Selected Games(59)

ANNOTATED BY

Nanjo Ryosuke

 

 

Nanjo Ryosuke (2280)

Watanabe Akira (2297,FM)

Japan Championship 2012(10)

 

1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Be3 e5

 

暁さんといえばここで6...e6とするScheveningen Structureでの指し回しが有名ですが、4ラウンドに私が指したPerenyi Attack(6...e6 7.g4!?)を嫌ったようです。

 

7.Nb3 Be7 8.f3 Be6 9.Qd2 00 10.000 a5




Boleslavsky Variation
から作戦を借りた比較的マイナーなバリエーションです。aポーンを進めてb3のナイトを追い回しつつ白のキングを攻めに行きます。

 

11.Kb1!?

 

この筋を指すのは初めてで、調べてはいたもののこの手を指すこととメインラインがエンディングになることくらいしか覚えていませんでした。b3のナイトをc1に引けるようにしつつa2を自然に守れるようにします。

 

11...a4 12.Nc1 a3

 

後々このポーンがターゲットになることを踏まえると、いきなりこのポーンをa3まで伸ばさずに13...Ra5としたほうがよかったかもしれません。

 

13.b3 Ra5

 

d6-d5を用意します。ここまでどうやったら研究手順のエンディングに突入できるかを必死に思い出そうとしていましたが、ここにきてギリギリ見えました。

 

14.g4

 

g4-g5f6のナイトを追い返して、d5を抑え込もうとします。これを許してしまうと駒の連携が完全に断たれてしまうので、黒は今行くしかありません。

 

14...d5 15.g5




ナイトが逃げたら当然
d5のポーンが落ちてしまい、15...d4 16.gxf6 Bxf6 17.Qe1 Nd7 18.Nd5!は白良しですが、まだ黒には別の手段が残されています。

 

15..Nxe4 16.Nxe4

 

16.fxe4? d4は黒優勢です。

 

16...dxe4 17.Qxd8 Rxd8 18.Rxd8+ Bxd8 19.fxe4

 


 

研究していたエンディングに持ち込むことに成功しました。このエンディングの形勢判断は難しく見えますが、白の方がクイーンサイドにマジョリティがあること、黒はa3のポーンが弱いこと、白の駒の方がアクティブな位置に到達しやすいことなど、わずかかもしれませんが白の方が押しています。

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全日本選手権2012 -最終日-

すでに優勝者は決定している中、入賞をかけて最終日も各所でファイティング・チェスが見られました。

 

Averbukh,Alex (2222)

Noguchi,Koji (2147)

Japan Chess Championship 2012(11)

 

1.e4 c5 2.Nf3 g6 3.c4 Bg7 4.d4 Qa5+ 5.Bd2 Qb6 6.Nc3 cxd4 7.Nd5 Qd8 8.Bf4 d6 9.e5 e6 10.Bg5 f6 11.exf6 Nxf6 12.Nxf6+ Bxf6 13.Bxf6 Qxf6 14.Qxd4 Qxd4 15.Nxd4 [多くの駒交換を終え、早くも局面はクイーンレス・ミドルゲームというよりはエンドゲームのステージへ突入です。白陣には特にターゲットになるような弱点はないのに対して、黒のd6e6のポーンはターゲットになるため、この局面はやや白良しというのが一般的な評価だと思います。]




15...Bd7 16.Be2 e5
[16...Nc6? 17.Nb5 Ke7 18.000±] 17.Nc2 Bc6 18.Ne3 Na6 19.Rd1 Ke7 20.Nd5+ Bxd5 21.Rxd5 Rac8 22.00 Rhf8 23.b3 Rf6 24.Bf3 b6 25.Rd2 Nc5 26.Bd5 Rc7 27.Re1 Rc8 28.Re3




