、勝率は7割を下回りました。それだけ国内のトッププレーヤーと当たり続けた証拠だと思います。
 
2013年から2014年はチェスから離れていたため、2015年はカムバックの年となりました。この2年間に日本からIM2人誕生したり、若い人たちの成長・台頭があったりして、日本チェス界の雰囲気も少し変わり、プレーに戻るのが楽しみでした。
 
2012年から2015年は、後生の指導もせず、普及活動もせず、ただただ自分がレベルアップしていくために時間を費やしました。しばらくこのスタイルを続けていきたいので、2016年も引き続き、自分のレベルアップの年にしたいと思います。
 
それでは皆様、良いお年を!

IV League 2015/12

先週、今年最後のIVLが開催されました。おそらく今年の最後の試合となる最終ラウンドは、シャープなナイドルフのゲームになりました。
 
Habu,Yoshiharu (2415,FM)
Baba,Masahiro (2305)

IV League 2015(5)
 
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Be3 e5 7.Nb3 Be7 8.f3 Be6 9.Qd2 00 10.000 Nbd7 11.g4 b5 12.g5 b4 13.Ne2 Ne8 14.f4 a5 15.f5

15...Bxb3 16.cxb3 a4 17.bxa4 Rxa4 18.Kb1 Rxa2! 19.Nc1! Ra8 20.Nb3 Qb8 21.Bc4 Nb6

[ここまで全て2012年のRocca PrioraでのCarnicelliとのゲームと同じであり、セオリー通りです。18...Rxa2に対して19.Kxa2と取るとどうなるかなど、オープニングの詳しい解説は、http://chessplayer.jugem.jp/?eid=792にあります。次の手で上記ゲームの継続手から外れ、どう指していくか、自分の頭で考えることになります。] 22.Qxb4 Nxc4 23.Qxc4 Qb7 [e4を狙いつつ、bファイルからに大駒を重ねてのアタックを見据えて、b8のマスを空けることにしました。] 24.Rhg1 d5!

[白はキングサイドからのアタックの準備を整え、次のf5-f6がスレットになっています。ここは急ぐ必要があると感じ、ポーンを捨て、黒の悩みの種であるe8のナイトをプレーに参加させます。このd6-d5のサクリファイスは、このラインでしばしばカギになる手で、突くタイミングをずっとうかがっていました。] 25.Rxd5 [25.exd5? Nd6 26.Qd3 Rfb8は一瞬で黒が勝ちます。また、25.Qxd5 Qa6aファイルのチェックから攻めが続く予感がしていました。] 25...Nd6 26.Qd3 Rfc8 [26...Nxe4?! 27.Qxe4 Qxb3ですぐにポーンを取り返しにいく手がありますが、白はすぐにナイトを取る必要はありません。代わりに27.Rxe5!で白良しです。] 27.f6 [27.Rxd6 Bxd6 28.Qxd6 Qxe4+があるので、白はd6のナイトを取れません。] 27...Bf8? [27...Nxe4! 28.fxe7 Nc3+! 29.Qxc3 Qxd5

ANALYSIS  DIAGRAM
これで形勢不明の良く分からないポジションにするというのが黒のベストだということですが、とても読み切れません。] 28.Rc1?! [ここが白のチャンスで、28.fxg7! Be7 29.Rc1±]

28...Rcb8! [b2でのメイトがあるので、b3のナイトはどこにも行けません。しかし、白はナイトを守らなければいけなくなり、トラブルに陥ります。] 29.fxg7 Kxg7 30.Rc3 Nb5 31.Rc2? [ここは31.Rxb5として駒損覚悟で黒ナイトを消しにいかなかなければいけないところでした。しかし、31...Qxb5 32.Qxb5 Rxb5で、白ポーンも弱いので、じわじわとやっておそらく黒が勝つ局面です。]

31...Na3+!+ 32.bxa3 Rxa3 33.Rc3 Rxb3+ 34.Kc1 Rxc3+ 35.Qxc3 Qb1+ 01

[2015年という素晴らしい1年を締めくくるのにふさわしいゲームでした!]

