Japan Open 2017

Japan Openが終了して早4週間。今年5月の全日本選手権と今大会は、来年Georgiaで開催されるBatumi Olympiadの代表権がかかった大会でした。最終的に5人が5P/6Rで並んだ結果は、オリンピアード代表権の行方に大きく影響し、今もどう決定していくか方向性が見えません。情報が不確定なのでここでは詳細は書きませんが、Olympiadは一生に一度立てるか立てないかの大舞台なので、皆さんが納得できる形で決着がつくことを願っています。

 

さて、今大会の自分のゲームから、ポイントとなった場面を2つ紹介します。まずはR.1ドローとなり迎えたR.2のゲームから。

 

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Asaka,Samuel (1417) - Baba,Masahiro (2410)

                          Position after 35...exf4

 

[f4を取りにいくかc6を取りにいくかの2択ですが、ここでの選択が勝負の分かれ道になります。]

36.Qxc6?!

[36.Bxf4 Qg4 37.Rf1が正着ですが、横と縦のピンが気持ち悪いのと、このピンを具体的にどう外すか短時間に判断するのは難しいと思います。]

36...f3!

[ここまでイコールよりは白に分があった形勢ですが、この1手で黒に形勢が傾きました。白の2連ポーンより黒のfポーンのほうが強力であり、さらに白クイーンはキングのディフェンスからカットオフされました。]

37.Rf1 Qh3 38.Rf2 Qf5!

[白のバックランクの弱さをついて、Qb1+を狙います。以前紹介したHabu-Baba戦、Katsuta-Baba戦でもこのクイーンの動きがありました。]

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39.Qa6 Bd4 40.Qa2 Qd3!+

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[c3f1といったマスをおさえ、これで勝負ありです。焦ってはいけないのは40...Bxf2?? 41.Bc3++-]

41.Be1

[41.Qe6でパペチュアルを狙われるほうが黒としては考えることが多く嫌ですが、幸いなことに黒キングは逃げることができます。]

41...Bxf2 42.Qxf2 Re8 43.Kg1 Rg8+ 44.Kh1 Rg2 01

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つづいては2日目のR.3から。

 

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Baba,Masahiro (2410) - Shinoda,Taro (2082)

                         Position after 42.b6

 

[マテリアルはイコールですが、bポーンが走り出し、黒はこのパスポーンにどう対処すべきか決める重要な局面です。]

42...Re3

[私は42...Nxb6 43.Qxb6 Rf8とすれば、QB vs RRで白がアップしていても、fortressではないかと考えていました。というのは、同じマテリアル・バランスが現れたVolokitin-Morozevich Biel 2006のゲームを知っていたからです。(このゲームについては最後に紹介します。)白が勝つためにはf7のポーンを落としにいかなければなりませんが、2ルークで頑なに守られると、このポーンをどう落とすか白にはプランがありません。]

43.Qb5 Nf6?

[ここは43...Nxb6! 44.Qxb6 fortressにするラストチャンスでした。また、必要はありませんが、43...Rxf3!? 44.gxf3 Nxb6 45.Qxb6 Re8でもQ vs Rfortressだと思います。この後、はっきりとした勝ちのプランは見えませんが、局面を進めてみます。]

44.b7± Ree8 45.Bc6 Rf8 46.Kf2 Rb8 47.Ke3 Rfd8 48.g4 Kg8 49.Kf4 Ne8 50.h4 Nd6

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51.Qa6 Kf8 52.Ke5 Ke7 53.Qa3 f6+ 54.Kf4

[54.Kd5 Kf8 55.Qxd6+? Rxd6+ 56.Kxd6とエンドゲームに持ち込むのも考えましたが、56...h5! 57.gxh5 Kg8 58.Kc7 Rxb7+ 59.Bxb7 Kh7 60.Bd5 Kh6 61.Bf7 f5 62.Kd6 f4 63.Ke5 f3 64.Kf4 f2 65.Bc4 Kxh5 66.Kg3 g5でドローにしかなりません。本譜のようにf6を突かせて白マスが弱くなるのは、白にとってメリットありと判断して、もう少しチャンスをうかがうことにします。]

54...Kf7 55.Qa5 Ke7?

[55...Kg8 56.Qc7 Kh8とポーンの陰に隠れるほうがベターですが、57.g5 fxg5+ 58.hxg5で黒キング前を崩して白が勝てるでしょう。]

56.Qc7+ Kf8 57.Bd5+-

[これで黒は完全にzugzwangです!]

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57...g5+ 58.Kg3 Ke8 59.Qg7 gxh4+ 60.Kxh4 f5 61.Bc6+ 10

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        Volokitin Morozevich Biel 2006

                      Position after 43.Rxb2

 

43...Bc5!

[このゲームをliveで見ていた多くのチェスファンはここでMorozevichがなぜ43...Bd6+ 44.g3 Bxb8とルークを取りにいかなかったのか悩んだと思います。(私もその中の1人でした)しかし、45.Rxb8のあと、白はR vs Qfortressに持ち込むことができるため、Morozevichはこれを避け、f2のポーンを狙いにいきます。]

44.R8b3?