28...g5?!
[このポーンを不用意に突いたことで、白にキングサイドからのブレークスルーのチャンスが生まれます。ポーンは動かさずに辛抱強く待っていれば、白はそう簡単に局面を動かせないように見えます。] 29.Rg3 h6 30.h4! Rg6 [30...gxh4? 31.Rg7+ Kd8 32.Rxa7±] 31.hxg5 Rxg5 32.Kh2 Rf8 33.Rxg5 hxg5 34.Kh3 Rf4 35.g3 Rd4 36.Re2 Kf6 37.f3 Kf5 38.Bg8 Rd1 39.Bh7+ Kf6 40.Bc2 Ra1 41.Be4 Ne6 42.Kg4 Nc5 43.Rh2 Nxe4 44.fxe4 Re1 [44...Kg6?には、45.Rh5 Rxa2 46.Rxg5+ Kf7=ではなく、45.Rd2!が強力。] 45.Rh6+ Ke7 46.Kf5! [decisive penetration!]




46...Kd7 47.Rh7+ Kc6 48.Rxa7 Kc5 49.Rc7+ Kd4 50.Rc6 Rf1+ 51.Kxg5 Kxe4 52.Rxd6 Rg1 53.g4 Kf3 54.Rf6+ Ke3 55.Kf5 e4 56.g5 Rf1+ 57.Ke5 Rg1 58.g6 Rg5+ 59.Ke6 Kd2 60.Kf7 e3 61.g7 e2 62.Re6 e1Q 63.Rxe1 Kxe1 64.g8Q Rxg8 65.Kxg8 1
0 [このゲームに勝ったAlexが単独2位に。イスタンブール・オリンピアードでの活躍が期待されます。]

 

入賞者は以下の通りです。ラスト3戦を戦わなかった小島くんが3位に入賞。また、7Pグループには何名か並びましたが、その中で入賞したのは塩見さんでした。こうして見ると、4名ともJCAレイティングが2200+のプレーヤーであり、レイティングが比較的正直に反映された結果だったと言えるのではないでしょうか。

 

優勝 9.5P 南條 遼介

2 8.0P Averbukh Alex

3 7.5P 小島 慎也

4 7.0P 塩見


KAWAIILABO -Junko Suzuki-

デザイナーのJunko Suzukiさんが、ご自身のページで先日のCheck Mate Loungeを紹介してくださいました。

 

http://kawaiilabo.blogspot.jp/2012/05/check-mate-lounge-20120421.html

 

会場では誰よりも前に出て様々なアングルから撮影されていたので、専属のカメラマンかと思ったほどでした(笑)

 

試合後の様子もよく写されており、新鮮なレポートです。


全日本選手権2012 -5日目-

大会も山場です。5日目の2Rで上位がだいたい決まります。まずはR.9から次の一コマを。

 

      Sugimoto,K (1910) - Shinoda,T (1812)

                  Japan Chess Championship 2012(9)

 

昼休みの検討時、篠田くんからこのポジションで黒がどう指せばよいか尋ねられました。私は少し考えて1…Re5を提案しました。あとあとRe5-h5からh2を狙ったりするのかなと考えながらしばらくして、この手の真のポイントはf7-f5からのセンターからのブレークにあることに気が付きました。適切なタイミングでf7-f5が突ければ、黒のほうが指しやすいと今でも考えています。

 

実戦では狙いのいまいちはっきりしない1…h5?! で、これはあとで分かったのですが、2人はそこでドローに合意。まだ多くのプレーが残されている中でのドローは少なくとも私にとっては不可解です...

