Rook vs 3 Pawns

現在進行中のPoland Championshipのゲームを見ていたら、次のinstructiveendgameを見つけました。

 

3pawns1.gif

                 Mista (2590) - Socko (2593)

                                ch-POL 2018

                        position after 60.Rxa8

 

黒はルークで白のパスポーンを消し、代わりに3つのパスポーンを得ました。まだ黒のパスポーンはほとんど進んでいないので、白のほうが安心して指せるendgameだと思います。逆にポーンの進め方に気を付けなければいけない黒はどう進めれば良いでしょう?

 

60...g5 61. Kc6 Kg6 62. Kd5 Kf5 63. Ra1 Kf4 64. Ra4+ Kf5 65. Kd4 Kf4 66. Kd3+ Kf3 67. Ra5 Kg4 68. Ra4+ Kf3 69. Ra5 Kg4 70. Ke3 f5 71.Kf2 h5 72. Kg2 h4 73. Ra4+ Kh5 74. Ra5 Kg6 75. Kh3 Kf6 76. Ra6+ Kf7 77. Kg2 g4 78. Kf2 Kg7 79. Ke3 h3

 

3pawns2.gif

 

このポジションを見て、かつて似たようなポジションを見たことがあるのを思い出し、過去のNew In Chess Magazineを引っ張り出したところ、2009 Issue2のゲーム解説でRozentalisが次のように書いていました。ポーンをf5-g4-h3に置き、キングがg7-f7を行き来すればドローだと。Sockoもこの形を知っていて(おそらく)まさしくその通りに進めましたが

 

80. Kf4 Kf7

 

81.Kxf5? に対しては81…g32パスポーンを白は止められません。

 

81. Rh6 Kg7 82. Rh5 Kg6 83. Rh4 (83.Rxf5 h2!) 83…Kf6 84. Rh8 Kg7 85. Rc8

 

3pawns3.gif

 

ここで85...Kf7! であれば、白はこれ以上やれることがなく、ドローでした。もし白が勝てる方法があったら教えてください。

 

85…Kg6? 86. Rf8!

 

3pawns4.gif

 

これで黒がツワンクに陥りました。86…Kg7 87.Rxf5 h2に対して88.Rh5! で黒はどちらのポーンも落とされます。

 

86…Kh6 87. Rf6+ Kg7 88. Rxf5 1-0

 

それなりに現れるendgameですので、知っていて損はありません。


Japan Championship 2018

本日から始まります。

 

アメリカではShanklandbig 3を抑えて優勝しそうな勢いであり、必ずしもレイティングの高いプレーヤーが優勝するとは限りません。見ている側としては、いろいろ波乱があったほうが面白いので、良くも悪くも期待しています。

 

http://chess-results.com/tnr349011.aspx?lan=22

 


BCC Thailand Open 2018

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毎年恒例のBCC(Bangkok Chess Club) Thailand Open 2018が、4/13-4/21に開催されます。今年で早、18回目です。

 

http://chess-results.com/tnr344172.aspx?lan=1&zeilen=99999


Draw by three-fold repetition

先日、東京で行われたようなアービター・セミナーは各国で行われています。50人のGM100人近いIMを抱えるインドでは、国内で数多くの国際トーナメントが開かれ、アービターの存在は不可欠です。Chessbase indiaでは、そのセミナーのレポートが上がっています。

 

https://www.chessbase.in/news/FIDE_Arbiter_Seminar_in_Manali

 

この中で気になったのがthree-fold repetitionの裁定に関しての部分。問題となるゲームは以下のように進行します。

 

1. d4 e6 2. Nf3 f5 3. d5 exd5 4. Qxd5 d6 5. Ng5 Qe7 6. Nxh7 c6 7. Qb3 Rxh7 8.Qxg8 Rh4 9. Qb3 Na6 10. Qe3 Re4 11. Qd2 Nb4 12. Qd1 Rd4 13. Nd2 f4 14. a3 Nd5 15. c3 Ne3 16. fxe3 Qh4+ 17. g3 fxg3 18. Bg2 gxh2+

 

threefold1.gif

 

19. Kf1 Qf6+ 20. Ke1 Qh4+

 

threefold1.gif

 

21. Kf1 Qf6+ 22. Ke1

 

threefold2.gif

 

ここで黒のプレーヤーは次に22…Qh4+と指すことを示唆し、棋譜用紙に22…Qh4+と記入し、時計を止めて(止めなくても良い)アービーターを呼びます。

 

さて、ここでアービターはどう裁定するのが正しいでしょうか?