[44.R8b5! Bd4 45.Re2! Qf1 46.Rbb2! 2段目でディフェンスすれば白がドローにできる可能性は高かったと、MorozevichsecondだったKuzminは主張します。(New In Chess Magazine 2006/6)]

44...Qe1 45.Kg3 Bd4 46.Rb1 Qxf2+

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[このポーンを落として黒勝ちとなります。]

47.Kh2 Be5+ 48.Kh1 Qf4 49.Kg1 Qh2+ 50.Kf2 Bd4+ 51.Kf3 h5 52.Rb5 Kh6 53.Rd5 Ba7 54.Rbd1 h4 55.R5d2 Qe5 56.Rd6+ g6 57.R1d3 Qg3+ 58.Ke2 Qxg2+ 59.Kd1 Bb8 01


World Junior Championship 2017

イタリアで開催されたWorld Juniorが終了しました。日本から参戦のHiebert Kenjiくんは5.5P/11Rの好戦績で終了。パフォーマンス2322、レイティングは+154.4!)で、次回発表時には多くの日本トップ勢を追い抜き、2171まで上がります。序盤は2300台に21ドローと良いスタートを切りましたが、中盤で3連敗と後退。そのあとどうなるかなと思って見ていましたが、最後3連勝(!)でフィニッシュ。スタートランク133位の中、最終ランクは82位まで上がりました。

 

個人成績は以下のリンクで確認することができます。

 

http://www.chess-results.com/tnr305835.aspx?lan=1&art=9&fed=JPN&flag=30&wi=821&snr=133

 

最終ラウンド以外のゲームはすでに公開されています。個人的には次のゲームが良かったと思いますので、簡単に紹介します。

 

Favaloro,Andrea (2260,ITA)

Hiebert,Kenji (2017,JPN)

World Junior Open 2017 Tarvisio (10)

 

1.b3 e5 2.Bb2 Nc6 3.Nf3 e4 4.Nd4 Nf6 5.e3 Bc5 6.Nxc6 bxc6 7.d3 d5 8.Nd2 00 9.Be2 Bf5 10.g4 exd3 11.cxd3 Be6 12.Rc1 Bb6 13.g5 Nd7 14.Rg1 c5 15.h4 a5 16.h5 d4 17.e4 f5! 18.Ba3 Qc8 19.Qc2 Qa6 20.f4?! a4 21.b4 cxb4 22.Bxb4 c5 23.Ba3 fxe4 24.dxe4 [24.Nxe4 Rxf4-+] 24...d3! 25.Bxd3 c4 26.Nxc4 Bxg1 27.f5 Bf7 28.g6 Be8 29.Kf1 Bc5 30.Bb2 Qa7 31.Qc3 Nf6 32.Ne5 Rc8 33.Bc4+ Kh8 34.h6 Nxe4! 35.Nf7+ Rxf7 [35...Qxf7? 36.Qxg7+ Qxg7 37.hxg7#] 36.hxg7+ Rxg7 [36...Kg8? 37.gxh7+ Kxh7 38.g8Q+ Kxg8 39.Qh8#] 37.Qh3 Bd4! 38.f6 Bxf6 39.Rc2 [39.Qxc8 Qf2#] 39...Bxb2 40.Qxc8 Qd7 41.Qxd7 Rxd7 42.Bb5 Rd1+ 01

 

この大会では、交通が不便、宿の設備が悪い、オーガナイザーの対応が悪いなど、インドのコーチがchessbase indiaでクレームを公表しています。私はイタリアの片田舎では国際大会のレベルを満たすのはなかなか難しいのでは?と5年前にイタリアのRocca Prioraで開催された小さなオープントーナメントに記憶を重ねました。(運営は全く問題ありませんでしたが)

 

とにかく、アービターとして参加されたYumiさん、プレーヤーとして参加されたKenjiくん、お疲れ様でした。


Asian Amateur Chess Championship 2017

11/23-30の日程でタイのチェンマイで開催中のAsian Amateurに日本から3名が参戦中です。この大会、参加資格はFIDEレイティング2100以下、FIDE Master以上のタイトル無し、アジア諸国のプレーヤーです。

 

結果等、情報は以下の大会の公式ページから。

 

http://asianamateurchess2017.com/


Nagoya Open 2017

名古屋でのトーナメントは2012年の東海Open以来、5年ぶりです。初日終わって2.5Pで終え、迎えた2日目の朝のラウンドは大先輩の松尾さんと。初めての対戦が1999年で、実に18年の時を経て、2戦目となります。

 

Matsuo,Tomohiko (2256)

Baba,Masahiro (FM,2410)

Nagoya Open 2017(4)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.Qe2

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[Najdorf Classicalでの松尾さんの得意ライン。これに対して、2007年のCappelleでカナダのIMに教えてもらったややリスキーなラインを試します。]

7...Be7 8.f4 h6 9.Bh4 Nxe4 10.Bxe7 Nxc3 11.Qc4 Kxe7 12.Qxc3 Re8 13.000 Kf8

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[白は1ポーンを捨てて、速い展開でアタックを目指します。黒は思いのほか展開しづらく、場合によってはどこかでポーンを返すことも念頭に入れます。]

14.g4! b5 15.Rg1 Ra7 16.g5 Rc7 17.Qd3 hxg5 18.Qh7! Qf6 19.fxg5 Qf4+ 20.Kb1 e5 21.Bh3!

[この力強い1手を見逃していました。21.Qh8+ Ke7 22.Qxg7? exd4 23.Re1+ Be6しか考えてなく、これであれば黒問題ありません。]

21...Bxh3 22.Qh8+!