 

続くR.10では南條くんが暁さんを下し、単独優勝を決めました。大会を振り返った南條くんはそのゲームをベストと話していました。ゲームの解説は、のちほど勝者本人からもらうことにしましょう。

 

さて、このラウンド、私の目を引いたのは桑田くんのアタックでした。

 

Kuwata,Susumu (2138)

Nakamura,Ryuji (2125)

Japan Chess Championship 2012(10)

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.00 b5 6.Bb3 Bc5 7.d3 00 8.a4 Rb8 9.Nc3 h6 10.axb5 axb5 11.h3 d6 12.Ne2 Be6 13.c3 Bb6 14.Ng3 b4 15.Ba4 Bd7 16.d4 exd4 17.cxd4 Ra8 18.Be3 Re8 19.Qc2 Nb8 20.Bb3 Rxa1 21.Rxa1 Bb5 [白の駒は全て理想的なポジションにあり、ここで黒キングを直接アタックするため、ラインを開きにかかります。]




22.e5! Nfd7 23.Qg6!
[ピンをうまく利用してこのマスに跳びこみます。xf7のみならず、Ng3-f5Be3xh6の狙いが強力です。] 23...d5 24.Bxd5 Nxe5 [一見、この切り返しで黒が盛り返すように見えますが...]




25.Bxf7+!!
[白のアタックの最大のポイントです。25.Nxe5 Qxd5なら黒は戦えます。] 25...Nxf7 26.Nh5+- Kf8 27.Qxg7+ Ke7 28.Ne5 Ke6




29.Nf4+! Ke7 30.Qxf7+ Kd6 31.Qd5+
[2手メイト] 10


世界新聞 -小島慎也を追って-



ハンガリー、ブダペストで小島くんと同じ宿に泊まっている日本人の方が、小島くんのハンガリーでの生活の様子をレポートしてくれています。

 

http://sekaishinbun.blog89.fc2.com/blog-entry-366.html

 

写真が多く、ライブリーなレポートで皆さん、きっと楽しめます。今後の記事にも期待しています! 


全日本選手権2012 -4日目-

大会4日目から6日目を1日ずつ振り返っていきたいと思います。今日はまず4日目です。

 

午前のラウンドでは、岩崎さんが塩見さんを華麗なスタイルでノックアウト。ゲーム全体を通して岩崎さんの力強さとテクニックが見られたこの1戦は、私が思うに今年の全日本選手権のベストゲームです。きっと岩崎さんのページで詳細な解説が出ると思うので、あえて私がここで変なコメントをつけることはせず、あくまでパスを出すにとどめることにしておきます。

 

Siomi,Ryo (2202)

Iwasaki,Yudai (2129)

Japan Chess Championship 2012(7)

 

1.e4 c5 2.c3 Nf6 3.e5 Nd5 4.Bc4 e6 5.Nf3 Nc6 6.00 Nb6 7.Bb3 c4 8.Bc2 Qc7 9.Qe2 g5 10.Re1 g4 11.Nd4 Nxd4 12.cxd4 h5 13.d3 d5 14.Bg5 Bd7 15.Bf6 Rh6 16.Nd2 c3 17.bxc3 Qxc3 18.Nb3 Rc8 19.Nc5




19...Rxf6 20.exf6 Qxd4 21.Nxd7 Nxd7 22.Bb3 Bh6 23.Rab1 b6 24.h3 Rc3 25.Qb2 Nxf6 26.Qa3 Rc7 27.Qa4+ Qxa4 28.Bxa4+ Ke7 29.Re2 d4 30.Rb4




30...g3 31.fxg3 Be3+ 32.Kh2 Nd5 33.Rbb2 Rc1 34.Rbc2 Ra1 35.h4 Nf6 36.g4 Bf4+ 37.g3 Nxg4+ 38.Kh3 Be3 39.Rc7+ Kf6 40.Kg2 Ne5 41.Bb5 Kf5 42.Kh3 f6 43.Rxa7 Ng4 44.Bc6 Rd1 45.Be4+ Ke5 46.Rh7 f5 47.Rxh5 Nf6 48.Bf3




48...Rxd3 49.Rh8 Ne4 50.Rb8 Nd2 51.Bc6 Rc3 52.Bb5 Nf3 53.Kg2 Nd2 54.Rxb6 Ne4 55.Bd7 Nc5 56.Bc6 f4 57.gxf4+ Kxf4 58.Bb5 d3 59.Bxd3 Rxd3 60.Rb4+ Bd4 61.h5 e5 62.h6 Rg3+ 63.Kh2 Rg6 64.Rc2 Rxh6+ 65.Kg2 Rg6+ 66.Kh2 Ne4 67.Rb3 Ng5 68.Kg2 Nf3+ 69.Kf1 Rg1+ 70.Ke2 e4 0
1