ドローは成立しますか?

 

 

答えはNOです。確かに、22…Qh4+とすれば、18…gxh2+のあとのポジションと20…Qh4+のあとのポジションと同一で、しかも次の手番が白なので、(three-fold repetitionでは手番は同じでないといけない)ドロー成立と宣言してしまいそうですが

 

まずは、FIDEのルールを確認しましょう。チェスのルールのArticle 9: The drawn gameの部分では以下のようになっています。

 

9.2.2

Positions are considered the same if and only if the same player has the move, pieces of the same kind and colour occupy the same squares and the possible moves of all the pieces of both players are the same. Thus positions are not the same if:

9.2.2.1

at the start of the sequence a pawn could have been captured en passant

9.2.2.2

a king had castling rights with a rook that has not been moved, but forfeited these after moving. The castling rights are lost only after the king or rook is moved.

 

白は20…Qh4+22…Qh4+のときにはキャスリングの権利を失っているが、18…gxh2の時点ではキャスリングの権利を失っていないので、9.2.2.2によってポジションは同一とはみなされないとのことです。もちろん、白は19手目にキャスリングはできないのですが、9.2.2.2の字面を追っていくと、あくまで白のキャスリングの権利が失効するのは19.Kf1と指した後で、18…gxh2の時点ではキャスリングの権利自体はありと解釈することができます。

 

 

セミナー受講者の中には正しく答えられる人もいれば、そうでない人もいるのも納得な、きちんとルールを理解していないと答えられない問題だと思います。プレーヤーもしかり、アービターもしかり、きちんとルールを理解してそれを実践するのは言うほど簡単なことではないということがよく分かる良い例でした。


百傑戦 2018

先週末の百傑戦から。厚彦くんには昨年、Summer OpenJapan Open2連敗を喫しているので、これはどうしても勝ちたいゲームでした。

 

Baba,Masahiro (2415)

Kobayashi, Atsuhiko (2240)

百傑戦 2018(5)

 

1.e4 c5 2.Nf3 e6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nc6 5.Nc3 Qc7 6.Be3 a6 7.Qf3 Ne5 8.Qg3 h5

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[1ヶ月前の千葉で尚広くんもこの手を試してきました。そのときはこのラインの知識がなかったので、普通に9.0-0-0と返しましたが、今回はちょっとしたサプライズを準備していました。]

9.Nf5!?

[MamedyarovGiriとのゲームで実戦投入したサクリファイス。黒が9...exf5でサクリファイスを受け入れるなら、10.Nd5 Qb8 11.Bb6 h4 12.Qc3 Nc6 13.Bc7 Qa7 14.000で白は非常に強力な主導権とアタックを得ます。]

9...f6!

[これが上記のゲームでGiriが見つけ出したディフェンスで、g7のポーンとe5のナイトを同時に守ります。Nxg7+に対してはKf7でナイトをトラップします。]

10.000 Kf7?!

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[これだと黒は展開で大きく遅れるので、Mamedyarov-Giriのようにexf5でナイトを取って勝負だと思います。]

11.f4 Ng4

[11...Nc4? 12.Bxc4 Qxc4 13.Qxg7+! Bxg7 14.Nd6+があるので、本譜の1手です。]

12.Bd4 b5 13.h3 N4h6 14.Nh4!