[ここでチェックを挟むのも重要で、黒キングを不安全な方向へ追いやります。]

22...Ke7 23.Qxh3

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23...g6

[Nf5+からRxd6+が強力なスレットになっているのに対して、黒は満足な受け方がありません。ポイントはd4のナイトを取れないところです。23...exd4? 24.Rde1+ Kd8 25.Rxe8+ Kxe8 26.Re1+ Kd8 (26...Re7 27.Qc8#) 27.Qh8+ Kd7 28.Qe8#!]

24.Rgf1 Qxg5 25.Rxf7+! Kxf7

[25...Kd8 26.Ne6+ Rxe6 27.Rxc7は絶望的です。]

26.Qh7+ Kf8 27.Rf1+

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[一連の白のコンビネーションにより、黒はクイーンを捨てざるをえません。]

27...Qf4 28.Qh6+! Rg7 29.Rxf4+ exf4 30.Qxf4+ Kg8 31.b3±

[マテリアル的には損はしていませんが、ポーンが全て弱いのと、白陣に狙えるところが無いので、実質白勝ちと言っても良い局面です。]

31...Re5 32.Qf6! Nd7 33.Qxd6 a5 34.Nc6 Re1+ 35.Kb2 Kh7 36.Nxa5 Ne5

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[黒の唯一のプランはh2のポーンを取って、gポーンをパスポーンにして進めることです。しかし、松尾さんはクイーンをうまく攻守に使い分けてチャンスを与えてくれません。]

37.Qb4! Nf3 38.Qf4 Rf1 39.Qg3 Kg8 40.Qg2 Nxh2 41.Qxh2 g5 42.Qg2 Rf4 43.Nc6! g4 44.Qd5+ Kh7 45.Qh5+ Kg8

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46.Ne7+! Rxe7

[46...Kf8 47.Ng6+もあるので、エクスチェンジを捨てざるをえません。]

47.Qg5+ Rg7 48.Qxf4 g3 49.Qf1 g2 50.Qg1 Kf7 51.Kc3 Ke6 52.a4 bxa4 53.bxa4 Kf5 54.Kd3 Rg3+

[54...Kf4 55.Qf2+! Ke5 56.Qd4+ +-]

55.Ke2 Rc3 56.Qf2+ Ke5 57.Kd2 10

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[松尾さんの強さが光るゲームだったと思います。]

 

ここで一歩後退したものの、残る2試合は連勝し、4.5P/6で終了。2日目に3連勝の小島君に逆転優勝される結果となりましたが、久々の名古屋での大会は大いに楽しめました。名古屋CC代表の堀江さん、ありがとうございます。


Club Championship 2017

150人を超える参加者が集う国内最大規模の大会であるクラブ選手権には、今年も麻布OBチームの一員として参戦、残念ながらチームはもう一つの麻布OBチームに大敗し、タイトルは逃しました。ただ、個人的には51ドローと、Japan Leagueに継続して好調を維持しました。

 

初日終わってチームは3連勝し、迎えた2日目の朝のラウンドは麻布OB-Bチームとの対戦。ちょうど前日の夜は両チームで夕食に行き、一杯ひっかけたのですが、途中でペアリングが発表されたのを見て、場の雰囲気が...

 

Aoshima,Mirai (2403)

Baba,Masahiro (2396)

Club Championship 2017(4)

 

1.d4 Nf6 2.Bg5 Ne4 3.Bf4 c5 4.f3 Qa5+ 5.c3 Nf6

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[実を言うと、彼がTrompowskyを指すのを完全に忘れていて、早くもプリパレーション外となります。]

6.d5 d6 7.e4 g6 8.Na3 Bg7 9.Qd2 00 10.Bh6 Nbd7 11.Bxg7 Kxg7

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12.Nc4 Qc7 13.a4 b6 14.Ne3 Bb7 15.g4 e6 16.000 e5

[センターを閉じるのは本意ではありませんでしたが、16...exd5 17.g5 Nh5 18.Nxd5 Bxd5 19.Qxd5は十分な反撃がないままd6が落ちます。この後、白はキングサイドから、黒はクイーンサイドからアタックを目指すことになります。黒はg7にビショップがいない分、白はa4を突いている分、キング廻りを弱めているため、だいたいチャンスはイコールかなと考えていました。]

17.h4 h5? [白のキングサイドアタックを止めようと、よく考えずに突き返したこの手は大きな間違いでした。]

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18.gxh5! Rh8

[前の手でh5を突いた時に私が見落としていたのは、18...Nxh5 19.Nf5+ Kg8 20.Qh6のあと、Nh3-Rg1とされると黒に受けが無い点です。本譜ではポーンダウンになりますが、戦えるよう手を作りにいきます。]

19.hxg6 fxg6 20.Nh3 Nf8

[20...Rxh4? 21.Ng5+-(×e6]

21.Bc4?!

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[d1のルークをg1に廻すために展開しますが、a6-b5で黒にテンポよく追い返されるので、ややケアレスな1手でした。]

21...a6 22.Ng5 b5 23.Be2 Bc8 24.Rdg1 bxa4 25.Nf5+!

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[準備が整ったところでアタック開始です!]