 

 

 


午後のラウンドでは、俗に
zwischenzugまたは”in-between move”と言われるテクニックの好例が現れたので、そちらを簡単に紹介します。


       Noguchi,K (2147) - Gonda,G (2030)

              Japan Chess Championship 2012(8)

 

30...Rxe2? [31.Nxe2? とすぐに取り返すと、31...Qh2+があり、そうなると黒勝ちですが...] 31.h6! [ここでこのzwischenzugです。メイトスレットを作ることで、黒に手番を渡しません。] 31...g6 [もちろん31...Qxh6? 31...Nxh6ならQh2+の可能性はなくなり、白は問題なくルークをゲットです。] 32.h7+! [決め手。32...Kh8 33.Qd8+ Kxh7 34.Qh4+ h2を守り、次に安心してルークを取れます。] 32...Kxh7 33.Qh4+ Kg7 34.Nxe2 Qb4 35.Nf4 Qc3 36.Rf1 Nf6 37.Qxf6+ 10


Golden Open 2012


2012全日本チャンピオン南條君と             Photo by Hashimoto Azumi


全日本選手権の振り返りをする前に、私の参加したゴールデンオープンを簡単に振り返ります。

 

R.1 馬場(2226 1-0 佐々木さん(1829 Ruy Lopez

R.2 馬場(2226 1-0 増井さん(1580 Nimzowitsch

R.3 馬屋原くん(1893½–½ 馬場(2226 Sicilian Najdorf

R.4 馬場(22261-0 石井さん(1858 Queens Gambit Declined

R.5 薄葉くん(1838 0-1 馬場(2226 English

R.6 吉村くん(1937 0-1 馬場(2226 Grunfeld

R.7 馬場(22261-0 大沢さん(1952 Dutch

R.8 馬場(22261-0 坂井さん(1992 Sicilian Najdorf

 

今回は白5回、黒3回で、カラーバランスに恵まれました。しかし、私がリスト1で、さらに初戦、白で勝ったため、本来であればR.2で色が逆転するはずでした。すぐにこのミスペアリングに気付いてアービターには伝えましたが、「もうペアリングを発表してしまったので」ということで、そのままの色で試合開始。

 

今大会では、リスト2の坂井延寿さんとのレイティング差が200以上離れていたため、優勝しなければいけない状況でしたが、やはりそんなに簡単には勝てません。優勝争いは最終ラウンドにまでもつれこみました。

 

Baba,Masahiro (2226)

Sakai,Enju (1992)

Golden Open 2012(8)

 

[R.7まで終わって、私が6.5P、延寿さんが6P。そしてこの直接対決です。ドロー以上なら優勝確定ですが、負けると全てを失います。ただ、予想に反して白を引いたので、勝ちにいくモチベーションが一気に上がりました。] 1.e4 c5 2.Nf3 d6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 a6 6.Bg5 e6 7.f4 h6 8.Bh4 Be7 9.Qf3 Nbd7 10.000 Qc7 11.Bd3 g5 12.fxg5 Ne5 13.Qe2 Nfg4 14.Kb1 [先日のチェックメイトラウンジでのブリッツで、延寿さんは羽生さんとこのラインを指しました。そこでの羽生さんのチョイスも14.Kb1だったそうですが、一応メインラインは14.Nf3 hxg5 15.Bxg5 Bxg5+ 16.Nxg5 Qc5 17.Nh3だと言われています。]




14...hxg5 15.Bg3 Bd7 16.Nf3 Nxf3 17.Qxf3 Ne5 18.Qe2 0
00 19.Rhf1 Rdf8? [私が考えていたのは19...Rh7のみです。そんなに悪い手には見えませんが、d8のルークはd8にいて、d7のビショップを守っていなければいけませんでした。d7のビショップが浮いたことを見て、チャンスを作り出します。] 20.Bxe5! dxe5