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[14.Nxh6+ Nxh6で黒の展開をお助けするよりg6のホールを狙ってみるほうが強力だと考えました。クイーンのピンを利用した14...g5というディフェンスに対し、15.Ng6! という跳び込みがあります。(15...Kxg6? 16.f5+)]

14...Ne7 15.Be2 Nhg8

[窮屈ですが、15...g6で守ると、16.Nxg6! Nxg6 17.Bxh5 Rg8 18.Qh4! Be7 19.f5 exf5 20.Nd5くらいでアタックが決まりそうです。]

16.Qf2 b4 17.Na4 Bb7 18.Nc5 Nc6 19.Nxb7 Qxb7 20.f5 Nge7 21.Rhf1!

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[不安定な黒キングのポジションを利用して、fxe6からのBxf6を狙います。]

21...e5 22.Bc5 Ke8 23.Rd2

[ルークを重ねてバックワードのdポーンを狙いにいくのは、非常にシンプルです。]

23...Rc8 24.Rfd1 Nb8 25.Bd6

[e4d7のポーンの交換だったら、dファイルを食い破りにいくべきなので、d7のディフェンダーを消しにいきました。]

25...Qxe4 26.Bxb8 Rxb8 27.Rxd7 a5

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28.Rxe7+?!

[しかし、ここはベストが見つけられませんでした。28.Qa7! だとビショップとナイトがダブルで浮くので、これを気にしてしまいました。]

28...Bxe7 29.Ng6 Kf7 30.Bf3 Qxf5 31.Nxe7

[ナイトを捨てて黒キングをおびき寄せる31.Bd5+のラインを集中して考えましたが、31...Kxg6 32.Bf7+ Kg5 33.h4+ Kg4なら黒OKです。]

31...Qf4+ 32.Kb1 Rhd8!

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[32...Kxe7? には33.Qa7+で白勝ちになるので、黒がナイトを取り返せないのは読み通りでしたが、dファイルからのカウンターが思いのほか強いのは誤算でした。]

33.Nd5 Qg5 34.Qc5 Kg8 35.Ne7+ Kh8 36.Rc1 a4 37.Be4 Rd4! 38.h4 Qe3 39.Ng6+ Kh7 40.Bf5 Kh6 41.Ne7 Rbd8

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42.Bd3

[42.Nc6?? などとすれば、42...Qxc1+! 43.Kxc1 Rd1#です。]

42...g6 43.Qc6?! R4d6

[ここは黒のチャンスで、43...Rxd3! 44.cxd3 Qxd3+ 45.Ka1 a3なら、黒はパペチュアルチェックでドローに逃げられそうです。]

44.Qc4 e4?!

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[検討戦で私が指摘したように、44...Kg7! とすれば黒は特に怖いことはなかったでしょう。次の1手でクイーンが黒キングに忍び寄り、メイトスレットを絡めて駒得しにいきます。]

45.Qf7! f5 46.Ng8+ Rxg8 47.Qxg8 Qd4

[47...exd3 48.Qh8#があるので、黒はピースを取り返せません。]

48.Qf8+ Kh7 49.Bc4!

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[メイトはありませんが、Bg8+〜Bd5+! のディスカバードでルークを落としにいくのが狙いです。]

49...Rd8 50.Qxb4! e3

[もちろん50...Rc851.Bg8+! でクイーンを引き抜かれるのでダメです。黒の危険なクイーンサイドのポーンを取り除き、白勝勢です。]

51.a3 Kh6 52.Bd3 Qe5 53.Qxa4 Rd4

54.Qa8 Rxh4 55.Qf8+ Kg5 56.Qd8+ Kh6? 57.Qxh4 10

[最後はブランダーで幕を閉じましたが、56...Kg4 57.Be2+ Kg3 58.Qg5+ Rg4 59.Bxg4 hxg4でも白が勝つにはそう難しくありません。]

 