26...Bxf5 26.exf5 Rh6

[27.Ne6+ Nxe6 28.Rxg6+! に対して、先にg6を守っておきます。]

27.fxg6

[この手を見て、黒に反撃のチャンスが回ってきたと感じました。キングの目の前の敵ポーンは逆にディフェンダーとして働いてくれることが多く、この局面でもghファイルがオープンでないので白の攻めがスローダウンします。正しくは27.h5! で、プレッシャーをかけ続けるべきでした。]

27...a3! 28.bxa3 Rb8

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[クイーンサイドから反撃です!]

29.Bd3 Qa5 30.Nf7 Qxa3+ 31.Kd1 Rh5

[Qxh6+に対する唯一の受けですが、効果的です。]

32.Nxd6 Rb2

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[反撃に参戦している黒駒はクイーンとルークだけですが、大駒が2つあれば、十分なカウンターを作れます。]

33.Bc2 Qa1+ 34.Qc1 Qa2 (△Qxd5+ 35.c4 Qa3 (△Qxf3+ 36.Rh3 Qc3 (△Qd4+ 37.Rg5 Ra2!

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38.Nf5+ Kg8 39.Ne7+ Kg7 40.Nf5+ Kg8

[Ra1に対して満足な受けが無い白は、少なくともパペチュアルチェックでドローに持っていくことはできますが・・・]

41.g7!?

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[ドローを蹴って勝負してきました!ちょうどこの頃、他のボードが全て負け、チームとしては負けが確定していましたので、相手チームのキャプテンの篠田君は青嶋君にドローで良いとアドバイスしていましたが・・・]

41...Ra1 42.Bb1

[42.gxf8Q+ Kxf8は、白のアタックが止まります。]

42...Qb3+ 43.Ke2 Rxb1 44.Rxh5

[44.Ne7+ Kf7f6のナイトがいい働きをしているため、g8Q+はありません。]

44...N8h7?!

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[気をつけなければいけないのは、44...Nxh5? 45.gxf8Q+ Kxf8 46.Qh6+での一発逆転です。また、44...Ng6? 45.Rh8+! Kf7 (45...Nxh8 46.gxh8Q+ Kxh8 47.Qh6+ Kg8 48.Qg7#) 46.Rf8+! も白勝ちを許してしまいます。いずれにしても、白クイーンだけはゲストに招かないことです! 試合中は本譜が唯一の受けだと思っていましたが、ここで黒にはっきりした勝ちがありました。44...Qa2+! 45.Qd2 Qxc4+ 46.Ke3 Nxh5 47.gxf8Q+ Kxf8+ 白キングがクイーンの道をふさいでQh6+ができません!]

45.Ne7+?!

[ここで両者気付いていなかった1手をチームキャプテンの塩見さんが指摘してくれました。45.Rg3! で、Nh6#がスレットになっているため、黒は慎重に手を模索しなければいけません。45...Qa2+ 46.Qd2 (46.Kd3? Rb3+ 47.Qc3 e4+! 48.fxe4 Rxc3+ 49.Kxc3 Nxe4++) 46...Qxc4+ 47.Ke3 Qf4+ 48.Ke2 Qc4+は黒の最善で、パペチュアルでドローに落ち着きます。]

45...Kxg7 46.Qh6+

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[クイーンをゲストに招き入れても黒ナイトのコンビがさらなるアタックを阻みます。]

46...Kf7 47.Qg6+ Kf8!+

[47...Kxe7? 48.Rxh7+ (48.Rxe5+? Kd8+) 48...Nxh7 49.Qxh7+は白に主導権があり、攻めが継続します。]

48.Kf2

[48.Qh6+ Kxe7 49.Rxe5+ Kd8はチェックが止まり、勝負ありです。]

48...Qb2+

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[49.Ke3 (49.Kg3 Rg1#) 49...Re1+ 50.Kd3 Rd1+ 51.Ke3 Qd2# A big fight, A crazy game!] 01


Japan League 2017

FIDE Master , finally!

 

この夏は大会選びから始まりました。直前までジャパンリーグの招待選手が発表されず、それならジャパンリーグにこだわらず、海外トーナメントも視野に入れていました。アメリカのワシントンやスイスのブルージュでのトーナメントはスケジュール的にはOKだったので、ちょこちょこ大会HPや航空券サイトは見ていました。そんな中、ジャパンリーグに中国からGM Xu YinglunIM Xu Yi2名が参加との発表がありました。2600GM 2人とWGM 2人が参戦した昨年の大会に比べると、ややレベルは落ちるものの、インターナショナル・トーナメントとしては良いレベルになったと考え、ジャパンリーグへの参加を決めました。

 

国内のFIDE戦ではいつもそうですが、目標は良いゲームをすること、そしてレイティングをプラスにすることです。2300までレイティングを上げたい自分にとっては、underratedなプレーヤーが集う国内のトーナメントに出るのはややリスキーですが、挑戦しないことには始まりません。(過去、ジャパンリーグではレイティングを落とすことが多かった。)

 

はじめの3Rを勝って、4RIM Xu Yiと。このゲームは互いにリスクは冒さず、一瞬でドローになりました。ゲームが早く終わったため、Xu Yiと検討戦の後、何局かブリッツをしている間に同じくドローに終わったXu Yinglunと小島君が検討室に入ってきました。この検討戦の後、暇になったXu Yinglunとブリッツをしないかとチーフ・アービターのYumiさんに声をかけられましたが、Xu Yinglunとはまだ試合をする可能性があったため、手の内を明かすことはせず、丁重にお断りしました。思えば、この判断は後の大会の流れを考えると、正解だったと思います。