21.Bxa6!! Rxh2
[21...bxa6 には、22.Qxa6+ Kb8 (22...Kd8 23.Nb5 Qb8 24.Qa5+ Kc8 25.Na7+ +- / 22...Qb7 23.Qxb7+ Kxb7 24.Rxd7+ +-) 23.Nb5 Bxb5 24.Qxb5+アタックが続きます。おそらくこれは白が勝つパターンだと思います。a6のポーンを落とせたことで、黒キング前を一気に弱体化させました。次にディフェンダーの白マスビショップも換えてしまいます。] 22.Bb5 Bc6 23.Bxc6 Qxc6 [23...bxc6? 24.Qa6+ Kb8 25.Rd3+-] 24.Rf3 Rhh8 25.Nb5 Kb8 26.Rc3 Qa6 [ここでドローオファーが来ました。が、局面はすでに白勝ちへ一直線です。]




27.Rc7 Bd8 28.Rcd7 Qc6 29.a4 Ba5?!
[これは次のダブルアタックを許してしまいます。29...Bb6がベストです。] 30.Qe3 Bb6 31.Qxg5




31...Rhg8?
[私が望んでいたフィニッシュは、31...Bd4 32.R1xd4! exd4 33.Qe5+ Ka8 34.Qxd4+-です。また、31...Qxe4 32.Nd6 Qc6 33.Rxb7+ +-でも良かったと思います。次にさらにポーンが落ち、あとはお好みの調理方法で。] 32.Qxe5+ Ka8 33.Nc7+ Bxc7 34.Rxc7 Qa6 35.Rc5 f6 36.Qc3 b6 37.Rc7 Qxa4 38.Rd4 Qb5 39.Qa3+ 10

 

最終順位は以下の通り。新鋭の馬屋原くんが2位に入賞。今後、日本チェス界の新たなスレットになってくると思います。

 

優勝 7.5P 馬場 雅裕

26.5P 馬屋原

3 6P 坂井 延寿

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全日本選手権2012 -不戦-

大会3日目。上位陣の動向をチェックしてみると...

 

Misaka,Susumu (2091)

Noguchi,Koji (2147)

Japan Chess Championship 2012(5)

 

01F

 

全日本選手権でこのような棋譜が残ってしまうのは残念です。

 

野口さんはこの次のゲームも勝ち、5P/6Rで南條くんと同率首位です。今日は特に心に響くゲームがなかったので、ゲームの紹介は割愛。

 

明日は1Bで野口-南條、2Bで小島-渡辺という好カード。ゴールデンオープンに参加しながらゲームの進行を追いかけようと思います。


全日本選手権2012 -Some Upsets-

2日目の今日は、昨日に引き続きいくつかのボードでupsetがありました。


 

     Tanaka,T (1819) - Nakamura,N (2059)

                  Japan Chess Championship 2012(3)

 

48...Rxd5+?? [カン違いか読み間違いか分かりませんが、ルーク交換後のポーンエンディングは初歩的な白勝ちのエンディングです。ルークを残せば容易くドローを取れることを考えれば、下手に取り返しのつかないエンディングに持っていかないべきです。] 49.Kxd5 Kf5 50.Kd4 Kf4 51.Kd3 g5 52.Kd4 Kf5 53.Ke3 g4 54.Kd4 Kf4 55.g3+ Kf3 56.Ke5 Kg2 57.Kf4 Kxh2 58.Kxg4 Kg2 59.Kf4 10 [途中の流れはどうあれ、3月の百傑戦で南條くん相手に白星をあげた田中寿樹くんにとっても、価値ある1勝だったと思います。]

 

もっともショッキングだったのは、R.4でディフェンディング・チャンピオンの龍二さんがアウトプレーされたことです。

 

