Tata Steel 2012 –Not much more than a bluff-

R.10ではAronianGiriに勝ったゲームが、R.11ではCarlsenTopalovを打ち破ったゲームがトップ記事となりました。特にCarlsen-Topalov戦は、Carlsenの勝負をかけた1戦でした。というのは、CarlsenR.9Karjakinに負け、Aronianに差をつけられてしまったところだったため、追いつくには白番でのこのゲームで勝つしかなかったためです。

 

中盤で大きくマテリアルを捨て、複雑な展開にし、主導権を握り続けて相手のミスを誘い、チャンスをものにするスタイルは、まさにTalのスタイルを彷彿させました。勝たなければいけないところで最もチャンスのある指し方をし、最終的に勝ち星を手にするのは世界No.1である証拠だと思います。

 

R.11終了時点でAronianがまだ0.5Pのリードを保っていますが、Carlsenがいつでもリーダーを捕まえられるポジションにまで来ました。残り2RAronianがこのまま突っ走って優勝するか、Carlsenが追いついて2人同時優勝となるか、それとも….


Ikeda Junta -Scoring his first IM norm-

池田惇多くんが、ニュージーランドのオープントーナメントでIMノームを獲得しました。レイティングも20弱獲得し、2400も間近です。年内にあと2IMノームを獲得し、IMとなるのではないでしょうか? 今後の彼の活躍から目が離せません。


Tata Steel 2012 -Carlsen and Aronian lead-

Tata Steel 2012は現在7R終わってCarlsenAronian5Pで共にリード。ほぼ予想された結果です。一方、今年Anandとのマッチを控えているGelfandはここまでですでに3敗。そのうち白で2敗しています。マッチのためにどの程度、研究ラインを隠しているかは分かりませんが、調子はいま一つです。

 

本日、R.8は日本時間21:30開始。Live Gameの観戦は寝不足にならぬよう、ほどほどにしておきます。


Fighting Chess with Magnus Carlsen

評価:
Adrian Mikhalchishin,Oleg Stetsko
Edition Olms
¥ 2,337
(2012-02)

今年もWijk aan Zeeでのトーナメントが始まりました。初日は最近の勢いの通り、CarlsenAronianGiri3名が勝ち星を手にしました。長いトーナメントなのでまだ先は分からないですが、AグループはCarlsenAronianのレースになると見られています。

 

最近、これまでのCarlsenのチェスプレーヤーとしての軌跡をまとめたFighting Chess with Magnus Carlsenという本が発売されました。著者はCarlsen本人ではなく、トレーナーとして有名なウクライナのGM Mikhalchishin+アシスタントとしてStetsko)です。そのため、本書はこれまでのCarlsenについて書かれた数多くの雑誌、web等の記事から抜粋したものをつなぎ合わせたような客観的な内容に仕上がっています。基本的にはゲーム集であり、全63ゲームが収録されています。普段からチェスニュースを追いかけている私にとっては、9割方のゲームは知っていましたし、特に新しい発見はありませんでしたが、1冊にまとまっているのは便利だなと思いました。

 

Wijk aan Zeeのトーナメントが始まったということで、今日はCarlsenの鮮烈なWijk aan Zeeデビューであった2004年のトーナメントから1ゲーム紹介します。当時はまだCグループでしたが、10.5/13Rで優勝。

 

Carlsen,Magnus (2484)

Ernst,Sipke (2474)

Corus-C Wijk aan Zee 2004 (12)

 

1.e4 c6 2.d4 d5 3.Nc3 dxe4 4.Nxe4 Bf5 5.Ng3 Bg6 6.h4 h6 7.Nf3 Nd7 8.h5 Bh7 9.Bd3 Bxd3 10.Qxd3 e6 11.Bf4 Ngf6 12.0–0–0 Be7 13.Ne4 Qa5 14.Kb1 0–0 15.Nxf6+ Nxf6 16.Ne5 Rad8 17.Qe2 c5 18.Ng6! fxg6 19.Qxe6+ Kh8 20.hxg6! Ng8




21.Bxh6! gxh6 22.Rxh6+! Nxh6 23.Qxe7 Nf7 24.gxf7 Kg7 25.Rd3 Rd6 26.Rg3+ Rg6 27.Qe5+ Kxf7 28.Qf5+ Rf6 29.Qd7#
[Wijk aan Zee のトーナメントでは、毎日1ゲーム、投票でベストゲームが選ばれますが、このゲームはABグループの他のゲームを押し退け、Prizeを獲得しました。]


Cappelle la Grande 2012 -Invited Players-

いろいろありましたが、招待選手は以下の4名に決定しました。(括弧内の数字はFIDEレイティング)

 

南條 遼介 Nanjo Ryosuke 2280

野口 恒治 Noguchi Koji 2040

中村尚広 Nakamura Naohiro 2000

篠田 太郎 Shinoda Taro 1906

 

4名ともFIDEレイティング保持者であり、普段からアクティブにプレーしていますので、特に異論はないかと思います。今回は彼らの活躍に期待したいと思います!