 

さて、続く5Rはコメントなしでゲームだけ紹介します。今大会、不調だった南條君との対戦です。

 

Nanjo,Ryosuke (IM,2338)

Baba,Masahiro (2262)

Japan League 2017(5)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.c3 Nf6 4.h3 Nc6 5.Bd3 d5! 6.e5 Nd7 7.Bb5 a6 8.Bxc6 bxc6 9.00 e6 10.Re1 Be7 11.Qa4 Qc7 12.Qg4 00 13.d3 f5 14.Qg3 c4!? 15.dxc4 Nc5 16.Nd4 Ne4 17.Qd3 c5 18.Nf3 Bb7 19.cxd5 exd5 20.c4 d4 21.Bf4 g5! 22.Bh2 g4 23.e6 Bd6 24.Bxd6 Qxd6 25.Nfd2 Qf4 26.Re2 Rf6! 27.g3 Qd6 28.Nc3 dxc3 01

 

このゲームを勝ち、4.5Pとし、続く6Rのトップボードは日本人対決となりました。ドロー以上を目標に、リスクは冒さず指すことを心がけます。

 

Baba,Masahiro (2262)

Kojima,Shinya (IM,2401)

Japan League 2017(6)

 

1.e4 c6 2 Nf3 d5 3.exd5 cxd5 4.Ne5

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[Caro-Kannのメインから外します。このラインは2015年のクラブ選手権の時に用意したものです。局面が序盤早々シンプルになるので、白は多くは望めませんが、安全なラインです。]

4...Nc6 5.d4 e6 6.Bb5 Qc7 7.00 Nf6 8.c4 Bd6 9.Bf4 Bd7?!

2300-2.gif

[このあと、黒は強制的にパッシブなポジションで戦わなければならなくなるので、9...dxc4と取って勝負かと思います。その場合、10.Nd2と返すつもりでした。]

10.Bxc6 bxc6 11.c5 Bxe5 12.Bxe5 Qd8 13.Nc3 00

2300-3.gif

[ビショップの差とスペースアドヴァンテージで白優勢は明らかです。ここから黒の反撃を抑えつつ手を作りにいきます。]

14.Bd6 Re8 15.Re1 Bc8 16.Re3 Nd7 17.Qa4 Bb7 18.Rae1 Nf8

2300-4.gif

[一瞬、18...Nb6から19...Nc4が見え焦りましたが、19.Qb4!で解決です。]

19.Ne2 Ng6 20.Rb3 Qd7 21.Nf4 Nxf4 22.Bxf4 f6 23.h4 Qc8 24.Rbe3

2300-5.gif

[新たな弱点のe6にプレッシャーをかけます。]

24...Qd7 25.Bd6 a5 26.f4!

2300-6.gif

26...f5

[27.f5 exf5 28. Re7がスレットになっているので、これを防ぐ1手ですが、e5のマスが弱くなりました。e6は弱点のままなので、eファイルから突破できるよう、さらにプレッシャーをかけにいきます。]

27.Qd1 Ba6 28.g4! Qf7 29.h5 a4 30.Rg3

[いったん、gxf5-Be5からg7をアタックするスレットを見せます。]

30...Ra7 31.Re5 Bc4 32.Rge3

2300-7.gif

32...fxg4 33.Qxg4 Bxa2 34.f5 Bc4 35.Rxe6

[35.fxe6? Qf1+には注意です。なお、私は見えていませんでしたが、35.Rf3! としてルークをfファイルに重ねるほうが強力だと、翌日、小島君が指摘してくれました。]

35...Rxe6 36.Rxe6 Bd3 37.Qg5! (Qd8+) 37...Rd7 38.Re5 Be4

2300-8.gif

[キング以外の白駒は全てベストポジションにいるので、ここから白キングのポジションを改善します。はじめは、クイーンサイドに逃がそうかと考えましたが、それだとこれ以上局面を進展させられないと考え、キングサイドでアタックに参加です!]

39.Kf2 Bd3

[小島君の解説にあるように、ここは39...g6! がベストディフェンスでした。ただ、キングの前のポーンを突くには勇気が必要です。]

40.Ke3 Be4 41.Kf4 Bc2?!

[41...g6のラストチャンスでした。ちなみに39手目では気付いていませんでしたが、この時には...g6の可能性に気付きました。]

42.Re6! Bd1 43.h6 Bh5 44.hxg7 Qxg7 45.Be5!

2300-9.gif

[45.Qxh5も可能なようですが、45...Qxd4+から黒にチェックさせるのは賢いチョイスではないと思います。本譜のように、c6を落として勝ちのエンディングに持ち込むのが正解でしょう。]

45...Qxg5+ 46.Kxg5 Be2 47.Rxc6+- Kf7 48.Rh6 Ke8 49.c6 Re7

2300-10.gif

50.Bd6 Rg7+ 51.Kf6 Rf7+ 52.Ke5 Bc4 53.Re6+ Kd8 54.c7+ Kd7 55.Re8! 10

2300-11.gif

[55...Ba6 56.Rd8+ Kc6 57.c8Q+]

 

4時間半にわたるゲームを制し、5P/6Rで単独トップに。

 

帰りの電車の中で、ここまでのレイティングの変動を計算すると、2262から+37.6で、2300まで上がる(レイティングは四捨五入)ことが判明しました。FIDEのルール上、どこかのタイミングで(Live Ratingで)2300に達していれば、FIDE Master獲得なので、この時点で目標達成です。このゲームが記念すべきゲームとなりました!