Furuya,Masahiro (1933)

Nakamura,Ryuji (2125)

Japan Chess Championship 2012(4)

 

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Bb5 a6 4.Ba4 Nf6 5.d4 exd4 6.00 b5 7.Bb3 Be7 8.Re1 d6 9.Bd5 Nxd5 10.exd5 Ne5 11.Nxd4 00 12.Bf4 Bf6 13.Bxe5 dxe5 14.Nc6 Qd7 15.Nc3 Bb7 16.Qf3 Bxc6 17.dxc6 Qe6 18.Rad1 Rfd8 19.Nd5 Rac8 20.Qe4 [白がしっかり黒のポジションを抑え込みました。c6のポーンは弱点ではなく、白の重要な武器であることは、今後の展開で分かります。]




20...Kh8 21.Nxf6 gxf6 22.f4 Qxa2?! 23.Rd7! Rxd7? 24.cxd7 Rd8 25.fxe5 Qe6 26.exf6 Qb6+?
[26...Qxd7]




27.Re3!!
[自らピンになりにいく手は見つけづらいものです。古谷くんは反射的にKh1 or Kf1を指すところで踏みとどまり、正確にこのあとのキングハントを読み切りましたね。] 27...Qxf6 28.Qe8+ Kg7 29.Rg3+ [27.Re3!! のポイントです。ルークを3段目に上げたことで、このチェックが生まれました。以下、メイト一直線です。] 29...Kh6 30.Qe3+ Kh5 31.Rh3+ Kg4 32.Qe4+ Kg5 33.Qh4+ Kg6 34.Rg3+ 10

 

4R終了して全勝者はいなくなりました。ここからさらに混戦が予想されます。明日は1番ボードで小島-南條の大一番。過去の2人の全日本での対戦は、ほぼbloodlessなドローというイメージが強いです。が、8戦目にしてようやく小島くんが白を引いたということで、明日はお互い、uncompromisingなプレーを見せてくれることでしょう。


全日本選手権2012 -Turn Over-

初日の今日は観戦に行きました。R.1では塩見さんとAlexが黒星スタート、R.2では南條くんがドローとupsetが相次いで起こりました。これは、R.1の組み合わせが意味のない加速式であったことも絡んでいますが、全日本では簡単なゲームはそうないということを象徴していると思います。南條くんは初戦、敗北の危機がありました。

 

Misaka,Susumu (2081)

Nanjo,Ryosuke (2280)

Japan Chess Championship 2012(1)

 

1.c4 e5 2.g3 Nc6 3.Bg2 f5 4.Nc3 Nf6 5.e3 f4 [Dubiousに見えますが、どうなのでしょう?] 6.d4 fxe3 7.fxe3 exd4 8.exd4 Bb4 9.Nge2 Bxc3+ 10.Nxc3 Qe7+ 11.Ne2 Qb4+ 12.Bd2 Qxc4 13.00 Nxd4 14.Nxd4 Qxd4+ 15.Kh1 00 16.Qb3+ Kh8 17.Bc3 Qb6 18.Qa4 d6? [白に決定的好機を作らせてしまう悪手です。ここが第1のターニングポイントです。]




19.Rxf6!! gxf6 20.Qh4 Qc5 21.Rf1 Bf5 22.Bxf6+ Kg8




23.b4
[本譜でも白のアドヴァンテージは続きますが、ここは決定的な決め手がありました。23.Qg5+! Bg6 24.Bd5+ Rf7 25.Bxf7+ Kxf7 26.Bd4+でクイーンを素抜いて白勝ち。] 23...Qc2 24.Bd5+ Rf7 25.Bxf7+ Kxf7 26.Bd4 Rf8 27.Qf6+? [このチェックのあと、黒勝ちとなります。ここが第2のターニングポイントです。] 27...Ke8 28.Re1+ Be4+ 01

 

南條くんは、明日からは、国内モードから海外モードに切り替えて試合に臨んでくれると思います。

 


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