東京予選も終わり、全日本選手権まで残り1ヶ月半です。今年はどんな大会になるのでしょうか。


千葉県選手権2018

今年の千葉県選手権は、昨年よりも10名以上参加者を増やし、盛況な中、幕を閉じました。ディフェンディング・チャンピオンとして臨んだ本トーナメントは51ドローで優勝。千葉選手権が毎年恒例のイベントになり、千葉のチェスがさらに盛り上がることを願っています。

 

Baba,Masahiro (2406)

Mitsuya,Naoto (2160)

Chiba 2018(4)

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.00 b5 6.Bb3 Bc5

Mitsu1.gif

[この手は予定外でした。過去の記憶を呼び戻しながら、Archangelskのメインラインに飛び込みます。]

7.c3 d6 8.d4 Bb6 9.a4 Rb8 10.Na3 00 11.axb5 axb5 12.Nxb5 Bg4

Mitsu2.gif

[Archangelskで黒は1ポーンと引き換えにアクティブなプレーを目指します。白は正確に対処しないとセンターを含め、一瞬で崩壊します。]

13.Bc2 exd4 14.Nbxd4 Nxd4 15.cxd4 Bxf3 16.gxf3 Nh5 17.Kh1 Qf6 18.Be3 c5!?

Mitsu3.gif

[この手は近年、黒のベストとして推奨されています。2016年、New YorkでのWorld Championship matchの大事な1戦でCarlsenもこの手を採用しました。これより先のセオリーは特に研究したことはなく、ここから自分の頭で考え始めます。19.d5には19...c4! で白マスビショップの動きが制限されるため、白マスビショップのラインを開く次の1手がロジカルです。]

19.e5! Qe6

[19...dxe5 20.dxc5 Bc7 21.Be4! Rxb2 22.Qd7! なら、2ビショップの威力がありパスポーンというカードのある白が有利だというのが、19.e5と突いた根底の読みです。]

20.f4

Mitsu4.gif

[しかしこれはあまり指されたことはなく、20.exd6と指すのがセオリーのようです。h1-a8のラインを自発的に開くのはQd5+の可能性があり危険に見えますが、それを見越して白クイーンのラインを開きにいきました。三ツ矢さんの知識もここで途切れます。]

20...cxd4!

[いま、21.d5がポジショナルスレットになっているため、20...g6では遅すぎます。]

21.Bxh7+ Kxh7 22.Qxh5+ Kg8 23.Bd2 g6

[gファイルを利用したダブルルークサクリファイス(Rg1Rxg7+Rg1+)の可能性があるので、これを未然に防ぎますが、逆にキング廻りを弱めるデメリットもあります。私は23...d3で黒マスビショップのラインを開きにいくのがベストに思いました。]

24.Rg1 Rb7?

Mitsu5.gif

[Qd5+に対してはf3と突きます。黒クイーンはg6のポーンを守らなければいけないので、アクティブなカウンターをなかなか作れません。本譜は黒クイーンをフリーにするため、Rxg6-fxg6-Qxg6に対して7thランクを守っておくprophylaxisですが...]

25.Qf3!

[浮いたルークを狙いつつ、弱点のダイアゴナルをカバーします。ここで体制を整え、次のf4-f5を強力にします。]

25...d5 26.f5! Qxe5 27.Rae1 Qd6 28.Bf4 Qc6 29.Be5+-

Mitsu6.gif

[こうして全てのピースをアクティブにし、Qh3 or Qh5がスレットになった今、黒は駒損を避けられません。]

29...Re7 30.Rc1 Qxc1 31.Rxc1 Rxe5 32.fxg6 fxg6

Mitsu7.gif

33.Qg4 g5 34.Qh5 d3 35.Qg6+ Kh8 36.Qxb6 d2 37.Rg1 Rff5 38.Qd4 10

Mitsu8.gif

 

最終結果は以下のサイトで確認できます。

http://chess-results.com/tnr326585.aspx?lan=1&art=1&rd=6&wi=821


IV League 2018/1

1/27(土)は2018年最初のIVLでした。今年もIVLが活発に活動するよう、積極的に参加します。

 