クラブ選手権 2015

麻布の1つ上の先輩である井上さんから声がかかり、今年は麻布OBチームで参戦しました。今回、麻布OBチームはもう1チームありましたが、そちらは小林厚彦君がチーム編成し、我々のチームとは、まったく別の動きをしていました。(そのチームの当初、予定していた1番ボードが病欠で休んでくれたのは、本人には申し訳ないですが、我々のチームにとっては嬉しい誤算でした。)
 
塩見さんをゲストに、あとは麻布OBで固めて1日目は順調に3連勝。優勝候補と見られていた麻布OBに勝っての3連勝だったので、チーム内の士気も上がり、2日目へ。R.4が山場で、慶応OBチームと対戦。あとにチームメイトがチームのハイライトと称してくれたゲームを紹介します。
 
Kojima,Shinya (2465,IM)
Baba,Masahiro (2297)

Club Ch. 2015(4)
 
1.Nf3 Nf6 2.c4 g6 3.d4 Bg7 4.g3 d5 5.cxd5 Nxd5 6.Bg2 00 7.00 Nc6 8.Nc3 Nb6 9.e3 Re8 10.Nh4!? [この手は自分の中で初めてだったので、ここから考えます。過去、試合経験があるのは10.Re1のみです。]

10...a5 [クイーンサイドのスペースを拡げる1手。過去の試合経験から学んだアイディアです。9...Re8との一貫性を考えると、ここで10...e5と突くのが自然に見えますが、11.d5と突かれると黒が指しにくくなります。] 11.f4 [こうして黒のe7-e5を抑えるのが10.Nh4の狙いの1つです。] 11...a4 12.Rf2 Ra5 [12...Nxd4 13.exd4 Bxd4でマテリアルバランスを崩して戦う手を考えましたが、13.Rd2! があるので、12...Nxd4はダメだと気付きました。本譜のRa5も変に見えますが、ルークを5段目でアクティブに使うのはよくあるアイディアです。] 13.Nf3 h6 [ここで一時的にやることが見つからなかったため、被害の少なそうな手を指して、相手の出方を待ちます。本譜はg6を弱めるので、小島君は13...Bf5と指すのではと、局後に指摘してくれました。] 14.Ne5 Nxe5 15.fxe5 c6 16.Bd2 Ra7 [Ne4-c5が見えたので、b7を守る位置にひきました。]

17.Qf3 Rf8 18.Rd1 Nc4 19.Bc1 Be6 20.h3 Qa5 21.Ne2! [Nf4からe6のビショップをアタックしにいく好手] 21...a3?! [ナイトをどこかにやって、c4のマスをビショップの逃げるマスにしようと考えた手ですが、白の24手目を見逃していました。小島君からは21...Nb6とさがってa2をアタックするのでは、と指摘されましたが、ピースをさげるアイディアはなかなか見つけられませんでした。] 22.bxa3 Nxa3 23.Nf4 Bc4 24.Bf1! Bd5 [24...Bxf1 25.Rdxf1は、次にNxg6がスレットになっています。]

25.e4 Be6 26.Nxe6 fxe6 27.Qb3 Rxf2 28.Kxf2 Nb5 29.Qxe6+ Kh7 30.Bc4 [Qg8#] 30...Ra8

[このゲームを見ていたチームメイトも、白が勝ちそうだと思っていたそうです。しかし、冷静に局面を分析すると、黒キングは安全なのに対し、白キングのガードが薄く、さらにRf8Qc3からの黒のアタックが強力です。e6ポーンという肉を切らせて反撃を得るのは、Grunfeldらしい戦い方だと思います。] 31.Kg2?! [白のベストは31.Bxh6! Bxh6 32.Qxe7+ Bg7 33.Qh4+ Bh6 34.Qe7+でパペチュアルでした。] 31...Qc3! [Qc2+Nxd4Rf8などのスレットを白が同時に防ぐことはできません。] 32.Rf1 Nxd4-+