 

翌日、会場に早く行って、チーフ・アービターのYumiさんに本当にFIDE Master獲得の条件をクリアしているか確認をお願いしました。Yumiさんは知り合いのオーストラリアのインターナショナル・アービターに連絡を取ってくれ、その回答は「おそらくOKだけど、FIDE Masterを確定させるためにもう1ゲーム戦いましょう」とのこと。ただ、相手は中国のGM Xu Yiunglun2528)なので、ポイントを取るのはそう簡単ではないですが...

 

Xu,Yinglun (GM,2528)

Baba,Masahiro (2262)

Japan League 2017(7)

 

1.Nf3 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.cxd5 Nxd5 5.Qb3 Nb6 6.d4 Bg7 7.Bf4 Be6 8.Qc2 00 9.e3 c5 10.dxc5 Nd5 11.Nxd5 Bxd5 12.e4 Bc6 13.Bd2 Nd7 14.Rd1 b6 15.Bc3 Bxc3+ 16.Qxc3 bxc5 17.h4 Qb6 18.h5 Qb4 19.Qxb4 cxb4 20.hxg6 hxg6 21.Rd4 Rab8 22.e5 Kg7 23.e6 Bxf3 24.Rxd7 ½–½

 

最後は完全なイコールのポジションで相手からドロー・オファー。このゲームをドローで切り抜け、レイティングは2306まで上がる予定でFIDE Masterを確定、優勝というおまけも付いてきました。200610月に初めて2200を超えて以来、10年以上アップ&ダウンを繰り返してようやく2300の壁を乗り越えた形となります。

 

「次の目標は?」と聞かれると「IMです」と簡単には答えませんが、以前、Chessbase Newsでピノーさんにコメントして頂いたように、「and Baba, who could reach a level of up to 2350, if he had more opportunities to participate in international tournaments I suspect

http://en.chessbase.com/post/che-and-shogi-chernin-in-japan-part-2-)まずは2350を目標にやっていこうかなと思っています。


Summer Open 2017

夏の大会はこのサマーオープンを皮切りに、ジュニア・シニア・小学生・女子選手権、ジャパンリーグと続きます。今大会では初日に小林厚彦君に敗れるものの2日目3連勝で、幸運にも1位タイ(タイブレークでは2位)に終われました。今大会からは、先日、CMのタイトルを獲得した若手のホープ、逢阪拓真くんとのゲームを紹介します。

 

Osaka,Takuma (1967)

Baba,Masahiro (2363)

Summer Open 2017(2)

 

1.d4 Nf6 2.c4 g6 3.Nc3 d5 4.Nf3 Bg7 5.Qb3 dxc4 6.Qxc4 00 7.e4 a6

Osaka1.gif

[Hungarian Variation. Grunfeld Russianに対する私のメインの受け方です。]

8.Be2 b5 9.Qb3 c5 10.dxc5 Bb7 11.00 Nxe4 12.Nxe4 Bxe4

Osaka2.gif

[センターポーンが消えて局面がオープンになり、ここからピースプレーとなります。黒としてはcのパスポーンがやや気がかりですが、このポーンを焦って取りにいく必要はありません。]

13.Be3 13...Bd5

[13...Nc6 14.Rfd1 Qc7 15.Rac1は単純に白良しなので、まずはdファイルを閉じるべきだと判断]

14.Qc2 Nc6 15.Rfd1 e6 16.Nd4?

Osaka3.gif

16...Bxd4!

[はじめは16...Nxd4 17.Bxd4 Bxd4 18.Rxd4 Qg5で黒満足なゲーム展開だと考えていましたが、すぐに本譜のコンビネーションを見つけました。]

17.Bxd4 Bxg2! 18.Bg7!

Osaka4.gif

[白は予想通り一番面白い変化に飛び込んできました。この他の手に対しては、黒は単純に1ポーンアップです。]

18...Bd5!

[このビショップの強さを正確に評価しての本譜なので、エクスチェンジを捨てるのは構想通りです。ただ、焦って18...Qg5?と出ると、19.f4!で失敗します。]

19.Bh6!?

[19.Bxf8 Qg5+ 20.Kf1 Qg2+ 21.Ke1 Rxf8

Osaka5.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

は、黒圧倒的です。これは両者共通の認識でした。本譜ではこの攻撃の要となるg5のマスを奪いますが...]

19...Qh4! (このマスもあります!) 20.Qd2

[20.Rxd5 exd5 21.Bxf8 Rxf8と戦うのが比較的白のベストだと思いますが、黒は安定した1ポーンアップです。]

20...Qh3

Osaka6.gif

21.f3

[21.Bf1?? Qg4+は即終了。少し面白いかなと考えていたのは21.Qg5 f6 22.Qg4 Qxh6 23.Rxd5 exd5 24.Qe6+ Kh8 25.Qxc6ですが、25...Qd2で白駒が足りていません。]

21...Nd4!?