Baba,Masahiro (2406)

Higashino,Tetsuo (2105)

IV League 2018(5)

 

1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5

[長らく指していなかったRossolimoを試すことにしました。]

3...g6 4.00 Bg7 5.c3 Nf6 6.e5 Nd5 7.d4 cxd4 8.cxd4 00 9.Nc3 Nc7 10.Ba4 11.Bxc6 bxc6 12.Qa4 Bd7

higashino2.gif

[本譜でも悪くないですが、クイーンをd7に、ビショップをb7にセットするほうがベターでした。過去に同じポジションで途中まで優位に進めたものの、アドヴァンテージを手放してルークエンディングで負けたゲームがありました。13.Qc4 Rc8 14.exd6 exd6 15.Bg5 Qe8 16.Rfe1 Be6 17.Qb4 Qd7 18.Ne4 Ne8 19.Bf4 Bd5 20.Nxd6?! Nxd6 21.Bxd6 Rfd8 22.Be5 Bxf3 23.gxf3 Qf5 24.Bxg7 Kxg7 25.Qc3 Qf6 26.Re4? c5 27.dxc5 Qxc3 28.bxc3 Rxc5 29.Rc1 Rd3 30.Kg2 h5 31.h4 a5 32.Rc2 Rf5 33.Re3 Rd1 34.c4 Rc5 35.Re4 g5 36.Rce2 f6 37.Rb2 Rc1 38.Rb5 R1xc4 39.Rxc5 Rxc5 40.Kg3 Kg6 41.Rd4 Rb5 42.a3 Kf7 43.Rd3 Ke6 44.Kh3 Rc5 45.Kg3 Ke5 46.Re3+ Kd6 47.Rb3 Kc6 48.Re3 Kb5 49.Re6 Rf5 50.Re3 Kc4 51.Re4+ Kb3 52.Re3+ Kb2 53.Rd3 a4 54.Re3 Rb5 55.Re6 gxh4+ 56.Kxh4 Kxa3 57.Rxf6 Kb2 01 Baba (2079) - Shaarbaf (2393) Kuala Lumpur 2004 マスターからポイントを取るにはエンドゲームを勉強しないといけないと痛感させられた思い出の1戦です。]

13.exd6 exd6 14.Bg5 Qc8

[試合中は14...f6 15.Bf4 Ne8を考えていましたが、これはおかしな駒組みです。]

15.Ne4 c5?!

[お互い見落としていましたが、15...Nb5! 16.Be7?! Re8 17.Nxd6 Nxd6 18.Bxd6 c5! ならオープンポジションでダブルビショップを持っている黒のほうが有利です。]

16.Qa5 Nd5 17.dxc5 dxc5 18.Rad1 Be6 19.b3

higashino3.gif

[これでc5のポーンが落ちるので、はっきり白良しです。]

19...h6 20.Bh4

[ここはc1に退くのも考えましたが、d8をコントロールしているこのダイアゴナルをキープしたいのと、c5Rc1からルークで落としにいきたかったので本譜を選択。]

20...g5 21.Bg3 Rd8 22.Rc1 f5 23.Nexg5!?

higashino4.gif

[3ポーンvsピースの交換にもっていく必要はありませんが、f5-f4のスレットを短時間に処理するため、分かりやすく主導権が残る本譜に飛び込みました。]

23...hxg5 24.Rxc5

[細かいところですが、この順番でポーンを落とします。先に24.Nxg5だと、24...Bd4! c5を落とせません。]

24...Qd7 25.Nxg5 Bf6 26.Bh4 Qe7 27.Nxe6 Qxe6 28.Re1?! Qb6

higashino5.gif

[ここは28...Bc3などの手をチェックして指したつもりでしたが、28...Nc3! を見落としていました。29.Kf1?? Qxe1+! 29.Qxc3? Bxc3は一発逆転を許すので、29.Rf1と指すしかなく、29...Ne2+ 30.Kh1 Bxh4 31.Re5でかろうじてピースを取り返せるところです。]