[たしかこのあたりだったと思います。4番ボードの佐野-勝田戦も進行中で、佐野君がブランダーを指した後に気付いてドローオファーをしました。勝田君は続ければ良くなると分かっていたと思いますが、ドローオファーを受けてよいか、チームキャプテンの小島君のところに確認に来ました。(おそらく、チーム内でそういう取り決めになっていたのでしょう。)そのとき、小島君の持ち時間は1分を切っており、しかもどう受ければよいか分からないこの局面。小島君は4番ボードの局面を見ずに、勝田君にドローオファーを受けてよいと指示しました!まさかその判断がマッチの勝敗を決めることになるとは思っていなかったでしょうが、小島君は自分のゲームを捨てて、そちらのゲームを見に行っていたら、チームは2-2の引き分けになっていたかもしれません...] 33.Qf7 Qc2+ 34.Qf2 [34.Kg1 Rf8 35.Qxf8 Bxf8+] 34...Qxc4 01 [結局、これがチーム唯一の勝ち星となり、チームは2.5-1.5で慶応OBチームに勝利しました!]

朝霞Summer 2015

今年の朝霞夏の大会は、AクラスがIM 南條、FM Kockum Frisk、青嶋、馬場、小林(厚)、三ツ矢の6名で平均レイティング2300+の戦い。どのゲームも全く気が抜けない中、優勝は南條君で4Pの全勝、次いで私が2.5Pでした。今回は、帰郷している際にGM2人に勝利し、レイティングを2400近くまで伸ばしてきたAntonさんとのゲームを簡単に紹介します。
 
Baba,Masahiro (2232)
Kockum Frisk,Anton (2382,FM)

Asaka Summer 2015(2)
 
1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 g6 5.Nc3 Bg7 6.Be3 Nf6 7.Bc4 Qa5 8.00 00 9.Bb3 d6 10.h3 Bd7 11.f4 [Antonさんとの対戦は今回が2回目で、今年7月のIVLではもう1つのメインラインである11.Nf3を選択。ゲームはドローに終わりました。]

11...Nxd4 12.Bxd4 Bc6 13.Qd3 Rad8 14.Rad1 Nh5 [あえて??!は付けませんが、c5e5への飛び出しを見据える14...Nd7のほうがベターだと思います。e5のマスを黒に渡しても問題ないと判断し、fファイルを開きにかかります。] 15.f5 Be5 16.Rf3 Kg7 17.Rdf1 g5 18.Qe3! [a7g5のダブルアタック]

18...Bxd4 19.Qxd4+ Qe5 [19...f6なら20.g3! で黒ナイトの動きを封じ込めます。また、19...Nf6 20.Rg3 h6 21.h4は白の1ポーンアップです。] 20.Qxa7 Nf6 21.Qe3 Kh8 [黒がもう1ポーンを捨てるのは予想外でしたが、gファイルからカウンターを作りたいのだと理解。ノーマルなのは21...h6ですが、22.Nd5 Nxe4? 23.Nxe7! など、依然、白良しです。] 22.Qxg5 Nxe4 23.Qe3 [23.Nxe4 Bxe4 24.R3f2 Rg8 25.Qd2 Rg3gファイルからのアタックが脅威に見えたので、一度クイーンを引きます。] 23...d5 24.Nxe4 dxe4 25.Rg3 Rg8 26.Rxg8+ Rxg8 27.Rf2

[g2を守る必要は全くありませんが、時間も押してきたことも関係し、慎重になりすぎました。27.Bxf7 Rg3 28.Qf4 Qxf4 29.Rxf4 e3 30.Rg4 e2 31.Kf2 Rxg2+ 32.Ke1+-で十分間に合っています。] 27...Qxb2 28.Bxf7 Rg7 29.Bb3 Qa1+ 30.Rf1 Qe5 31.Rd1! [Rd8+] 31...Qc7 32.Qd4! [しつこくd8でのチェックを狙い、黒にh5を突かせ、キング前を弱くさせます。] 32...h5 33.f6 exf6 34.Qxf6 Kh7 35.Rd6! +-