[おそらく21...Rfd8として何ら問題ありませんが、h6にビショップが居座られると気持ちが悪いのと、22.Qxd4 Qxh6なら1ポーンアップを維持したまま安全に指し続けられるので本譜を選択。]

22.Bxf8

Osaka7.gif

22...Bxf3!

[拓真くんの考えていた22...Nxe2+ 23.Qxe2 Bxf3 24.Qc2 Bxd1 25.Rxd1 Rxf8 26.c6 Qg4+ 27.Kh1は白のパスポーンが強力で、黒がどう勝つか定かではありません。]

23.Bf1 Qg4+

[ここで23...Ne2+ 24.Kf2 24...Qxh2+ 25.Kxf3 Ng1+ 26.Ke4

Osaka8.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

と、もう1つピースを捨ててセンターにキングをおびき寄せる変化も考えましたが、これ以上続ける手が見えませんでした。(実際無い)]

24.Kf2

[24.Bg2?には24...Ne2+で白はクイーンを捨てざるをえません。]

Osaka9.gif

24...Qh4+!

[24...Bxd1? 25.Rxd1だとd4のナイトがアタックされているのでf8を取り返せません。このチェックを挟み、キングとクイーンをフォークポジションに強制するのがポイント。]

25.Kg1

[25.Ke3 Bxd1 26.Rxd1 (26.Qxd4 Qe1+ 27.Kd3 Qxf1+ 28.Kc3 Qe1++) 26...Nf5++]

25...Bxd1 26.Qxd1

[26.Rxd1?? Nf3+なので、クイーンで取り返すのがオンリーです。]

26...Rxf8+

Osaka10.gif

[駒を取り返し、黒の2ポーンアップ。若干、白のパスポーンが脅威ですが、白キング廻りが弱く、本譜の通り黒のアタックが先に決まります。]

27.Bg2 Rd8 28.Rc1 Qg5(Qxc1) 29.Rc3 Nf5 30.Qc1

[30.Rd3には30...Qe3+!? 31.Rxe3 Rxd1+ 32.Kf2 Nxe3 33.Kxe3 Kf8+を用意していました。]

Osaka14.gif

30...Qg4 31.Kf2 Rd1 32.Qc2 Qh4+ 33.Rg3

Osaka12.gif

[キングがよけるとナイトフォークで白はクイーンを失います。]

33...Qd4+ 34.Ke2 Rg1 35.Qe4 Nxg3+ 36.hxg3 Qxb2+ 37.Kd3 Rd1+ 38.Ke3 Re1+ 01

Osaka13.gif


IV League 2017/6

6月のJCA快速選手権では、メインライバルに白で3敗を喫し、ポイントとレイティングを大きく落としました。IVLは快速選手権と同じタイムコントロールなので、何とか挽回したいところでした。

 

Yamada,Kohei (2258)

Baba,Masahiro (2389)

IV League 2017(5)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 Qc7 8.Qf3 b5

nai1.gif

9.000 b4 10.Nce2

[Najdorf Labyrinthに迷い込むなら10.e5 Bb7 11.Ncb5!?ですが、この後の詳しい変化を知らなければあまりおススメはできません。]

10...Bb7 11.Bxf6 gxf6 12.Ng3 Nd7 13.Qh5 Nc5 14.Kb1?!

[ロングキャスリングした時はだいたいどの局面においても意味のある手ですが、この場合はそうでありません。白は攻めを急ぐところで、14.f5 000 15.fxe6 fxe6 16.Bc4を考えていました。]

14...000 15.Bd3 f5!

nai2.gif

[ポーンを犠牲にして黒マスビショップの威力が発揮されるロングダイアゴナルを開きにいきます。さらに、白マスビショップのダイアゴナルもオープンになるのがポイントです。]

16.exf5 Bg7 17.Nb3 Na4 18.fxe6 fxe6

nai3.gif

[単純な狙いですが、白はb2を守ることができません。]

19.Qa5 Nxb2

[19...Nc3+ 20.bxc3 Qxc3 21.Kc1では黒に決定打が無いことを確認し、ポーンを取り返しにいきます。]

20.Qxc7+ Kxc7 21.Rde1 Bxg2 22.Rhg1 Nxd3 23.cxd3 Bd5

nai4.gif

[1ポーンアップの上、ダブルビショップが強烈なので、黒勝勢と言って良いでしょう。]

24.f5 Bc3 25.Ref1 Rdf8 26.Ne2 Rxf5 27.Nxc3 bxc3 28.Kc2 Kb6

nai5.gif

29.Rb1 Rf2+ 30.Kxc3 e5!

[d4のマスを奪い、白キングにメイティングネットをかけます。]

31.Rg7 Rc8+ 32.Kb4 Rxa2 33.Rxh7 a5+ 01

nai6.gif

[34.Nxa5 Rxa5のあと、Rb5+Ra8#です。]

 


IV League 2017/4

今回のIVLは、4月初旬にPaulが来日するということで、そのタイミングに合わせて開催されました。昨年5月以来の開催と、少し間が空いたため、首を長くして開催を待っていた多くのトッププレーヤーが表参道に集いました。

 

Paulとの再会は実に8年ぶりで、前回、2009年にPaulが日本にいた時には当たらなかったので、今回のゲームが初めての対戦となりました。私自身、このゲームを非常に楽しみにしていました。

 

Baba,Masahiro (2389)

Iinuma,Paul (2190)

IV League 2017(3)

 