29.Bxf6 Qxa5 30.Rxa5 Nxf6 31.Rxf5

higashino6.gif

[これで4ポーンvsナイトになり、ポーンを持っている側が勝つパターンです。白の勝ちへのシナリオは、

ルークを1つ交換して黒のカウンターを弱める。(相手にダブルルークが残っていると思わぬ反撃にあう。)

ルークをa5ないしはa6にもっていき、a2ポーンを守り、a7ポーンにプレッシャーをかけつつ黒キングの前進を抑える。

キングを前進させながらキングサイドのポーンを突いていく。]

31...Nd5 32.h4 Rd7 33.Re4 Rad8 34.Rg4+ Rg7 35.Rfg5 Rxg5 36.Rxg5+ Kh7 37.g3 Rd7 38.Kg2 Nc3 39.Ra5 Nd5 40.Kh3 Kg6 41.g4 Nf4+ 42.Kg3 Ne2+ 43.Kf3 Nd4+ 44.Ke4 Nc6 45.Ra6 Rd6 46.f4 Kf7

higashino7.gif

[ここはルークを交換するチャンスでしたが、ポーンが大きく前進している場合、ナイト1つではパスポーンを止める手立てがありません。46...Re6+ 47.Kd5 Nb4+ 48.Kxe6 Nxa6 49.f5+ Kh6 50.f6 Kg6 51.f7 Nc7+ 52.Kd6+]

47.f5 Rd4+ 48.Ke3 Rd6 49.g5 Ke7 50.h5 Kd7 51.h6 10


2017総括

今年もあと残りわずかとなりました。

例年通り、今年の総括です。

 

2017年の戦績は以下の通り。

 

=================

試合数:70試合(□34 36

結果:(勝ち49 負け12 ドロー9

勝率:76.4%

=================

 

今年はFIDEレイティングが2300を、JCAレイティングが2400を超えて自身の記録を更新しました。そして何より悲願のFMタイトルも手にしました。自分のピークはまだ先にあることを実感したので、引き続きステップアップしていければと思います。

 

2017年は藤井四段のブレークや羽生永世七冠で将棋界が大いに沸きました。来年はチェス・オリンピアードがありますし、チェス界も盛り上がっていくことを願っています。

 

それでは皆様、良いお年を!


IV League 2017/12

今年ラストとなるIVLに参戦。開催頻度は少々減ってきていますが、まだ続いています。それでは今年の締めの1戦を。

 

Shioguchi,Tatsuya (2046)

Baba,Masahiro (2410)

IV League 2017(5)

 

1.c4 e5 2.Nc3 Nc6 3.g3 Bc5 4.Bg2 d6

[5.Na4を防ぐため、4...a6のほうが正確でした。]

Shio1.gif

5.d3 a6 6.a3 Ba7 7.e3 Nge7 8.Nge2 h5!?

[English Openingにもモダンなアイディアが多く取り入れられ、日々進化しています。白のナイトがf3でなくe2に展開されたのを見てこの端ポーンを突きます。このhポーンの前進をどう処理するか、白としては考えどころです。9.0-0?! に対しては9...h4hファイルを開いて黒の思うまま、9.h3 h4 10.g4には10...f5! でキングサイドを崩してすでに黒のほうが指しやすい。本譜のように9.h4ならg4にマスを得ます。]

Shio2.gif

9.h4 Bg4 10.Bd2

[これはややパッシブに見えます。b4を突いてb2にセットするほうが自然です。]

10...00 11.Qc2 Rb8

[この手はb7のポーンを守る意味もありますが、真の狙いはbポーンを突いてセンターを崩しにいくことです。Kings Indianで良くある手です。]

12.Nd5 b5 13.cxb5 Rxb5

Shio3.gif

14.Nxe7+ Nxe7 15.Rc1 c5 16.Nc3 Rb8 17.Nd5 Be6 18.e4

[ポーンストラクチャーを崩さない18.Nxe7+ Qxe7のほうが良いと思いますが、それでも黒満足です。]

Shio4.gif

18...Bxd5

[ここは直感的にナイトを残したほうがアタックは続く気がしたため、ビショップで取りましたが、18...Nxd5 19.exd5 Bd7も悪くありません。]

19.exd5 Nf5 20.Bc3 Qe7 21.Be4 Nh6 22.Bf3 f5!?