[黒はメイトを防ぐにのにクイーンを捨てるしかありません。] 35...Qxd6 36.Qxd6 e3 37.Qd3+ Kh8 38.Qxe3 Rxg2+ 39.Kf1 Rg6 40.Qe5+ Kh7 41.Qxh5+ Kg7 42.Qe5+ Kh6 43.h4 Kh7 44.Be6 Bg2+ 45.Ke1 Kh6 46.Qh8# 10

朝霞サマー (9/6)

【日時】201596日(
【会場】朝霞中央公民館
【形式】4Rスイス式  A.B.C3クラス
【タイムコントロール】45分指し切り
【参加資格】無し(JCA非公式戦)
【参加費】1,000円(昼食付き)
【スケジュール】
09:30 受付
10:00 R1


Japan League 2015

4年ぶりに出場したジャパンリーグはひと夏の悪夢に終わりました。簡単にゲームを見直したら、今年のトーナメントはしばらく忘れようと思います。
 
さて、今回、特別に中国からNi HuaGM,2713)とZhao XueGM,2533)が来日し、Ni Huaがレクチャーと同時対局を担当し、Zhao Xueが本戦に参戦しました。ジャパンリーグにGMが参戦するのは20062007年、2008年のNakamura Hikaru以来です。あの時は、当然GMが優勝すると予想しており、予想通り、3年ともHikaruの全勝優勝でした。Hikaruとまではいきませんが、Zhao Xueもレイティングでリスト2以下を100以上離しているわけですから、優勝は堅かったはずです。そんな中、小島くんがZhao Xueを抑えて6P/7で優勝。日本のIMがホームで意地を見せました。
 
大会はスムーズに進んだかのように見えたのですが、運営側のミスにより、R.3のペアリングが当日の朝に変わるというハプニングが。しかも、前日にペアリングが発表された直後に、プレーヤーからおかしいと指摘されたにもかかわらず、(すぐに分かるレベルのミス)確認しなかったのは問題でした。入力ミスは誰にでもあることで、間違ったペアリングを発表したのは仕方ありません。しかし、このミスに対して何一つ説明が無く、そのまま新しいペアリングでゲームが進みました。一言謝罪が欲しかったと感じていたのは私だけではなかったと思います。
 
さて、そんなR.3のゲームは青嶋くんとの対戦になりました。非常に複雑な中盤を過ぎた後、私にミスがあり、完全に敗勢となりました。


Aoshima,Mirai (2407) - Baba,Masahiro (2312)
                         Position after 36...Rf1
 
私が36...Rf1と指したところです。青嶋くんは残りの持ち時間が少なく、30分が加算される40手目まで手を繰り返します。このポジションがカギとなるので、よく覚えておいて下さい。
 
37.Qc6+ Kb8 38.Qe8+ Kb7 (上の局面と同じです。2回目) 39.Qc6+ Kb8 40.Qe8+
 
40手目を指し、ここで白に30分加算されました。私が普通にやり過ごしてしまうと、白が時間をかけて勝ちの1手、41.Qe4! を見つけられるので、3回同時局面かどうか確かめました。数分かけて、次に40...Kb7と指せば3回同時局面で、しかも手番も同じため、正しいアピールをすればドローが成立することに気付きました。FIDEのルールに則り、40...Kb7と棋譜用紙に記入し、時計を止めてアービターを呼びにいって、確認してもらい、ドローが成立しました。
 
40...Kb7 ½-½
 
実際のゲームでは、注意深く手を追わないと、3回同時局面かどうか確認するのは簡単ではありません。このゲームでも、Kb7という手が3回同時局面となる手だったのですが、1回目の局面はRf1と指したときに現れたのです!
 