 

なお、現在はオーガナイザーの返信待ちです。


松戸チェスクラブ選手権2012 -小島 慎也-

大会は小島くんの6連勝で終わりました。

 

私は初日のみの参加で21敗。毎度のことですが、新年早々、若手に苦杯を喫しました。

 

Tang Tang (1885)

Baba Masahiro (2232)

松戸チェスクラブ選手権2012 (2)

 

1.d4 Nf6 2.Bg5 e6 3.e3 c5 4.c3 d5 5.Bd3 Nbd7 6.f4 Bd6 7.Nf3 Qb6 8.Qc2 0–0 9.Bxf6 Nxf6 10.Ne5 Ne4? 11.Bxe4 dxe4 12.Nc4 [完全に見落としていました。] 12...Qc6 13.Nxd6 Qxd6 14.Qxe4 Qa6 [実戦的にはおそらくベストなチャンス。白にキャスリングされては単なる1ポーンダウンです!]



 

15.Nd2 Bd7 16.Nf3?! Bc6 17.Qc2 Bxf3 18.gxf3 cxd4 19.exd4 Rfd8 [白のポーンの形を崩し、これでまずまずのコンペンセーションはあると考えていました。] 20.Qe2 Qa5 21.0–0 Rd5 22.Kh1 Rf5 23.Qe3 Qc7 24.Rg1 Rxf4 25.Rg4 [1回目のドローオファー。局面はイコールですが、ポーンを取り返した黒に不満はないので、もちろん指し続けます。ここからの20手は我慢比べです。]




25…Rxg4 26.fxg4 Qc6+ 27.Kg1 Qd5 28.Rf1 Rf8 29.Qf3 Qb5 30.Rf2 Qd7 31.h4 Rc8 32.h5 h6 33.Qf4 f6 34.Qe4
[2回目のドローオファー。] 34…Rc6 35.Qg6 Qe7 36.Qe4 Rd6 37.Rf5 Qd7 38.Rf2 Rd5 39.Re2 Rd6 40.Rf2 Kh8 41.Re2 Qb5 42.Kg2 Qc4 43.Rf2 Qc7 44.Qg6 Qc6+ 45.Kg3 Rd5 46.Qe4 Qd6+ 47.Qf4




48…e5!
[時間切迫と戦いながら、ようやくこのタイミングで長く待ち望んでいたブレークです。不安定な白キングを標的にします。] 48.dxe5 Rxe5 49.Kh3 Qd1 50.Qf3 Qe1 51.Kg2 Re4 52.Qf5 Re8 53.Qf3 b6 54.Rf1 Qe6 55.a3 Qc4 56.Kh3 Qc5 57.Kg2 Kg8 58.Qf5 Re2+ 59.Rf2 Re5 60.Qf3 Qc8 61.Re2 Rxe2+ [おそらくここまでに何らかの改善策があったと思いますが、ほぼ15秒のIncrementでは何も見つけられませんでした。]




62.Qxe2 Kf7 63.Qe4 Qd7 64.Qg6+ Kf8 65.Qe4 Qd2+ 66.Kg3 Qd6+ 67.Qf4 Qd7 68.Qb4+ Ke8 69.Qe4+ Kd8?? 70.Qd4!
[ここで白がクイーン交換できることに気付きました。交換後のポーンエンディングは白勝ちです。]




 

70...Kc7 71.Qxd7+ Kxd7 72.Kf4 Kd6 73.Kf5 Ke7 74.Kg6 Kf8 75.c4! 1–0

 

見返してみれば、2回のドローオファーを蹴って指し続けた結果がこれだったわけです。しかし実際は、唐くんがなかなか砕けなかったことが大きいと思います。これをラスベガスの成果と見ても良いですかね?!

 

P.S. 唐くんは3位入賞を果たしました!


松戸チェスクラブ選手権2012 -前々夜-

1/8-1/9)の2日間で行われます。エントリーは30名を超え、そのうち約半数が1800+であり、一筋縄ではいかないトーナメントになる予感がします。リストには意外な名前もあります(笑)彼にとってはこれが復帰戦です。私は初日のみの参加ですが、簡単に3連勝というわけにはいかなさそうです。

http://brown.ap.teacup.com/chesschesschess/


香港 -The City of "Old and New"-

皆さま、明けましておめでとうございます。

今年もBehind the Sceneともども、よろしくお願いいたします。

 

年末年始を香港で過ごしてきましたので、そちらの写真をどうぞ。
今回は完全に番外編です!


            山頂から香港市街を一望。
        狭い所に高層ビルがひしめきあっています。


            沈みゆく夕日を背にする香港。


   -「100万ドルの夜景」- ライトアップは綿密に計算されています。


    中国銀行。今や香港のランドマークです。


        いたるところで目にする高級高層マンション。
           ちなみに香港の人口は700万人!