[白キングが中央にいることを利用して、センターを開きにいきます。ただ、1ポーン捨てるのはマストではなく、22...Ng4でも手は続きます。]

Shio5.gif

23.Bxh5 e4 24.dxe4

[24.00 c4 25.d4で黒ビショップの道を閉ざされたら、25...g5!? が面白いかなと思います。]

24...fxe4 25.Qd2 c4

[これでfファイルとg1-a7ダイアゴナルの2つのラインが開き、白の弱点のf2にプレッシャーをかけます。]

26.Bd4 Nf5 27.Bxa7 Qxa7

[e4-e4の突きが止めにくいスレットになっています。例えば、白の比較的ベストな受けである28.Bg4 e3 29.fxe3 Nxe3 30.Be6+ Kh8 31.Rc3 Rf3でも黒のアタックは続きます。]

Shio6.gif

28.00 Nxg3 29.Bg4 Rf6 30.Be6+ Kh8 31.Kg2

[31.Rfe1 Rg6 32.Kh2 Rf8も白の受け手を探すのは難しいと思います。]

31...Nxf1 32.Rxf1 Rbf8 33.Qc2 e3

[33...Rg6+ 34.Kh2 Rf4のほうが早かったでしょう。]

34.f3 Qd4 01

Shio7.gif


Japan Open 2017

Japan Openが終了して早4週間。今年5月の全日本選手権と今大会は、来年Georgiaで開催されるBatumi Olympiadの代表権がかかった大会でした。最終的に5人が5P/6Rで並んだ結果は、オリンピアード代表権の行方に大きく影響し、今もどう決定していくか方向性が見えません。情報が不確定なのでここでは詳細は書きませんが、Olympiadは一生に一度立てるか立てないかの大舞台なので、皆さんが納得できる形で決着がつくことを願っています。

 

さて、今大会の自分のゲームから、ポイントとなった場面を2つ紹介します。まずはR.1ドローとなり迎えたR.2のゲームから。

 

JO2017.gif

Asaka,Samuel (1417) - Baba,Masahiro (2410)

                          Position after 35...exf4

 

[f4を取りにいくかc6を取りにいくかの2択ですが、ここでの選択が勝負の分かれ道になります。]

36.Qxc6?!

[36.Bxf4 Qg4 37.Rf1が正着ですが、横と縦のピンが気持ち悪いのと、このピンを具体的にどう外すか短時間に判断するのは難しいと思います。]

36...f3!

[ここまでイコールよりは白に分があった形勢ですが、この1手で黒に形勢が傾きました。白の2連ポーンより黒のfポーンのほうが強力であり、さらに白クイーンはキングのディフェンスからカットオフされました。]

37.Rf1 Qh3 38.Rf2 Qf5!

[白のバックランクの弱さをついて、Qb1+を狙います。以前紹介したHabu-Baba戦、Katsuta-Baba戦でもこのクイーンの動きがありました。]

JO2017-2.gif

39.Qa6 Bd4 40.Qa2 Qd3!+

JO2017-3.gif

[c3f1といったマスをおさえ、これで勝負ありです。焦ってはいけないのは40...Bxf2?? 41.Bc3++-]

41.Be1

[41.Qe6でパペチュアルを狙われるほうが黒としては考えることが多く嫌ですが、幸いなことに黒キングは逃げることができます。]

41...Bxf2 42.Qxf2 Re8 43.Kg1 Rg8+ 44.Kh1 Rg2 01

JO2017-4.gif

 

つづいては2日目のR.3から。

 