 
Baba,Masahiro (2312)
Kinoshita,Akira (1949)

Japan League 2015(6)
 
1.e4 d5 2.exd5 Qxd5 3.Nc3 Qd6 4.d4 Nf6 5.Nf3 c6 6.Ne5 Nbd7 7.f4 Nb6 8.g4 Nbd5 9.Bg2 g6 10.g5 Nxc3 11.bxc3

11...Nd7! [11...Nd5? 12.c4 Nc7 13.c5 Qd8 14.d5!! cxd5 15.c4! e6 16.Bb2 Bg7 17.Nc6 bxc6 18.Bxg7 Rg8 19.Be5 Bd7 20.00 Rb8 21.Qa4 Rb7 22.Rab1 Qc8 23.Rxb7 Qxb7 24.Rf2 d4 25.Qa5 Kd8 26.Be4 10 Shirov,A (2749)-Tiviakov,S (2637)/Hoogeveen 2010 は、おそらくこのラインで最も有名なゲームで、たいていの白のプレーヤーは、Shirovのこの勝ちをリピートしようとして、このラインに飛び込んでいると言えます。11...Nd7! は白にセンターのポーンを調子良く突かせない、improvement1手です。] 12.a4 [GM Vachier Lagraveは、New In Chess Magazineでこのゲームの解説をしていますが、(12.Qe2 Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.00 Bf5 and I definitely don't think that White is better at all.)ということです。2ナイトを交換されると、白がアドヴァンテージを取りにいくのは難しくなります。] 12...Nxe5 13.fxe5 Qc7 14.00 Bf5 [fファイルを閉じて0-0-0する準備。私は他に14...Be614...h6を考えていました。本譜は、問題ありませんが、次のエクスチェンジサクリファイスを誘う挑戦的な1手です。]

15.Rxf5!? gxf5 16.e6!? [エクスチェンジを切った後、さらに1ポーンを捨てます。このポーン捨ては、正しいかどうか簡単には言えませんが、少なくともh2-b8のダイアゴナルを開くのと、黒のビショップの動きを制限する意味があります。] 16...000 [16...fxe6 17.Qh5+ Kd7はアンクリアーですが、攻めている白の方が指しやすいと判断していました。] 17.Qf1! [クイーンのベスト・スクエアー。dファイルから避けつつBf4をサポートし、c4に飛び出せるようにします。さらに、バックランクでルークと繋がっているのもポイントです。なお、17.exf7?! e5! は、センターからのカウンターにあいます。]

17...fxe6 18.Bf4 [試合中、プロブレムのような18...Qd7 19.Rb1 h6 20.Qa6! を期待していました。] 18...Rd6! [カウンター・サクリファイス。悲しいことに、すぐにルークをとると、exd6で黒ポーンの形が改善する上に、白は1ポーンダウンのままです。白はもう少しプレッシャーをかけ続けなければいけません。] 19.Re1 Qd7 20.a5 a6

21.Qc4 Rg8! [白としては、そろそろプレッシャーをかける手がなくなってきたので、Bxd6からRxe6で駒を取り返しにいく予定でした。21...Rg8g5のポーンを睨むことで、Bxd6を指しにくくさせます。] 22.h4 h6 23.Qc5 [Qa7-Rb1-Qa8-Rxb7] 23...hxg5 24.hxg5 Kb8 25.Rb1 [Bxc6]

25...e5?! [シンプルにBxc6の狙いを避ける25...Ka8! が黒のベストで、こうなると白が有効な狙いを作り出すのは難しくなります。] 26.Qc4! e6 [26...exf4 27.Qxg8 Qe8 28.Qb3! Qc8 29.Qf7! は、白のgポーンが強力です。] 27.Bxe5 Rxg5? [これが勝負を分ける1手となりました。黒はここでも27...Ka8! で耐えることができます。]

28.Qxa6 [このポーンが落ちると、白はa5-a6から黒キングの前を崩せるので、黒キングはもはや安全とは言えません。時間切迫もあり、すぐに黒ポジションが崩れます。] 28...f4 29.Bxf4 Rb5 30.Rxb5 cxb5 31.Qb6+- Kc8 32.Bxd6 Bxd6 33.Bxb7+! 10 [33...Qxb7 34.Qxd6 Qg7+ 35.Kf2 で、Qf6+にはKe2Qf7+にはKe1でチェックが途絶えます。]

新潟&IVL 2015

新潟国際親善チェス大会は今年も規模を拡大し、総勢100名の愛好家が新潟 天寿園に集いました。新潟は、東京から上越新幹線「MAXとき」で2時間。決して遠くはありませんが、新幹線の本数が少ないため、前日入りするか、当日朝早く行くかの2択です。私は今回、前者を選びました。
 