1.e4 d6

[Pirc? 私はSicilianを予測していたので初手から驚きです。]

2.d4 Nf6 3.Nc3 e5

[Philidor! データベースを調べた限り、PaulPhilidorを指したことは無かったはずなので、さらなる驚きです。]

4.Nf3

[4.dxe5 dxe5 5.Qxd8+ Kxd8はさほど問題なく黒はイコアライズできます。]

4...Nbd7 5.Bc4 Be7

Paul1.gif

6.00

[ここは6.Bxf7+の誘惑に駆られますが、6...Kxf7 7.Ng5+ Kg8 8.Ne6 Qe8 9.Nxc7 Qg6は黒の望む展開です。]

6...00 7.h3 c6 8.a4 b6 9.Qe2 Bb7 10.Rd1

Paul2.gif

[Philidorを調べていると、本譜のQe2-Rd1のセットアップは、自然な9.Re1セットアップより攻撃的ということが分かりました。d4をルークで支え、Nh4Nf5を目指します。]

10...Qc7 11.Nh4 Rfe8 12.Nf5 Bf8?

[この自然な1手が白の隠されたタクティクスを成立させるとは、にわかには信じがたいです。]

Paul3.gif

13.Bxf7+!!

[スペクタクルムーブ!私はこのアイディアを知っていましたが、実戦で遂行するとなると、少しの読みと駒を捨てる勇気が必要です。]

13...Kxf7 14.Qc4+ Re6

[14...Kg6? 15.Nh4+ Kh5 16.Qe2+! Kxh4 17.Kh2! は次の手でメイトです。

Paul4.gif

ANALYSIS  DIAGRAM

これは盤上できちんと読み切りました。

また、14...d5 15.exd5 b5 16.Nxb5! (16.axb5? Nb6!) も白勝ちです。]

15.d5 Ree8?!

[おそらく黒は15...Nc5 16.dxe6+ Nxe6 17.Be3±とエクスチェンジダウンで戦うしかなかったと思います。]

16.Nb5!

Paul5.gif

[Paulはこの手を見落としていました。cファイルのピンを最大限に利用します。]

16...Ba6 17.dxc6+ d5 18.Rxd5!

Paul6.gif

[dファイルを食い破ります。18.exd5 Bxb5 19.axb5 Bd6 20.Nxd6+ Qxd6 21.cxd7 Qxd7なら、黒はかろうじて耐えています。]

18...Re6

[18...Nxd5 19.Qxd5++-; 18...Bxb5 19.Rxd7+ Kg6 20.Qf7#]

19.Rxd7+! Nxd7

Paul7.gif

20.Qxe6+!

[白の一連の手はさほど見つけるのが難しいわけではありませんが、正確で勢いがあると思います。]

20...Kxe6 21.Nxc7+ Kf7 22.cxd7

Paul8.gif

[ナイトフォークを残し、最終的には白の2ピースアップとなります。]

22...Rd8 23.Nxa6 Rxd7 24.Be3 10


百傑戦 2017

望んでいた結果とは程遠い結果に終わった百傑戦からは、1戦だけ振り返ろうと思います。

 

Baba,Masahiro (2379)

Hiebert,Kenji (2063)

百傑戦 2017(3)

 

[初日を連勝で迎えた3Rはユース代表のHiebert君と。当然ですが、2015年の全日本で当たった時よりパワーアップしているので、要警戒です。]

1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Qc7 5.Nc3 e6 6.Be3 a6 7.Qf3

hi1.gif

[Sicilian Taimanovに対するトレンディーなライン。クイーンをg3 or h3にセットし、アタックを目指します。]

7...d6

[b8-h2のダイアゴナルを閉じると、g3で白クイーンが安定するので、個人的には7...Bd6 8.000 Be5と戦うほうがベターだと思います。]

8.Qg3 Bd7 9.000 b5?

[g7が狙われている黒は、キングサイドのピースをいかに展開するか悩みどころですが、この手は典型的な3ポーンvsピースのサクリファイスを誘導してしまいます。]

hi2.gif

10.Bxb5! axb5 11.Ndxb5 Qb7 12.Nxd6+ Bxd6 13.Rxd6

hi3.gif

[g7を狙いつつ、dファイルにルークを重ねます。白のプレーは非常にシンプルなのに対し、黒は局面をまとめるのが難しいところです。]

13...g6

[黒マスを弱くするので指したくない手ですが、他にアドバイスできることがありません。]

14.Rhd1 Rd8 15.Kb1

[このキング寄りはあまり意味はありませんが、メインに考えていた15.Na4(△Nc5)に対して、15...Nb4が思いの他、カウンターになっているので、有用な手で1手待つことにしました。]

15...Bc8 16.Rxd8+ Nxd8

hi4.gif

17.a4!

[b5にナイトのための足場を作り、Nb5から決定的なNc7+ or Nd6+を狙います。]

17...Qc6 18.Nb5 Nb7 19.Qb8!

[敵陣にクイーンが侵入してNc7+ or Na7でビショップを取りに行きます。個人的には非常に美しい手で気に入っています。c8のビショップを守るには次の1手ですが…]

hi5.gif

19...Ne7 20.Nc7+ Kf8 21.Bh6+ Kg8 22.Qxb7!

[d8のディフェンダーを消し去り、バックランクメイトを完成させます。22...Bxb7 23 Rd8+] 10

hi6.gif


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