JO2017-5.gif

Baba,Masahiro (2410) - Shinoda,Taro (2082)

                         Position after 42.b6

 

[マテリアルはイコールですが、bポーンが走り出し、黒はこのパスポーンにどう対処すべきか決める重要な局面です。]

42...Re3

[私は42...Nxb6 43.Qxb6 Rf8とすれば、QB vs RRで白がアップしていても、fortressではないかと考えていました。というのは、同じマテリアル・バランスが現れたVolokitin-Morozevich Biel 2006のゲームを知っていたからです。(このゲームについては最後に紹介します。)白が勝つためにはf7のポーンを落としにいかなければなりませんが、2ルークで頑なに守られると、このポーンをどう落とすか白にはプランがありません。]

43.Qb5 Nf6?

[ここは43...Nxb6! 44.Qxb6 fortressにするラストチャンスでした。また、必要はありませんが、43...Rxf3!? 44.gxf3 Nxb6 45.Qxb6 Re8でもQ vs Rfortressだと思います。この後、はっきりとした勝ちのプランは見えませんが、局面を進めてみます。]

44.b7± Ree8 45.Bc6 Rf8 46.Kf2 Rb8 47.Ke3 Rfd8 48.g4 Kg8 49.Kf4 Ne8 50.h4 Nd6

JO2017-6.gif

51.Qa6 Kf8 52.Ke5 Ke7 53.Qa3 f6+ 54.Kf4

[54.Kd5 Kf8 55.Qxd6+? Rxd6+ 56.Kxd6とエンドゲームに持ち込むのも考えましたが、56...h5! 57.gxh5 Kg8 58.Kc7 Rxb7+ 59.Bxb7 Kh7 60.Bd5 Kh6 61.Bf7 f5 62.Kd6 f4 63.Ke5 f3 64.Kf4 f2 65.Bc4 Kxh5 66.Kg3 g5でドローにしかなりません。本譜のようにf6を突かせて白マスが弱くなるのは、白にとってメリットありと判断して、もう少しチャンスをうかがうことにします。]

54...Kf7 55.Qa5 Ke7?

[55...Kg8 56.Qc7 Kh8とポーンの陰に隠れるほうがベターですが、57.g5 fxg5+ 58.hxg5で黒キング前を崩して白が勝てるでしょう。]

56.Qc7+ Kf8 57.Bd5+-

[これで黒は完全にzugzwangです!]

JO2017-7.gif

57...g5+ 58.Kg3 Ke8 59.Qg7 gxh4+ 60.Kxh4 f5 61.Bc6+ 10

JO2017-8.gif

 

*****************************************************

 

JO2017-9.gif

        Volokitin Morozevich Biel 2006

                      Position after 43.Rxb2

 

43...Bc5!

[このゲームをliveで見ていた多くのチェスファンはここでMorozevichがなぜ43...Bd6+ 44.g3 Bxb8とルークを取りにいかなかったのか悩んだと思います。(私もその中の1人でした)しかし、45.Rxb8のあと、白はR vs Qfortressに持ち込むことができるため、Morozevichはこれを避け、f2のポーンを狙いにいきます。]

44.R8b3?

[44.R8b5! Bd4 45.Re2! Qf1 46.Rbb2! 2段目でディフェンスすれば白がドローにできる可能性は高かったと、MorozevichsecondだったKuzminは主張します。(New In Chess Magazine 2006/6)]

44...Qe1 45.Kg3 Bd4 46.Rb1 Qxf2+

JO2017-10.gif

[このポーンを落として黒勝ちとなります。]

47.Kh2 Be5+ 48.Kh1 Qf4 49.Kg1 Qh2+ 50.Kf2 Bd4+ 51.Kf3 h5 52.Rb5 Kh6 53.Rd5 Ba7 54.Rbd1 h4 55.R5d2 Qe5 56.Rd6+ g6 57.R1d3 Qg3+ 58.Ke2 Qxg2+ 59.Kd1 Bb8 01


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