昨年からこの大会の目玉の1つとなっている日中対抗戦では、中国からZhou JianchaoGM,2601)、Ju WenjunGM,2550)、Lou YipingIM,2457)、Guo QiIM,2436)の4名のマスターが、選抜された日本の4名のプレーヤーと対戦しました。中国選手は、皆、20代の若いプレーヤーです。
 
初戦、南條君が開始時間に間に合わないというハプニングがありましたが、補欠を用意していたので、ここは無事に収まりました。
 
私の対戦はというと、これといって見せ場も無く、淡々と終わりました。1日にこれだけ多くのマスターと連戦するのは正直、しんどいですが、国内にいるとなかなか当たれないレベルの相手ですので、良い経験を積ませてもらいました。(思い返せば、直近のGM戦は2010年のZhao Xue戦?)

Ju.gif 
Ju,Wenjun (GM,2550) - Baba,Masahiro (2262)
                       Position after 30...Kh7
 
31.Bd5 Rc8 32.Bb3 Rce8 33.Bd5 Rc8 34.Bb3 Rce8 35.Bd5 ½–½
 
ドライなゲームは最後まで熱くならず、パペチュアルでドロー。これが私の唯一のポイントとなったのでした。ちなみに、GM Ju Wenjunはこの日、ファイティングムードではなかったように見え、50%の2Pで終了。
 
結局、日本チームは3-13で敗れました。中国のマスターとの対戦は、8月のジャパンリーグに持越しです。(まだオフィシャルな情報ではありませんが、GM2人、参戦する予定です)
 
==================================
 
さて、翌週は、スウェーデンのFM Kockumさん、プロ棋士の羽生さんと青嶋くんを交えた10名でのIVLを表参道で。ここのところIVLの活動は活発になってきました。私は塩見さんと羽生さんに敗れ、またも50%で終了。そんな中、ちょっとしたタクティクスを見せた1戦を。
 
Baba,Masahiro (2312)
Makita,Hiroshi (1867)

IV League 2015(1)
 
1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 Qb6 8.Qd2 Nc6
Maki1.gif
9.000 Qxd4 10.Qxd4 Nxd4 11.Rxd4 Be7 12.Be2 Bd7 13.Bf3 Bc6 14.Re1 Rd8 [カウンターを狙うなら、14...Rc8がベターです。] 15.Nd5!
Maki2.gif
[白の一連のセットアップは、このナイトの跳び込みを意識したものでした。(特にeファイルを開きたい)] 15...exd5? [15...Nxd5 16.exd5 Bd7 17.dxe6 fxe6 18.Bxe7 Kxe7 19.Bxb7+-も、15...Bxd5 16.exd5 h6 17.Bxf6 Bxf6 18.Rb4±も白が勝つ展開です。また、黒が何もしてこなければ、16.Nxe7 がスレットになっていて、16...Kxe7 17.e5でピースアップです。ただ、15...e5! と突いて白のe4-e5を防いでおくと、まだ分かりません。] 16.exd5 Bb5 17.Bxf6 gxf6 18.a4
Maki3.gif
[これが思い浮かべていた白の理想の図です。黒のビショップが行くマスがありません。(18...Bd7 19.Rde4!] 18...Bxa4 19.Rxa4 Rc8 20.Rb4 Rc7 [20...b5には21.Re3からRa3で、クイーンサイドのポーンを狙いにいきます。] 21.Rb6 Kd8 [21...Kf8なら22.Re3からReb3で、b7のポーンを落とせます。] 22.Bh5 Bf8 23.g3 Rg8 24.Re3 f5 25.Reb3 Kc8 26.Re3
Maki4.gif
26...Bg7?! [これではすぐにポーンが落ちますが、26...Kd8でも27.Be2で次のBd3が決定的です。] 27.Rxd6 Rc5 28.Bxf7 10
 
トーナメントは羽生さんの全勝優勝。近頃、日本の誇る2人のIMがいまひとつ本調子ではないため、羽生さんの強さが目立っています。
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