            臨海部は埋め立てして開発中。
       中央のビルは見た目の通り、「凱旋門」だそうです。


        看板が道にせり出すこの光景がまさに香港! 
    ですが、これらの看板も再開発とともに消えゆく運命でしょう。







       青空市場の中を突っ切るトラム。香港らしい一場面。


                次々と入ってきます。


     文武廟。1847年に建てられた香港最古の道教寺院。


           天井から吊るされた渦巻型の線香。
          院内は線香の煙が充満していました。


                    昼は飲茶。
かつて、高校の近くに「香港ガーデン」なる中華料理店があったのを思い出します。


              夕食は海鮮レストラン等で。
   注文が入ると、いけすの魚介類を取りだして調理してくれます。


                   カニ料理


               旅の締めくくりは九龍城


かつて魔の巣窟と呼ばれていた九龍城の集合住宅は1993年に取り壊され、現在は市民公園として開放されています。写真はその集合住宅の模型。


ここでも古いマンションの裏には新しいマンションがそびえたっています。


学生選手権2011

昨日は学生のチェスを視察しに、またCappelle la Grande国際オープントーナメントの宣伝を兼ね、代々木へ足を運びました。すでに1日目から波乱があったようですが、内容を確認することはできず。今回、オーガナイザーの篠田君は自らもプレーしながらの運営だったため、大会中にゲームを入力する時間はありませんでした。そんな中、今大会もっともショッキングだった次のゲームをこっそり入手しました。

 

Kuwata Susumu (2178)

Takada Yuichiro (1789)

学生選手権 2011 (3)

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.0–0 Be7 6.Re1 b5 7.Bb3 d6 8.c3 0–0 9.h3 Bb7 10.d4 exd4 11.cxd4 Na5 12.Bc2 c5 13.d5 Re8 14.Nbd2 Bf8 15.Nf1 h6 16.Ng3 Nc4 17.b3 Nb6 18.Nh2 Bc8 19.Bb2 c4 20.Qd4!? [悲劇への序曲No.1 といっても、この手自体は全く悪くありません。] 20…Bd7 21.f4!? [悲劇への序曲No.2。この手も全く悪くありません。] 21…Rc8 22.Bc3 Na8 23.e5?? [23.b4 or 23.Kh1なら…] 23...dxe5 24.fxe5 Bc5!

 


 

[あまりにも痛々しい串刺し] 25.exf6 Bxd4+ 26.Bxd4 Rxe1+ 27.Rxe1 g6 28.Nf3 Be8 29.Re7 Rc7? [29...Qxd5なら白に希望はないように見えます。] 30.d6! Rxe7 31.fxe7 Qxd6 32.Ne4 Qxe7

 


 

33.Nf6+ Kf8 [Nh7-Nf6+からパペチュアル。最後はミラクルでハッピーエンド?!] ½–½

 

最終順位は以下の通り。

 

優勝 南條 遼介(2358) 6P

2 中村 尚広 (2062) 4.5P

3 高田 侑一良(1789) 4.5P

4 三村 健介 (1845) 4P

 

優勝は南條くんでした。どちらかと言えば、彼の優勝より、第2シードの桑田くん、昨年の学生チャンピオンの佐藤 要くん、ユニバーシアード代表の古谷くんらレイティング上位のプレーヤーを押し退けて入賞した高田くん、三村くんの活躍が目立った大会でした。

 

結果の詳細は学生チェス連盟のHPhttp://jccf.blog.fc2.com/)にアップされますので、そちらをご覧ください。


Cappelle la Grande 2012 -Invitation!-



本日、
Cappelle la Grande国際オープントーナメントの招待状がオーガナイザーのStephane Gouvart氏より届きました。今年も例年通り4枠です。条件も例年通りで、期間中の滞在費(ツインルーム×2)、食費(3食)、大会参加費、パリ(orブリュッセル)からの移動費は向こう持ちです。トーナメント期間は201133日から310日です。

 

すでに航空券を取っておきたい時期です。また何より、招待枠外での参加の場合、ホテルを喫緊に抑えなければならない時期です。よって、まず招待選手を決定しなければいけません。

 

招待選手として参加を希望する方は、1/8までに私に連絡をください。また、単にプレーヤーとして参加するのももちろんありですので、大会の詳細を聞きたいという方も私に連絡をください。連絡先が分からないという方はコメント欄にその旨をお書きください。私から連絡を差し上げます。

 

参加希望者が4名を超えた時の招待選手の決定方法ですが、まずはFIDEレイティング順に上から4名とします。FIDEレイティング保持者が4名に満たなかった場合はJCAレイティング順とします。

 

今年は参加希望者が少ないとも噂がありますのでチャンスかもしれません!


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